N EWS 医心新しい放射線治療が伝心始まります 2015年9月より放射線治療棟を開設いたします。同時に高精度放射線治療機の「サイバーナイフM6システム」の治療を開始する予定です。 ■ サイバーナイフM6システムとは当院に導入されるサイバーナイフシステムは、6世代目サイバーナイフは、工業用ロボットアームの先端に高となる「サイバーナイフM6」と呼ばれるものであり、日本エネルギーのＸ線を発生する装置（小型直線加速器）をでは初、世界においても第７番目の施設となる最新鋭の組み合わせた最新鋭かつ高精度の放射線治療器です。機種です。 19 9 4 年米国スタンフォード大学の脳神経外科医 John Adler 博士により開発され、高線量のX 線をミリ ■ サイバーナイフM6によりがん治療が変わります単位以下の精度で照射が可能なロボット放射線治療サイバーナイフM6は腫瘍システムです。日本の一号機は1997年に導入されました。の動きを追跡可能であり、現在では世界で284台、日本では29台が稼働しています。従来のサイバーナイフでは治療が困難であった呼吸がん治療の３本柱放射線治療法に伴って移動する腫瘍にも有効です。サイバーナイフ M 6 が有効な腫瘍としては、前立腺がん、脳腫瘍、手術療法化学（薬物）療法肺がん、肝がん、膵がんなどがあります。サイバーナイフは１回当たりの線量が多いため、従来の放射線治療と比べ照射する回数を大幅に減らすことができます。例えば前立腺がんでは通常の放サイバーナイフシステムは、独自のロボットアームの機動性射線治療では約40回の照射が必要ですが、サイバーナイにより、様々な方向から照射ができます。このため、非常にフでは5回の照射ですむため治療日数が大幅に短縮でき複雑な形の腫瘍でも正常組織のダメージを最小限にしつます。つ集中的に照射することが可能になります。サイバーナイフM6は、全ての放射線治療において最適また、3次元的に腫瘍の位置を固定できる画像照合な機能と効率性を兼ね備え、今日の標準的治療のみなら装置を用いて、照射中でも常に腫瘍を検出し、腫瘍の動ず、明日の治療法に繋がることが期待されます。きを追跡可能です（※動体追尾技術）。この機能のおかげ放射線科科部長奥田隆仁で、息止めや侵襲的な固定具の使用など患者さまへ負担をかけることなく、呼吸性移動や体内の臓器移動を伴う腫瘍の移動に対してもより高精度で照射する事が可能です。このことから、患者さまには自然な呼吸のまま横になっているだけで、高精度な放射線治療を受けることができます。 ※動体追尾技術について呼吸などの生理的な動きがある場合、今までの放射線治療では照射範囲を広く設置し対応していました。画像や呼吸波形などの情報から腫瘍の動きをリアルタイムに検知し照射の位置やタイミングを合わせていきます。 ZOOM ズームイン東病棟 8 階呼吸器センター東病棟8階は、呼吸器内科・外科の患者さまが入院している呼吸器センターです。治療のため入退院を繰り返す慢性期の患者さまから手術などの急性期まで、放射線、化学療法、手術などさまざまです。患者さまならびにご家族の意向を聞きながら、疾患からくる苦痛症状の緩和を図るケアメディカルソーシャルワーカーとの連携を通して、支援をや入院中のリハビリに力を入れ、常に患者さまに寄り添う開始しています。ケアを心がけています。「患者さまの安全とQOL維持を第一に考え、質の高い日々の医療においては、医師と受け持ち看護師を中心に医療を提供し、早期退院できるようチームで協働して取り情報交換や意見交換を行い、患者さまの状態変化に対応組む」という病棟目標を掲げ、医師、薬剤師、MSW、リハビリした安全・安心・安楽な最善の医療の提供を目指し、スタッフ技士、栄養士、がん化学療法看護をはじめとした認定看護師全員でのミーティングを毎日実施しています。また、退院後のと協働してより良い医療を提供できるよう努力しています。療養生活を安心して送ることができるよう、入院早期から看護長土屋由美子北病棟 1 階レディース病棟ができるようにしています。終末期の患者さまには、ご本人、ご家族の身体的、精神的苦痛を軽減できるよう医師、薬剤師、リハビリ技士、緩和ケアチームと協力しながら看護支援しています。病室は全室個室で、心配事や不安などが話しやすく大変静かな環境です。