A PUBLICATION OF JAPANESE ROCKET SOCIETY 2014-12 592 MAINICHI ACADEMIC FORUM Inc., 1−1−1 Hitotsubashi, Chiyoda-ku, Tokyo 100−0003, Japan ©2014, Japanese Rocket Society されました。 H-ⅡAロケット26号機打上げ 同日15時44分に、小惑星探査機「はやぶさ 2 」の電波が米 国航空宇宙局(NASA)のゴールドストーン局(カリフォル 12月 3 日13時22分04秒(日本標準時)、三菱重工業株式会 ニア州)で受信され、太陽電池パネルの展開、太陽捕捉制御 社および宇宙航空研究開発機構(JAXA)により、種子島宇 などの一連のシーケンスが正常に行われたことと、探査機が 宙センターから小惑星探査機「はやぶさ 2 」(Hayabusa 2 ) 所定の軌道に投入されていることが確認されました。 を搭載したH-ⅡAロケット26号機(H-ⅡA・F 26)が打ち上 イベント げられました。ロケットは計画通りに飛行し、打上げ後約 1 時間47分21秒に「はやぶさ 2 」を正常に分離したことが確認 されました。なお、ロケット打上げ時の天候は晴れ、北西の 風(4. 4 m/s)、気温16. 3 ℃ でした。小型副ペイロードの「し んえん 2 」(九州工業大学)、 「ARTSAT2-DESPATCH」(多 摩美術大学)、「PROCYON」(東京大学)も予定通り、分離 実測値(速報) 1. リフトオフ 0分0秒 2. 固体ロケットブースタ 燃焼終了 1 分33秒 3. 固体ロケットブースタ 分離 1 分47秒 4. 衛星フェアリング 分離 4 分11秒 5. 第 1 段主エンジン 燃焼停止 6 分36秒 6. 第 1 段、第 2 段 分離 6 分44秒 7. 第 2 段エンジン 第 1 回推力立上がり 6 分54秒 8. 第 2 段エンジン 第 1 回燃焼停止 11分20秒 9. 第 2 段エンジン 第 2 回推力立上がり 1 時間39分26秒 10. 第 2 段エンジン 第 2 回燃焼停止 1 時間43分31秒 11. はやぶさ 2 分離 1 時間47分21秒 12. しんえん 2 分離 1 時間54分 1 秒 13. ARTSAT2-DESPATCH 分離 1 時間58分11秒 14. PROCYON 分離 2 時間 2 分21秒 12月 5 日、小惑星探査機「はやぶさ 2 」について、小惑星 表面から試料を採取するサンプリング装置ホーン部の伸展、 イオンエンジンの方向を制御するジンバルの打上時保持機構 (ロンチロック)解除、探査機の 3 軸姿勢制御機能、並びに 地上の精密軌道決定システムの機能確認など、重要なシーケ ンスが正常に実施されたことが確認されました。なお、サン プリング装置ホーン部伸展については、「はやぶさ 2 」宛て H-ⅡAロケット26号機打上げ の寄附金で製作・搭載された小型モニタカメラの取得画像に て確認されました。これによりクリティカル運用期間(ロケ ットから探査機が分離した後、探査機の太陽電池パネル等の 展開、姿勢制御機能及び探査機を追跡管制する地上系設備の 機能の確認など、一連の健全性を確立するまでの期間)が終 CONTENTS ○ H-ⅡA-26… …………………………………………… 1 ○ Running Feature Article … ………………………… 2 ○ Arianespace en mouvement ………………………… 3 ○ Domestic News………………………………………… 4 ◯ Overseas News………………………………………… 5 フェアリング分離時のはやぶさ2 1 了となりました。12月 5 日現在、探査機の状態は正常で、今 後、探査機搭載機器の初期機能確認を約 3 ヶ月間かけて実施 する予定とのことです。 小型モニタカメラで撮像した サンプリング装置ホーン部 (※) クリティカル運用期間 ロケットから探査機が分離した後、探査機の太陽電池パネ ル等の展開、姿勢制御機能及び探査機を追跡管制する地上系 設備の機能の確認など、一連の健全性を確立するまでの期間 小型モニタカメラの搭載場所と撮影方向イメージ図 垣見:そう。