2015 市職員のための感染対策∼標準予防策 医療機関以外の集団感染がクローズアップ 集団生活における感染予防 ∼これだけはやってほしい対策∼ ●市中の流行に対する効果的な対策が必要 ・インフルエンザ ・ノロウイルス胃腸炎 北九州市立八幡病院 副院長 伊藤重彦 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital ●市民教育の必要性 ・職員研修等の実施 ・マスコミ等の啓発 コミュニティーにおける感染対策の取組が必要 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 人の集まる場所が感染対策が必要な場所 感染対策の守備範囲は確実に広がっている ・病院(急性期) each facility ・病院(療養型) 施設の対策 ・診療所 ・介護福祉施設 ・在宅ケア region-wide ・幼稚園・保育園・学校 地域の対策 ・集会所・イベント会場 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 病院・診療所、介護関連施設、家庭・在宅ケア、 など、人が集まる施設・場所において、北九州市 職員の指導・実践に必要な、感染予防対策のコツ 特別な感染対策ではなく、どこでも必要な対策 人が集まる場所で、これだけはやってほしい対策 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 人の感染症の原因微生物 コンテンツ ●感染対策の基本を正しく理解する ・感染症の基礎 ・手指衛生と個人防御具(PPE) ・施設環境の整備(清掃と消毒) ・高齢者施設と学校等施設での対策 真菌 細菌 感染症 ウイルス 寄生虫 その他 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO 1 2015 市職員のための感染対策∼標準予防策 ○感染症の成立 ●感染成立の3つの要因 ・病原力と宿主の体力のバランスで決まる ・(微生物の病原力)>(宿主の抵抗力) △ △ ・ 感染経路(体表面付着、体内への侵入) ・ 宿主(免疫低下、易感染状態の者) 抵抗力の低下 通常の抵抗力 強い病原力 一般の感染症 (市井感染症など) © SHIGEHIKO ITO 弱い病原力 日和見感染症 (院内感染など) Kitakyushu City Yahata Hospital ●感染症 感染源 の排除 環境清掃・消毒 除菌・菌量減少 宿主の 抵抗力 感染経路 の遮断 菌量・ウイルス量 の多い場面でPPE © SHIGEHIKO ITO ワクチン接種 Kitakyushu City Yahata Hospital ●感染予防と発病予防 環境や食品、血液や体液などを介して、目にみえない 微生物が、ヒトや動物の体内で増殖することで疾病を 起こした場合を言う 感染 微生物が体内に侵入し、定着した状態 発症 感染したのち、咳、発熱、嘔吐、下痢など の症候が出現した状態(結核の発病) 不顕性感染 感染しているが、発症しない状態 (キャリアー) (B型肝炎ウイルス、エイズウイルス) 潜伏感染 ・ 感染源(原因微生物:病原微生物) 感染しているが、免疫力・抵抗力が低下した ときに発症する状態(ヘルペスウイルス) © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 私たちの相手は、目に みえ�ない微生物! 病原微生物を、体内に侵入・定着させない (感染させない→感染経路を絶つ) ・標準予防策・接触・飛沫・空気感染対策 ・針刺し防止対策 ●感染予防と発病予防 侵入・定着した病原微生物を増殖させない (発病させない→体力・免疫力増強、治療薬) ・ワクチン接種 ・抗ウイルス薬、グロブリン製剤 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 見えない微生物(ミクロンの世界)が相手 施設のなか、病院のなか ・手洗い・手袋・マスクが重要なことは知って いるが、見えない微生物に対して、どこまで、 どのタイミングで必要かイメージできない。 ・職員の手が触れる場所 → その結果、感染対策の不備が生じる ・微生物が多い便や尿 → その結果、施設内で感染症が流行する ・感染者の回りの環境 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO 2 2015 市職員のための感染対策∼標準予防策 感染様式・感染経路 感染対策の基本 ・ヒト(感染者・保菌者)からの感染 2F 1F 空気感染 飛沫感染 ※接触感染・飛沫感染・空気感染 接触感染 ・汚染器具を介する感染 標準予防策 Standard Precaution 手洗い 手袋 咳エチ ガウン ケット © SHIGEHIKO ITO ※針刺し事故による血液媒介感染 ・食品を介する感染 環境 整備 ・動物・昆虫を介する感染 Kitakyushu City Yahata Hospital 病源微生物と必要な経路別感染対策 空気感染(飛沫核感染) 飛沫感染 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital ●接触感染対策 接触感染 ・接触する可能性、明らかな汚染 → 手洗い・手袋・ガウン +隔離 飛沫核粒子が広い 範囲に浮遊 飛沫粒子が1m∼ 2mの範囲に飛散 ●飛沫感染対策 ヒトの手、環境表面 の付着菌による伝搬 結核・麻疹・水痘(飛沫核)/ マイコプラズマ・風疹(飛沫) 新型インフルエンザ・SARS(close contact) 気道 → マスク+ 手洗い・手袋・ガウン 腸管 ●空気感染対策(エアゾル対策) 鳥インフルエンザ(close contact) ノロウィルス MRSA・MDROs 疥癬 © SHIGEHIKO ITO 体表 Kitakyushu City Yahata Hospital 手指に存在する微生物 皮膚常在菌 皮膚通過菌 (常在フローラ) (一過性フローラ) 皮脂腺・毛嚢内に存在 皮膚表面、爪周囲に存在 衛生的手洗い→ 衛生的手洗い→ おもな菌種 表皮ブドウ球菌など 大腸菌、耐性菌など 感染性 通常病原性はない 院内感染原因菌 部位 除去方法 除去困難 © SHIGEHIKO ITO 標準予防策 ・濃厚接触 99%除去可能 Kitakyushu City Yahata Hospital → N95マスク 陰圧隔離 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital ● 除菌とは・・ ブドウ球菌または大腸菌の生菌数を1/100以下 (除菌活性値2以上)に減少させること ● 衛生的手洗いとは・・ 手の表面の菌量を99%(1/100)減少させる ※ 汚れと皮膚通過菌は除去できているはず・・ ● 消毒とは・・ 菌量が1/100から1/1000程度にまで減少 © SHIGEHIKO ITO 10-‐3 Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO 3 2015 市職員のための感染対策∼標準予防策 2つの衛生的手洗いの使い分け 石鹸と流水による手洗いのコツ ●アルコール手指消毒 ・手の汚れを、丁寧に落とす ・急ぐときには、確実な手洗い ・ゆっくり時間を掛ける(30秒程度) 泡の中 ・石鹸手洗いより、効果は確実 ・洗い残しがないよう、丁寧に洗う ●流水と石鹸による手洗い ・時間があるときの手洗い ・汚れが付いているときの手洗い © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital ・十分な流水で、石鹸を洗い流す ・タオルで拭いて十分乾燥させる ・ペーパータオルを使用する © SHIGEHIKO ITO アルコール手指消毒のコツ Kitakyushu City Yahata Hospital 消毒薬に抵抗する微生物ランキング 指・爪の先 順位 消毒内容 消毒が困難 化学消毒・熱消毒 1 指と指の間 手背 手首 おもな微生物 プリオン 芽胞菌 2 高水準消毒 結核菌 3 次亜塩素酸ナトリウム 肝炎ウイルス 4 アルコール抵抗性 アデノウイルス ロタウイルス ノロウイルス ・洗い残しのない、手洗い 一般細菌 5 どんな消毒薬も効く インフルエンザ ・十分量のアルコールによる、手洗い © SHIGEHIKO ITO 指間 Kitakyushu City Yahata Hospital アルコール抵抗性の微生物対策 ・エンベロープのないノロウイルス、アデノウイルス ・芽胞形成性セレウス菌、C.difficile(発芽阻害作用) (ダブルの手洗い) © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 石鹸手洗いより、アルコール手指消毒 のほうが手荒れは少ない ・手荒れは、皮膚表面のMRSA保菌の温床 ・スキンケアに心がける 液体石鹸手洗い+アルコール追加消毒 ●スキンクリーム ・石鹸手洗いで、菌量1/100に減少(除菌) ・個人使用 ・アルコール消毒の追加で、菌量1/10に減少 ・共用しない ・1/100∼1/1000に菌量減少(消毒水準) © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO 4 2015 市職員のための感染対策∼標準予防策 感染対策の基本→ 手袋着用の目的 ● 適切な場面でのPPE着用 (手袋、ガウン、マスク) ●スタッフのための感染防御 → 正しく理解する 感染性の吐物や排泄物に触れない → 確実に実践する ●患者さんのための感染防御 直接、血液に触れない 職員の手指を介して、耐性菌等を 患者へ付着(定着)させない © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 手袋を外したあとは、必ず手を洗う © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital ガウン、それとも エプロン? ●エプロン ・目に見えない程度の汚染 ・ユニフォームの汚染防止 ●ガウン いくら上手に手袋を外しても(手袋の穴 を介して)手指表面は必ず汚れている © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital ・露出皮膚が広く汚染する危険 ・エプロンではユニフォームの 汚染を防げない © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 施設・職場で使用するエプロンは汚染している ・病院で使用するエプロンはディスポーザブルが原則 ・施設等で、吐物・排泄物処理に着たエプロンは、廃棄 するか、十分高水準の消毒剤で消毒する ・食事介助のエプロンは、頻繁に洗濯し清潔を保つ 手袋・エプロンを取りだす前の手洗い みんなが共用する物は絶対に汚さない ・共用するPPE収納ケースの汚染防止 ・汚染操作前の手洗い → 手袋・エプロンを取り出す © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO 5 2015 市職員のための感染対策∼標準予防策 飛沫感染対策 空気感染対策 surgical mask or N95 mask ・インフルエンザウイルスは、粘膜に接着 すると30分以内に体内へ侵入する ・体内に入った1個のウイルスは、24時間で 100万個に増殖し、体外へ排出される ・体外に排出されたウイルスは、室温でも 24∼48時間程度は生存している ・1回のせきで約4∼5万個の飛沫 ・1回のくしゃみで約10万個の飛沫 ・1個の飛沫でも感染が成立 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 飛沫曝露の回避(適切なPPE着用) 濃厚接触の回避(3f∼6fの距離) © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 咳エチケット サージカルマスクの効果 ● 感染者のマスク着用 ● 市中の人混み ・口から出る飛沫(5µm以上)を99%濾過 ・咳が出ている人がマスクをする ・ 周囲への飛沫曝露を確実に抑える → マスク着用は個人の責任(自覚) ● スタッフのマスク着用 ● 病院のなか ・濃厚接触時の飛沫吸着をある程度軽減 ・咳が出ている人がマスクをする ・周囲を漂う飛沫やエアゾルを、高率に ブロックすることは不可能(無理) ・患者待合室から、少し離れて待機 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 介護福祉施設等における感染対策 ・高齢者など入所者が、耐性菌のリザーバー となっている可能性がある ・細菌培養検査を行わないため、耐性菌分離 の有無や保菌者の存在が不明 ・標準予防策に必要な予算が掛けられない ・適切な感染対策を実施できる職員が不在 ・発病予防はワクチン接種に掛かっている © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital → マスク着用を積極的に指導する © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 福祉施設や在宅ケアで注意すべき感染症 耐性菌 MRSA VRE MDRP リスク低い ・保菌者から伝搬 ・介護・看護職員による 持ち込み ・薬剤、免疫低下による 内因性感染 © SHIGEHIKO ITO インフルエンザ ノロウイルス 結核 疥癬 高い ・嘔吐下痢→脱水症 ・嚥下障害→誤嚥性肺炎 ・褥瘡→皮膚軟部組織感染 ・排尿障害→尿路感染 ・免疫低下→結核、疥癬 Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO 6 2015 市職員のための感染対策∼標準予防策 ☞ 保菌者の入院(入所)を断る施設がある ・保菌から感染症への移行が心配 ・他の患者(入所者)への伝搬が心配 介護施設に対する手洗いキャンペーン 介護施設の感染対策の問題点 ・手洗い実施状況が不明 ・施設職員、その家族の保菌が心配 ・耐性菌分離状況が不明 ・隔離対策を理解している職員がいない ・潜在的耐性菌リザーバー ・隔離対策に必要なPPEの予算がない すでに施設内に複数の耐性菌が、棲み着いて いる、あるいは保菌者がいる可能性が高い © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 学校で行う(行える)標準予防策 ◎正しい手指衛生(衛生的手洗い) ◎正しいPPE着脱 (PPE:手袋・エプロン・マスク) ◎環境清掃と消毒 ◎ 症候群サーベイランス ※どの施設でも実施できる、石鹸と 流水手洗いを、確実に指導する © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 38 新生児や小児病棟患者、あるいは子どもが 集まる幼稚園、学校などでの感染対策 ・小児間の濃厚接触で容易に感染拡大 インフルエンザ、ノロウイルス ・学校内 家庭内 ・ワクチン接種効果の ある、なしが影響 ・指導教官よりの注意喚起 ◎ ワクチン接種 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 感染症に罹ってのち、登校できる時期はいつ © SHIGEHIKO ITO 知っておいてほしい清掃と消毒のポイント インフルエンザ ・発症から5日を経過し、かつ解熱したあと2日 (幼児は3日)を経過するまでは、出席停止 ※幼稚園・保育所は解熱後3日間(2012.4) ノロウイルス 学校保健安全法の施行細則(省令) ・不顕性感染がある ・排菌期間が長い(1週間程度∼以上) Kitakyushu City Yahata Hospital 清掃は感染対策の第一歩 ・見た目きれいにする ・目に見える埃を取り除く ・微生物汚染(感染源)を最小限 にする近道 →登校(復帰)後の、手指衛生管理 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO 7 2015 市職員のための感染対策∼標準予防策 病院なかの消毒(環境消毒) ● 頻回に接触しない部位 の目に見えない汚染 → 清掃する ● 頻回に接触する部位 の目に見えない汚染 → 消毒する 職員室が汚染する可能性を考える ・汚染物を職員室に持ち込んでいないか ・吐物処理したあと、手を洗わずに職員室に 入室していないか 汚染しやすい物品例 ・細菌は長生き 1ヶ月∼ ・ウイルスは短命 ∼数日 ・机・ボールペン ・パソコン・キーボード ※ 目に見える血液や体液の汚染 → 消毒(広範囲に消毒しない) © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 病院勤務の清掃職員の教育 ・病院委託職員の多くは、医師、看護師などと 同じ感染リスクのなかにいる。 ・企業主催の研修のみでは不十分で、清掃担当 者の実施手順を確認し、院内研修を行う。 ・一般施設の清掃・消毒も同様である ・とくに、嘔吐下痢症に対する吐物処理方法は、 職員すべてが手順を習得し,次亜塩素酸による 正しい消毒方法を身につける © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 熱消毒(煮沸消毒・蒸気消毒)は以外と有効である ・詰め替え用ペーパータオル ・ドアノブ・スイッチ類 © SHIGEHIKO ITO 浸漬消毒効果に影響する3つの要素 (1) 濃度を保つ ・有機物の存在で、効果が急速に減少 (2) 温度を保つ ・温水で効果増強、冷水で、効果減弱 (3) 接触時間を保つ ・タイマーによる浸漬時間の管理 © SHIGEHIKO ITO リネン ●煮沸消毒 時間 温度 日本 80℃ 10分 80℃ 米国 71℃ 25分 65℃ 10分 71℃ 3分 71℃ 3分 80℃ 1分 英国 ・100℃・10分程度が目安 ・90℃・1分で、O157など大腸菌は死滅 ・在宅医療では有用 © SHIGEHIKO ITO 器具類 温度 ●食器洗浄機 →多くの微生物は死滅する(PL法で保証なし) Kitakyushu City Yahata Hospital リネンの熱水消毒基準 芽胞菌を除く、細菌、結核、真菌、ウイルスに 対して消毒効果がある ・洗浄60∼65℃、仕上げすすぎ80℃以上 Kitakyushu City Yahata Hospital 時間 10分 基準なし ※70℃以上の熱水消毒で、微生物の多くは死滅 ※最低温度と消毒時間により消毒効果は異なる Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO 8 2015 市職員のための感染対策∼標準予防策 化学消毒には、得手不得手がある 消毒の善し悪しは、洗浄の善し悪しで決まる ●得手な相手は一般細菌 ・一般の細菌は、大抵の消毒薬は効く ●熱消毒前の洗浄が不十分 ※ただし、結核菌、芽胞菌は苦手 → 器材表面で汚染物が変性・凝固 ・洗濯・日干で、多くの一般細菌は死滅する (毎日の洗濯は効果的) → 微生物まで消毒薬が届かない ●不得手な相手はウイルスの一部 ・ウイルスの一部はアルコール抵抗性 ・肝炎ウイルスは濃度を上げる必要がある © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital 消毒効果の持続は、乾燥と保管で決まる ・消毒薬を十分洗い流す ※水道水でかまわない → 消毒薬の効果が減弱 ※有機物の存在とは、生体の筋肉、脂肪 や体液などがある状態 © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital どんなに効果的な対策も、途中で息切れ しては意味がない 長続きしてこそ意味がある ひとりでも不完全な感染対策を行えば、 感染は施設内で容易に広がる ・清潔区域で乾燥させる ・埃のつかない環境で保管する 蓋のある入れもので保管 ベストよりもベターを目指す 100人中100人の手洗いが完璧なら 扉のある場所で保管 施設の感染対策は90%成功している 手洗いにはじまり、手洗いにおわる 足下や低い場所におかない © SHIGEHIKO ITO ●化学消毒まえの汚染(有機物)の存在 Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO Kitakyushu City Yahata Hospital © SHIGEHIKO ITO 9
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