知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
診療所
あまみ
中
中 央
事務局
研究所
しらさぎ
つなぐの
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 2447 号 2015.5.11 発行
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華道家・假屋崎さん登場
東日新聞 2015 年 5 月 9 日
「本当においしくて笑顔になる」/タルト専門店「シャン・
ドゥ・フルール」オープン/絵本作家のスギヤマカナヨさん
店内でペイント披露も/豊橋
障害者の社会参加を支援する、豊橋市西幸町の社会福祉法
人さくらが運営するタルト専門店「シャン・ドゥ・フルール」
が8日、グランドオープンした。華道家でタレントとしても
活躍する假屋崎省吾さんが駆けつけ、花を生けてオープニン
グイベントに華を添えた。
バラを生ける假屋崎省吾さん
特別販売されたタルトと、ライブペ
イントをするスギヤマカナヨさん
假屋崎さんは同施設の鈴木
彰伯常務理事と親交があり、実
現した。多くの観衆の前で、軽
妙なトークとともに、母の日にちなんだカーネーションとバ
ラの2作品を生けた。イベント前にタルトを試食したという假屋崎さんは「本当においし
くて、笑顔になるタルト」と太鼓判を押した。
この日は「ミックスベリの焼き込みタルト」を通常2200円のところ100個限定1
500円で、
「グレープフルーツタルト」は通常2900円のところ200個に限り200
0円で特別販売。タルト購入者には、假屋崎さんの直筆サインもプレゼントされた。
絵本作家のスギヤマカナヨさんによるライブペイントも同時開催。タルトが並ぶショー
ケースの後ろにあるガラス面に、店名が意味する「お花畑」を描き出した。
鈴木常務理事は「中度以上の障害者の方たちの可能性を伸ばす環境を提案したい」と意
気込みを話した。
店は9日から営業開始。午前 11 時~午後5時まで。日・月曜日定休。同施設で製造され
る数種類のタルトに加え、パン、うどん、漬物も販売する。
(教えて!)福祉用具レンタルのシゴト
退院後、自宅でも暮らしやすく
朝日新聞 2015 年 5 月 8 日 神奈川
4月下旬、横浜市戸塚区の鳥井口ハヤさん(85)の自宅。福祉用具レンタルなどを手
がける「クラーレ」代表の庵(いおり)甚さん(40)が、スロープ設置のため訪れた。
ハヤさんは要介護4で、ひざに人工関節が入り、ベッドにいることが多い。外出すると
きは車いすだが、介護する夫勉さん(84)も心疾患を抱えている。
ケアマネジャーは、ハヤさんから「近くにスーパーができたので、久しぶりに買い物に
行きたい」と相談を受けた。介護ヘルパーが来る日に買い物に行けるよう、玄関へのスロ
ープ設置を庵さんに相談していた。
福祉用具のレンタルや購入は介護保険が適用される。利用者負担は原則1割。
レンタルでは車いすや歩行器、エアマットなど、販売ではポータブルトイレ
や簡易浴槽などが対象となる。事業所はレンタル・販売のほか、手すりの設
置工事などの住宅改修も行う。
この日は、ケアマネとヘルパーも来た。庵さんは、長さが違う2
種類のスロープを設置。ヘルパーは、実際に車いすにハヤさんを乗
せ、下ろす作業をした。
「短いと勾配が急になるので、長い方がい
いんじゃないですかね?」
「そうですね」。結局、長い方のスロープ
をしばらく置き、試すことにした。
また、転倒しにくいように、ベッド横のポータブルトイレの場所
を動かした。ケアマネは「庵さんは福祉用具のプロなので、私が思
いつかないことも提案してくれ助かる」と話す。
クラーレには、5人のスタッフがいて、300 人超の利用者を抱え
る。利用者の退院が決まると、自宅に行って、どんな福祉用具が必