爆発して、私は後始末をして会社に帰ってきた。 連載特集記事 その直後に研究課の課長が「君は悪くない」と。でも具体的 ロケット口伝鈔(17)垣見恒男さん(第 4 回) なことは言わないんです。 しかし、「何であんな変な設計をしたんだ」といろんな部 ○カッパ 8 型10号機爆発の本当の原因 署からこてんぱんにやられてひたすら私は謝った。でも「全 林:東大のロケットはペンシルからベビー、カッパロケット て検査して大丈夫なはずだったのに、爆発したのは何か原因 と次第に大型化していきましたね。 があったはずだ」と私は悩み、みんなから攻撃もされて胃潰 垣見:私はミューロケットの基本設計までやりました。ロケ 瘍になってしまいました。プロジェクトリーダーとして責任 ット設計は常に先のことを計画するのが当たり前でした。カ を感じてその時も会社を辞めようと思った。辞めた方が喜ぶ ッパの時はラムダ、その次はミューというようにね。毎回、 人もいっぱいいましたからね。でも糸川さんは辞めるなと。 糸川さんと次はどうしましょうと相談していました。ミュー 糸川さんも分かっていたんじゃないかと思います。だから私 ロケットの直径1. 41mは私が決めました。ラムダロケットの はそのまま文句を言わないで呑み込んだんです。本当のこと 直径735mmも私が決めたんですが、だいたいその倍の大き はずっと後になって燃料を作っている担当者が言いに来まし さなので計算したらできそうだと糸川先生に報告して。 た。 有田:ロケット設計から去られる直前の打ち上げはどの機種 有田:全てを呑み込んだというのは大人の話ですね。企業人 だったのですか? として。 垣見: 3 段式のカッパ 9 型の前に、秋田道川でカッパ 8 型の 林:胃潰瘍になって、どうされたんですか 10号機の爆発があって、その全責任をとらされたのが設計部 垣見:東大病院の内科医になった高校の同級生に「切らずに 署の最後になりました。後から判ったことですが、8 型の燃 治してやるから来い」と言われ、その指導で半年間会社を休 料にひびが入っていた。それを研究課の人たちが私たち設計 みました。ところが、会社に戻ると設計に席がない。これ幸 に言わず、黙っていたんです。糸川研の検査担当の人も一緒 いと追い出されたわけです。それで生産技術課に拾ってもら に検査をして知っていたのに大丈夫だろうと判断して、黙っ った。あれがなかったら、最後まで設計にいて、視野の狭い てやってしまったのです。 状態でサラリーマンを卒業したと思う。 その結果、ロケットは爆発し、責任者の垣見が全て悪いと それからは生産技術、営業、調達と片っ端から課長を経験 いうことにされた。私は自分が設計をまとめていたから「本 しました。物作りではこういう精密加工をしないといけない 当にすみません」と謝りました。本当に私は自分が悪いと思 とか、チタン合金の材料開発をやったり、チタンの溶接の仕 っていたんです。でも後になって、研究課の課長が「君が悪 方を学んだり、ものすごく経験して、そのおかげで会社も色々 いんじゃない」と盛んに言うのです。「何でかな」と思って なことができた。工作機械を買いにスイスにも行きましたね。 これらの経験を日産本社の人材育成で各部署で講義し、 いたら本当は燃料にひびが入っていたんですね。 垣見を知らない奴は日産ではもぐりだと言われるほどでね 林:検査で燃料にクラックがあることが判ったのに、なぜ設 (笑)。ロケットを失敗して追い出されたおかげで、逆に人間 計に言わなかったんでしょうか。 の幅が大きくなったと思います。 垣見:打ち上げる日が決まっていたからです。燃料を作り直 したら打上げが遅れてしまう。クラックでは爆発しないだろ うから、設計には黙っていようと研究部署の中で判断して、 ○国のための、という意識で 私達設計のところに報告が来なかったんです。もし報告が来 垣見:現役時代の競争相手は三菱重工でした。ライバルだけ たら、設計ではクラックによる燃焼面積の増大から爆発に至 ど私は三菱を尊敬していました。