2015年4月号(PDF:420KB)

Vol.68 (2015年 4月号)
Contents of This Month
今月のトピック
・・・・・・・・・・・2
4月号 「会計年度にみる国と地域の性格」
1.国内経済関連指標
・・・・・・・・3
●景気動向指数の一致指数はさらに3ポイント上昇するも、日銀短観などの指標
は横這い続き。景況判断BSIも揃って下落し、景気回復未だ確かならず。
●従業員判断指数は大企業から中小まで揃って下降。深刻な人手不足状況に
やや落ち着きか。
2.国内産業関連指標
・・・・・・・・5
●前月100を超えた鉱工業生産指数も今月はダウン。製造工業の翌月生産予
測指数も微増程度で、腰の強い増勢トレンド見えず。
●前月に急伸した電子部品デバイスや汎用・生産用機械の出荷指数、今月は
ダウン。業種別に見ても未だ力強い回復には至らず。
3.海外経済・産業関連指標
・・・・・7
●新興国経済はインドを除いて民間消費支出などの指標が下降傾向。東南
アジアの物価はタイがマイナス域に。
●主要国ビジネス環境比較は今月から世界銀行2015年版を元に作成。シンガ
ポールは依然1位だが日本は29位に後退。今月の比較対象はエストニア。
***2014.4***
1
-会計年度にみる国と地域の性格-
図-1.会計年度のパターン別比率
圧倒的多数派の「暦年一致型」
2015年度が始まった。多くの企業で3月末に決算が終わり、新入社
員が入り、人事異動なども多いこの時期は正月と並んで「新しい年へ
の切り替え時期」という意味を持つ。
この日本風の年度、もう少し正確に言うと「4月に始まって翌年3月
で終る会計年度」はご存知のように世界の国々と同じではない。アメ
リカは10月から新年度がスタートするし、欧州では1月から始まり12月
で終わる国が多い。では世界を見渡したとき、会計年度はどのパ
ターンがもっとも多く採用されているのであろうか?
総務省のHPに主な国の会計年度が記載されたページがあったの
で、その情報をもとに日本も加えた76カ国で会計年度パターンの"統
計"をとってみると、結果は左図のようになる。
3→2月
1ヶ国
10→9月
3ヶ国
7→6月
7ヶ国
4→3月
11ヶ国
1→12月
54ヶ国
出典:総務省HPの「世界情報通信事情」掲載国に記載された
各国経済関連データの「会計年度」情報を元にカウント。ただ
しエチオピアだけは複雑なので対象にしていない。
76カ国中54ヶ国が「1月から12月まで」という会計年度、つまり暦年
一致型を採用しており、これが世界の多数派であることがわかる。暦
年一致型がシンプルでわかりやすいのは確かであるから、このパ
ターンが最も多いのはある程度予想されたことではあるが、7割という
“シェア”はまさに圧倒的多数派といえる。
日本を含む「4月スタート型」は11ヶ国で採用されており、第二勢力
を形成している。以下、「7月スタート型」「10月スタート型」、そして1ヶ
国だけが使っている「3月スタート型」と続く。
統一性の中南米・欧州、多様性のアジア
この会計年度パターン、地域別にどうなっているかを見るとかなりはっきりした地域差が現れる。下の図-2をご覧い
ただきたい。これを見ると、たとえば中南米は12カ国が全て暦年一致型で固まっており、一つの例外もない。欧州も
たった1ヶ国を除けば残り20カ国全て歴年一致型である。近隣国が同じ会計年度パターンであれば、たとえば複数
国の統計数値の比較といった場合でも面倒が少ないはずである。会計年度が地域的に統一されている背景にはこ
ういった「面倒の少なさ」が影響していることは想像に難くない。
図-2.会計年度パターンの地域別分布
1→12月
4→3月
7→6月
10→9月
3→2月
アジア大洋州
11
6
5
2
0
中東
6
1
0
0
1
欧州
20
1
0
0
0
アフリカ
5
2
2
0
0
北米
0
1
0
1
0
中南米
12
0
0
0
0
合計
54
11
7
3
1
出典:同上
注)総務省の分類では北米は米国とカ
ナダの2カ国のみ。メキシコ等は中南米
に、トルコやイスラエル等は中東に分類
されている。また、アジア大洋州には日
中韓等の東アジアや東南アジア諸国、
インドやパキスタン等の西南アジア、さ
