相馬地方農業共済組合

2015. 1 VOL.91
編集・発行
相馬地方農業共済組合
南相馬市原町区日の出町507 ℡.23-6236㈹
http://www.fukushima-nosainet.jp/~nosai-soma/
[email protected]
Contents
P2
P 4~5
年頭のごあいさつ
わが組合をささえるスタッフ紹介
P3
P6
水稲共済金を支払いました。
果樹共済・園芸施設共済 2
年頭のごあいさつ
相馬地方農業共済組合
組合長 太 田 豊 秋
年頭にあたり、組合員の皆様に謹ん
で新年のごあいさつを申し上げます。
日頃は、組合員の皆様方からNOS
AI制度並びに組合運営に格別のご理
解とご協力を賜り厚く御礼申し上げま
す。
東日本大震災並びに東京電力福島第
一原子力発電所事故からまもなく四年
を迎えようとしておりますが、避難を
余儀なくされた組合員の皆様の御労苦
に対しまして衷心よりお見舞い申し上
げます。
さて、昨年は東日本を中心とした豪
雪に始まり、夏には前線の活動が活発
化したため、台風が相次いで接近・上
陸し、全国各地で大きな被害が発生し
ました。特に2月には記録的な大雪が
降り、相馬地方の主要道路である国道
115号線や県道原町川俣線が数日間
に亘り通行止めとなり、生活に大きな
影響があったことは皆様も記憶に刻ま
れていることと思います。
こ の よ う に、 近 年 は、 異 常 気 象 が
懸 念 さ れ、 自 然 災 害 に 対 す る セ ー フ
ティーネットとしてのNOSAI制度
の役割は、ますます重要となっている
ところであります。そのような中、損
害評価会委員並びに損害評価員の皆様
におかれましては、これからも発生す
るであろう災害に対して、迅速かつ適
正な損害評価に、ご尽力いただきます
ようお願い申し上げます。
我が国の農業は、生産者の減少と高
齢化の進展、耕作放棄地の増加等の構
造的な問題を抱えております。そのた
め、政府は、平成二十五年十二月、
「農
林水産業・地域の活力創造プラン」を
策定し、昨年六月にこれを改訂いたし
ました。その中で、「生産現場の強化」
や「多面的機能の維持・発揮」など「強
い農林水産業」と「美しく活力ある農
山漁村」を創りあげるとしております。
このため、農林水産省では、昨年よ
り、 農 業 経 営 全 体 に 着 目 し た 新 た な
セーフティーネットとして、農産物の
価格低下を含めた収入減少を補てんす
る収入保険制度の導入に向けた検討調
査事業が、全国のNOSAI組織を挙
げて実施されているところでありま
す。
また、本県におけるNOSAIの県
下1組合化へ向けた取組みについて
は、チラシをご覧いただいておられる
かと存じます。これは、国の予算削減
に よ る 事 務 費 補 助 金 の 削 減 が 続 く 中、
将来にわたり効率的で安定的な運営と
組合員サービスの維持・向上を図り組
合員の皆様の信頼に応えられる組織体
制の確立を目指し、現在の9組合・連
合会・国の三段階制から、1県1組合
化による二段階制への移行を目指して
いるものであります。なお、これから
も農家のためのNOSAIとして、役
職員一丸となり組合員皆様の負託にこ
たえられるよう取り組んでまいります
ので、ご理解を賜りたいと存じます。
さて、震災と原発事故以降、深刻さ
を増すのが、農作物の野生鳥獣被害に
歯止めがかからないことです。組合で
は、管内市町村への捕獲用箱わなの貸
与と電気柵等購入費の一部助成を行っ
ており、重要な獣害対策と位置づけて
おります。
最後になりましたが、組合員の皆様
方のご健康とご多幸を心よりご祈念申
し上げ、年頭のごあいさつといたしま
す。
合
豊秋
長 太田
本年もよろしく
お願い申しあげます。
組
義重
副 組 合 長 島
理
理
事 清水
事 菅野
事 寺島
猛史
理
事 今野
第 一 理 事 山田
理
事 武田
英雄
理
事 佐藤
良一
幸俊
幸一
教仁
哲夫
理
定男
代 表 監 事 八巻
事 島
高明
監
事 齋藤
耕一
監
参 事 豊田 一弘
外職員一同
3
災害の種類別被害提出野帳
10.0%
7.3%
10.9%
71.8%
イノシシにより荒らされた圃場
■風水害 ■干害 ■病害 ■鳥獣害
鳥獣害…サル、イノシシ等による被害が年々多発!