中庭は季節ごとの花が咲きこころが和み北病棟１階は、女性と小児を対象とするレディース病棟ます。また、週に3回程度ボランティアさんによるピアノです。こどもから高齢者まで、急性期、周術期、慢性期、終末期演奏などのミニコンサートが開催されており癒しの時間にの多岐にわたる患者さまを対象としています。私たちは、なっています。一人一人のライフサイクルに合わせ看護援助ができるよう患者さまが安心して療養できる環境を整え、専門知識、に努めています。技術の向上を目指して常に自己研鑚し、女性ならではの特に婦人科や乳腺外科の手術前後の不安の軽減や、身体きめ細かいケアができるように心がけています。の変化に伴う精神的サポートなど患者さまに合わせた対応看護長内田直子知っておきたい病気の話脳からの症状らしからぬ脳の病気はじめに ❸ 片側眼瞼下垂、複視脳・脊髄は中枢神経と呼ばれ、から片側のまぶたが急に下がってきて挙がらなくなる。下垂だ全体をコントロールしている司令したまぶたを手で持ち上げて（開眼させて）両眼で見ると塔です。例えば、興奮したり恐怖を物が二重に見える。「感じた」ときドキドキしますが、心臓糖尿病性動眼神経麻痺として生じる場合があります。そのものがその感覚を感知するわけそれ以外として生命の危機に直結する脳動脈瘤切迫破裂ではありません。大脳（皮質）で見聞による場合があり、緊急外科的治療（開頭手術、カテーテルきし、感じ取りそれが視床下部を経由して延髄血管運動コイル治療）を要します。中枢や交感神経が心臓を支配し、心拍数や血圧を上げます。症状そのものが現れる部位に病変が潜在し、その部位を検査診断することは誰しも考え付くことです。しかし、症状 ❹ 歯痛、片側顔面の激痛をおこしている部位や臓器の中に病変や原因が必ずしも数秒から数分間の激痛が歯や顔の一部（片側）に生じる。存在するわけではありません。これから紹介する症状は、虫歯や歯周病など除外された場合には次の病気の可能性脳（頭蓋内）に病変がありそれにより様々な症状が出現があります。する病気です。この原因は三叉神経が脳幹（橋）から起始する部位で自分自身の血管がその三叉神経を圧迫するために生じます ❶ 生理不順（月経不順）、乳汁漏出、不妊症（三叉神経痛）。耳介後部に1∼2センチの小開頭で手術し、妊娠反応は陰性であるが生理が止まり、乳頭を圧迫するテグレトールという内服薬が効きます。保険診療ではありと乳汁が漏出する。または乳汁分泌は無くても生理が不整ませんがガンマナイフ治療を受けるかたもみられます。約80％の患者さんが治癒します。疼痛が軽度の場合にはで不妊治療をおこなっている。このような場合には採血をおこないプロラクチンというホルモン値が高値かどうか確認する必要があります。高い ❺ 片側聴力障害、耳鳴場合には高プロラクチン血症といいます。この原因として頭蓋内の聴神経腫瘍（脳腫瘍）が聴力障害を起こす。薬剤性の場合もありますが、脳下垂体の腫瘍が原因となる外耳や中耳の疾患が除外された場合には考慮しうる脳の場合もあります。一般的には脳MRI検査で下垂体を精査し病気です。ます。腫瘍が見つかればそれをプロラクチノーマと呼んで検査では純音聴力検査（PTA）で低下、聴性脳幹反応います。プロラクチノーマの治療は腫瘍の大きさ、年齢（ABR）でⅠ∼Ⅴ波の潜時延長、 Ⅱ波の消失などを認めます。など様々な要因を考慮して選択、決定します。内服治療が ABRは極めて信頼性の高い検査で聴神経腫瘍のスクリーあり、挙児も可能です。実際、当科で精査治療を受け連携ニングにも有用。治療は開頭手術やガンマナイフ治療、した近医産婦人科病院で出産されたかたもあります。ちな小さい場合にはMRI検査で定期経過観察をおこないます。みにこのプロラクチノーマは男性にも発症します。 ❷ 視野欠損（両耳側半盲）今回は上記5つの症状でおこるそれぞれの脳の病気を紹介しました。もちろん、これらがあれば必ず脳が原因というわけではありません。前述字を読んだり、テレビを観たりするのは視野全体のうちのような症状があり経過がおもほとんどが中心部でまかなわれている。わしくない場合にはお近くのかこの両耳側半盲では両外側の視野が欠けてくるので自覚かりつけ医やトヨタ記念病院をしにくい症状です。これも前述と同様の下垂体腫瘍で生じ受診されることをお勧めします。うる症状のひとつです。脳神経外科科部長林純一