β-アミラーゼ活性が高い大麦品種 ②病気に罹らない スカイゴールデン 全てのBaYMV系統に抵抗性 ( ビール麦) 「HQ10」 【開発の経緯】 高リジン遺伝子 lys1 はデンプン分解酵素 の β-アミラーゼを増加させることが知ら HQ10 れていました。栃木農試では、「四 R 系 大系HG32 1363」が持つ lys1 遺伝子と、「スカイゴー ルデン」の優れた栽培特性を組合せて、 β-アミラーゼ活性が高く、栽培しやすい F4 「HQ10」の開発に成功しました。 ①β-アミラーゼが極めて高い 大系HC-15 ②病気に罹らない F1 四R系1363 ①β-アミラーゼが極めて高い ( はだか麦) 農研機構近畿中国四国セで育成 一般のビール麦 HQ10と一般の品種との酵素活性の比較 【HQ10 の特性】 300 大麦から麦芽にすると酵素活性が高まりますが、HQ10 は大麦のままで 250 も一般の麦芽と同等のβ-アミラーゼ活性になります。さらに、HQ10 を麦 相対値(%) 芽にすると、β-アミラーゼ活性は一般の麦芽の 2.6 倍にもなります。 押し麦への適性は、胚乳が硬く搗精に時間がかかり、白度もあまり上が らないので向きません。大麦粉や麦芽粉の利用が適すると思われます。 HQ10と一般品種との精麦品質の比較 37.1 44.2 47.5 *L *a 50 *b 0 (%) 25.8 23.5 20.2 75.5 80.5 81.4 1.9 0.9 0.7 18.4 16.7 16.1 一般大麦 とちのいぶき(食用) 435 357 368 砕粒率 100 一般麦芽 スカイゴールデン 白度 150 HQ10大麦 HQ10 55% 搗精時間 (秒) 200 HQ10麦芽 品種名 HQ10 ○効率的な麦芽糖の製造 ○効率的なアルコール・醤油・味噌等の醸造 ○植物由来の酵素製剤 など様々な利用方法が考えられます 8000 80 6000 60 4000 40 2000 20 0 0 施肥① 施肥② 比活性(unita/mg protein) ● ○硬くなりにくいモチ等の加工食品の製造 β-アミラーゼ活性(units/g) ■ 施肥方法の違いによるβ-アミラーゼ活性の比較 HQ10 の高β-アミラーゼ活性を活かして、 施肥③ 施肥①:基肥窒素8.0kg(うち1.6kgはLP40)/10a 施肥②:基肥窒素8.0kg(うち1.6kgはLP40)/10a + 追肥窒素4.0kg/10a 施肥③:基肥窒素12.0kg(うち5.6kgはLPS40, 0.9kgはLP40)/10a 【栽培法と酵素活性の関係】 HQ10 は、出穂期以降に追肥するとβ-アミラーゼ活性が高まります。 緩効性窒素の割合が多い肥料にすることで追肥の手間は省けます。
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