平成 26 年産 水稲共済損害調査結果
市区町村名
共済金支払い対象
提出野帳
(筆)
戸数(戸)
面積(a)
支払共済金(円)
相馬市
74
14
709.9
1,511,160
新地町
10
3
88.7
64,680
原町区
7
2
34.9
10,388
小高区
0
0
0
0
鹿島区
19
2
95.2
42,868
飯舘村
0
0
0
0
110
21
928.7
1,629,096
計
水稲共済金を支払いました
日に損害評価会農
12
年産の水稲共済損害評
11 26
月
日付
12
NOSAIでは平成
価 野 帳 を と り ま と め、
12
月
調査期日 9月 22 日
26
年
■組合抜取調査 20(うち実測 10)筆
26
作物部会を開催しました。
調査期間 9月8日 ~ 10 月 27 日
平成 年産の損害評価高を損害評価会に諮問
し、 審 議 さ れ ま し た。 審 議 の 結 果、 同 部 会 の 答
(全筆調査と抜取調査を合同で実施)
申 を 受 け、 県 連 合 会 へ 報 告。 県 連 合 会 の 審 査、
■合同調査 34 筆
農 林 水 産 省 の 認 定 を 受 け、 平 成
調査期間 9月8日 ~ 10 月 27 日
で水稲共済金を支払い対象組合員の皆様のJA
110 筆
口座へ振込いたしました。
■全筆調査 支払い対象組合員の皆様へは振込のお知らせ
を お 届 け し ま し た の で、 ご 確 認 の 上、 ご 査 収 く
ださい。
平成 26 年産
水稲共済の損害調査について
4
NOSAⅠ関係者(基礎組織者)を
紹介するコーナー
あ
べ
み
さ
お
胸に!
を
たくさんの願い
①阿部 美久男さん(67)
②南相馬市小高区 金房 飯崎
③損害評価員2年目
④自宅兼工場の作業機械のメンテナンス
趣味・特技というより仕事の延長が休日の過ごし方となっている。
⑤ 避難生活は続いておりますが、年間350日以上は小高の自宅兼工場に通っていま
す。農地を荒らさないようトラクター等の作業機器を買い、また、自主的に線量を
測ろうと作物を植えましたが、全てサルやイノシシに食い荒らされ、散々な目に遭
いました。最近は除染作業員が増えたせいか、イノシシは見なくなりましたが、相
変わらずサルは日中、50頭ほど群れをなしてやってきます。
現在でも、除染は進まず、同居していた息子も孫たちも離れて暮らしています。
一日も早く息子たちが戻ってこられるよう、また戻ってくる場所をなくさないよう
に日々、家の手入れをし、一緒に暮らせる日が来ることを切に願っています。
大震災により、建物総合共済の重要性がいっそう高まりました。共済組合には、
建物総合共済のPRに努めてほしいです。
さ とう
てつ お
①佐藤 哲雄さん(65)
②相馬市 中村 和田
未来を信じて!
③共済部長2年目、損害評価員2年目
④機械いじり(草刈り機などの小農器具を自分で修理等) ⑤ 現在、約40名からなる和田の復興組合の人たちと、草刈と瓦礫ひろいを行って3
年目になります。
当地区内にある観光いちご園は津波により、多くのビニールハウスが被害を受け
ましたが、国からの復興交付金で大型の鉄骨製ハウスを整備し、開園再開しました。
しかし海沿いを車で走ってみると水田の復旧は、まだまだと感じます。
また、推進や文書のとりまとめでは、朝晩でもなかなかお会いできない組合員も
いて大変ですが、できる限りコミュニケーションを図るため本人にお会いして話す
よう心がけています。今、NOSAIで行っている電気柵の助成と箱檻の貸与は、
これからも続けてもらいたいですね。
しょうじ
ひさのり
強く!
復興への想い
①庄司 久則さん(67)
②飯舘村 大舘 小宮
③総代17年目
④魚釣り
⑤ 震災後、3年間務めた飯舘村の「見守り隊」を昨年の春で退隊しました。
現在は、飯舘村で立ち上げました「小宮地域農業復興組合」の活動に従事してい
ます。 組合の目的のひとつである「地域農業の再開に資する活動を行う」ことに
向かって尽力していきたいと思っています。
また、永年の消防功績が認められ、昨年秋に「藍綬」の褒章を受章できました。
これも、ひとえに日頃からお世話になっているみなさんのおかげだと、心から感謝
しております。村の除染はまだまだこれからですが、私も帰村して農業を再開した
いと思っています.。あせらずに、健康に留意し希望を持って、一日一日を大切に
過ごしていきたいと思っています。
5
①氏名・年齢
②市町村・地区・集落名
③役職名および職歴
④趣味・特技
⑤エピソードやNOSAIへの要望・意見等
さ とう
まさのり
拡充を!
