熱機械分析を活用した樹脂成形品の 劣化メカニズム解析

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熱機械分析を活用した樹脂成形品の
劣化メカニズム解析
TMA(Thermomechanical Analysis, 熱機械分析)により、樹脂成形品の残留応力を評価する事ができます。
樹脂成形品の残留応力と劣化への影響
● 樹脂は、溶融された後に冷却固化され成形されますが、その際の冷却速度が、部位により異なるために発生する残留応力
に差異を生じます。そのために外部からの荷重負荷や溶剤、薬品などの付着により残留応力が開放されると成形品にクラッ
クが発生することがあります。
● TMAにより、残留応力の相対指標となる熱膨張率を、比較的小さな面積で測定、比較する事ができます。このため、樹脂成
形品の部位間の残留応力を比較し劣化のメカニズム解析に活用する事ができます。
TMA装置の概要
● 原理
TMAは、静的な一定荷重のもとで試料を加熱
または冷却する際に起こる試料の膨張、収縮、
または針入などの寸法変化を検出する方法です。
試料の変化を 捉えることにより、樹脂のガラス
転移温度、結晶転移温度などの測定も可能です。
試料管
● スペック
• 温度範囲 : -150 ~ 600 ºC
• TMA 範囲 : ± 5 mm
• TMA 感度 : 0.02 μm
• 荷重範囲 : ± 5.8 N
• プログラム速度 : 0.01 ~ 100 ºC/min
• 最大試料形状 : 10ϕ × 25 mm
• 測定雰囲気 : 窒素大気(その他雰囲気は要相談)
プローブ
試料
写真1 セイコーインスツルメンツ製
熱機械的装置TMA/SS-6000の外観
写真2 針入モードの測定状況
TMAによる測定事例
熱量
発熱
①ガラス転移点
②再結晶化
③融解 吸熱
測定サンプル:飲料用PETボトルの口部分
(右図はDSC測定結果)
50
100
1.4
250
300
膨張
1.2
1.2
ガラス転移点
膨張率 (%)
膨張率 (%)
150
200
温度 (℃)
1.0
0.8
0.6
熱膨張率が変化
0.4
50
55
60
65
温度 (℃)
0.4
再結晶化領域
-0.4
-1.2
結晶化による膨張
-2.0
70
①ガラス転移点周辺のTMA挙動
75
80
110
120
130
温度 (℃)
収縮
140
150
②再結晶化温度周辺のTMA挙動
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