グラクティブ錠

使用上の注意改訂のお知らせ
選択的DPP- 4阻害剤
2 011 年 1 月
─ 糖尿病用剤 ─
製造販売
グラクティブ 錠 25
処方せん医薬品 グラクティブ 錠 50
処方せん医薬品 グラクティブ 錠 100
R
○
処方せん医薬品
R
○
お問い合わせ先:医薬情報部
電話 0120−626−190
R
○
R
○
《GLACTIV 》
シタグリプチンリン酸塩水和物錠
このたび、標記製品につきまして平成 23年1月11日付 事務連絡に基づき、「使用上の注意」を改訂致します。また、同時に
「使用上の注意」の他の記載を自主改訂致します。
今後、該当製品のご使用に際しましては、新しい添付文書をご参照くださいますようお願い申し上げます。
1. 改訂内容 ( 部:改訂、 部:移動、 部:削除)
改 訂
現 行
2011 年 1 月改訂
2010 年 9 月改訂
〔使用上の注意〕
〔使用上の注意〕
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)∼(2)省略
(3)次に掲げる低血糖を起こすおそれのある患者又は状態
1)∼ 4)省略
5)高齢者
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)∼(2)省略
(3)次に掲げる低血糖を起こすおそれのある患者又は状態
1)∼ 4)省略
追記
2.重要な基本的注意
(1)本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその
対処方法について十分説明すること。特に、スルホニルウ
レア剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加する。スル
ホニルウレア剤による低血糖のリスクを軽減するため、ス
ルホニルウレア剤と併用する場合には、スルホニルウレア
剤の減量を検討すること。(「慎重投与」、「相互作用」、「重
大な副作用」及び「臨床成績」の項参照)
(2)∼(5)省略(番号順次繰り下げ)
(6)省略(変更なし)
(7)急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹
痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医
師の診察を受けるよう患者に指導すること。(「重大な副作
用」、
「その他の副作用」の項参照)
2 .重要な基本的注意
(1)∼(4)省略
(5)本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその
対処方法について十分説明すること。特に、スルホニルウ
レア剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加する。スル
ホニルウレア剤による低血糖のリスクを軽減するため、ス
ルホニルウレア剤と併用する場合には、スルホニルウレア
剤の減量を検討すること。(「慎重投与」、「相互作用」、「重
大な副作用」及び「臨床成績」の項参照)
(6)省略
4.副作用
(1)重大な副作用
1)∼ 5)
省略
6)
急性膵炎
急性膵炎(頻度不明※)があらわれることがあるので、観
察を十分に行い、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認
められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
海外の自発報告においては、出血性膵炎又は壊死性膵炎も
報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)
(2)その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中
止するなど適切な処置を行うこと。
4 .副作用
(1)重大な副作用
1)∼ 5)
省略
追記
追記
(2)その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中
止するなど適切な処置を行うこと。
次頁へ続く
1
改 訂
0 . 1 ∼ 2%未満
現 行
頻度不明※
0 . 1 ∼ 2%未満
省略
胃腸障害
頻度不明※
省略
腹部不快感、腹部膨満、腹痛、
嘔吐、悪心、
便秘、鼓腸、胃炎、逆流性食
下痢
道炎、胃不快感、口内炎
胃腸障害
腹部不快感、腹部膨満、腹痛、
膵炎、嘔吐、
便秘、鼓腸、胃炎、逆流性食
悪心、下痢
道炎、胃不快感、口内炎
省略
省略
2. 改訂理由
このたび、平成 23 年 1 月 11 日付 事務連絡に基づき、〔使用上の注意〕を改訂致します。また、同時に〔使用上の注意〕の他の
記載を自主改訂致します。
《
〔使用上の注意〕改訂理由》
● 平成 23 年 1 月 11 日付 事務連絡に基づく改訂
2.重要な基本的注意
「重大な副作用」の項に『急性膵炎』を記載することに伴い、
『急性膵炎』に関する注意を追記しました。
(7)急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察
を受けるよう患者に指導すること。(「重大な副作用」、
「その他の副作用」の項参照)
4.副作用(1)重大な副作用
従来、
「その他の副作用」の項に『膵炎』を記載し注意喚起しておりましたが、副作用報告に基づき副作用名を『急性膵炎』に
変更するとともに、
「重大な副作用」の項に移動して、より一層の注意喚起をすることといたしました。
