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カステヘルミという名前、あまり聞いたことのない方も多いのではないでしょうか?日本では、いわゆるヴィンテージ製品が一
部のショップで扱われているのみでした。
ここではカステヘルミについての簡単な歴史を、本国フィンランドの目線から紹介致します。
カステヘルミの復刻版が発売されるというニュースが流れると同時に、多くの方から「よかった!」「素晴らしいニュースだ!」
「待っていました!」など、喜びの声をいただきました。今もなお、1960~70 年代生まれのフィンランド人にとって、カステヘル
ミは祖父母とともに過ごした時間や、夏休みに田舎で作った秘密の隠れ家など、子供時代を思い起こさせてくれる製品なので
す。この古き良き時代を代表するデザインの復刻は、多くの方々に待ち望まれていましたが、製造技術の変化や金型の散逸、
また単純に製造ノウハウを失ったという事実や、この型が時代遅れになってしまったという現実により、これまで復刻が不可能
とされてきました。しかし、オイバ・トイッカの芸術家 50 周年という重要な節目を機に、彼の豊かな才能が発揮された製品、郷
愁とともに現代的なテイストも備えた、魅力あふれる製品に再度注目し、メモリアルプロダクトにしたいと考え、カステヘルミを
選択しました。
オイバ・トイッカがヌータヤルヴィ社(※1)で新しいガラス製品をデザインしていた 1964 年頃は、プレス加工のガラスプレートに
全く平らで傷のない表面を求めるのは難しいことでした。そのため彼は、水玉をプレートのエッジに並べることで、傷ができても
目立たないようにしました。やがてこの水玉は、プレートの表面全体を覆うようになり、ガラスの水滴が中央から放射状に広が
ったカステヘルミが誕生しました。
カステヘルミは、当初から日常使いの食器として作られましたが、ガラスの水滴が独特の雰囲気を醸し出すため、微かな高級
感も兼ね備えていました。また皮肉にもこのデザインによって、実際の生産も簡単になりました。カステヘルミとは、草花の上
で太陽を浴びて輝く朝露のしずくを意味します。オイバ・トイッカの作品の多くがそうであるように、自然なインスピレーションか
ら生まれた製品名です。
当初は直径 170mm と 260mm の 2 タイプのプレートが、クリア、スモーク、オリーブ、ターコイズの 4 色で発売されました。数
年後、140mm のプレート(クリア、ブルー、グリーンの 3 色)が、またその数年後、310 mm のプレート(同 3 色)が加わります。
さらに 1969 年にはボウル(110、200、250 mm)が、1970 年にはガラスのカップとクリーマーが追加されました。ガラスのカッ
プはクリアとグリーンの 2 色ですが、ボウルとクリーマーはクリア、ブルー、グリーンの 3 色展開です。その後、キャンドルスタ
ンドとキャンドルベース、2 種類のプレート(315 mm と 87 mm)、ボウル(150 mm)が次々と発売されました。1973 年には、
当時製造されていたすべての製品にブラウンが加わるとともに、ブルーの製造が中止されています。またこの頃、キャンドル
ホルダーとしても使用できるベース(花瓶)が短期間製造されます。1970 年代には、最大で 25 品目がカステヘルミ・シリーズ
として製造されていました。しかし 1978 年以降、これらの製品はクリア 1 色のみとなり、販売アイテムも徐々に減少しました。
1989 年にカステヘルミ製品は製造を打ち切り、販売を終了しました。その後 1995~96 年には、特別に一部の製品が米国向
けに製造され、その残りがフィンランドのイッタラファクトリーショップで販売されました。
カステヘルミはこれまで大量に製造されました。特にプレートは、さまざまなサイズが作られ、日常の食卓にも、また特別な日
の食事やお祝用にも適していたため、人気の高いアイテムでした。新たな製造方法によって復刻されたカステヘルミの外観は、
オリジナルのそれとほんの少し異なります。例えばプレートのエッジは、以前のものより少し丸みを帯びています。しかしこの
復刻版は、オリジナルと合わせて使用しても違和感なく馴染むだけでなく、単独で使用しても、古き良き時代のテイストを 2010
年に再現する魅力あふれた製品となりました。
※1. 1793 年創業のガラス工場。フィンランドで最も古い。現在はイッタラ社の傘下となっている。
【参考資料】 Iittala-My Iittala-vitage corner
いかがでしたか?
2010 年登場の『新しい』カステヘルミでは、このようなオリジナルの雰囲気を感じていただけるかと思います。
日常使いの食器として、みなさんの食卓にも是非加えてみてください。
2010 年 3 月