ハイパースペクトルカメラ 「PIKA」の紹介

ケイエルブイ株式会社
ハイパースペクトルカメラ
「PIKA」の紹介
ケイエルブイ株式会社/山岡正英
PIKAシリーズは、可視から近赤外光の測定波長域をカバーしているラインスキャン式のイメージ
ング分光器である。従来の「大きい」
「重い」
「高価」というイメージを覆した革新的な製品であり、
主な用途は異物検査やカラーマネジメントによるランク付けなどにも使用できる小型高性能な
ハイパースペクトルカメラである。
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はじめに
ハイパースペクトルイメージングはカメラと同
じように 2 次元の位置情報をもった画像に加えて
波長の情報を取得することが可能で、人間の目に
は見えない微妙な色の違いやサンプルの成分の違
いを捉えることができる。
(a)
従来まではRGBカメラやマルチスペクトルカメ
ラが色情報と画像情報を取得、管理していたが、
(b)
図 1 チョコの選別画像 P.12 参照
RGB カメラは 3 バンド、マルチスペクトルカメラ
では約 5 、6 バンドのみ色情報を取得するため微妙
このことからわかるように、「生産管理」「品質
な色の違いを識別する事は困難であった。それと
管理」「農業」「リモートセンシング」等の分野に
比べハイパースペクトルカメラでは 100〜200 バン
おいて多岐に渡り今注目されているデバイスの 1 つ
ド以上とより多くの波長情報を取得できるため、
である。
従来の手法では困難であった微妙な色の違いやサ
以下の章では弊社ハイパースペクトルカメラ
ンプルの成分の違いを捉えることが可能となる。
「PIKA」
(パイカ)シリーズの仕様とそのアプリケー
例として図 1(a)をご覧いただきたい。これは
ションおよび分野について説明する。
赤色、黄色のチョコを並べた画像である。一見同
じように見えるが、実際は 2 社のメーカのチョコ
が赤色、黄色それぞれに混入されている。この
2
RESONON(レゾノン)社
チョコをハイパースペクトルカメラで撮影すると
Resonon社は 2002 年よりアメリカのモンタナ州
図 1(b)のように色情報からメーカの違いを見分
にて設立されたハイパースペクトル専門のメーカ
けることができる。
である。ラインスキャンタイプのハイパースペクト
eizojoho industrial
August 2015︱65