6)
急性膵炎
急性膵炎(頻度不明※)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた
場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。海外の自発報告においては、出血性膵炎又は壊死性膵炎も報告されている。
(
「重要な基本的注意」の項参照)
※:自発報告あるいは海外において認められている。
● 自主改訂
1.慎重投与
高齢者では生理機能が低下していることが多く、低血糖を起こすおそれがあるため、一般的な注意事項として追記しました。
(3)次に掲げる低血糖を起こすおそれのある患者又は状態
5)高齢者
2.重要な基本的注意
低血糖に対する注意喚起を強化するため、「重要な基本的注意」の項の低血糖に関する記載順を変更し、従来の(5)から(1)
に繰り上げました。これに伴い、従来の(1)、
(2)、
(3)、(4)を順次繰り下げ、(2)
、(3)
、(4)
、(5)としました。
4.副作用(2)その他の副作用
「重大な副作用」に『急性膵炎』を記載したことにより、
『膵炎』を削除しました。
その他、今回の改訂にあわせて投薬期間制限(1 回 14 日分)に関する記載を削除しました。
尚、流通在庫の関係から改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに若干の日数を必要と致しますので、当分の間はここ
にご案内致しました改訂内容をご参照下さいますようお願い申し上げます。
*次頁以降に『急性膵炎』『壊死性膵炎』『出血性膵炎』の症例紹介、改訂部分及び使用上の注意の全文を記載しております
のでご参照下さい。
2
─ 急性膵炎の症例紹介 ─
副作用
(報告された副作用)
症例紹介 1
男性
50 代
急性膵炎
(急性膵炎)
使用理由:糖尿病
1 日投与量、投与期間
合併症:なし
既往歴:結腸ポリープ
50mg、6ヵ月
経過及び処置
患者にアルコールの摂取歴、胆石の既往なし。
日付不明
グリメピリドの投与開始。
投与開始日
本剤の投与開始。
投与 6ヵ月目
腹痛が発現し、救急外来を受診。入院。CT 上、膵臓周囲の脂肪組織の density の上昇あり。
アミラーゼ値 2813IU/L、白血球数 13800/μL と上昇しており、急性膵炎と診断。
血中アミラーゼアイソザイム P:93%。
輸液、ガベキサートメシル酸塩、ファモチジン、メロペネム水和物、ブプレノルフィン塩酸
塩を開始し、絶食。その後、熱、痛みは徐々に軽快。
投与 6ヵ月目
急性膵炎発現翌日、本剤投与中止。グリメピリド投与継続。
(投与中止日)
中止 3 日後
入院時よりは症状改善。
中止 5 日後
飲水開始。
中止 7 日後
食事開始。
中止 9 日後
軽快のため退院。
臨床検査値
検査 (単位)
基準値範囲
投与 6ヵ月目
中止 1 日後
中止 2 日後
中止 7 日後
白血球数 (/μL)
3800−9000
13800
15600
12800
6300
13.5−17.0
16.3
15.5
15.0
14.7
好中球数 (%)
40−75
83.1
90.0
88.5
68.7
CRP (mg/dL)
<0.2
0.2
10.1
アミラーゼ (IU/L)
42−129
2813
1204
リパーゼ (IU/L)
17−57
1433
<300
2508
ヘモグロビン (g/dL)
エラスターゼ (ng/dL)
トリグリセリド (mg/dL)
221
アミラーゼアイソザイム P (%)
93
併用薬:グリメピリド
出典:未公表社内資料
3
5.8
359
68
─ 急性膵炎の症例紹介 ─
副作用
(報告された副作用)
症例紹介 2
女性
40 代
急性膵炎
(急性膵炎)
使用理由:糖尿病
1 日投与量、投与期間
合併症:アレルギー性皮膚炎
既往歴:胆石症、胆嚢切除
50mg、23 日間
経過及び処置
投与開始日
本剤の投与開始
投与 19 日目
夜から心窩部痛、背部痛が出現。
投与 22 日目
近医を受診。ラフチジン及びレバミピドの投与開始。
投与 23 日目
心窩部痛が改善しないため、夜間診療を受診。CT で膵の腫大を認め、急性膵炎と診断され、
(投与中止日)
同日入院。入院時より絶食とし、本剤を含む、全ての内服薬の投与中止。補液、ガベキサー
トメシル酸塩及びウリナスタチンの投与開始。
中止1日後
血液検査にて膵酵素が上昇しており急性膵炎の診断確定。
中止 5 日後
上部消化管内視鏡を施行。慢性胃炎のみで、vater 乳頭は正常。
中止 6 日後
心窩部痛なく、夜の食事を開始。ガベキサートメシル酸塩及びウリナスタチン投与中止し、
カモスタットメシル酸塩の投与開始。
中止 9 日後
心窩部痛の再発はなく退院。
中止 40 日後
他院で EUS(超音波内視鏡検査)、MRCP(磁気共鳴胆道膵管造影)を施行したが、いずれ
も異常所見なし。
日付不明
メトホルミン塩酸塩及びグリメピリドの投与開始。
中止 114 日後
血液検査にて、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、エラスターゼ 1 の上昇なし。
日付不明
急性膵炎は回復。
中性脂肪高値なし。CT で総胆管の拡張なし。肝機能障害なし。主膵管の拡張も無く、明ら
かな腫瘍像が認められないため腫瘍性の膵炎は否定された。抗核抗体陰性、RF 陰性及び
IgG4 基準値内のため、自己免疫性膵炎は否定された。
臨床検査値
検査 (単位)
投与 23 日目 中止 1 日後 中止 2 日後 中止 3 日後 中止 4 日後 中止 5 日後 中止 6 日後
