資料3-2 文部科学省における東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた取組について (「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」の採択状況について) 平成 27 年 12 月 3 日 文部科学研究開発局 文部科学省では、平成 27 年度より「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」 を立ち上げ、福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けて取り組んでいるところ。 1.廃止措置研究・人材育成等強化プログラム (1)概要 申請する中核機関が拠点となって、他の参画機関とともに、多様な分野の英知を結集 しつつ、廃止措置等の現場のニーズを踏まえた基盤研究を実施するとともに、廃止措置 等の取組で活躍できる人材育成のための取組を実施。 (2)採択課題一覧 平成 26 年度に採択した3件の課題に加え、今年度、新たに4課題を採択。 中核機関 事業代表者 課題名 平成26年度採択課題 東北大学 原 廃止措置のための格納容器・建屋等信頼性維持と廃棄物処理・ 信義 処分に関する基盤研究及び中核人材育成プログラム 東京大学 岡本 孝司 遠隔操作技術及び核種分析技術を基盤とする俯瞰的措置人材育成 東京工業大学 小原 徹 廃止措置工学高度人材育成と基盤研究の深化 平成27年度採択課題 福島第一原子力発電所の燃料デブリ分析・廃炉技術に関わる研究・ 人材育成 福井大学 安濃田 福島工業高等専門学校 佐藤 正知 廃炉に関する基盤研究を通じた創造的人材育成プログラム -高専間ネットワークを活用した福島からの学際的なチャレンジ- 福島大学 高貝 慶隆 マルチフェーズ型研究教育による分析技術者人材育成と廃炉措置 を支援加速する難分析核種の即応的計測法の実用化に関する研究 開発 公益社団法人地盤工学会 東畑 郁生 福島第一原子力発電所構内環境評価・デブリ取出しから廃炉までを 想定した地盤工学的新技術開発と人材育成プログラム 良成 (参考)公募要件(募集要項から抜粋) 【優先される研究の基本的な考え方】 東京電力株式会社福島第一原子力発電所の廃止措置に資する基礎基盤研究 1.研究開発要素が大きいもの ・探索的要素が強い研究、ただし実用化が見込めること ・他分野の知見、協力が必要な研究 ・廃止措置に係る革新的な研究 2.基盤的でかつ継続的に取組が必要なもの ・廃止措置技術の基盤となる知見、技術に関する研究 ・将来の活用に向け継続的に取り組むべき研究 3.その他 ・廃止措置等の現場における技術開発との分担、連携に留意した中長期的な研究 【優先される人材育成の基本的な考え方】 1.学生等に対して、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の廃止措置等に関連す る講義、福島での活動や研究・研修等を実施するなど、学生等が積極的に東京電 力株式会社福島第一原子力発電所の廃止措置に興味を持つような取組 2.国内外の大学や民間企業との連携による産学連携講座の設置 3.JAEA が整備予定の「放射性物質分析・研究施設」における分析・研究をはじめと する、デブリや高線量ガレキなどに含まれる測定の難しい核種の分析など、放射 化学分析の研究に関する教育 4.JAEA が整備を進める「遠隔操作機器・装置の開発実証施設」(楢葉遠隔技術開発 センター)の平成 28 年度からの本格運用開始を受け、レーザー技術を用いた燃料 デブリ取り出しやコンクリート健全性評価に係る先進機器の実装技術開発など、 東京電力株式会社福島第一原子力発電所の環境模擬物を活用した遠隔操作機器の 開発に関する教育 2.廃炉加速化研究プログラム (1)概要 早急な対応が求められる福島第一原子力発電所の廃炉等の課題解決に貢献するため、 国内外の英知を結集し、国際共同研究を含め、様々な分野の研究が緊密に融合・連携す ることを通じて、基礎的・基盤的研究を推進。 (2)採択課題一覧 今年度、国内研究5課題、日英共同研究4課題を採択。また、日仏共同研究、日米共 同研究について公募を開始(採択は来年度の予定)。 ①国内研究 中核機関 事業代表者 課題名 【テーマ1】燃料デブリ取出しに関する研究 沸騰水型軽水炉過酷事故後の燃料デブリ取り出しアクセス性に 東京工業大学 小林 能直 北海道大学 奈良林 直 日本原子力研究開発機構 若井田 育夫 関する研究 多核種高除染性空気浄化システム開発による作業被曝低減化研究 先進的光計測技術を駆使した炉内デブリ組成遠隔その場分析法の 高度化研究 【テーマ2】廃棄物を含めた環境対策に関する研究 東北大学 浅尾 直樹 日本原子力研究開発機構 飯島 和毅 革新的ナノ構造金属酸化物による放射性物質除去法の新展開 発電所隣接サイト外領域における放射性核種の環境動態特性に 基づくサイト内放射性核種インベントリ評価に関する研究 ②日英原子力共同研究 中核機関 事業代表者 代表機関 課題名 【テーマ1】燃料デブリ取出しに関する研究 長岡技術科学 片倉 純 大学 東京工業大学 木倉 宏成 ランカスター プラント内線量率分布評価と水中デブリ探査に係る技術開 大学 発 ブリストル大 漏洩箇所特定とデブリ性状把握のためのロボット搬送超音 学 波インテグレーション 【テーマ2】廃棄物を含めた環境対策に関する研究 九州大学 日本原子力研究 開発機構 稲垣 八穂広 目黒 義弘 シェフィール ド大学 高汚染吸着材廃棄物の処理処分技術の確立と高度化 シェフィール 汚染水処理二次廃棄物スラリー及び濃縮廃液の安全な長期 ド大学 貯蔵・処理・処分のための脱水固定化技術の開発 ③日仏原子力共同研究(公募中) 公 募 期 間: 平成 27 年 9 月 15 日(月)~平成 27 年 10 月 13 日(火)(課題登録) 平成 28 年 1 月~4 月(本申請) 相 手 国 機 関: フランス国立研究機構(ANR) (際共同研究プロジェクト(PRCI)) 募 集 テ ー マ: 過酷環境における遠隔操作に関する研究 事業実施期間: 3年以内 事 業 経 費: 年間 2,000 万円以内(間接経費を含む。) 採択予定件数: 2課題程度 ④日米原子力共同研究(公募中) 公 募 期 間: 平成 27 年 9 月 15 日(火)~平成 28 年 2 月 19 日(金) 相 手 国 機 関: 米国エネルギー省(DOE) (統合革新的原子力研究プロジェクト(CINR)) 募 集 テ ー マ: 放射性廃棄物を含めた環境対策に関する研究 事業実施期間: 3年以内 事 業 経 費: 年間 2,000 万円以内(間接経費を含む。) 採択予定件数: 1課題程度 (参考)募集テーマ(①国内研究の例) 【テーマ1】燃料デブリ取出しに関する研究 現時点において、燃料デブリの炉内や格納容器内の分布状態が不明であり、その取 出しにおいては高線量環境に伴う困難さも想定される。その状況下での燃料デブリ取 出しの実現に貢献することを目的とし、燃料デブリの物性、性状、分布状態の把握や 高線量環境に対応する方策検討等に資する研究を推進する。 具体的には、炉内や格納容器内の状況把握から燃料デブリ取出しに至るまでの工程 全般に貢献する、臨界特性を含むデブリ物性評価・分析技術、過酷事故やそのシミュ レーション技術、遠隔操作技術、取出し方法の安全性に関する研究、高線量下での可 視化等の計測技術、過酷事故関連基礎データに関する検討等、課題の速やかな解決に 資する基礎的・基盤的研究を実施する。 【テーマ2】廃棄物を含めた環境対策に関する研究 東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃炉の加速に資するため、廃炉作業時の原 子炉周辺の環境安全や東京電力(株)福島第一原子力発電所で発生している事故廃棄 物の安全な貯蔵・処理・処分等に貢献する研究を推進する。 具体的には、燃料デブリ、及び、廃炉解体作業の進展に伴い発生する様々な放射性 廃棄物の安全な貯蔵・処理・処分に貢献することや、汚染した発電所サイトや施設内 での放射線安全の確保に資することを目的とし、放射性廃棄物の安全な貯蔵・処理・ 処分に関する研究、放射線計測、汚染物質の分析や性状評価、環境安全評価、汚染物 質の動態評価、汚染環境の安定化や修復等、課題の速やかな解決に資する基礎的・基 盤的研究を実施する。 3.今後の予定 廃止措置研究・人材育成等強化プログラムにおいて、以下のワークショップを開催予定。 ① 廃止措置研究・人材育成等強化プログラム平成 27 年度キックオフワークショップ 日時: 平成 27 年 12 月 7 日(月) 13:30 ~ 16:30 場所: 科学技術振興機構 東京本部別館 主催: 文部科学省 内容: 各課題の事業代表者等による実施内容の紹介、ポスターセッション等 ② 第 1 回次世代イニシアティブ廃炉技術カンファレンス 日時: 平成 28 年 3 月16日(水) 9:50 ~ 20:00 場所: 東北大学 青葉山キャンパス 青葉記念館 主催: 文部科学省、科学技術振興機構、東北大学、東京工業大学、東京大学 内容: 学生による研究発表、ポスターセッション等
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