HP Sprinterによる手動テストの高速化 - より充実したテスト

データシート
HP Sprinter による手動テストの高速化 -
より充実したテストをより短時間で実施し、
不具合を迅速に解決
今後もなくなることはない手動テスト
ソフトウェアの誕生以来、アプリケーションの品質をテストす
ることは必須な作業と考えられてきました。機能テストを自動
化する高度な手法はますます進化しつつありますが、依然とし
て最も使用されている方法が手動テストです。自動テストの対
応範囲を拡げることが目標になっているとしても、自動化が不
可能なテストや自動化が許されないテストが存在するのが現状
です。自動化に関しては技術革新が盛んであるのに対し、手動
テストに関しては、残念なことにこれまで改善がほとんど行わ
れていませんでした。テスト担当者は、テストスクリプト、テス
トデータ、不具合追跡アプリケーション、そしてテスト対象の
アプリケーションの間で右往左往させられており、作業対象を
切り替えるたびに時間が消費されます。このような煩雑さは、
不正確なデータを入力したり、テストステップに抜けが生じた
りするなど、ミスの温床になっています。しかも、こういった
不合理なアプローチは、いまだにテストにおける通常のボトル
ネックとして許容されています。
図1
HP Sprinter のフローティングサイドバーは、必要に応じて
拡げたり最小化したりできます。これによって、テスト中の
アプリケーションを表示する画面サイズを最大化できます。
HP Sprinter は、 HP Application Lifecycle
Management お よ び HP Quality Center ソ
リューションで使用できます。
HP Sprinter による手動テストライフサ
イクルをマスターする
HP Sprinter は、手動テスト作業を効率化し、開発チームが不
具合を迅速に解決できるように、インテリジェントな不具合情
報をキャプチャすることを狙いとしています。HP Application
Lifecycle Management および HP Quality Center に完 全に統
合されたツールとして使用できる HP Sprinter は、使いやすい
画面ツールバー、注釈付きスクリーンショット、ビデオおよび
テキストによるテストステップキャプチャ、インテリジェントな
不具合の文書化、自動データ入力、スペルミスやリンク切れな
どの一般的なエラーを検出する組み込みスキャナー、複数のプ
ラットフォーム上で単一のテストを同時に実行できるミラー環
境のサポートなどの機能を備えており、テスト担当者の生産性
と正確性を向上します。HP Sprinter は、アジャイルやその他
の反復開発アプローチなどにより、テストライフサイクルの早
期段階からテストを実施するチームにとって、
特に理想的なツー
ルとなります。
手動テストサイクルの基本要素には、テストオーサリング、テ
スト 実 行、 お よ び 不 具 合 の 文 書 化 の 3 つ が あ りま す。HP
Sprinter には、手動テストライフサイクルのすべてのフェーズを
高速化する機能が用意されています。
HP Sprinter によるテストオーサリング
HP Sprinter によるテストオーサリングには 2 通りの方法があり
ます。リッチテキスト編集と複数のテストの並行編集をサポー
トするスプレッドシートのような環境で、完全に新規の状態か
らテストを作成することができます。テスト作成時のオプショ
ンとして、テスト実行時のデータ値を制御するパラメーターを
使用するオプションがあります。注釈付きスクリーンショットを
添付して明確化を図ることもできます。テストの作成者と異な
る担当者が後でテストを実行する場合は、テストの明確な説明
が特に重要となります。テストは、手動テストとして保存でき
るほか、HP Business Process Testing との統合機能を利用し
ている場合はビジネスコンポーネントとして保存することもで
きます。
テストオーサリングのためのもう 1 つの方法として、テスト対
象のアプリケーションに対して手動テストを実施しながら、そ
のステップを HP Sprinter に記録させることもできます。この
方法により、時間を大幅に節減できることがあります。記録し
たステップはテスト ( またはビジネスコンポーネント ) として保
存され、テストステップを文書化するための標準化されたアプ
ローチが HP Sprinter によって作成されます。
HP Sprinter によるテスト実行
図2
HP Sprinter のスマート不具合機能を使用して、明確で詳細な不具合メモを作成。