14200
14200
13500
12080
10290
6900
6300
CRP 6.23
5.54
6.68
12.01
10.43
4.99
2.35
アミラーゼ 862
273
108
59
42
38
38
白血球数 リパーゼ 1421
トリプシン 8528
エラスターゼ1
2108
47
併用薬:メトホルミン塩酸塩、グリメピリド、ロスバスタチンカルシウム、フェキソフェナジン塩酸塩
出典:未公表社内資料
4
─ 壊死性膵炎の症例紹介 ─
副作用
(報告された副作用)
症例紹介
壊死性膵炎
(壊死性膵炎)
使用理由:糖尿病
男性
50 代
1 日投与量、投与期間
合併症:高血圧、高コレステロール血症、
糖尿病性腎症、先天性膵臓異常
既往歴:なし
100mg、41 日間
経過及び処置
患者にアルコール依存症なし。
投与開始日
本剤の投与開始。
投与 41 日目
壊死性膵炎のため入院。本剤は投与中止。胆道 MRI 所見で分割膵を認め、CT 所見では壊
(投与中止日)
日付不明
死性膵炎を認めた。肝胆道超音波所見では異常なし(胆石なし)。
壊死性膵炎は緩徐に回復。
併用薬:アムロジピンベシル酸塩、グリメピリド、metformin pamoate(国内未発売)
、
アトルバスタチンカルシウム水和物、perindopril arginine(国内未発売)
出典:未公表社内資料(外国症例)
─ 出血性膵炎の症例紹介 ─
副作用
(報告された副作用)
症例紹介
男性
不明
出血性膵炎
(出血性膵炎)
使用理由:不明
1 日投与量、投与期間
合併症:不明
既往歴:不明
不明、不明
経過及び処置
本剤の投与量、投与期間、使用理由は報告されていない。
日付不明
本剤投与中に出血性膵炎が発現し、入院。
本剤の処置不明。出血性膵炎は未回復。
併用薬:不明
出典:未公表社内資料(外国症例)
5
改訂部分及び使用上の注意の全文(下線部分改訂)
2011 年 1 月改訂
(4)本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を
十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払う
こと。本剤を 3ヵ月投与しても食後血糖に対する効果が不
十分な場合、より適切と考えられる治療への変更を考慮す
ること。
(5)投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する
必要がある場合があり、また、患者の不養生、感染症の合
併等により効果がなくなったり、不十分となる場合がある
ので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に留意の上、
常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意すること。
(6)腎機能障害のある患者では本剤の排泄が遅延し血中濃度が
上昇するおそれがあるので、腎機能を定期的に検査するこ
とが望ましい。(
「用法・用量に関連する使用上の注意」
、
「慎
重投与」及び「薬物動態」の項参照)
(7)急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹
痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医
師の診察を受けるよう患者に指導すること。(「重大な副作
用」、
「その他の副作用」の項参照)
〔禁忌(次の患者には投与しないこと)〕
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1 型糖尿
病の患者〔輸液及びインスリンによる速やかな高血糖
の是正が必須となるので本剤を投与すべきでない。〕
(3)血液透析又は腹膜透析を要する患者を含む重度腎機能
障害のある患者〔本剤の血中濃度が上昇する。(「薬物
動態」の項参照)〕
(4)重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者〔イン
スリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与
は適さない。〕
〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
本剤は主に腎臓で排泄されるため、中等度腎機能障害のあ
る患者では、下表を目安に用量調節すること。(
「慎重投与」
及び「薬物動態」の項参照)
腎機能 クレアチニンクリアランス
(mL/分) 通 常
障 害 血清クレアチニン値(mg/dL)※ 投与量
最 大
投与量
< Ccr < 50
30 −
< 2.5
男性:1 . 5 < Cr −
< 2.0
女性:1 . 3 < Cr −
50mg
1日1回
中等度
25mg
1日1回
3 .相互作用
本剤は主に腎臓から未変化体として排泄され、その排泄に
は能動的な尿細管分泌の関与が推察される。(「薬物動態」
の項参照)
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
糖尿病用薬
糖尿病用薬との併用時に 糖尿病用薬
(特
スルホニルウレア は、低血糖症の発現に注 に、スルホニル
剤等
意すること。特に、スルホ ウレア剤)との
ニルウレア剤と併用する場 併 用 時には 、
合、低血糖のリスクが増 本剤の血糖コ
加する。スルホニルウレア ントロール改善