の
損害防止事業
①佐藤 正憲さん(59)
②南相馬市鹿島区 八沢 茂手
③共済部長11年目 評価員11年目
④バイクのツーリング(バイク530CC ヤマハ TMAXを所有)
日曜大工仕事 (納屋も自作)
⑤ 毎年、水稲の手のかからない7月頃に北海道や長野などへバイクでツーリングに
行っている。特に印象に残っているのは北海道の世界遺産知床峠で景色も良く、直
線で約50キロも続く広大な光景です。今年は九州地方に行く予定です。 震災から4年目を迎えようとしていますが、南相馬市鹿島区も復興のきざしが見
えてきているように感じます。共済部長として毎年、建物共済推進で農家を訪問し
ていますが年々加入推進は難しい状況にあります。 評価員としても11年目を迎えましたが適正・公平な損害評価をできるよう携わっ
てきました。震災後は、イノシシ、サルなど獣害が増えているのに驚きました。N
OSAIには今後とも関係機関と連携をして損害防止事業をさらに強化してほしい
です。震災前に水稲4haほど作付していましたが、震災後は南相馬市の除染が今だ
に進まず苦悩しています。昨年は主食米の天のつぶを作付しましたが、米価の下落、
風評被害によりなかなか思うようにはいかない現状です。しかし今後も、命ある限
り米作りを続けていきます。
はら だ
みのる
い!
写真は生きが
①原田 実さん(66)
②南相馬市原町区 石神 信田沢
③共済部長1年目、損害評価員1年目
④切手収集・写真撮影
⑤ クレマチスの栽培を始め14年になります。現在は89種類の品種を育てています。
最近、後継者のことを思い長年かけて集めたデータをもとに、独自に品種毎に栽培
方法から販売までのマニュアルを作成しました。
また、趣味で毎年、信田沢にある冠嶺神社の境内の桜の木を写真撮影しています。
撮影は、毎年同じ日・同じ角度で行っています。写真を例年と比較することにより、
桜の開花状況がわかり、その年の気候が予想できるようになりました。それを生か
し、農作物の作柄の予想もして楽しんでいます。
共済部長は1年目ですが、組合員歴は40年です。若いころはNOSAIとは何な
のか分かりませんでした。おそらく、今の若い後継者の中にも分からない方は多い
と思います。NOSAIの知名度を更に広めてほしいです。
み
と
か いち
を守る!
右近清水と桜
①水戸 嘉一さん(70)
②新地町 新地 町
③共済部長2年目、損害評価員2年目
④写真撮影
⑤ 人里にイノシシが出没し農作物の被害を受けていることは知っていましたが、今
年水稲損害評価に携わり、改めて農作物への被害が甚大なことを目の当たりにしま
した。動物の生態系が崩れてきていることが懸念されます。
これからも関係機関とNOSAIが一体となり、箱檻の貸与、電気柵の一部助成
金制度等、獣害の損害防止対策事業の継続に更に期待したいと思います。
新地町には名水名所が数ありますが、伊達政宗の孫の右近も飲んだとされる右近
清水の周辺を中心に、桜の苗木を植樹管理し「自然と共生」を目標に活動するボラ
ンティア(右近清水と桜を守る会)に参加しています。これまで会では2,000本を
超える植樹をしてきました。主な活動は、清水周辺のツツジ山の手入れ、桜の下草
刈りですが、これからも自然豊かな町造りの手助けになれるよう会員と共に活動
し、桜の咲く時期に皆さんに観に来ていただきたいと思っています。
6
災害に備えて果樹共済を!
1~2月は果樹(なし)共済の引受推進月間となっております。
異常気象での台風や降ひょう、凍霜害等が心配されます。
また、昨年は果樹(なし)に「黒星病」が発生しました。
万一の災害への対策に果樹共済の加入をご検討ください。
果樹
共済
加入申込みとりまとめ期間
平成27年1月20日~2月20日まで
NOSAI相馬では果樹(なし)栽培農家への全戸訪
問を予定しています。よろしくお願いします。
果樹(なし)共済加入者に対し防除薬剤を交付
果樹(なし)共済加入者に対し防除薬剤無償交付を予
定しています。
対象は、前年(平成26年)産の
果樹(なし)共済加入者です。
災害に備えて園芸施設共済を!
