リトアニア政治・経済月間情勢(5月)

リトアニア政治・経済月間情勢(5月)
概 況
●14日、ビリニュス空港が滑走路の改良工事のために、2017年7月から8月の間の35日間、閉鎖される予
定であることが明らかになった。
●22日、大使公邸において、リマンタス・ヴァイツクス氏(Mr. Rimantas Vaitkus)への旭日中綬章伝達式を
行った。
●27日、グリボウスカイテ大統領は、労働党のピトレニエネ議員(Ms. Audrone Pitreniene)を教育科学大臣と
して任命する大統領令に署名した。
●30日、労働党党首選が実施され、マズローニス欧州議員(Mr. Valentinas Mazuronis)が党首に選出された
ほか、12名の副党首が選出され、ガプシス議員が第一副党首となった。
内 政
【5日】国会において、リトアニアにおける二重国籍の
導入に関する憲法改正(第12条)のための国民投
票実施に関する法案の第一読会が行われた。
【14日】シュトラウパイテ・ビサギナス市長(Ms. Dalia
Straupaite)が、汚職容疑(勤務時間中に市当局の職
員に市長宅の修理作業などを行わせたこと)の取り
調べのため、1月13日から4ヶ月間職務が禁じられ
ていたが、この禁止期間が2ヶ月間延長されることに
なった。タマラ・ガイヴォロンスカヤ氏(Ms. Tamara
Gaivoronskaja)が同市長代行に任命された。
【21日】(16日、スウェーデンのヨーテボリからリトア
ニアに向かっていた2名のパイロットが操縦するリト
アニアの航空機が、行方不明となった件について)
オレカス国防大臣は、海中に沈んだ飛行機の中に1
人のパイロットが発見されたことを確認した。野党代
表は、オレカス国防大臣に責任を取るよう求めた。し
かしながら、オレカス国防大臣は辞任するつもりはな
いと述べた。
【25日】政党と政治家の支持率に関する世論調査が
発表された。
社会民主党 18.5% (前回4月 19.3%)
リベラルムーブメント
12.0% (14.8%)
祖国同盟 9.5% (8.3%)
労働党 7.3% (6.3%)
秩序と正義党 6.2% (8.6%)
【25日】秩序と正義党のブルンザ議員(Mr. Stasys
Brundza)は、国会議員は小選挙区においてのみ選
出されるべきという法改正案を提案した。
【27日】グリボウスカイテ大統領は、ピトレニエネ議
員(労働党)を教育科学大臣として任命する大統領
令に署名した。(4月26日に労働党がパバルキス教
育科学大臣に対し、労働党及び政府の課題に沿っ
た取り組みをしていないとして、大臣を辞任するよう
求め、30日、同大臣が辞表を提出し、5月11日に
任を解かれた。)
【29日】政府は、労働関係を緩和し、社会保険制度
を再編する社会モデルの指針を承認した。6月8日
に最終的な協議が行われる予定。ブトケビチュウス
首相は、労働組合による抗議運動があったものの、
遅延することなく、承認する予定である、この社会モ
デルは、被雇用者の利益を保護するものである、40
の修正が行われる予定であると述べた。
【30日】労働党党首選が実施され、マズローニス欧
州議員が党首に選出されたほか、12名の副党首が
選出され、ガプシス議員が第一副党首となった。グロ
ウジニエネ前党首(国会議長)は、12名の副党首の
中に含まれなかった。
国民の利益を最も代表している政治家
グリボウスカイテ大統領 21.2% (21.8%)
ブトケビチュウス首相 12.0% (11.2%)
個々の政治家について支持するか否か
ブトケビチュウス首相
59.6% (59.7%)
グリボウスカイテ大統領 59.5% (63.9%)
マスーリス・リベラルムーブメント党首
42.6% (44.2%)
1
●3日、
外 交
【4日】検察庁は、1977年生まれのロシア国民、ロ
シア連邦保安庁職員をスパイ容疑で拘束、リトアニ
ア国家保安局が長期にわたって防諜活動を行う間、
