地熱資源ポテンシャル調査の概要 - JOGMEC地熱資源情報

0
平成26年度 地熱部事業成果報告会
地熱資源ポテンシャル調査の概要
平成27年 7月10日
地熱部 地熱探査課 亀山正義
目
次
1.調査の目的
2.調査の位置付け
3.調査手法等
3A 調査の方針と調査手法
3B 空中重力偏差法探査(AGG)
3C 時間領域空中電磁探査(HeliTEM)
4.調査の実施体制
5.平成26年度の調査実績
1
1.調査の目的
2
目 的
わが国には地熱資源の賦存が見込まれながら、調査の不十分な地域が数多く存在する。
平成25年度調査に用いたヘリ
これらを地域を対象に、広域の地質構造を把握し、新しい地熱有望地域の絞り込みやポテンシャル評価を行う。
国内初の
最新技術
時間領域空中電磁探査
(HeliTEM)
空中重力偏差法探査
(AGG)
八幡平
重力偏差計
平成25~26年度の調査地域
くじゅう
霧島
・平成25年度は九州の「くじゅう」および「霧島」において、
AGGを実施。
・平成26年度は「くじゅう」、「霧島」および「八幡平」での
HeliTEM、「八幡平」でのAGGをそれぞれ実施。
「全国地熱ポテンシャルマップ」
((独)産業技術総合研究所,2009)を加工
2.調査の位置付け
本件調査・・・
日本の地熱資源
ポテンシャルを確認
(
地
熱
資
空源
中ポ
物テ
理ン
探シ
査ャ
ル
調
査
開
発
主
体
(
事
業
者
や
自
治
体
等
)
の
出
現
・・・
)
他用途
(防災等)
3
個別地点での調査、開発
<開発>
<調査>
地表調査
地
元
理
解
○重力探査
等を実施
し、地下の
構造を把
握
掘削等によらない調査
次なるステージ
掘削調査
○実際に井
戸を堀り、
地下の詳
細構造を
把握
探査
(調査井掘削等)
○小口径の調
査井を掘削
し、蒸気の
噴出量等を
確認し、持
続的な発電
の可能性を
評価
事
業
化
判
断
生産井・
還元井掘削
環
境
ア
セ
ス
の
実
施
○大口径の坑井
を掘削し発電
に供する蒸気
を確保
掘削等による調査、開発
発電設備設置
○環境影響評価
を踏まえ、パイプ
ライン等の設備設
置や発電所を建
設
3.調査手法等
3A 調査の方針と調査手法(1/2)
4
 ヘリコプターを用いた空中物理探査を実施。
 調査精度向上を目的に電磁探査、重力探査は、最新の手法を採用。
手 法
空中重力偏差法探査
(AGG)【最新手
法】
特 徴
期待できる効果
•大局的な地質構造(断裂系や断層帯)の推
•重力加速度の偏差を測定
•移動体(航空機、ヘリコプター等)に搭載 定に有用
し、従来の重力計調査よりも高精度
時間領域空中電磁探査 •大規模な送信ループを使用し、従来法に比 •地熱貯留層の帽岩上面付近の情報を高精度
で取得
べ、比抵抗探査深度が向上
(HeliTEM)【最新
•浅部構造の詳細が判明し、温泉との関連性
(100m→500m程度)
手法】
解明に有用
• 通常の磁気探査
•火成岩や変成岩の探査に有用
空中磁気探査
• 地下の磁力を測定
•地熱変質帯の推定に有用
地熱貯留層の
構成三要素
調査項目
調査手法
器
(貯留構造)
断層・
断裂系発達域
基盤構造・
リニアメント分布
重力探査
流体
(流路)
帯水層・不透
水層(帽岩)
比抵抗分布
電磁探査
熱
(熱構造)
高温域
地下温度構造
磁気探査
九州大学総合博物館 HPの図面を一部加工
3.調査手法等
3A 調査の方針と調査手法(2/2)
5
【空中重力偏差法(AGG:Airborne Gravity Gradiometer )】【時間領域空中電磁法( HeliTEM ) /磁気法】
‐地下の岩石の電気抵抗分布を計測する。
→ 流体(流路)の推察。
