日本アイスホッケー連盟レフェリークリニック資料 日本アイスホッケー連盟

日本アイスホッケー連盟レフェリークリニック資料
国際アイスホッケー連盟 ゲームオフィシャル・
ゲームオフィシャル・ハンドブック
オフィシャル・ハンドブックより
ハンドブックより抜粋
より抜粋
「ラインズマンに対する指示のガイドライン」
ラインズマンに対する指示のガイドライン」
1.
フェイスオフ
・質の高いフェイスオフは、最も重要な目標である。
・フェイスオフのスピードは、レフェリーとラインズマンのその他の義務と責任を妨
げる要因となってはならない。フェイスオフのスピードにこだわることを決して希
望しない。
・コミュニケーションは、レフェリーにとって重要な要素である。フェイスオフのス
ピードにこだわり、レフェリーに対して選手と状況についての話し合いあるいはコ
ミュニケーションの機会を奪ってしまうことは、レフェリーのゲーム・マネージメ
ント・プランに影響を与えてしまう。
・ホイッスルの直後に、10 名全員が選手交替のために氷上に出てきており、選手がフ
ェイスオフ・スポットのそばまで来ていたならば、レフェリーは選手交代のための
手の上げ下げをすばやく(5 秒にこだわらず)行ってよい。ラインズマンは、自分がポ
ジションについていたならば、ホイッスルを吹かなければならない。
・ラインズマンは、ホイッスルを吹く前には、すでにフェイスオフのポジションにつ
いていなければならない。それは、選手たちがポジションについた後の時間の無駄
を省くためである。
・選手交代が行われないことが明らかな場合は、レフェリーは手の上げ下げをすばや
く(5 秒にこだわらず)行ってよい。
・質の高いそして公平なフェイスオフのためには、5 秒にこだわらず、それに加えて数
秒の時間を費やしてもかまわない。
・5 秒間は、選手のポジショニングの位置を正すために、選手に話しかけるために使う。
もし選手がホイッスルを吹く前に、すでにフェイスオフのエリアに存在していた場
合には、彼らに対して正確にラインナップするように話しかける。
質の高いフェイスオフ・
質の高いフェイスオフ・コントロールの重要性
・ パックが落とされると同時に、ポジションに入り込むのを防ぐ。
・ サークル内にカットインあるいはカットスルーするのを防ぐ。
・ ポジションに動こうとしているときに、フェイスオフをとることを防ぐ。
・ パックを落とす前に、選手を必ず制止させる。
◎選手を正しくラインアップさせることが難しい場合には、より重要なのはよい落と
し方である。1回の手短な警告の後に、バイオレーションを犯した選手をフェイス
オフから交代させる。自分のペースで行う。
◎フェイスオフの相手方が揃っていない状況で、パックを落とすことが手順の上では
認められている。しかし、そのような警告を試合において最初に行うのは、ニュー
トラルゾーンにおけるフェイスオフにする方が、よりよいゲームマネージメントを
示すであろう。
◎フェイスオフに際しては、早い段階で質の高い基準を定めること。
1
◎エンドゾーンにおけるフェイスオフに際しては、フェイスオフにおいて同時に両者
を交代させることは慎むこと。可能な限り最初の者を交代させること。
◎選手がフェイスオフから交代させられた場合、レフェリーは同じ位置にとどまるこ
と。次のフェイスオフに向けて位置を変える必要はない。
◎エンドゾーンにおけるフェイスオフの場合、ブルーラインのラインズマンは、フェ
イスオフを行うラインズマンの背後から、サークルに進入しようとする選手を注意
深く見なければならない。反則が発生した場合には、ホイッスルを吹き、交替させ
られるべき選手の側のチームを指し示すこと。
◎フェイスオフにおいて、選手がスピンをしてキックによってパックをとろうとする
のを防ぐこと。パックはステイックでとらなければならない。
◎フェイスオフのための L マークを適切に利用すること。しかし、注意しなければな
らないのは、時間はあっという間に経過することである。フェイスオフは、できる
限りすばやく行わなければ成らない。
2.
