土岐市下水道事業地方公営企業法適用基本計画策定業務 仕様書 第1

土岐市下水道事業地方公営企業法適用基本計画策定業務
第1章
仕様書
総則
第1条(適用範囲)
本仕様書は、土岐市(以下「甲」という。
)が、受託者(以下「乙」という。)に委託す
る「土岐市下水道事業地方公営企業法適用基本計画策定業務」
(以下「本業務」という。
)
に適用する。
第2条(目的)
本業務は、土岐市公共下水道事業及び農業集落排水事業(以下「土岐市下水道事業」と
いう。
)の経営の効率化、健全化及び使用者に対する説明責任の向上のために、地方公営企
業法(昭和27年法律第292号)を適用し、会計方式を官庁会計方式から企業会計方式
へ変更するための事務手続き、固定資産台帳の整備及び公営企業会計システム導入や法適
用に関する問題点の調査検討、法適用移行の有効性の検討を行い、円滑に移行業務を進め
るための地方公営企業法適用基本計画を策定することを目的とする。
第3条(関係法令等)
本業務は、本仕様書によるほか、次に掲げる関係法令等に準拠して行うものとする。
(1)地方公営企業法(同施行令、同施行規則)
(2)地方公営企業資産再評価規則
(3)地方自治法(同施行令、同施行規則)
(4)地方財政法(同施行令)
(5)下水道法(同施行令、同施行規則)
(6)土岐市下水道条例(同施行規則)
(7)土岐市農業集落排水処理施設の設置及び管理に関する条例(同施行規則)
(8)土岐市個人情報保護条例(同施行規則)
(9)地方公営企業繰出基準及び同運用通達
(10)下水道用設計積算通達(各編)
(11)下水道事業における企業会計導入の手引き 2013 年版(公益社団法人日本下水道協会)
(12)その他関係法令及び関係図書等
第4条(配置技術者)
乙は、管理技術者、担当技術者及び照査技術者をもって、秩序正しい業務を行わせると
ともに、本業務の特質を考慮して、業務に係る専門的知識と高度な技術経験を有する常時
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雇用の管理技術者等を配置しなければならない。また、円滑な業務の進捗を図るため、十
分な数の人員を配置しなければならない。なお、本業務の遂行に支障をきたすと認められ
た場合は、甲は乙に対し、担当技術者の変更を求めることができる。
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管理技術者は、平成 24 年度以降に管理技術者又は担当技術者として基礎調査、移行事
務手続き支援及び資産調査・評価の業務に従事した実績を有する者でなければならない。
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照査技術者は、平成 24 年度以降に複数の自治体における下水道事業を対象とした法適
用に関する基本計画策定、移行事務手続き支援及び資産調査・評価の業務に従事した実績
を有し、業務全般に渡って技術的照査を行うことができる者でなければならない。
第5条(公認会計士の選任)
乙は、甲の求めに応じて本業務の企業会計事務等に係る相談及び指導をできるよう、地
方公営企業会計移行に関する専門的知識と経験を有する公認会計士有資格者を配置しなけ
ればならない。
第6条(提出書類)
乙は、本業務の着手及び完了にあたって、甲の契約約款に定めるもののほか、次の書類
を提出しなければならない。
(1)着手届
(2)工程表
(3)管理技術者届
(4)業務実施計画書(業務概要、実施方針、業務執行体制等)
(5)完了届
(6)その他発注者が指示するもの
第7条(再委託)
乙は、本業務の全部又は甲が指定する部分を再委託することはできない。ただし、事前
に再委託の範囲及び再委託先を発注者に提示して承認を得た場合はこの限りでない。再委
託範囲は乙が説明責任を果たせる範囲とし、再委託先に問題が生じた場合は乙の責任にお
いて解決するものとする。
第8条(打合せ協議)
乙は、本業務の実施前及び実施中における主要な業務打合せにあたっては、管理技術者
及び関係技術者を出席させ、甲と十分に協議するものとする。また、各工程を行うにあた
り、甲と緊密に打合せ協議を行うものとし、課題を随時取りまとめ、甲の承認を得て本業
務に反映させるものとする。
協議内容について、乙は、
「打合せ記録簿」をその都度作成し、甲乙確認のうえ、それぞ
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れ一部ずつ保有するものとする。
第9条(工程管理)
乙は、工程に変更が生じた場合には速やかに変更工程表を提出し、甲の承認を得なけれ
ばならない。
第10条(資料の貸与)
本業の実施にあたり、甲が乙に対し貸与する資料は、以下のものとする。なお、資料等
の管理及び取扱いについては十分に注意するとともに、資料等及びその複写又は複製物等
は、甲の許可なく甲が指定する場所以外に持ち出してはならない。
また、乙は本業務の完了後に、貸与資料を速やかに甲に返却するものとし、業務実施期
間中であっても、甲から貸与資料等の返却の要請がある場合は速やかに返却するものとす
る。
(1)下水道台帳データ(shape 形式)
(2)基盤地形図データ(1/500shape 形式)