剤による低血糖のリスクを により、低血糖
軽減するため、スルホニル 症 のリスクが
ウレア剤の減量を検討す 増加するおそ
ること。低血糖症状が認 れがある。
められた場合には、糖質
を含む食品を摂取するな
ど適切な処置を行うこと。
(「慎重投与」、
「重要な基
本的注意」、
「重大な副作
用」及び「臨床成績」の
項参照)
※:クレアチニンクリアランスに概ね相当する値
〔使用上の注意〕
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)中等度腎機能障害のある患者(「用法 ・ 用量に関連する使
用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)
(2)他の糖尿病用薬(特に、スルホニルウレア剤)を投与中の
患者〔併用により低血糖症を起こすことがある。(「重要な
基本的注意」、「相互作用」、「重大な副作用」及び「臨床成
績」の項参照)〕
(3)次に掲げる低血糖を起こすおそれのある患者又は状態
1)
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
2)栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量
の不足又は衰弱状態
3)
激しい筋肉運動
4)過度のアルコール摂取者
5)高齢者
2.重要な基本的注意
(1)本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその
対処方法について十分説明すること。特に、スルホニルウ
レア剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加する。スル
ホニルウレア剤による低血糖のリスクを軽減するため、ス
ルホニルウレア剤と併用する場合には、スルホニルウレア
剤の減量を検討すること。(「慎重投与」、「相互作用」、「重
大な副作用」及び「臨床成績」の項参照)
(2)糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮する
こと。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類
似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患が
あることに留意すること。
(3)本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、
運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考
慮すること。
6
ジゴキシン
本剤との併用によりジゴキ 機序不明
シンの血漿中濃度がわず
かに増加したとの報告が
あるので、適切な観察を
行うこと。
(「薬物動態」の
項参照)
血糖降下作用を
増強する薬剤
β- 遮断薬
サリチル酸剤
モノアミン酸 化
酵素阻害剤等
左記薬剤と本剤を併用す
る場合には、血糖降下作
用の増強によりさらに血糖
が低下する可能性がある
ため、併用する場合には
血 糖 値その他 患 者の状
態を十分観察しながら投
与すること。
左記薬剤との
併 用により血
糖降下作用
が増強される
おそれがある。
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
血糖降下作用を
減弱する薬剤
エピネフリン
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン
等
左記薬剤と本剤を併用す
る場合には、血糖降下作
用の減弱により血糖が上
昇する可能性があるため、
併用する場合には血糖値
その他患者の状態を十分
観察しながら投与すること。
左記薬剤との
併 用により血
糖降下作用
が減弱される
おそれがある。
0 . 1 ∼ 2%未満
神経系障害
浮動性めまい、感覚鈍麻
眼障害
糖尿病性網膜症の悪化
心臓障害
上室性期外収縮
呼吸、胸郭
及び縦隔障害
胃腸障害
4.副作用
国内で実施された臨床試験において、1 , 190例中96例
(8 . 1%)
の副作用が認められた。主なものは低血糖症17例
(1 . 4%)
、
便秘 12 例(1 . 0%)等であった。また、関連の否定できない
臨床検査値の異常変動は1,188例中49例
(4 . 1%)
に認められ、
主なものはALT
(GPT)
増加18例/1,188例
(1.5%)
、AST
(GOT)
増加12例/1 , 188例
(1 . 0%)
、γ-GTP増加10例/1 , 188例
(0 . 8
%)等であった。(承認時)
(1)重大な副作用
1)アナフィラキシー反応
アナフィラキシー反応(頻度不明※)があらわれることが
あるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には
投与を中止し、適切な処置を行うこと。(
「禁忌」の項参照)
2)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、剥脱性皮
膚炎
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、剥脱性皮
膚炎(いずれも頻度不明※)があらわれることがあるので、
このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切
な処置を行うこと。(「禁忌」の項参照)
3)