アイシング
◎アイシングコールに対する優れた基準は、よい試合の流れを提供する。これが、不
必要なアイシングコールが、なぜ試合の流れを壊してしまうかの理由である。
◎アイシングコールをするか否かを決定するために考慮しなければならない要素は以
下の通りである。
・ 防御側の選手は、パックを取ろうと試みなければならない。しかし、
・ 防御側の選手は、その一方、パックを取るか、あるいはパックに触る可能性が無け
ればならない。
◎アイシングコールにおいては、十分に早い時点で判断を下さなければならない。い
かに遅くとも、パックがブルーラインとエンドサークルのトップの間にある時点で
判断を下す必要がある。パックがゴールライン近くまで行った時点で判断をした場
合には、数多くの争いの原因となり、両チームを驚かせるであろう。
◎アイシングコールをする前に、バックラインズマンとアイコンタクトを取ること。
パックを回収する前に、フロントラインズマンは立ち止まり、第一に、スクラムや
いさかい、その他の場合に、選手のコントロールをしなければならない。
◎アイシングの状況におけるバックラインズマンとして、試合進行中には全ての選手
を、とりわけプレーの背後におかれた選手を視野に入れなければならない
3.
オフサイド
・ラインズマンは、プレーがブルーラインを横切る前に、ブルーラインに位置取りを
しなければならない。プレーがブルーラインを横切るのと同時にブルーラインに位
置取りをした場合には、氷面全体と氷上での試合の展開を十分に視野に入れる機会
を失う。
・いったん、プレーがブルーラインを通過した場合には、ラインズマンはブルーライ
ンの外側に戻らなければならない。そして、体を 45 度の角度に位置させ、エンドゾ
ーン全体を見なければならない。
・レフェリーがブレーク・アウェイの状態で取り残されたために(この場合、レフェ
リーはセンターレッドラインの向こうに、かなりの距離を取り残されてしまった場
合を言う)エンドゾーン深く入り込もうとするラインズマンは、彼のブルーライン
を守るということが優先事項であるということを、先ず考えなければならない。
2
いったん、奥深くまで入るという決断をした場合、ラインズマンはゴールラインま
でまっすぐに行かなければならない。
・奥深くまで入ったフロントラインズマンとしては、バックラインズマンがその時点
で、仮に向こう側のブルーラインに向けてロングパスが放たれた場合には、バック
ラインズマンがフロントのブルーラインとバックのブルーラインの両者に責任を持
たなければならないということに気づかなければならない。そのため、できるだけ
早く、フロントのラインズマンはできるだけ早く自分のラインへ戻る努力をしなけ
ればならない。フロントラインズマンがレフェリーをカバーするためにゴールのそ
ばまで深く入り込んだ状況においては、バックラインズマンはレッドラインとブル
ーラインの間、約 3 分の2程度のポジションまで上がってこなければならない。バ
ックラインズマンは、このことに十分注意をし動きを止めることなく、クロスプレ
イのときや、反対方向へのノーマークの発生に備えて、数歩のストライドを可能な
状態にしなければならない。
・バックラインズマンは、あまりにも早く詰めてはいけない。プレーの方向が急に反
転した場合に、氷域に取り残され、ブルーラインがカバーされなくなってしまう。
氷上でのプレーを追いかけるバックラインズマンとしては、少なくとも最後の攻撃
側の選手がそのエンドゾーンを出るまでは、ブルーラインを空けてはならない。
・試合が進行中は、バックラインズマンは最後の攻撃側の選手より前に行ってはいけ
ない。これは、バックラインズマンとブルーラインとの間に、攻撃側の選手がいな
いことを意味する。
・バックラインズマンがプレーの進行にしたがって詰める場合には、視野の間断を防
がなければならず、パックを追うだけではなく、頭を動かしながら、常に氷上の全
体で起こりうる可能性に対して注視しなければならない。というのも、レフェリー
とフロントラインズマンがパックを注視しているからである。
・氷上のロングパスによって、ブルーラインがラインズマンによってカバーされない
か、あるいはラインに入るのが遅れる可能性のため、ラインズマン間のフロントラ
インの交代(フロントラインズマンがブロックされてしまったようなケース)は、
最小限のものとするべきであって、究極の状況に限って交代を行ってよい。
・オフサイドのコールにおいて、ためらいや遅れをきたしてはならない。不必要な遅
れたオフサイドコールは、レフェリーの試合をコントロールに困難を生じさせる(た
とえば、ゴールキーパーに対して遅れたシュートがされたような場合)
。ラインズマ
ンとして、この場合に、できるだけ速やかに試合を中断することを確かにしなけれ
ばならない。
・デイレイド・オフサイドの場面において、オフサイドの状況であることを選手に対
して知らせるために、ラインズマンはシグナルと口頭による警告を用いるように指
示されている。選手がオフサイドの状況であることを知りながら、ゾーンをクリア
しようとしない場合には、プレーは中断されなければならない。その判定は、故意
のオフサイドである。
4.