自然災害は、私たちにとって常に「想定外」です。
毎年1月から4月にかけては風害や雪害による
園芸ハウスの被害が多発する時期です。
昨年2月には、30年に一度といわれる大雪で
園芸ハウス等では、これまでにない大災害とな
りました。万一の災害への対策に園芸施設共済
の加入をご検討ください。
黒星病の被害果
園芸施設
共済
掛金等については…
園芸ハウスの設置面積・建築年・パイプの太さ
被覆材のビニールの素材や厚さによって1棟ご
とに違います。
ご加入を希望される場合は、本組合までご連絡
ください。担当職員がお伺いいたします。
事故の報告は速やかにお願いします
事故が発生したときは、被害状況・損害箇所の確認と
被害写真の撮影が必要となります。
ご加入の園芸ハウスが被害にあわれた場合には速やか
に本組合(電話23-6236)へご連絡ください。
昨年2月の大雪による園芸ハウス被害
7
水稲
共済
獣害による農作物
への被害が多発!
●NOSAI相馬では、新たに電気柵又は動物忌避剤を購入された組合員(水稲共済加入者
で 10 月末日まで所定の申請書を提出された)に対して助成金(購入価格の3分の1の額
又は5万円いずれか少ない額)を交付しています。
●本年度の交付申請は終了いたしました。
●本年度の交付申請者数および台(箱)数は、下記のとおりです。
平成 26 年度 電気柵又は動物忌避
剤購入助成金申請者数
市区町村名
戸 数
台・箱数
相馬市
86
112
新地町
13
30
原町区
1
1
小高区
2
2
鹿島区
0
0
飯舘村
0
0
102
145
計
圃場に設置された電気柵
●また、NOSAI相馬では、水稲損害防止事業の一環として、平成 21 年より管内の各市町
村へ「獣害対策用捕獲箱檻」を貸与しています。
●これまでの貸与数は、下記のとおりです。
獣害対策用捕獲箱檻市町村別貸与数
平成 26 年3月 26 日現在
大型
中型
小型
(イノシシ用) (サル用) (サル用)
相馬市
13
2
2
新地町
10
2
2
南相馬市
31
6
7
飯舘村
11
2
3
計
65
12
14
貸与した大型箱檻
(上)
箱檻に捕獲された
イノシシ(下)
8
予期せぬ自然災害・地震に備えて、
総合共済への加入をご検討ください。
建物
共済
1棟当たり最高2, 000万円まで加入できます。
●対象災害
風水害・雪害・その他
自然災害による損害
地震・噴火・津波
火災共済の
対象災害
(火災、落雷、破裂・爆発、
外部からの物体の落下・
飛来・衝突・盗難による
き損等)
※ 加入共済金額の
30%が支払限度
●1,000万円補償の1年間の共済掛金
構造
物件
普通物件
特殊物件
臨費特約
無
有
無
有
住宅・納屋・農作業場
物置・畜舎等
併用住宅・事務所
店舗・神社等
一般造
耐火B
耐火A
25,900 円
30,400 円
31,300 円
36,700 円
21,800 円
25,600 円
24,200 円
28,400 円
19,100 円
22,400 円
22,400 円
22,400 円
耐火B:外壁の全てがコンクリート、ブロック、石、土蔵造のもの。
耐火A:主要構造部がコンクリート造で、外壁の全てがコンクリート、ブロック、石造のもの。
臨時費用
担保特約
共済金(損害共済金)とは別に、損害共済金の20%が臨時費用共済金として支払われます。
ただし、1事故、1建物ごとに250万円が限度となります。
任意共済制度 65 周年記念表彰
NOSAI全国では、このたび任意共済制度 65 周年
を記念し、各功労者へ表彰をおこなった。
過日開催された「NOSAI基礎組織交流会」の席上
あいざわみちよし
で南相馬市小高区の愛澤廸能さんが任意共済事業普及推
進功労者等特別表彰(基礎組織の部)を授与されました。
賀藤連合会長より表彰を受ける愛澤さん
新地町「右近清水」
伊達右近は、亘理の伊達宗実(政
宗 の 九 男 ) の 次 男 と し て 生 ま れ、
宮城県桃生郡小野の伊藤家の養子
となったが、その後、亘理の生家
に帰り、領内の中で環境の良い狼
沢の里を選び、家臣と共に延宝三
年(一六七五年)右近二八歳の時
に移り住んだと言われている。
右近は、宝永七年(一七一〇年)
に 亡 く な る ま で 家 臣 た ち と 共 に、
この地で地域の発展と伊達家の繁
栄のために力を尽くした。
伊 達 右 近 が 鹿 狼 山 を 見 な が ら、
湧き出る清水を愛飲し、一日の疲
6
れを癒したことに因み、平成二年
国道より西へ約3㎞
十一月に「右近清水」と命名され、
看板
新地町
役場
環 境 大 臣 よ り「 平 成 の 名 水 百 選 」
右近清水
に認定された。
N
表
紙
紹
介