(3)土岐市下水道事業計画関係資料
(4)設計図書、完成図書、工事設計書
(5)工事台帳
(6)決算書及び決算附属書類
(7)補助金関係書類
(8)起債関係書類
(9)その他、甲が必要と認めた資料
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本業務において貸与資料等以外の資料を収集する必要がある場合は、乙がこれを行う
ものとする。
第11条(目的外使用の禁止)
乙は、甲から貸与を受けた資料等を本業務以外に使用し、又は第三者に提供し、もしく
は使用させてはならない。契約の終了又は解除後も同様とする。
第12条(情報セキュリティポリシーの遵守義務)
甲より貸与を受けた資料及び成果品について、乙は破損、紛失のないよう取扱いに十分
注意するものとする。
乙は、土岐市個人情報保護条例を遵守するとともに、ISO27001 若しくは JIS Q27001(情
報セキュリティマネジメントシステム)の認証又は JIS Q15001(プライバシーマーク)の
付与を受けた者で、セキュリティ対策及び個人情報保護に精通し、外部への情報漏洩がな
いよう徹底した管理を実施できる者でなければならない。乙は、契約時にこれを証明する
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書類を提出するものとする。
第13条(損害賠償)
乙は、本業務実施中に生じた諸事故に対して一切の責任を負い、甲に発生原因、経過、
被害の内容を速やかに報告するものとする。また、損害賠償等の請求があった場合は、一
切を乙において処理するものとする。
第14条(検査及び納品)
乙は、本業務完了に先立ち、甲所定の手続きを経てその完了検査を受けるものとし、訂
正を指示された箇所は直ちに訂正するものとする。
完了検査合格後、本仕様書に指定された成果品一式を納品して業務の完了とする。ただ
し、本業務完了後であっても、成果品に記入漏れ、不備、誤り又は是正すべき事項等が発
見された場合は、乙の費用負担により速やかに訂正、補足、報告等の必要な措置を講じな
ければならない。
第15条(疑義の解釈)
本業務の実施にあたり、本仕様書に定めのない事項又は疑義を生じた場合は、甲と乙が
協議のうえこれを定める。ただし、協議が成立しない場合は、甲の指示に従うものとする。
第16条(業務の変更)
甲は必要がある場合には、業務内容を変更又は一時中断、打ち切ることができる。この
場合において工期又は請負金額を変更する必要が生じた時は、甲乙協議のうえ、書面によ
りこれを定めるものとする。
第2章
業務概要
第17条(対象範囲及び規模)
業務の対象となる主要な施設等については下記のとおりとする。なお、数量は平成 25 年
度末の参考数値である。
(1)対象事業
公共下水道事業、農業集落排水事業
(2)対象年度
特別会計設置年度(昭和 48 年度)から平成 26 年度末まで
(3)作業規模
行政区域内人口:60,691 人
行政区域面積:11,616ha
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全体計画面積:2,270ha(公共下水道事業)
、67ha(農業集落排水事業)
現在処理区域面積:1,703ha(公共下水道事業)
、67ha(農業集落排水事業)
管路施設延長:365km(公共下水道事業、うち汚水管 336km、雨水管 29km)
9km(農業集落排水事業)
マンホールポンプ場:73 箇所(公共下水道事業 66 箇所、農業集落排水事業 7 箇所)
処理場:公共下水道事業、農業集落排水事業 各 1 箇所
第18条(業務委託の概要)
本業務の内容は以下のとおりとする。
(1)法適用に係る基本方針の検討
(2)固定資産調査基本方針の策定・調査手法の検討
(3)移行事務手続きに係る調査及び検討
(4)会計システム導入に係る調査及び検討
(5)基本計画の策定
(6)職員研修
第19条(履行期間)
本業務の履行期間は、契約締結日の翌日から平成 28 年 3 月 4 日までとする。
第3章
業務内容
第20条(法適用に係る基本方針の検討)
法適用の基本方針となる法の適用範囲等の検討を行う。
(1)土岐市下水道事業内容の把握
法適用の基本方針検討のために、土岐市下水道事業の整備状況、経営状況及び事業執
行体制等について、決算書、事務分掌並びにヒアリングによる把握を行う。
(2)法適用方針の検討
法適用の目的を明確にし、基本方針を定めるため、以下の事項について整理、検討を
行う。
①目的の整理
土岐市下水道事業の現状を踏まえ、法適用する目的の整理をする。
②対象事業の検討
法適用に係る対象事業を下水道法上の下水道以外の事業である農業集落排水事業も
含めて検討する。
検討に際しては、事業の特性や運営状況、執行体制等を十分に考慮して行う。
③法適用範囲の検討
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運営体制等を考慮したうえで、地方公営企業法の全部(組織・財務・職員の身分の
取扱い)を適用するのか一部(財務規定のみ)を適用するのかを検討する。
④組織体制の検討