4月29日に拘束された人物が、リトアニア政府機
関、法執行機関及び諜報機関の内部に入り込む目
的で反リトアニア諜報行為に従事したと疑うに足りる
情報を収集したと発表した。この容疑者は、検察官
の要求により3ヶ月間拘束される。
【4日~6日】ドイツ・イダルオーベルシュタインの独
軍砲兵隊学校において専門家会合が行われ、独軍
が、リトアニアに対し自走榴弾砲(Panzerhaubitze
2000(PzH))を引き渡すことに合意した。
【5日】パウラウスカス国会安全保障防衛委員会委
員長は、ロシアが、KGB元内通者と連絡を取り、影
響力を取り戻そうとする試みを行っていた旨発言し
た。
【5日及び6日】デンマーク・ヘルシンゴーにおいて開
催された北欧・バルト諸国(NB8)外相会合にリンケ
ビチュウス外相が出席。ロシアの攻撃的なプロパガ
ンダを前にして、NATOに対し、NATO戦略的コミュ
ニケーション能力を強化するよう求めた。
【6日】国会欧州委員会及び外交委員会は、EU東方
パートナーシップ首脳会合(リガ・サミット)において
達成されるべき成果に関する声明を発表した。
【8日】首相府は、ブトケビチュウス首相が、中国で最
大の団体である中国商業グループの李建紅執行理
事長(Li Jianhong)と会談したこと、同商業グループ・
カウナス経済自由特区、リトアニア鉄道及びクライペ
ダ港湾局との間で覚書が署名されたことについて、
プレスリリースを発出した。
【13日及び14日】トルコにおいて開催されたNATO
外相会合にリンケビチュウス外相が出席。バルト諸
国におけるNATO部隊の常駐のプレゼンスを確保す
ることを求めた。
【14日】クビリウス前首相が、ウクライナ国際改革諮
問評議会のメンバーに決定したことに関し、同首相
の就任は、リトアニア憲法及び国会の宣誓に反する
としてリトアニア国会倫理手続委員会に対して提訴さ
れた。
【19日】バルトニュース通信は、本年2月に秩序と正
義党を離脱し、労働党に所属することとなったマズ
ローニス欧州議員(Mr. Valentinas Mazuronis)が、欧
州議会において所属していた欧州議会欧州自由直
接民主グループ(EFDD)から離脱し、新しく欧州自由
民主連盟グループ(ALDE)に加入した旨報じた。
【20日】バルトニュース通信は、露連邦保安庁報道
局が、「19日、モスクワにおいて露連邦保安庁は、リ
トアニアの違法の諜報機関職員であるリトアニア市
民を拘束した。同諜報員は、ロシア市民から機密情
報を含む文書を受け取った後、現行犯で逮捕され
た。」と発表した旨報じた。
【22日】大統領府は、グリボウスカイテ大統領が出
席した東方パートナーシップ・リガサミットに関し、「東
方パートナーシップは安全保障と安寧を促進する」と
題したプレスリリースを発表。
【24日】ポーランドにおいて行われた大統領選挙決
選投票で勝利したドゥダ氏に対し、グリボウスカイテ
大統領、ブトケビチュウス首相及びリンケビチュウス
外相が祝辞を送った。
【26日】グリボウスカイテ大統領は、当国を訪問した
ダービン米民主党上院議員(Mr. Richard Durbin)と
安全保障及びエネルギー分野における協力や二国
間の経済関係の強化について会談した。
経 済
【11日】リトアニア食品・獣医サービス局は、日本の
農林水産省から専門家が11日から15日にかけてリ
トアニアを訪問しているとプレスリリースを発出した。
【14日】ビリニュス空港が滑走路の改良工事のため
に、2017年7月から8月の間の35日間、閉鎖され
る予定であることが明らかになった。空港利用客の6
0%を占めるルフトハンザ、ウィズエア、ライアンエア
及びスカンジナビア航空4社は、一時的に航空機の
発着をカウナス空港(ビリニュスから約100km)ま
たはパランガ空港(ビリニュスから約330km)に移
動させることに合意した。