ここからが HP Sprinter の威力の見せ所です。HP Sprinter の
設計には、手動テストの実行を高速化するためのいくつかの革
新的な方法が組み込まれています。
• まず、HP Sprinter では、テスト対象のアプリケーションとの
インタラクションを妨げることなくテストステップを実行で
き、その他の機能を利用できます。これは、テスト担当者が 1 ヶ
所に注意を集中してテストを制御でき、時間を最大限有効に
活用してテストに取り組めることを意味します。
• テストを繰り返すたびに一意なデータを手動で入力するかわ
りに、HP Sprinter のデータインジェクション機能を使用でき
ます。事前に設定したデータテーブルをインポートしておけ
ば、入力の必要なフィールドに達したときに目的のデータ行
を選択するだけで、そのデータが自動的に入力されます。
• ミラーテストを使用すると、「マスター」コンピューターでテ
ストを 1 回実行するだけで、構成の異なる複数のマシンに対
して同じテストが自動的に実行されます。多数のブラウザー
と OS バージョンの組み合わせを評価する必要がある場合は、
この機能を活用することでテストサイクルを大幅に短縮でき
ます。
• HP Sprinter には、すぐに使用できる不具合スキャナーがい
くつか付属しています。いずれかのスキャナーを実行すると、
スペル、リンク切れ、ローカリゼーションルール、および W3
コンプライアンスに基づいて、潜在的な不具合に自動的にフ
ラグが付与されます。お客様独自のカスタムスキャナーも作
成でき、これによりお客様が定義したルールに基づいて不具
合を検出することが可能になります。問題が検出された場合
は、不具合の詳しい説明を表示することができ、問題の正確
な性質と場所を確認できます。
2
HP Sprinter による不具合の文書化
HP Sprinter には、問題が検出されたテストステップからスマー
ト不具合を作成する機能が用意されています。この不具合の説
明にはデフォルトでテストステップが含まれており、実行され
たユーザーアクション ( および入力されたデータ ) や、実際のテ
スト実行の注釈付きスクリーンショットおよびムービーを含める
こともできます。
開発者が問題を理解できないか、テスト担当者の指示に従っ
て問題を再現することができない場合でも、不具合の再現方
法に関する明確で詳細なメモを使用できるため、従来のよう
に「堂々巡り」に無駄な時間を費やすことがなくなります。不
具合は、自動的に HP Sprinter から HP ALM または HP Quality
Center に直接記録されます。HP Sprinter をスタンドアロンで
使用している場合は、他の不具合追跡システムがサポートされ
ます。
HP Sprinter による探索型アジャイルテ
HP ソフトウェアの機能テストソリュー
探索型テストは、エキスパートユーザーがアプリケーションに
関して持つ知識と直観を活用するテスト手法であり、これらの
エキスパートユーザーは知識と直観、そして UI の高リスク / 多
用領域の理解に基づいてアプリケーションに不具合がないかど
うかを探索します。これらのエキスパートユーザーは「サピエン
ト テスト担当者 (sapient tester)」とも呼ばれます。サピエント
テスト担当者とは、言い換えると、事前に作成されたテストス
テップに頼らずに、独自のテストを実施するテスト担当者です。
サピエント テスト担当者は、テストケースのリストに基づいて
作業しますが、各自が適切と判断する方法でアプリケーション
を自由にテストすることができます。アプリケーションがまだ
進化中の場合のアジャイルおよびその他の反復開発アプローチ
では、このテスト手法が特に効果的となります。
HP では、共 通のユーザーエクスペリエンスに基づきながら、
スト
探索型テストにも課題があります。不具合を発見したときに、
そこに至るまでの全過程を思い出せるでしょうか。不具合を再
現するには、それまでに実行したすべてのステップと、入力し
たすべてのデータの記録が必要です。探索型テストにおいても、
HP Sprinter が威力を発揮します。HP Sprinter の自動オーサリ
ング機能を使用すれば、関連性を持つ情報がすべて自動的に
キャプチャされるため、不具合メモをごく簡単に作成できます。
さらに、このテストを修正の検証などの目的で後から再実行す
る予定なら、それらのステップを新しい手動テストとして保存
することができます。
フレームワーク内における手動テスト
自動テストにはしばしばフレームワークが関連付けられますが、
HP Sprinter の 手 動 テストを HP Business Process Testing と