防衛庁の人がプリンスに仕 る過程をすぐに計算して、打ち上げを止めてしまいますから。 事を頼んできますよね。うまくいかなかったときには「何で 林:ではクラックがあるのを知りながら打ち上げて、爆発後 お前は三菱に頼まないか」と上司から言われるそうですよ。 にクラックのことを言ってきたんですか? 三菱に頼んでダメならしょうがないと。それくらい、プリン 2 ○神格化されすぎた糸川博士 スと三菱重工は実力に差があった。 林:垣見さん抜きでは、日本のロケットは形にならなかった 三菱重工の社是を知っていますか?「所期奉公」。全て国 のためにやると。ところが三菱は国のためと言いながらもち ことが分かりました。 ゃんと儲けている。ああいう会社だから液体ロケットが出来 垣見:私はある先生から生き証人と言われました。糸川さん たと思います。昔の三菱は実力があった。今はものすごく苦 は確かにいいところがたくさんありました。何より推進力が 労していますね。ひとつは技術の継承の点です。ロケットは あった。糸川さんがチームを引っ張っていったからこそ日本 開発を続けないと技術の伝承ができない。一方利益を出さな のロケットはできた。でも糸川さんだけでは実現しなかった。 いと会社が継続できないという問題もある。 糸川さんは東大の電気専門の高木昇さんとペアでロケット開 有田:日産が IAになって宇宙防衛部門が切り離された現状 発をしていましたが、何かあった時はいつも、高木先生が助 はどうご覧になっていますか? けていました。例えば、東京大学の予算のうち、大きな金額 垣見:やはりIAはかわいい。いろいろな経験をしてこの業 をロケット研究が持っていってしまう。すると他の先生は自 界で伸びて欲しいです。ただし、甘えては駄目。厳しい環境 分の研究ができなくなって不満が出ることがある。そんなと を乗り越えていかないと。でも犠牲になる必要はない。お客 き、高木先生は一生懸命なだめて説得してましたね。糸川先 さんには言うべきことは言って。 生が失敗してもそうやってカバーしてくれる人がいたから、 ロケットを打ち上げることができたんですよ。 日本はモノづくりの国でその原点は中小企業。日本の中小 糸川さんを神格化しすぎず、人間らしい長所も短所もある 企業がつぶれたらアウトです。大学の先生方はちょっと企業 存在として、親しみを持って語り伝えないといけないと思っ に甘えているところがありますね。 ています。 のではなく、そこを貫く本質的な概念という側面から捉える Arianespace en mouvement その 5 と別の側面が見えてくる。アリアンスペースで働いていて強 く感じる事は、フランス人はコンセプトを重視する、という ことである。rayonという単語があるが「中心点から放射状 高松 聖司(アリアンスペース) に延びる」ものがこの単語で表現される。光が放射状に広が フランス語を学ぶ生徒なら誰でも知っている言葉にCe qui るのもrayon、自転車のスポークもrayon、一つの街にホテ n'est pas clair n'est pas français(明晰ならざるものはフラ ルを取って、そこから放射状にいろんな場所を巡る旅をする ンス語にあらず)がある。18世紀の作家リヴァロルの言葉で、 ことは(これは動詞になるが)rayonnerである。単語の成 彼はこの一文で知られるようになったと言っても良いくらい り立ちからして概念的なフランス人の論理が、同じく概念重 であるが、有名なこの言葉は「明晰ならざるもの、それは、 視であることは自然なのかもしれない。言語も論理ももとを 英語、イタリア語、ギリシャ語、ないしはラテン語である」 ただせば古典ギリシャ語のロゴスに由来するということは今 と続くのである。 さら言うまでもない。 しかしフランス人と一度でも仕事をした経験がある日本人 そして筆者が感じるのは、アリアンスペースの商業打上げ は、彼らの仕事の進め方が「理路整然」という概念からは程 市場における成功の鍵は、しばしば日本で間違って報道され 遠いと感じる。