‐ヘリコプターから計測機器を吊り下げる。
‐重力の偏差を計測する。
→ 器(貯留構造)の推察。
‐ヘリコプター内に計測機器を搭載する。
飛行速度
飛行速度
飛行高度
測線間隔
約150m
: 約90km/h(対地)
(50kt; 92.6km/h)
: 約150m(対地)
: 250mを基本
受信センサー
: 約70km/h(対地)
(40kt; 74.1km/h)
飛行高度
: 約100m(対地)
ループ高度 : 約50m(対地)
測線間隔
: 250mを基本
ループ直径 : 約30m
磁力計
約100m
約50m
3.調査手法等
3B 空中重力偏差法探査(1/2)
6
空中重力偏差法(AGG:Airborne Gravity Gradiometer)の特徴
 世界で唯一、ヘリコプターに搭載可能な重力偏差観測システム。
 起伏に富む山岳部を低空低速で調査飛行し、高分解能データを取得。
飛行速度 : 約90km/h(対地)
飛行高度 : 約150m(対地)
測線間隔 : 250mを基本
A
B
C
約150m
mGal
地上調査
空中調査
空中調査
重力計
重力計
重力偏差計
同地域における調査データの比較
(CGG社ホームページより)
臨時ヘリポートを出発
3.調査手法等
3B 空中重力偏差法探査(2/2)
AS350-B3 機体全景
レーザースキャナー
7
空中重力偏差法探査装置
記録装置と電源部
3.調査手法等
3C 時間領域空中電磁探査(HeliTEM) (1/2)
約100m
飛行速度
飛行高度
ループ高度
測線間隔
ループ直径
:
:
:
:
:
8
約70km/h(対地)
約100m(対地)
約50m(対地)
250mを基本
約30m
約50m
(飛行中のHeliTEM搭載機)
周
波
数 : 25Hz
パ ル ス 幅 : 3.7ms
チャンネル数 : 30チャンネル
双極子モーメント : 2,000,000A.m2 (最大)
ル ー プ 電 流 : 1,420A
(駐機中のHeliTEM(修理改造検査時))
3.調査手法等
3C 時間領域空中電磁探査(HeliTEM) (2/2)
9
受信センサー
受信センサー
100m
離陸中
発電機
送信ループ
発電機
磁力計
30m
50m
計測飛行中
送信ループと尾翼
4.調査の実施体制
10
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)
プロジェクトの全体統括
株式会社フグロジャパン(FJ)
スケジュール管理、予算管理、
委託先会社間の調整、連絡、報告等
CGG Aviation (Australia)
Pty Ltd(CGG)
中日本航空株式会社
(NNK)
住鉱資源開発株式会社
(SRED)
HTEM、AGG搭載・調整、
HTEMデータ取得、
AGGデータ取得、
データ処理、解析・解釈
修理改造、航空局承認取得、
各種申請、ヘリポート調達、
HTEM探査時ヘリ操縦、整備
AGG探査時ヘリ操縦、整備
探査現場支援
データ処理、解析・解釈
5.平成26年度の調査実績
11
【九州地方】
「くじゅう」地域 調査面積:548km2(測線長:854km)
HeliTEM:平成26年7月16日~8月6日、8月30~9月10日(33日間)
「霧島」地域 調査面積:193km2(測線長:349km)
HeliTEM:平成26年8月7日~8月29日(23日間)
八幡平
【東北地方】
「八幡平」地域 調査面積: 1,043km2(測線長:3,890km)
AGG:平成26年8月1日~9月24日(61日間)
HeliTEM※:平成26年9月11日~9月30日(20日間) ※ 4%終了
湯沢・栗駒
くじゅう
霧島
最長飛行距離/日
AGG:520km
HeliTEM:200km