②人権同和教育 ア 全体目標 人間尊重の精神に徹し,偏見や差別を

②人権同和教育
ア
全体目標
人間尊重の精神に徹し,偏見や差別をなくして共に伸びようとする意欲と実践的態度を身
につけた子どもを育てる。
∼差別を見抜き,差別を許さず,差別に負けない力を∼
イ
各学年部の重点目標
低学年部
○
だれとでもわけへだてなく,仲良くすることができる。
○
友だちの話をよく聞き,みんなの力でよくなろうとする意欲を育てる。
○
身の回りの様々な不合理に気づき,一人の問題をみんなの問題として共に考
中学年部
えるような学級集団(仲間)をつくる。
○
助け合い,励まし合いながら協力的な学習に取り組むことができる。
○
自分と社会との関わりの中で差別をとらえ,友だちの悩みや苦しみを,みん
高学年部
なで共に支え合い思いやることのできる学級集団(仲間)づくりをする。
○
ウ
命や人権に対する理解と,偏見や差別に対しての理解を深めることができる。
主な活動計画
○異学年交流
校内人権月間
1学期(1・5年
2・4年
3・6年)
2学期(1・4年
2・6年
3・5年)
3学期(1・6年
2・5年
3・4年)お別れ遠足にて
○ひまわりポスト(ふれあい委員会)
・ 児童玄関に設置
→
給食放送で紹介,中央ホールに掲示
( 7・12月 ) ○人権標語の募集(ふれあい委員会)
・ 中央ホール,学級廊下に掲示
○その他
・ポスター
・作文発表
・道徳や学活など授業での人権学習
人権の花運動
○栽培緑化活動(学級園・農園・一人一鉢など)
授業
○心の教育の日(12月)
生徒指導
○情報交換タイム
○教育相談
広報
○情報・資料提供
○家庭地域の啓発
○6年身分制度
など
など
○道徳・学活
など
エ
主な実践
第1学年 道徳
「 き の ぼ り 」
1
ねらい
○
2
友達のことを思いやり,明るく楽しい学級をつくろうとする意識や態度を育てる。
実際
主な学習活動
1
導
教師の支援
普段仲良く遊んでいるか,いやな思いを ・
していないかを考えさせる。
入
ぴかぴかはあとで生活しているかを振り
かえさせる。
・
学校生活の様子でよくある例を出して考
えさせる。
2
めあてをつかむ。
・
人権とはどういうものなのかを伝える。
・
ペープサートを使ってあらすじをつかま
楽しく仲良く生活するにはどんな気
持ちが大切なのかな。
3「きのぼり」の話を聞き,登場人物の気持
展
ちを考える。
○
せる。
・
さっちゃんの気持ちを考える。
登場人物のしんちゃんやさっちゃんの表
情に注目させる。
・いやだな・つらいな・悲しいな
○
しんちゃんはどんな子なのかを考える 。 ・
・悪い子・意地悪・おこりんぼ
○
学級でもよくあるトラブル(お互い様の
場面,特定の子を責める場面)を思い出さ
みんなから責められているしんちゃん
せる。
の気持ちを考える。
開
・くやしい・いやだ・悲しい
○
・
じゅんちゃんの言葉から,お互いにど
しんちゃんにも言い分があることを考え
させ,相手の気持ちを考えることの大切さ
うしていればよかったのかを考える。
を伝える。
・一緒に遊びたいと言えば良かった。
・意地悪を言わなければよかった。
終
末
・
もっと友達と話をし,友達の気持ちを分
・謝ればよかった
かり合って,ぴかぴかはあとの学級をめざ
・やさしい気持ちをもてばよかった。
していくことを考えさせる。
4
学級での生活を振り返る。
5
学習の感想を書く。
3
成果と課題
・
普段自分たちの生活の中にも同じようなことがあるのに気づき,いやな思いをしている友達の
気持ちを考える機会になった。
・
意地悪をする子にもうまく伝えられない本当の気持ちがあることを考えることができた。また,
決めつけや大勢で責めることはよくないことも伝えられた。
・
頭では理解していても,自分のことで精一杯の1年生なので,相手の気持ちを考え行動に起こ