筆者はこれまで日欧間のロケット協力の実現 る手厚い政府支援やアリアン優先使用による保護などではな を目指して努力してきたが、常に障害として立ちふさがるの く、宇宙輸送と商業打上げの本質がどこにあるか、という概 が、日本人が持っている「フランスはややこしい」というネ 念的な側面を考え抜き、方針を決め、そして不屈の精神で現 ガティブな印象である。リヴァロルが「明晰でない」と主張 実世界の困難を解決していく、というアプローチそのものに する英語をつかう米国のほうが日本人にとっては分かりやす ある、ということである。明晰なのはコンセプトであり、そ く、単刀直入で、協力しやすいパートナーに見えるのであ のコンセプトを実現するための具体的な計画推進はあくまで る。緻密に具体的な検討を積み重ねることを旨とする日本人 も柔軟に、というのがフランス的な仕事の進め方なのである。 には、決定されたはずの事が簡単に覆される(ように見える) ただ日本人がフランス人の行動を見るときには、基本となる フランスの(ないしは欧州の)やり方に継続性や安定性の欠 コンセプトの部分がなかなか見えにくいので、不安定でやや 如を感じるのであろう。 こしいという印象しか与えていないことは不本意というか残 念である。「臨機応変」という前向きな言葉が日本語にもあ そうした印象を持っている日本の宇宙関係者の目に、アリ るのにな、ともどかしく思う。 アン 6 の開発はどのように映っているのであろうか。つい半 年前まで基本コンフィギュレーションとされていた一二段固 前回までの連載でアリアン・ロケットの開発と初飛行に至 体に液酸液水ステージが乗ったMulti P linearが一夜にして るまでの歴史を概観した。技術開発が主目的であったヨーロ アリアン62と64に取って代わられ、革新的なアイデアの象徴 ッパ・ロケットの失敗と、シンフォニー事件が、欧州の目を であったMulti P linearは、アリアン 5 の固体ブースタを変 覚まさせ、一転して欧州は宇宙輸送とはどうあるべきか、そ えただけに見える古くさいコンフィギュレーションに後退 の本質について考えるきっかけを与えた。そしてロケットの し、しかも機体の直径はアリアン 5 より小さくなっている。 ハードウェア開発だけにとらわれることなく、射点も含めた そこには場当たり的な対応があるばかりで、明晰さのかけら 総合的な「宇宙輸送システム」を開発する事が何より重要で も無いように思われる。 あることに早い段階から気づいている。 コンセプトに強いフランス人は、さらに考えを進める。宇 しかし、物事を具体的な事象の積み重ねとしてだけ捉える 3 宙輸送システムは開発する事が目的ではなく、維持すること レデリック・ダレストは、後にアリアンスペースの営業担当 こそが重要と考え、大規模で複雑な宇宙輸送システムを安定 上級副社長として驚異的な営業力を発揮するラルフ・イェー して運用するためには定常的、規則的、安定的な打上げが必 ガーを伴い、商業打上げの可能性を探って世界を回ったので 要であることを正しく認識し、アリアン 1 の初飛行さえ行わ ある。商業打上げ市場などというものが、果たして存在する れていない1976年の段階で、すでに「量産」の必要性に真剣 のかどうかさえ分からない時代に、そして「実績の無いアリ な取り組みを見せた先見性は驚嘆に値する。この時点で欧州 アンなど誰も買うはずが無い」という嘲笑を受けながらフラ 内の打上げ需要はESAの 3 機とフランスの 1 機しかなく、将 ンスを発った二人は、インテルサットから確定発注 1 機、オ 来的にもアリアンを維持できるほどの政府需要が期待できな プション 2 機の契約を受注して懐疑的な人々を驚かせた。ま いことを知ったCNESのアリアン・プログラム統轄本部のフ だ初号機も打上がっていない1978年の事であった。 後まもなく210枚の配布が終了、整理券のいらないエントラ 国内ニュース ンスの会場もすぐに来場者であふれました。午後 1 時過ぎの 打ち上げ予定時刻の10秒前には、緊張した雰囲気の中、カウ ントダウンするインターネット中継に合わせて「10、9、8…」 JAXAと三菱重工業は30日、小惑星探査機「はやぶさ 2 」 の打ち上げを、天候不順が予想されるため12月 3 日に延期す と会場から自然と声があがり、無事打ち上げられると、来場 ると発表。