【18日~21日】ブトケビチュウス首相は、経済分野
における二国間関係を促進するために80名のビジ
ネス関係者とともにカザフスタンを訪問。21日、最終
日にブトケビチュウス首相は、ナザルバエフ大統領と
会談。二国間経済関係の発展及び結ばれた合意書
や機会、さらにカザフスタンで開催されるEXPO 20
17へオフィシャル・キャリアとして貨物列車「SUN」
を指名することについて議論した。
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【20日】リトアニア港湾局によって発表された統計に
よると、クライペダ港湾コンテナターミナルが今年初
めにリガに奪われたバルト諸国最大運搬量の地位
を奪還した。
【22日】バルト通信ニュースは、民間航空局がエアリ
トアニカ社の財務状態を評価した結果、財政的義務
を果たせないと判断し、同社の運転ライセンスを停
止したと報じた。
【28日】ヴァカロ・ジニオス紙によると、リトアニアに
おいて、各銀行は、手数料のかからない現金の引き
出し額を変更する予定。SEB銀行は、7月9日より、
今までは1,400ユーロ以上引き出す場合に手数料
が掛かっていたものを、500ユーロ以上に変更す
る。500ユーロ以上引き出す場合0.4%の手数料
を負担しなければならなくなる。
エネルギー(含むビサギナス原発プロジェクト)
【15日】エネルギー・フォーラムにおいて、クック在リ
トアニア・エストニア大使(Mr. Toomas Kukk)は、「リト
アニアのLNGターミナルは、エストニアにおけるガス
価格を低下させるものである。4月にリトアニアから
輸入されたガスは、エストニアで消費されるガスの2
7%を占めた。3月は18%、昨年12月は0.6%を
占めていた。リトアニアのガス市場は、バルト諸国の
中で最も発展している。」と述べた。
【18日】バルト通信ニュースは、露ガスプロム社がカ
リーニングラードに建設を計画しているLNGターミナ
ルは、リトアニア経由のガス輸送の代替策であると
報じた。ガスプロム社が、バルト海の飛び地カリーニ
ングラードで計画している30億立方メートルのガス・
ターミナル建設計画は、ロシアのエネルギー専門家
によれば、リトアニアを経由したガス輸送の代替策と
して建設されるものであると述べている。
【25日】白石大使は、クライペダのマトゥリヨニス・ク
ライペダ・ナフタ社LNGターミナルCEO(Mr. Tadas
Matulionis)を往訪し、LNGターミナルを船上及び付
帯設備から視察した。
日本との関係
【5日】リエトボス・リタス紙は、マウリツァス・ノルデア
銀行首席エコノミスト(Mr. Zygimantas Mauricas、第7
回日・バルトセミナー被招へい者)による日本とバル
ト諸国における経済関係の発展に関するインタ
ビュー記事を報じた。
【18日】白石大使は、カウナス市を訪問し、マティヨ
シャイティス・カウナス市長(Mr. Visavaldas
Matijosaitis)と意見交換を行った。
【22日】大使公邸において、リマンタス・ヴァイツクス
氏への旭日中綬章伝達式を行った。
【25日】白石大使は、岩手県久慈市と姉妹都市関係
にあるクライペダ市を訪問し、グルブリャウスカス・ク
ライペダ市長(Mr. Vytautas Grubliauskas)と意見交
換を行った。
【19日】白石大使は、ビリニュス市を訪問し、シマシ
ウス・ビリニュス市長(Mr. Remigijus Simasius)と意見
交換を行った。
この資料は、リトアニアの政治・経済情勢を中心に各種報道、発表をとりまとめたものですので、記載事項の
信憑性まで確認したものではありません。
記載事項は在リトアニア日本大使館の見解を示すものではなく、特定の団体・個人の利益を代表するもので
はありません。
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