低血糖症
他の糖尿病用薬との併用で低血糖症(グリメピリド併用時
5 . 3%、ピオグリタゾン併用時 0 . 8%、メトホルミン併用
時 0 . 7%)があらわれることがある。特に、スルホニルウ
レア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失
を来す例も報告されていることから、スルホニルウレア剤
と併用する場合には、スルホニルウレア剤の減量を検討す
ること。また、他の糖尿病用薬を併用しない場合でも低血
糖症(1 . 0%)が報告されている。低血糖症状が認められ
た場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を
行うこと。(
「慎重投与」
、
「重要な基本的注意」
、
「相互作用」
及び「臨床成績」の項参照)
4)
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)等の著しい上昇を伴う肝機能
障害、黄疸(いずれも頻度不明※)があらわれることがあ
るので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、
投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5)急性腎不全
急性腎不全(頻度不明 ※)があらわれることがあるので、
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中
止するなど適切な処置を行うこと。
6)
急性膵炎
急性膵炎(頻度不明※)があらわれることがあるので、観
察を十分に行い、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認
められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
海外の自発報告においては、出血性膵炎又は壊死性膵炎も
報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)
(2)その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中
止するなど適切な処置を行うこと。
頻度不明※
頭痛
上気道感染、
鼻咽頭炎
腹部不快感、腹部膨満、腹痛、
嘔吐、悪心、
便秘、鼓腸、胃炎、逆流性食
下痢
道炎、胃不快感、口内炎
皮膚及び
発疹
皮下組織障害
全身障害
空腹、浮腫
臨床検査
心電図T波振幅減少、体重増加、
赤血球数減少、白血球数増加、
ALT(GPT)増加、AST(GOT)
増加、γ-GTP 増加、CK(CPK)
増加、血中コレステロール増加、
血中尿酸増加、血中クレアチニン
増加、低比重リポ蛋白増加、血中
トリグリセリド増加、 尿中蛋白陽性
皮膚血管炎、
蕁麻疹、
血管浮腫
※:自発報告あるいは海外において認められている。
5 .高齢者への投与
高齢者では腎機能が低下していることが多い。高齢者では
腎機能に注意し、腎機能障害がある場合には適切な用量調
節を行うこと。(
「用法・用量に関連する使用上の注意」
、
「慎
重投与」及び「薬物動態」の項参照)
6 .妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益
性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を考慮す
ること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
動物実験(ラット)において、1 , 000mg/kg/日(臨床での
最大投与量 100mg/日の約 100 倍の曝露量に相当する)経
口投与により、胎児肋骨の欠損、形成不全及び波状肋骨の
発現率の軽度増加が認められたとの報告がある。〕
(2)授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。 〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。〕
7 .小児等への投与
小児等に対する本剤の安全性及び有効性は確立していない
(使用経験がない)。
8 .適用上の注意
薬剤交付時:PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出し
て服用するよう指導すること。(PTP シート
の誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入
し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤
な合併症を併発することが報告されている。)
9 .その他の注意
雌雄ラットに本剤 50、150 及び 500mg/kg/日を 2 年間経口
投与したがん原性試験では、500mg/kg/日群の雄ラットに
おいて肝腺腫及び肝がんの発現率が増加し、同群の雌ラッ
トにおいて肝がんの発現率が増加したとの報告がある。こ
のラットの投与量は、臨床での最大投与量 100mg/日の約
58倍の曝露量に相当する。
雌雄マウスに本剤 50、125、250 及び 500mg/kg/日を 2 年間
経口投与したがん原性試験では、本剤 500mg/kg/日(臨
床での最大投与量100mg/日の約68倍の曝露量に相当する)
までの用量で、いずれの臓器においても腫瘍の発現率は増
加しなかった。
7