午後 1 時22分に、種子島宇宙センターから打ち上 者は笑顔と拍手で祝福しました。(12/4 神奈川新聞) げます。天候による延期は 2 回目。当初の11月30日を12月 1 日に延期していました。三菱重工などによると、1 日は風が は や ぶ さ 2 の 旅 立 ち を 応 援 し よ う と、 つ く ば 市 千 現 の 強まり、発射場付近で制限風速の毎秒20. 9 mを超える強風が JAXAで 3 日、パブリックビューイングが行われました。大 見込まれ、3 日の天候はおおむね良好とみられ、前回の延期 人から子どもまで関心が高いはやぶさだけに、モニターで打 理由だった氷の層を含む厚い雲の心配はなくなったため、と ち上げ中継を見守った宇宙ファン約280人から歓声が上がり のこと。三菱重工の担当者は「延びてしまって残念。引き続 ました。(12/4 茨城新聞) き緊張感を保ちながら、大切なはやぶさ 2 を打ち上げる」と JAXAによる「はやぶさ 2 」の 3 日の打ち上げは、長野県 話しています。(12/1 福島民友) 内でも大勢が心待ちにし、成功を祈りました。佐久市子ども JAXAと三菱重工業は 3 日午後 1 時22分、小惑星探査機「は 未来館では、JAXAが配信した中継映像のパブリックビュー やぶさ 2 」を搭載したH 2 Aロケット26号機を種子島宇宙セ イングがあり、約30人が参加、はやぶさ 2 を搭載したH 2 A ンターから打ち上げました。1 時間47分後に高度約900kmで ロケット26号機が大画面に映し出され、白煙が噴出して上昇 予定の軌道に投入、打ち上げは成功しました。6 年後の2020 を始めると拍手が湧きました。はやぶさ 2 に搭載された小型 年の帰還を目指します。(12/4 四国新聞) 探査ロボット「MINERVAⅡ」の部品を提唱した諏訪地方の メーカー関係者も打ち上げ成功を喜び、MINERVAⅡの移動 打ち上げ場所の種子島宇宙センター周辺では「三度目の正 やカメラを制御する電子基板と基本ソフトを製作したシステ 直」を信じて集まった人たちが、はやぶさ 2 を搭載して天に ム開発などのデジタル・スパイス(諏訪市)の須藤泰志社長 向かって突き進むH 2 Aロケット26号機の雄姿に歓声を上げ はJAXA相模原キャンパスのスクリーンで打ち上げを見守り ました。この日、ロケットの発射地点から北約 3 kmにある ました。(12/4 信濃毎日新聞) 見学場「恵美之江展望公園」の前では、午前 9 時半の開門前 地球から約 3 億km離れた小惑星に向かう「はやぶさ 2 」 から多くの車が列を作り、約100台分の駐車場はすぐに満車 に。当初の打ち上げ予定日の前日、11月29日から同公園入口 を搭載したH 2 Aロケットが打ち上げられた 3 日、衝突装置 前に車を止め、泊まり込んだ相模原市の近藤久さん(67)は、 の設計と中に詰める爆薬の製造を手掛けた福島県内の日本工 機白河製造所では、社員約45人が集まり、配信映像で打ち上 「宇宙へ飛び立つ瞬間に立ち会えた」と興奮気味。発射地点 げの瞬間を見守りました。打ち上げが始まると「そのまま上 から北西約 6 kmにある「長谷展望公園」にも、大宮、京都、 がれ」との声が響き、成功に大きな拍手が起きました。 奈良といった県外ナンバーの車が並びました。都内では東京 (12/4 福島民友) ドームシティの宇宙ミュージアム「TeNQ」(文京区)や日 本科学未来館(江東区)などで大画面で中継するパブリック ビューイングが行われ、足立区の「ギャラクシィ」プラネタ JAXAと三菱重工業は 3 日、H 2 Aロケット26号機で打ち リウムでは、ロケットが打ち上げられると、集まった人々か 上げた小惑星探査機「はやぶさ 2 」を午後 3 時 9 分ごろに予 ら拍手がわき起こりました。(12/3 読売新聞) 定の軌道に投入したと発表しました。地球から約 3 億km離 れた小惑星の試料を採取し、2020年の帰還を目指します。全 行程は 6 年で計52億km。(12/4 信濃毎日新聞) 小惑星探査機「はやぶさ 2 」の打ち上げを見届けようと、 相模原市中央区の市立博物館で 3 日、パブリックビューイン グが行われました。