統合すれば、フレームワークのメリットを活用できます。この
ようなメリットには、テストコンポーネントの再利用、テスト
作成の高速化、テストの保守の削減、ビジネスプロセス全体
を表すテストケースの確立が含まれます。そのいずれもが、非
技術系のテスト担当者やビジネスアナリストでも容易に習得で
きる自然言語とキーワードによるアプローチで実現されるので
す。テストコンポーネント ( ビジネスコンポーネント ) の再利用
は、コンポーネントの変更時にそのコンポーネントを利用して
いるすべてのテストが自動的に更新されることを意味します。
これにより、テストの正確性と最新性を容易に維持できるため、
組織内の誰がテストを実施する場合もすぐにテスト担当者とし
ての 生 産 性を確 保できます。さらに、HP Unified Functional
Testing の自動テストとも統合されているフレームワークの場
合なら、ビジネスアナリストと自動化エンジニア間の意思疎通
も円滑化されます。ビジネスプロセステストを手動で実行でき
るほか、テスト担当者がボタンを 1 つクリックするだけでテス
トにフラグを付け、自動テストへの変換対象にすることができ
ます。テストの変換後は、既存の自動化フレームワークへの適
応が容易な自動テストケースが完全に文書化された形で自動化
エンジニアに渡されます。つまり、アプリケーションの専門知
識をビジネスアナリストからテスト自動化を担当するエンジニ
アに確実に移転することができます。
ションについて
実際のニーズに応じて拡張される機能テストのための完全なス
イートを提供しています。テストの成熟を促進しながら業界で
使用されている多種多様なテクノロジーに対応できるように設
計された HP 機能テストスイートは、アジャイルデリバリによる
高品質の実現に向け、より充実したテストをより短時間で実施
することを可能にします。最初に効率的に手動テストを実施し
た後、手動テストセットをシームレスに自動テストに変換するこ
とができます。統一されたユーザーエクスペリエンスを活用し
て、GUI および API のテストから完全なエンドツーエンドのテス
トに移行し、テストの各ステップで再利用可能なコンポーネン
トのフレームワークを構築して保守を容易にし、テスト工程の
ROI を促進することができます。統一されたテスト環境の簡素
性によりニーズに応じた柔軟なテストを可能にするソリューショ
ンは、HP 機 能 テストスイートより他にありません。hp.com/
go/functionaltesting ( 英語 )
HP IT Performance Suite
長年にわたり世界中の企業のお客様に製品とサービスを提供
してきた HP の経験を活かして構築された HP IT Performance
Suite は、IT リーダーが IT をビジネスとして運営することを可
能にするソフトウェアとベストプラクティスを結集した、包括的
で、相互に連携した、柔軟性に優れたポートフォリオです。こ
のスイートは、常に優れた結果を生み出すための確実性と分析
力をお客様にもたらす完全な IT パフォーマンスシステムです。
テストソリューションへのお客様の投資
の価値を高める HP サービス
ソフトウェアへの投資を最大化するためには、HP が提供する
各種サービスを活用することをお勧めします。HP は、ソフト
ウェアのアプリケーションライフサイクルのあらゆる場面にお
けるニーズに対応できる高品質なサービスを提供しています。
HP が提供する標準ベースのモジュール式マルチプラットフォー
ムソフトウェアを世界規模でのサービスとサポートによる支援
のもとご利用いただくことができます。オンラインでのセルフ
式サポートやプロアクティブなミッションクリティカルサービ
スなど、多様なサービスの中から、お客様のビジネスニーズに
最適のサービスをお選びいただけます。HP ソフトウェアサー
ビスの概要については、HP の Web サイト www.hp.com/go/
softwareservices(英語)をご覧ください。
詳細情報
手 動 テスト 作 業 の 効 率 化 の 詳 細 に つ い て は、hp.com/go/
sprinter ( 英語 ) を参照してください。
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http://hp.com/go/getconnectedjp
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4AA3-0653JPN、2010 年 8 月作成、2012 年 11 月更新、Rev.3