エピタキシャル基板を用いた半導体デバイスの ESD 特性 - KONAKA

エピタキシャル基板を用いた半導体デバイスの ESD 特性
ESD Characteristics of Semiconductor Device with Epitaxy on P+ Substrate
鈴木 輝夫
Teruo Suzuki
伊藤 誠吾
Seigo Ito
門馬 秀夫*
Hideo Monma
富士通VLSI株式会社 VLSI研究所
VLSI Laboratory, FUJITSU VLSI LIMITED
*富士通株式会社 半導体第 1 事業本部 ファブ事業部
* FAB Business & Engineering Div. Logic LSI Group FUJITSU LIMITED
[ 要
旨 ]
近 年 、 結 晶 中 の 欠 陥 の 減 少 、 リ ー ク 特 性 の 改 善 、 ラ ッ チ ア ッ プ 耐 量 の 向 上 な ど を 図 る た め Epi
基 板 が 用 い ら れ る 様 に な っ て き た 。今 回 、 Epi 基 板 と CZ 基 板 と の ESD 特 性 を 比 較 調 査 す る こ と
に よ り 、 Epi 厚 が 薄 い 基 板 は 、放 電 抵 抗 (保 護 抵 抗 )を 挿 入 す る と 微 少 リ ー ク 電 流 が 発 生 し 、ESD が 弱
く な る こ と が わ か っ た 。 こ の 微 少 リ ー ク の 発 生 原 因 は 、基 板 の 低 抵 抗 化 お よ び 放 電 抵 抗 挿 入 に よ り 、
ESD 保 護 回 路 の 動 作 が 遅 延 し て 、pn 接 合 に 過 剰 ス ト レ ス が か か っ た 為 で あ る 。
1. は じ め に
半 導 体 デ バ イ ス の 微 細 化 、高 密 度 化 、シ ャ ロ ー
化 が 加 速 し 、性 能 は 飛 躍 的 に 向 上 し て き て い る が 、
E S D (Electro Static Discharge)に 対 し て は む
し ろ 弱 く な っ て き て い る [ 1 ] [ 2 ] 。ま た 、保 護 回 路 は
外部から侵入するESDサージを速やかに吸収
し 内 部 回 路 の 破 壊 を 防 ぐ こ と が 目 的 で あ る が 、最
近のプロセスは保護回路自体のESD耐圧低下
が 指 摘 さ れ て き て い る [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] [ 6 ] 。例 え ば 、保 護
回路にLDDトランジスタを用いるとゲート・
ドレインのオーバーラップ領域でリーク電流が
発 生 し 易 く な っ た り 、配 線 の 微 細 化 、コ ン タ ク ト
サ イ ズ の 縮 小 化 に よ っ て 、p n 接 合 よ り も A l - S
i 界 面 で 放 電 エ ネ ル ギ ー 損 失 が 大 き く な り 、熱 破
壊 が 発 生 し 易 く な っ た 指 摘 も あ る [7][8]。 ま た 、
ゲート・ソース・ドレインのシリサイド化によ
る シ ー ト 抵 抗 の 低 下 は 、ト ラ ン ジ ス タ の 性 能 向 上
に反比例してESD耐圧の低下をもたらす傾向
に あ る [9]。
最 近 で は 、結 晶 中 の 細 微 な 欠 陥 も 無 視 で き な く
な り 、 エ ピ タ キ シ ャ ル ( 以 下 Epi) 基 板 が 用 い ら れ
る 様 に な っ て き た 。Epi 化 に よ っ て 回 路 の リ ー ク
特 性 は 大 幅 に 改 善 さ れ 、ラ ッ チ ア ッ プ 耐 量 の 向 上 、
マ イ ク ロ ラ フ ネ ス 低 減 に よ る 酸 化 膜 質 の 向 上 、メ
モリのリフレッシュ特性の向上などの効果があ
る が [10] 、E S D 耐 量 は ど う で あ ろ う か 。本 報 告
で は Epi 基 板 と C Z ( C z o c h r a l s k i m e t h o d )基 板
の E S D 特 性 を 比 較 し て 、破 壊 に い た る 動 作 メ カ
ニ ズ ム の 解 明 と 問 題 点 、更 に 最 適 な 保 護 回 路 構 造
について検討を行った。
SOURCE
DRAIN
n+
n+
FOX
p- epi
Silicide
ρ=10Ωcm
p+ substrate ρ=0.01-0.02Ωcm
図1 Epi基板 保護回路の断面略図
References
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