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中国とIndustrie 4.0
コピーライト: https://en.wikipedia.org/wiki/Pudong#/media/File:Shanghai_-_Pudong_-_Lujiazui.jpg
情報通信技術が最先端の生産技術と融合する「Industrie4.0」のメガトレンドが押し
寄せる中、中国はここで重要な役割を担い、産業再編のプロセスに繋げたいと考え
ている。これが政治目標であることは、既にスタートしている「メード・イン・チ
ャイナ2025」および「イノベーション・イヤー」など、関連プロジェクトやプログ
ラムが示すところだ
昨今では得意としてきたコストメリットが減少している中国にとって「
Industrie4.0」は国際競争力を維持していく大きなチャンスを意味する。中国は特に
イノベーションとハイテクの開発を押し進め、産業再編を促進したい意向だ。それ
ゆえ、中国政府は、これまでの5カ年計画を長期的に補完する「メード・イン・チ
ャイナ2025」計画を発表した。同計画は特にネットワークで結ばれた経済活動の構
築と、それに必要な社会の発展を目的としている。
この数年間で中国は、その経済と社会を大きく飛躍させることに成功した。これは
特に就業者の技術訓練の改善、特許申請案件の上昇、そして公的インフラの構築に
見て取れる。また教育分野でも改善が顕著だ。自然科学と工学部の大学卒業生の数
は平均で14%伸びている。さらに2010年以降、Industrie4.0に関連する特許では、中
国はアメリカやドイツを上回る件数を申請している。また中国を代表する大企業フ
ァーウェイとZTEは最先端技術を常に高度化していくため、研究機関を設立し研究
に携わっている他、マッキンゼーの報告によれば中小企業もドイツの中堅企業のよ
うな成長を見せている。重点分野は、バイオテクノロジー、製薬、医療機器、テレ
コミュニケーション機器、コンシューマーエレクトロニクス。さらに中国でもイン
ターネットビジネスがGDPの4%弱まで急伸している。
Industrie4.0に関する最近の大躍進は確かに顕著だが、しかし中国経済はまだ遅れを
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取り戻す必要がある。例えば、中小企業は今なお大手グループの成長についていけ
ない。更に大学を始めとした教育分野も国際レベルにはまだ達していない。またブ
ロードバンドが十分に普及していないため、中国企業の1/4しかインターネットに接
続できない。
大プロジェクトであるIndustrie4.0は一国では実現できないのは中国も分かっている
。それ故、インターネットで結ばれた産業の先駆者であるドイツなどとの国際協力
を必要としている。実際に今、ドイツと中国の間では「Industrie4.0ダイアログ」、
「ドイツと中国の職業教育アライアンス」、および「イノベーションを共に形作る
」などのプロジェクトを始めとして、協力関係が推進されている。
出典
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