市民ら約330人が同館プラネタリウムの 内閣情報調査会は 4 日、情報収集衛星のレーダー衛星予備 ドームスクリーンや、エントランスに設置されたモニターで 機を載せたH 2 Aロケット27号機を、2015年 1 月29日に種子 打ち上げの瞬間を見守りました。同館では、プラネタリウム 島宇宙センター(南種子町)から打ち上げると発表しました。 会場の整理券を求める行列が朝からでき、午前 9 時半の開館 時間帯は午前10時〜正午。予備期間は 2 月28日まで。 4 12月 6 日、2014年 6 回 め と な るAriane 5 ロ ケ ッ ト の 打 上 (12/5 南日本新聞) げが成功裏に行われました。ペイロードは通信衛星 2 基 (DIRECTV社のDIRECTV-14及びインド宇宙研究機関ISRO 国産の主力ロケット「H 2 A」の2014年度の打ち上げ数が、 過去年度最多 5 回となる見通しとなりました。過去最多数の のGSAT-16)です。打上げは仏領ギアナのKourouのGuiana 更新は 9 年ぶり。14年度はこれまでに人工衛星や探査機を載 Space Centerより午後 5:40(現地時間)に行われ、これ せて 3 回打ち上げに成功し、さらに 2 回の打ち上げを予定。 がAriane5の 第63回 目 の 打 上 げ 成 功 と な り ま し た。(12/6 12月 3 日打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ 2 」まで成功率 Arianespace) 96.2%(26回打ち上げ 1 回失敗)と世界最高水準を維持して います。H 2 Aは 6 号機が打ち上げに失敗しましたが、7 号機 12月 7 日 3 時26分(UTC)、第 5 回目となる中国とブラジ 以降連続20回成功。初号機以来、年度平均の打ち上げペース ルの共同ミッションとして、ブラジルのCBERS-4 衛星を は1. 8 回。 搭載したLoang March(長征)-4BロケットがTaiyuan衛星 過去年度最多打ち上げは05年度の 3 回。14年度は予定され 発射センター LC 9 射場設備から打ち上げられました。こ るあと 2 回の打ち上げに成功すると、成功率は96. 4%に上昇 の打上げは第200回目の長征ロケットの打上げです。(12/6 する見通し。14年度は陸域観測技術衛星「だいち 2 号( 5 月 NASASpaceflight.com) 24日)」、気象衛星「ひまわり 8 号(10月 7 日)」、小惑星探査 機「はやぶさ 2 」の打ち上げに成功。15年 1 月29日に情報収 集衛星「レーダー予備機」を、さらに14年度内に「同衛星光 学 5 号機」の打ち上げを予定しています。H 2 Aは07年度(13 号機)から打ち上げ輸送事業を、JAXAから民間の三菱重工 業へ移管、同社が製造から打ち上げまで一貫して担っていま す。三菱重工の阿部直彦宇宙事業部長は当面のロケットビ ジネスについて「年 4 機以上を安定的に生産し、打ち上げた 長征-4Bロケット打上げの様子 い」としています。このため国内衛星の打ち上げとともに海 外から打ち上げ輸送サービスの受注獲得を目指しています。 12月10日(UTC)、中国はYaogan(遥感)Weixing(衛星) (12/24 日刊工業新聞) -25を搭載したLong March 4C(Chang Zheng - 4C, 長征 4C)を、Jiuquan(酒泉)衛星発射センターから、成功裏に打 海外ニュース ち上げました。同ペイロードは 3 基の衛星からなるリモートセ ンシング用の衛星とのこと。(12/10 NASASpaceflight.com) 12月 5 日 午 前 7 時 5 分(EST)、United Launch Alliance (ULA)社のDelta IV Heavyロケットが、NASAのOrion宇 宙 船(LockheedMartin社 製 ) を 搭 載 し て、Space Launch Complex-37から成功裏に打ち上げられました。