要か話し合う。ベッドの大きさや手すりの位置などについて決める。
庵さんが意識するのは、ケアマネや病院スタッフら他職種との連携だ。退院前に、病院
スタッフと一緒に利用者宅の調査に行くことも多い。医療・介護職らが集まる勉強会にも
参加し、最新情報を学ぶ。
「連携することで、利用者さんに対し、より深い関わり方ができる。それがこの仕事の
喜びです」
(佐藤陽)
シンクロ支え合って
名古屋の障害者ら、京都の祭典へ
山本奈朱香
朝日新聞 2015 年 5 月 9 日
全国大会に向け練習を重ねるベルーガの選手たち=4月2
5日、名古屋市名東区の市障害者スポーツセンター、相場郁
朗撮影
障害のある人も、な
い人も一緒に取り組む
障害者シンクロナイズ
ド・スイミングの祭典
「フェスティバル」が
10日、京都市である。
東海地方で唯一のチー
ム「名古屋ベルーガ」
は18回連続の出場に
向け、練習に励んでいる。
「顔を上げた時、いつも誰かが
むせてるの。むせたらダメ~」
4月25日、名古屋市障害者スポーツセンターの室内プール。
コーチの杉浦真代さん(42)が
身ぶりを交えて指導すると、真剣
な表情のメンバーが一斉に笑った。
約2時間の練習中、常に笑い声がプ
ールに響く。
ベルーガの発足は1997年。シ
ンクロの経験があった杉浦さんが東
京で障害者シンクロを見たことがき
っかけ。
「足が使えなければ手を使えばいい。1人で立てなければ誰かが助ければいい。出
来ないことなんて無いんだ」と衝撃を受け、「名古屋でも広めたい」と立ち上げた。
5年前に始めた会社員の高田秀一さん(31)は、脳性まひのため普段は杖をついて歩
く。最初は、浮くこともできなかった。杉浦さんは「沈んだら沈んだまま。こっちが怖か
った」と振り返る。
生薬栽培
障害者の手で
安曇野のNPOが就労支援
信濃毎日新聞
2015 年 5 月 9 日
畑のうねに筋をつけ、生薬の種をまく望月さん(左から3人目)ら
障害者の就労を支援している安曇野市のNPO法人グ
ランド・リッシュが、大阪市の漢方薬メーカーの協力を得
て生薬の栽培を始めた。供給された種や苗を市内外の畑で
育て、漢方薬の原料となる根を全量販売する。栽培は、精
神的な病気や障害で家に閉じこもりがちな若者らが担い、
収穫後の根の洗浄と乾燥を障害者就労継続支援事業所に
委託して働く機会を増やす構想。同市三郷温の畑で8日、
生薬の種まきや苗植えをした。
参加したのは中信地方の30代の男女3人。NPO法人役員らに教わりながら苗を植え
たり、種をまいたりした。松本市並柳の男性(37)は「農作業は楽しい。都会育ちで経
験がないが、これから覚えていきたい」と笑顔を見せた。
トウキ、シャクヤクなど3種類の生薬を市内2カ所の計7アールほどで栽培する計画。
12月まで草取りや収穫をして、参加者に時給を支払う。作業にはNPO法人県セルプセ
ンター協議会(長野市)が仲介する障害者も参加するほか、上田市のNPO法人わっこ自
立福祉会の申し出を受け、上田市でも栽培する。
グランド・リッシュの望月美輪理事長(41)は「農業を障害者の安定した仕事にでき
ないかと2年前から準備してきた」と説明。地元農家らに相談し、生薬は鳥獣害の心配が
少ない上、栽培作業が障害者に向いていると判断した。紹介された漢方薬メーカーから協
力を取り付け、農場で栽培指導も受けた。生薬の根の洗浄を委託する事業所はこれから決
める。望月さんは「作業を分担し、障害のある人が自分のできることをやれればいい」と
話している。
認定こども園、1年でほぼ倍増
東京都は「返上」相次ぐ
畑山敦子
朝日新聞 2015 年 5 月 9 日
給食の後、先生と遊ぶ子どもたち=宮崎県日向市の認定こど
も園「富高幼稚園」
幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」
が4月1日時点で2836カ所となり、昨年4月時
点からほぼ倍増した。内閣府が8日発表した。一方、
