Title Improvement for piezoelectric properties and domain structures observation of lead-based relaxor ferroelectric solid solutions( 内 容と審査の要旨(Summary) ) Author(s) NUR HIDAYAH BINTI ZAINAL ABEDIN Report No.(Doctoral Degree) 博士(工学) 甲第474号 Issue Date 2015-03-25 Type 博士論文 Version ETD URL http://repository.lib.gifu-u.ac.jp/handle/123456789/51032 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。 別紙様式第13号(論文内容の要旨及び論文審査の結果の要旨) 氏名(本 籍) NUR HIDAYAH BINTI ZAINAL ABEDIN(マレーシア) 学 位 の 種 類 博 学位授与 番号 甲第 474 学位授与 日付 平成 27 専 電子情報システム工学専攻 攻 学位論文 題目 士(工学) 号 年 3 月 25 日 Improvement for piezoelectric properties and domain structures observation of lead-based relaxor ferroelectric solid solutions 学位論文審査委員 (リラクサー強誘電体固溶体に於ける高効率圧電特性とドメイン構造 観察) (主 査)教授 藤原 裕之 (副 査)教授 野々村 修一 教授 櫻田 修 准教授 大和 英弘 論文内容の要旨 本学位論文は、リラクサー強誘電体固溶体のモルフォトロピック相境界近傍におけるドメイン構造 について詳細に調査し、さらに新たな圧電素子の開発を行った研究に関するものである。 現在、圧電素子として最も使用されているのは PZT セラミクスであるが、これは菱面体晶と正方晶 の相境界であるモルフォトロピック相境界(MPB)の組成で利用されている。MPB 近傍では誘電率、圧 電定数が非常に大きくなるが、その発現機構は詳しく分かっておらず、菱面体晶と正方晶の共存の可 能性および新しい結晶相の出現等が議論されている。本論文では、新たに結晶化した MPB 近傍の 24Pb (In1/2Nb1/2)O3-46Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-30PbTiO3 のドメイン構造について、偏光顕微鏡、SEM、AFM の圧電応答 を用いて詳細に調査している。具体的には、まずポーリングを施した結晶の誘電率測定と偏光顕微鏡 観察から、As-grown の結晶では見られなかった斜方晶、正方晶、菱面体晶が存在することを明らかに した。次に、偏光顕微鏡と SEM のドメイン観察から、マクロなドメインの中に、さらに細かいマイク ロドメインが存在することを明らかにした。そのマイクロドメインの AFM の圧電応答の観察から、強 誘電相と反強誘電相が存在し、結晶系の異なるドメインが共存することを見出している。 さらに本論分では、新たなセラミクス圧電素子として、MPB 近傍の 0.5Pb(Ni1/3Nb2/3)O3-0.5Pb(Zr0.7 Ti0.3)O3 を提案している。一般に、圧電セラミクスのグレインサイズを小さくして密度を高くすると、 圧電特性が大きくなることが知られている。本試料では、通常の PZT の組成より Zr の組成を多くする ことにより、グレインサイズが小さく、高密度なセラミクスを容易に作製でき、さらに PZT の 3 倍以 上の圧電定数が得られることを見出している。また、静水圧力下での実験から、通常のセラミクスよ りも結晶の特性に近いことを明らかにしている。 論文審査結果の要旨 本論文において、MPB 近傍における特性向上メカニズムの解明を目指し、新しい実験手法である AFM の圧電応答を用いて、異なる結晶相のマイクロドメインが共存していることを示したことは意義深い。 特に本論分の結果は、特性発現メカニズムの解明に大きな手掛かりを与えるものと期待される。また、 圧電セラミクスの更なる特性向上を目指し、本論文では新しい材料を提案しており、最適材料の選択 及び組成の選択等の設計指針を与えたことは重要である。本論分では、MPB と圧電特性について、基 礎と応用の両面から研究成果を纏めており、重要な結果が得られていると判断できる。 1 最終試験結果の要旨 本学位論文の成果は、下記に示す査読付き学術論文に掲載されており、その内容は博士論文として ふさわしいものである。学位論文公聴会における質疑応答と口頭試問に基づく審査の結果、論文提出 者は、学位授与の基準を満たしていると判断し、最終試験の結果を合格とした。 発表論文(論文名、著者、掲載誌名、巻号、ページ) 1. Poling and Depoling Effects on Dielectric Properties and Domain Structures in Relaxor 24Pb(In1/2Nb1/2)O3-46Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-30 PbTiO3 near a Morphotropic Phase Boundary Composition, Nur Hidayah, Naohiko Yasuda, Hidehiro Ohwa, Yoshihito Tachi, Yohachi Yamashita and Makoto Iwata, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.51, 09LC06/1-5 (2012). 2. Pressure-induced Suppression of Piezoelectric Response in a 0.5Pb(Ni 1/2Nb1/2)O3-0.5Pb(Zr0.7Ti0.3)O3 Ceramic near a Morphotropic Phase Boundary, Nur Hidayah, Naohiko Yasuda, Hidehiro Ohwa, Yoshihito Tachi, Yohachi Yamashita and Makoto Iwata, Ferroelectrics, Vol.467, 173-180 (2014). 3. Domain Structures and Dielectric Properties Resulting From Tweed Precursors of Relaxor Ferroelectric Solid-Solution Single-Crystal 24Pb(In1/2Nb1/2)O3-46Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-30PbTiO3, Naohiko Yasuda, Nur Hidayah, Hidehiro Ohwa, Yoshihito Tachi and Yohachi Yamashita, IEEE Transactions on Ultrasonics, Ferroelectrics and Frequency Control, Vol.59, No.9, 1919-1924 (2012). 4. Ferroelastic Behavior in Relaxor 24Pb(In1/2Nb1/2)O3-46Pb(Mg1/3Nb2/3)O3- 30PbTiO3 under Shear Stresses along [001] Direction, Naohiko Yasuda, Nur Hidayah, Hidehiro Ohwa, Yoshihito Tachi, Yohachi Yamashita, Ing Jiri Hlinka, Makoto Iwata, Hikaru Terauchi and Yoshihiro Ishibashi, Journal of the Physical Society of Japan, Vol.82, 054712-1 ~054712-5 (2013). 2
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