この無人飛 行はExploration Flight Test-1と呼ばれ、搭乗員安全性にと って重要となるOrionのシステムを試験します。 (12/5 ULA) 長征-4Cロケット打上げの様子 12月12日 午 後 7 時19分(PDT)、United Launch Alliance (ULA)社はNational Reconnaissance Office(米国家偵察局、 Atlas V ロケット打上げの様子 Delta Ⅳ Heavyロケット打上げの様子 (c) ULA 5 NRO)のペイロードを搭載したAtlas Vロケットを、米カリ 12月25日 午 前 6 時 1 分( モ ス ク ワ 時 間 )、 中 型 ロ ケ ッ ト フォルニア州のVandenberg空軍基地にある第3宇宙発射場 Soyuz-2.1bをPlesetsk宇 宙 セ ン タ ー か ら 成 功 裏 に 打 ち 上 から成功裏に打ち上げました。このAtlas Vロケットには 4 げたと、ロシア航空宇宙防衛軍のスポークスマンAlexei 基の固体ロケットブースターが付けられており、メインエ Zolotukhin氏 が 発 表 し ま し た。 ま た そ の 後、 同 氏 はRIA ンジンとの合計の推力は200万ポンド(907トン)とのこと。 Novostiに対し、衛星が正常で予定の軌道に投入されたこ と を 伝 え ま し た。 こ れ は2014年 内 6 回 目 の ロ シ ア に よ る (12/12 ULA) Soyuz-2.1bロ ケ ッ ト の 打 ち 上 げ で し た。(12/25 Sputnik International) 12月15日、International Launch Services(ILS)社は、露 Gazprom Space Systems合資会社のYamal-401衛星を搭載し たProtonロケットを成功裏に打ち上げました。この打ち上げ 12月26日午後 9 時55分(モスクワ時間)、リモートセンシ は、1965年の 1 号機の打上げから数えて400回目のProton打 ング衛星Resource-P No.2を搭載したSoyuz-2.1bロケットが 上げとなりました。(12/15 I LS) Baikonur宇宙基地のNo.31射点から成功裏に打ち上げられま した。(12/26 FSA) 12月15日、米Aerojet Rocketdyne社(GenCorp)は、MPS120キ ュ ー ブ サ ッ ト のHigh-Impulse Adaptable Modular 12月26日午前 3 時22分(UTC)、中国はYaogan Weixing(遥 Propulsion System(CHAMPS)の燃焼試験をワシントン州 感衛星)シリーズの26号機をのせたLong March-4Bロケッ Redmondで成功裏に完了しました。MPS-120は最初の 3 次 トをTaiyuan衛星発射センターのLC9射点から成功裏に打ち 元プリンター製作によるヒドラジン統合推進系であり、キュ 上げました。(12/26 NASASpaceflight.com) ーブサット用の推進系として供給するために設計されていま す。このプロジェクトはNASAのChief Technologist’s Game 12月27日21時37分(GMT), International Launch Services Changing Opportunities in Technology Developmentの出資 (ILS)社は、ASTRA 2G衛星を搭載したProton M/Breeze Mロ ケ ッ ト をBaikonur宇 宙 基 地 か ら 成 功 裏 に 打 ち 上 げ ま によるものです。(12/15 Aerojet Rocketdyne) した。同衛星はルクセンブルグのSES社に向けたもので、 12月18日、インド宇宙研究機関(ISRO)は、静止衛星打上 Breeze M上段エンジンにより無事静止遷移軌道に投入され 用ロケットGeosynchronous Satellite Launch Vehicle(GSLV) ました。