らに豪州やニュージーランド等のいわ
ゆるオセアニア諸国も含まれている。
それに比べるとアジア大洋州はバラエティに富んでいる。暦年一致型が最も多いとはいうものの、我が国と同じ「4
月スタート型」も6カ国を数え、香港やシンガポール、インドなどもこのグループに属する。「7月スタート型」にしても豪
州、ニュージーランドのオセアニア諸国、さらにパキスタンやバングラデシュといった国も加わって5カ国存在してい
る。世界的に見れば完全な少数派である「10月スタート型」も、よく知られた米国以外になぜかアジアでタイとラオス
が同じ10月スタート型を採用しているなど、アジア大洋州の会計年度パターンは統一性の高い欧州や中南米に比
べるとバラつきが大きいのは間違いない。
4月スタート型の日本は世界的に見ても、また、アジア大洋州の中でも一応は「二番目に多いグループ」所属であ
り、それほど極端な"ヘソ曲がり"ではなさそうであるが、上の表を見ると「どうしてこの国だけ?」と思いたくなるような
頑固な国の存在も目につく。たとえば欧州21カ国中、ただ一つだけ頑固に4月スタート型を採用している国がある
が、それがどこかといえば英国なのである。EU加盟国ではあっても通貨はユーロではなくポンドを使い続け、EU脱
退論議すらくすぶる英国が頑固なヘソ曲がりというのは何となくうなづける気もしてくる。
しかしさらに目立つのは今回調査対象76カ国の中で唯一「3月スタート型」を採用している国である。中東に属する
その国がどこだかお分かりになるだろうか?実はイランなのである。
イランが3月スタート型を採用した経緯は不明であるが、宗教的には圧倒的多数のスンニ派の中にあってイランが
数少ないシーア派の国であること、また、民族的にも「アラブ」が圧倒的多数派の中東にあって「ペルシャ人の国」と
して孤高の位置を占めていることなどを考えれば、これまた何となくうなづける気がしてこないであろうか?
2
1.国内経済関連指標-1
我が国のGDP成長率(出典:内閣府)
景気動向指数:CI(出典:内閣府)
先行指数横這いも一致指数3ポイント上昇。回復続くか?
(%)
120
6
(2010年=100)
113.3
110
2
0.6
105.5
100
-0.5
-2
90
先行指数
実質原系列(前年同期比)
-6
80
実質季節調整系列(前期比)
一致指数
(暦年・月)
(歴年・四半期)
70
-10
05
06
07
08
09
10
11
12
13
08
14
OECD先行指標(CLI)(出典:OECD)
102
10
11
12
13
14
15
日銀短観:業況判断(出典:日本銀行)
大企業・中小企業ともに数字変わらず横這い。
主要6新興国=中国、インド、インドネシア、
ロシア、ブラジル、南アフリカ
(指数)
09
101
30
(「良い」-「悪い」%ポイント)
100.4
12
100
100
99.8
1
0
99
98
日本
97
-30
大企業製造業
OECD Total
中小企業製造業
OECD+主要6新興国
96
(暦年・月)
95
07
08
09
10
11
12
13
14
06
15
為替相場(出典:日本銀行)
140
(円)
円/ドル スポット
07
08
09
10
11
12
13
14
15
我が国の国際収支(財務省)
9
17時時点の月中平均
(兆円)
130
120
(暦年・四半期)
-60
経常収支
6
118.59
3
110
100
0
90
-3
貿易収支
80
70
(暦年・月)
(暦年・四半期)
-6
07
02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
3
08
09
10
11
12
13
14
1.国内経済関連指標-2
物価指数(出典:日本銀行および総務省)
従業員数判断:BSI(出典:財務省)
中堅・中小製造業の人手不足にやや落ち着きか。
企業物価下げどまりか?消費者物価は下落続く。
20
(%)
(%)
「不足気味」-「過剰気味」
社数構成比
企業物価指数
(前年比)
5
10.2
8.8
2.6
2.5
0
0
0.5
-20
大企業(製造業)
-5
中堅企業(製造業)
消費者物価指数
(前年比)
中小企業(製造業)
(歴年・月)