選手のコントロール
・負傷した選手が発生し、両チームともシュートあるいは得点のチャンスに無い場合
には、その負傷が重傷であり、そして/あるいはレフェリーがそのことに気づいて
いない場合には、試合を中断する。
3
・エンドゾーンで試合が中断され、いさかいが拡大する可能性がある場合には、ライ
ンズマンは移動してポイントとなる選手を注視し、レフェリーの要求に備えて、レ
フェリーに知らせるための備えをする必要がある。
・いさかいに対する優れた予期を用いることによって、ラインズマンは、レフェリー
に対して多大の貢献ができる。ラインズマンは、二人一組のチームとして、正しい
瞬間に選手の間に位置取りをすることによって、不必要な暴力や反則を防ぐことが
できる。とりわけ得点後、二人のラインズマンは得点したチームの選手による、ゴ
ールキーパーまたは相手チームのベンチに対する嫌がらせに注意しなければならな
い。嫌がらせが発生すると思われる当事者間に正しく位置すること。
・ゴールキーパーが 6 人攻撃(ゴールキーパーを上げて選手を出す場合は全て)のた
めに選手と交代する場合は、バックラインズマンはその状況に気づき、センターレ
ッドラインの付近に残り、早すぎる選手交代がなされるか否かを注意深く見つめな
ければならない。
・レフェリーが試合の流れに従ってエンドゾーンを出た場合、バックラインズマンは
いまだにエンドゾーンに残っている両チームの選手を注意深く見つめなければなら
ない。
・氷上で発生しうるあらゆる出来事に注意すること。レフェリーがそばに来て、発生
した事に関して質問をした場合には、答える準備ができていること。レフェリーと
出来事ないしは状況を話し合うときには、ボデイランゲージに注意すること(ボデ
イランージはできるだけ慎む)
。
5.
その他の注意点
・ ラインズマンは、試合の開始前に、両チームとも IIHF のオフィシャルゲームシー
トに記載されているのと同じ数の選手であるということを確認しなければならな
い。
・ レフェリーに対してアシストの報告をすること。これを担当するのは、ブルーライ
ンにいたラインズマンである。
・ ラインズマンは、ノー-マークのときだけ、ゴールを指し示す。
・ 原則として、ラインズマンは、いさかいのエスカレートと、乱闘の発生を防がなけ
ればならない。
・ ラインズマンは、レフェリーがそれに気がついていないことが明らかな場合に限り、
ハンドパスによって試合を中断できる。
・ ラインズマンは、とりわけエンドゾーンにおけるハイステイックについて、レフェ
リーに対してそれをコールする第一の機会を与えなければならない。
・ レフェリーとラインズマンは、試合開始前及び試合後に、レフェリークリーズにお
いて両チームのキャプテンと握手をすること。
・ レフェリーは、両チームのコーチに試合開始前に挨拶に行くが、握手をしてはいけ
ない。
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