法の適用範囲の検討を踏まえ、管理者の設置・非設置、会計管理者への委任事項等
について検討を行う。
(3)準備体制の検討
法適用において必要な作業を踏まえたうえで、移行業務に関する組織体制の検討を行
う。
(4)スケジュールの検討
本業務の検討結果をもとに、法適用に関する各種作業間の関連性等を考慮した移行ス
ケジュールを策定する。
第21条(固定資産調査基本方針の策定・調査手法の検討)
土岐市下水道事業が有する固定資産の調査及び評価に関する事前準備として、以下の調
査及び検討を行う。
(1)固定資産調査・評価に伴う資料の調査及び収集整理
固定資産に関する資料について、各種資料の現存状況、保管場所及び保管期間等を確
認し、必要な資料について収集整理する。主な収集資料は次のとおりとする。
①決算関連資料
決算書及び決算附属書類、決算統計資料、公債台帳、消費税申告書等
②工事関連資料
工事台帳、設計書等
(2)決算書の整理
事業内容や現有の資産取得に要した費用、その財源、間接費等を経年的に把握するた
めに、事業開始から現在までの決算書を整理する。
(3)固定資産調査・評価要領(案)の作成
固定資産調査・評価の方針をまとめ、調査・評価要領(案)を作成する。
なお、固定資産調査・評価については、本業務で十分検討したうえで対応を決めるが、
現在のところ、甲の職員において対応することを予定している。
第22条(移行事務手続きに係る調査及び検討)
法適用時の事務手続き等の必要作業について、以下の検討を行う。
(1)他自治体の事例調査
地方公営企業法の適用範囲や法適用作業の体制等の移行に関する検討事項について、
先行自治体の適用事例について調査を行う。
(2)協議関連部署の抽出と協議事項の整理
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土岐市下水道事業法適用の関連部局を抽出し、事務全般における協議事項及び協議時
期の整理を行う。
(3)職員研修に関する検討
法適用にあたり、関係職員に対する研修について、研修内容及び研修時期等について
検討を行う。
(4)条例、規則等の調査
現行の条例、規則等に関する資料を整理するとともに、新たに制定及び改正が必要と
なる条例、規則の整理を行う。
第23条(会計システム導入に係る調査及び検討)
会計システムの導入に関し、以下の調査、検討を行う。
(1)システムの現状に関する調査
現状で稼働している他会計システムについて、データの整備状況や帳票出力機能等の
概要を調査するとともに、ネットワーク体系、ハードウェア、管理体制等の状況調査を
行う。
(2)会計システム導入に関する検討
現状で稼働している他会計システムを活かしつつ、新しいシステムの導入も視野に入
れ、導入後のランニングコストも考慮し、企業会計移行を行うにあたり安価で最良のシ
ステムを構築するための検討を行う。
また、企業会計移行上必要と思われるシステムの構築・機能確認の検討も行う。
第24条(基本計画の策定)
本業務及び以下の検討結果をもとに基本計画を策定する。
(1)概算費用の算出
法適用方針及び固定資産調査、評価要領等をもとに、必要経費の算出を行う。
(2)経営見通しに関する検討
①概略財務諸表の作成
法適用後の経営見通しを把握するため、概略の財務諸表を作成する。
②法適用移行後の収支・財政状況シミュレーション
甲が提示する将来の事業計画及び概算事業費等をもとに、法適用後の収支・財政状
況のシミュレーションを行うとともに、消費税の節税効果について検討を行う。
③資金繰りの検討
直近の現金支出、収入の実績データを整理し、法適用後の資金繰りを検討する。な
お、資金不足となる場合は、原因を特定し対応方法の検討を行う。
また、あわせて現在の基準内繰入金の算定方法を整理するとともに、法適用後の基
準外繰入金の考え方について整理する。
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(3)法適用に伴う検討課題の抽出と整理
本業務における各検討結果を踏まえ、土岐市下水道事業が抱える課題、法適用に伴う
課題及び今後検討が必要になる事項の整理を行う。
(4)基本計画書の作成
本業務の検討結果をもとに基本計画書を作成し、あわせて公表用に基本方針等を抜粋
した概要版を作成する。
第25条(職員研修)
乙は、法適用業務を効率的に進行できるよう、甲に所属する職員に対し、法適用に際し
て必要となる知識や手法についての研修会を適宜行うものとする。
第4章
成果品
第26条(著作権の帰属)
本業務により作成された成果品に関する一切の権利は甲に帰属する。
第27条(成果品)
本業務の成果品は次の各号のとおりとする。
(1)基本計画書(資産調査・評価要領(案)等を含む、電子媒体でも可)
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(2)基本計画概要版
20部
(3)基礎調査報告書
1式
(4)経費仮算定報告書
1式
(5)収支・財政状況シミュレーション報告書
1式
(6)打合せ記録簿
1式
(7)データ等を記録した電子媒体
1式
(8)その他甲の指示する資料
1式
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