-10
08
09
10
11
12
13
14
(暦年・四半期)
-40
07
15
消費者態度指数(出典:内閣府)
08
09
10
11
12
13
14
15
実質賃金指数(出典:厚生労働省)
3ヶ月連続で上昇し、消費税増税前の水準に近づく。
(2010=100)
50
(指数)
105
40.7
40
100
39.4
30
実質賃金指数
(従業員30人以上
製造業)
95
消費者態度指数
耐久消費財買い時指標
(暦年・月)
20
08
09
10
11
12
13
14
08
15
景況判断BSI(出典:財務省)
09
10
11
12
13
14
建築受注額(出典:国土交通省)
景況判断揃って下落。景気回復の実感未だ浸透せず。
20
(暦年・月)
90
25
(兆円)
機械装置等工事
(%)
建築工事
20
2.4
0
土木工事
-8.4
15
-15.7
-20
10
-40
大企業(製造業)
中堅企業(製造業)
-60
-80
5
中小企業(製造業)
06
07
08
09
10
11
(暦年・四半期)
(暦年・四半期)
当期の「上昇」-「下降」社数構成比
12
13
14
0
15
07
4
08
09
10
11
12
13
14
2.国内産業関連指標-1
製造工業生産予測指数(出典:経済産業省)
鉱工業生産指数(出典:経済産業省)
翌月予測指数も微増程度で本格的増勢トレンド見えず。
100超指数続かず。景気回復の腰の弱さ浮き彫り。
120
130
(2010年=100)
(2010年=100)
120
110
98.9
製造工業生産予測指数
(翌月・季節調整済)
110
100
100
90
97.5
90
鉱工業生産指数
(季節調整済)
80
80
(暦年・月)
70
08
09
10
11
12
13
14
(暦年・月)
70
15
08
情報通信機械出荷・在庫指数(出典:経済産業省)
(2010年=100)
10
12
13
14
15
(2010年=100)
在庫率
160
300
11
輸送機械出荷・在庫指数(出典:経済産業省)
180
在庫率
09
140
在庫
200
120
100
80
100
在庫
60
出荷
08
09
10
11
出荷
(暦年・月)
0
12
13
14
(暦年・月)
40
08
15
電気機器出荷・在庫指数(出典:経済産業省)
09
10
11
12
13
14
15
汎用・生産用機械出荷・在庫指数(出典:同左)
前月ほぼ並んだ出荷・在庫両指数、再び差が開く。
(2010年=100)
(2010年=100)
160
在庫率
在庫
200
在庫率
在庫
130
150
100
100
出荷
出荷
(暦年・月)
70
08
09
10
11
12
13
14
(暦年・月)
50
15
08
5
09
10
11
12
13
14
15
2.国内産業関連指標-2
電子部品デバイス出荷・在庫指数(出典:経産省)
前月急伸した出荷指数だが、こちらも続かず。
主要品目別生産指数(出典:経済産業省)
400
(2010年=100)
(2010年=100)
普通自動車
200
デジカメ
300
在庫率
175
携帯電話
太陽電池モジュール
150
200
125
100
100
75
在庫
出荷
50
08
09
10
(暦年・月)
11
12
13
14
(暦年・月)
0
15
設備投資額(ソフトウェア含む)(出典:財務省)
機械受注額(出典:内閣府)
8
(兆円)
(兆円)
非製造業
15
製造業
6
10
4
内需
5
2
官公需
外需
(暦年・四半期)
(歴年・四半期)
0
07
08
09
10
11
12
13
0
14
07
産業機械受注(出典:日本産業機械工業会)
08
09
10
11
12
13
14
工作機械受注(出典:日本工作機械工業会)
第4四半期は毎年減少傾向あるが今期は落ち込み大。
5000
(億円)
(兆円)
2
外需
外需
4000
内需
1.5
3000
1
2000
0.5
1000
(歴年・四半期)
(歴年・四半期)
0
0
07
08
09
10
11
12
13
07
14
6
内需
08
09
10
11
12
13
14
3.海外経済・産業関連指標-1
米国:GDP伸び率(出典:米国商務省)