すのはまだまだ難しい。繰り返し指導して楽しい学級づくりをめざしていきたい。
4
子どもたちの感想
∼きょうのおべんきょうで,あなたがおもったことをかこう。∼
こんどから,みんななかよく,
やさしく,ともだちのこころも
これからかんがえて,なかよく
たのしく,あそうぼうね。
やさしいひとになりたい。
りっぱなおとなになりたい。
これからもいっぱいおともだち
をつくろう。
きょうからぼくは,ぴかぴか
はーとになろう。みんなとあそ
びたい。
みんなでけんかをしたときは,
みんなでかいけつをして,とも
だちのきもちをかんがえてせい
かつをすればいい。そして,も
うせめなければよかった。
みんなでけんかをしないよう
に,なかよくみんなたのしくか
つどうしよう。みんなせかいの
なかま。なかよくみんなでがん
ばっていこう。
きょうから,ぴかぴかはーと
でいます。きょうは,みんなな
かよくすごうそう。
第2学年 学級活動
「みんなでなかよく」
1
ねらい
○
2
みんなで仲良く協力しながら過ごそうとする心を育てる。
実際
学習活動
導 1
入
普段の生活の中でクラスみんなが仲良く
教師の支援
・
過ごしているか話し合う。
2
子どもたちの活動を撮った写真を見せな
がらいろいろな場面を想起させる。
めあてをつかむ。
みんなが仲良く楽しく過ごしていくため
には,どうしたらいいのだろうか。
3
友達との関わり合いの中でうれしかったこ ・
とや悲しかったことを話し合う。
困っているときに助けてもらった経験はな
いか考えさせ,どんな気持ちになったか想起
展
させる。
・
友達を助けてあげると自分の気持ちもよく
なることに気付かせる。
開
・
いやな言葉は心をとても傷つけることを知
らせる。
4
隣の友達や周りの友達にハッピーレターを ・
書く。
友達との関わり合いの中でうれしかったこ
とや助けてもらったときの気持ちを手紙に書
くことを伝える。
・
手紙が全員に行き渡るように隣の人には必
ず書くように声かけをする。
5
匿名で何名かの手紙を紹介する。
・
自分の気付かないところでも友達を助けて
あげていたり,ちょっとしたことで喜んでも
らえたりしていることに気付かせる。
終 6
ハッピーレターを渡す。
末
・
ビリーブの曲を小さくかけながら余韻を残
す。
〈成果と課題〉
○
友達が困ったときに声をかけてあげたり,一緒に活動してあげたりする姿が以前より多く見ら
れるようになった。
○
隣の友達と以前より仲よく活動できるようになった。
(学習用具の貸し借り,グループ学習など)
○
友達への声のかけ方が優しくなった。
○
頭ではわかっていても,かっとなるとやはり友達が傷つくような言葉を発してしまう場面も見
られる。
第3学年 国語・体育
「 教 え 合 っ て 学 ぼ う ( 仲 良 し 水 泳 )」
1
実践の背景
○
人権同和教育の重点目標(中学年)より
・助け合い・励まし合いながら協力的な学習に取り組むことが出来る 。
○
1学年1クラスの学校だから(人権同和教育係の想い)
・全校の子どもどうしが仲のよい学校=異学年交流の促進
2
実践のねらい
・お互いの名前をおぼえて,3・6年生でお互いに助け合って,学習をしよう。
3
実践における担任の願い
・お互いの名前を覚えて,これからの学校生活を円滑に送ってほしい。
・学習の中での,教え合い学習(なかま作り)を促進したい。
・最高学年としての,自覚と行動を促したい。(6年生)
仲良し水泳
∼6年生に個人指導して
もらおう∼
4
活動名
5
活動の実際(3年生の側から)
事前
◎
国語の招待状作りの学習を生かし,
「仲良し水泳」のお願いカードを書こう
(国語1時間)
※
学習のねらいの明確化
たのしみだなー
はやくこないかなー
※
学習内容の(国語)生活化
実際
※
それぞれの課題別に個人指導
※
またやりたい!
もっとやりたい!