この打ち上げは、Proton打ち上げとしては、2014 MarkⅢの最初の実験飛行を実施しました。打ち上げられ 年内 8 回目、ILSミッションとしては 3 回めでした。(12/28 た の は、 再 突 入 実 験 用 ク ル ー モ ジ ュ ー ル「Crew Module ILS) Atmospheric Reentry Experiment(CARE)」で、予定通り ロケット上段から分離され、大気圏再突入を経てインド洋上 《編集室より》 へ着水しました。(12/18 The Hindu) より良い紙面作りのため、会員の皆様の建設的なご意見や 12月18日、仏アリアンスペース社は、Soyuz ST-B/Fregat- 投稿希望の原稿等をお待ちしておりますので、今後ともよろ MTロケットによるIT企業O3b Networks社(本社:英領チ しくお願いします。また、日本ロケット協会では、下記公式 ャネル諸島 ジャージー島)の中軌道(MEO)通信衛星「O3b」 ホームページ及び、Facebookにおいてニュースのリンク先 4 機の同時打上げに成功しました。(12/18 Arianespace) 等の情報を更新しております。 公式ホームページのURL http://www.jrocket.org/ 12月19日午前 7 時43分(モスクワ時間)、Baikonur宇宙基 FacebookのURL https://www.facebook.com/JpnRocketSociety 地からJ JSC MIC NPO Mashinostroyeniya製の「Condor-E」 宇宙機を搭載した大陸間弾道ミサイルRS-18の打上げが成功 ロケットニュースと合わせてご覧頂ければ幸いです。 裏に行われました。(12/19 Russian Federal Space Agency) ▶ロケットニュース編集担当理事 嶋田 徹 12月23日 午 前 8 時57分( モ ス ク ワ 時 間 )、 ロ シ ア の 最 新 〒252-5210 神奈川県相模原市中央区由野台 3−1−1 型 打 上 ロ ケ ッ ト、Angara-A5がPlesetskのMoD第 1 試 験 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 宇宙基地から成功裏に打ち上げられました。本打ち上げは e-mail:[email protected] Angara-A5.1Lと呼ばれ、同ロケットの処女飛行となりまし た。Angara-A5.1L Integrated Launch Vehicle(ILV)は 3 段 式Angara-A5とCommon core boostersとAscent Unit(AU) No. 592 からなっています。AUは衛星重量とサイズを有するモック ロケットニュース 発 行 ©2014 日本 ロケット協会 編集人 嶋 田 徹 アップで、Breeze M上段ブースター上にインストールされ、 フェアリング内に収納されています。推進系は酸素・ケロ シンを用いた環境にやさしいものです。Angara-A5.1L ILV 発 売 三 景 書 店 のリフトオフ時の重量は約768トン、モックアップの質量は 2.04トンとのことです。(12/24 Khrunichev State Research 印 刷 愛 甲 社 and Production Space Center) 6 平成26年12月31日発行 (定価 300円) 〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋 1-1-1 パレスサイドビル2F 株式会社 毎日学術フォーラム TEL 03-6267-4550 FAX 03-6267-4555 〒101-0038 東京都千代田区神田美倉町 1 大松ビル 振替・東京 171960 Phone 03-3252-2149 〒161-0031 東京都新宿区西落合1-26-6 Phone 03-3952-4466
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