米国:雇用指標(出典:米国労働統計局)
堅調推移変わらず失業率もリーマン前水準に近づく。
5
(%)
(%)
(百万人)
失業率
(右軸)
140
2.5
10
2.5
135
0
実質GDP
伸び率
(暦年・四半期)
-5
07
08
09
10
11
12
(%)
8
13
6
(暦年・月)
125
08
14
EU:GDP伸び率(出典:EUROSTAT)
6
非農業部門
雇用者数
(左軸)
130
-2.5
12
09
10
11
12
13
14
4
15
EU:最終消費支出推移(出典:EUROSTAT)
(%)
前年同期比(季節調整前)
前年同期比(季節調整前)
4
4
2
2
0
0
-2
ドイツ
-2
スペイン
-4
フランス
-4
ポルトガル
-6
英国
07
08
09
10
11
12
13
スペイン
フランス
ポルトガル
英国
(暦年・四半期)
-8
ドイツ
(暦年・四半期)
-6
07
14
中国:GDP伸び率(出典:国家統計局)
08
09
10
11
12
13
14
中国・消費者物価上昇率(出典:国家統計
局)
(%)
(%)
14
GDP伸び率
(前年同期比)
6
消費者物価上昇率
(前年同月比)
12
4
10
8
7.3
2
1.4
6
(暦年・四半期)
4
07
08
09
10
11
12
13
(暦年・月)
0
10
14
7
11
12
13
14
15
3.海外経済・産業関連指標-2
新興国:GDP伸び率(出典:OECD)
15
(%)
新興国:民間消費支出(出典:OECD)
データ出揃わないがインドのみ好調なのが目立つ。
前年同期比(季節調整済)
16
10
前年同期比(季節調整済)
12
5
8
4
0
0
トルコ
-5
ブラジル
トルコ
ブラジル
-4
インド
-10
インド
ロシア
-8
南アフリカ
07
08
09
10
11
12
13
ロシア
南アフリカ
(暦年・四半期)
-15
(暦年・四半期)
-12
14
07
東南アジア:GDP成長率(出典:各国統計局等)
20
(%)
08
09
10
11
12
13
14
東南アジア:消費者物価上昇率(出典:同左)
こちらもデータ出揃わないがタイ物価マイナス域に。
(%)
(前年同期比)
タイ
25
(%)
マレーシア
15
マレーシア
20
ベトナム
ベトナム
インドネシア
10
(前年同月比)
タイ
フィリピン
インドネシア
15
フィリピン
5
10
0
5
-5
0
(暦年・四半期)
-10
2010
11
12
13
(暦年・月)
-5
2011
14
12
13
14
15
国別ビジネス環境比較:エストニア(出典:世界銀行)
200
(日数)
197
データを2015年版に更新。シンガポールは依
然トップ、日本のランキングは2つダウンして29
位。この2カ国を固定比較指標として今月はバル
ト三国のひとつエストニア。
シンガポール(総合1位)
日本(総合29位)
エストニア(総合17位)
150
エストニア
103
100
50
26
10.7
2.5 4.5
111
97.7
31
4.5
13 17.5
6
11
6
4
11
5
0
ビジネス開業 建設認可
電力調達 不動産登記 輸出通関
輸入通関
8
1991年に独立を回復したバルト三国だが、ビジ
ネス環境ランキングではエストニア17位を筆頭に
ラトビア23位、リトアニア24位と軒並み日本より高
く、同じEUのフランス(31位)などよりも高い。
特にエストニアはソフトウエア開発などIT産業集
積地として知られ、海外企業の進出も多い。欧州
の隠れたる「IT大国」といえ、日本ともサイバーセ
キュリティ等に関する政府間協力が活発化するな
ど今後が注目される。
編集・発行
発 行 人
発 行 日
問合せ先
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:
:
一般社団法人 日本機械工業連合会
副会長 兼 専務理事 安達 俊雄
平成27年 4月 15日
一般社団法人 日本機械工業連合会
〒105-0011 東京都港区芝公園三丁目5番8号(機械振興会館)
TEL : 03-3434-5381(代表) FAX : 03-3434-2666
9