できるようになった
名前を聞いたよ
みんなよろこんで
持って帰りました。
どう 教 え て い いか 分 から
ない時もあったけれど
思ったより楽しかったで
す。
6
事後
お礼のお手紙を書こう(国語1時間)
7
活動の反省
実際の活動を2時間扱いにして
教え合いと,ふれあいの時間を
しっかり確保すればよりよかったと思う。
第3学年 国語・学校行事
「行事を通して友情を深めよう」
1
実践の背景
○
2
人権同和教育の重点目標(中学年)より
・助け合い・励まし合いながら協力的な学習に取り組むことが出来る
実践のねらい
・学校行事を通して,クラスの成員相互の関係を密な物にする。
・学習発表会を通して,友だちと協力して一つの物を作り上げる喜びを味わうことができる。
3
実践における担任の願い
・会話から対話へとすすんでほしい。
・行事のねらいを生かしながら,自尊他尊意識が育ってほしい。
(徹底顕心・自分にもこんな力がある=全校の2学期のめあて)
4
活動名
5
活動の実際
学習発表会
∼みんなで創り上げる∼
(1)学習計画
課程
つかむ
時数
1
活動計画
備考
学級のテーマを決
学習のねらいの明確化・細分化
めよう。
やって
2
みる
国語の「 3年とうげ 」・
オーディションをし , 学習内容の(国語)生活化
の学習を生かし ,
「テ
仕事の分担・配役を決
ーマに沿う」発表を
定しよう。
工夫しよう。
・
せりふを完成させよ
う。
深める
5
自信がつくまで練習 表現方法を考え学び,習 自信をつける
しよう。
熟しよう。
味わう 行事2 胸を張って発表しよ 徹底顕心
う。
自尊・他尊
(2)実際
〔学級のテーマを決めよう(1/8)〕
①
事前アンケート 「あなたにとって宝ものってなに?」(無記名・活動計画外)
②
テーマを決めよう
・
つながれワーク
今日,学習発表会のテーマを考えました。
女の子男の子で手をつないで,心を一つにして
まあるくなって,みんなの心をつなぎました。
そしたら,手があったかくなりました。
気持ちよくなりました。
U
・テーマを探る
わたしの答
家族
わけは,わたしにとって大切な宝物だし,
とくにお母さんが宝物です。
弟ともいつもケンカするけど,ね顔はかわいいです。
お母さんはいたい思いでわたしをうんでくれたし,いつも
自分の服はかわないで,わたしたちの服をかってくれる
やさしいお母さんだからです。
N
友情・家族・たからものを Keyword にする。
〔テーマに沿う発表を工夫しよう(2・3/8)〕
①
オーディションをして配役を決めよう。
今日,国語で学習発表会の練習をしました。
ぼくは,おじいさん役がいいから,おじいさん役の練習をして,オーディションの出番
が来ました。
(みんなの)前に出る時,きんちょうするので,先生を見たら勇気が出て(せりふをゆ
ったら)ほとんど笑ってくれてうれしかったです。
②
S
せりふを完成させよう。
せりふは,8割完成の物をわたす→創意工夫
〔自信がつくまで練習しよう(4∼8/8)〕
今日のたく習は,学習発表会の自分の練習でした。わたしは「ある秋の日のことでした」
や「家にすっとんでいき・・・」などの練習をしました。
大きな声でゆっくり言う練習をしていたら,自信がついてきました。
明日の練習では百点になって,本番では百点以上になりたいです。
M
今日,お風呂に入っていた時に明日の学習発表会のことをずっと心配でした。
それはきのう少し失敗したからずっと
「明日,失敗しないでとべるかなー」と思っていました。
でもあれは,時々あることだから,大丈夫と思いました。
明日は,どきどきします。でも勇気を出してがんばろうと思います。
T
〔胸を張って発表しよう(行事2時間)〕
自尊意識・仲間意識の高揚
今日,学習発表会で「三年とうげ」をやりました。
それで本番なのでどきどきしました。
でも,みんなががんばっていたので,私もがんばりました。
でも,もししっぱいしたらどうしようと思いました。
でも,自分の心が
「だいじょうぶ。失敗なんか気にしないで」と心が教えてくれて
上手に,大きな声でできました。
そして,新しい事を学び,楽しかったです。
O
多尊意識・仲間意識の高揚
今日学習発表会がありました。最初の「3年とうげでころぶでないぞ」の時に
ぼくは出ました。
やったあと,幕から◎○君が出てきて,すごいタイミングでトライアングルをチーンと
鳴らしました。
そしたらみんな,笑いました。
◎○君ナイスと思いました。
M
保護者から
3年生は,本当に明るく元気で,見ているお父さん・お母さんまで,にこにこ笑顔にな
って楽しい気持ちにになりました。ありがとう。
そして1年生の頃からすると,ずい分お兄ちゃん・お姉ちゃんになり,成長したなー と
思いました。きっとたくさん練習したんだろうなと思いました。
三年とうげも・習字も・たからばこも
でした。
M
学習発表会の前から,家でも歌の練習をしていたので,本番がとても楽しみでした。
本番は声もちゃんと後ろの方まで届いていたよ。
歌もいっしょうけんめい歌っていて最後のハンドベルもしっかりひびいていたよ。
とにかく,楽しそうにがんばっていたので,たくさんはく手をしました。
みんなでがんばってよかったね。楽しい時間をありがとうございました。
7
M
活動の反省
◎
行事を通して,学級の和が深まった。
◎
児童の満足度が非常に高かった。
○
自尊・他尊意識の向上が見られた。
△
節目節目で,多尊意識を深める活動を
意図的に計画すればよかった。