1. PCBと塗料について ① PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは ・ 電気絶縁性、耐薬品性、耐熱性、科学的に安定等 優れているが、人や動物の体内に残る と発がん性、皮膚・内臓障害などを引き起こすので1975年に製造が禁止された。 (1968年カネミ油症事件がきっかけで使用禁止になった。) ・ 日本では、昭和29年(1954年)に製造が始まり昭和47年(1972年)製造中止の行政指導を 経て昭和50年(1975年)に製造輸入が禁止された。 ・ 2001年ストックホルム条約にて 2028年までにPCBを全廃することが決まったが、日本では 2027年までに処理をすることが決められた。(PCB廃棄物適正処理の特別措置法) ② PCBと塗料の関係 ・ 昭和47年以前の塩ゴム系塗料には塗料の安定性、耐久性、防食性を増すために微量 PCBが高い確率で混入されています。(行政指導により製造の中止がされました) ・ 昭和49年に「化学物質の審査及び製造に関する法律」の施行のより製造、輸入、使用 の原則禁止になりました。(昭和49年以前に製造された塗料の原材料にPCBが含まれ ている可能性がありその塗料が昭和50年代前半に使用されることが稀にあります) ・ トランスや高圧コンデンサと違い塗料に含まれるPCBは、非常に微量です。その為 低濃度PCB汚染物として取り扱い、処理されます。 ③ 低濃度PCB廃棄物の処理施設 高圧トランスやコンデンサ等の高濃度PCB,中濃度PCBの処理施設は、JESCO(日本 環境安全事業㈱)他 国内に十数カ所の無害化処理施設があります。この施設は、高 濃度、中濃度のPCB廃棄物を処理する施設です。その為 PCB含有塗膜は、低濃度 PCB廃棄物である為 それらの施設では許可がないので処理できません。 PCB含有塗膜くずを無害化処理できる施設としては、平成27年2月 現在 国内では ㈱クレハ環境(福島県)、エコシステム小坂㈱(秋田県)など数カ所が許可を得ています。 しかし 処理費用は、数千円/㎏から数万円/㎏と非常に高額です。 またPCBの他に鉛が含有する場合にはまたその処理施設に制限を受ける場合があ ります。 低濃度PCB廃棄物の無害化処理認定施設(環境省)
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