認定を返上して幼稚園などに戻った施設も128カ
所あった。返上が相次いだ東京都は都道府県で唯一、
こども園の数が減った。
認定こども園は、保護者が働いているかどうかに
かかわらず0~5歳児が通える。4月にスタートした子ども・子育て支援新制度の目玉の
一つで、待機児童解消策として政府は普及を目指している。
都道府県別で最も多いのは大阪で287カ所。昨年より236カ所増え、増加数も最多
だった。宮崎県もほぼ倍増した。宮崎県幼稚園連合会会長で認定こども園を運営する森迫
建博さんは、増加の背景に深刻な地方の少子化もあるとみる。「子どもの数が減る中、幼稚
園だけでは運営が厳しい」と話す。
NHK ニュース 2015 年 5 月 8 日
住民票があるものの自治体が所在を確認でき
ず、虐待などのリスクが指摘されている「所在不
明」の子どもについて、虐待の防止に取り組む団
体などが、塩崎厚生労働大臣に対し子どもの安否
確認を進めるなど対策を急ぐよう求めました。
住民票があるものの乳幼児健診を受けていな
かったり、学校に通っていなかったりして自治体
が所在を確認できていない子どもは、去年10月
の時点で全国で141人いることが、厚生労働省
が初めて行った調査で明らかになっています。
8日は、虐待の防止に取り組む団体などが塩崎厚生労働大臣に対し、対策を急ぐよう求
める要望書を、これまでに集めた2万756人の署名とともに手渡しました。要望書では、
所在が分からなくなっている子どもの情報を一か所に集めて照合できる国の機関を設置し、
子どもの安否確認を進めることなどを求めています。
要望書を手渡したNPO法人子ども虐待ネグレクト防止ネットワークの山田不二子理事
長は「所在が分からなかった子どもが、虐待の被害にあって亡くなるケースが全国で起き
ている。子どもの安否を速やかに把握できるよう対策を急いでほしい」と話しています。
「所在不明」の子ども 厚労相に対策を要望
乳児殺害「再発防止に全力」
読売新聞
2015 年 05 月 09 日
再発防止策を話し合う児童相談所長ら(鳥取市内で)
◇鳥取 県内3児相が緊急会議
倉吉市の乳児殺害事件を受け、県青少年・家庭課と県
内3か所の児童相談所が8日、鳥取市内で緊急児童相談
所長会を開き、各所長や担当者ら9人が再発防止策など
を話し合った。
県倉吉児童相談所の木下直子所長らが、事件の概要を報告。来月中に児童虐待の専門家
を招いた検証委員会を設け、未然防止策などを盛り込んだ検証報告をまとめることを確認
した。
会議後、木下所長は「兆候を把握できていなかったことに、ショックを受けている。事
案の検証と再発防止に全力を尽くす」と強調。同課の林裕人課長は「高校生など早い段階
で『父や母になるための教育』なども、考える必要がある」と話した。
高齢者の再犯防げ、社会復帰アドバイス
千葉地検が社会福祉士を登用
産経新聞 2015 年 5 月 9 日
罪を犯した高齢者などの社会復帰を手助けするといった再犯防止活動を行っている千葉
地検は今年度、再犯率減少に向けた取り組みの一環として、社会福祉士を非常勤の「社会
福祉アドバイザー」として採用する試みを始めた。
地検によると、受刑者らが再び犯罪に手を染める再犯率の高さは全国的に問題となって
おり、平成24年7月には全閣僚で構成する犯罪対策閣僚会議が「再犯防止に向けた総合
対策」をまとめ、10年後の再犯者を20%以上減らす目標を打ち出している。
地検でも、万引などの軽犯罪で摘発された高齢者や知的障害者らの再犯率の高さを問題
視し、25年11月に捜査官や事務官による「再犯防止推進室」を設置。不起訴処分や執
行猶予判決によって釈放予定となった被告の中で、
「社会復帰の支援が必要」とされた者に
対し、自治体の福祉機関などと連携して更正のための施設を探すなどの取り組みを行って
きた。
今回採用されたのは、県社会福祉士会理事を務め、再犯防止活動などにも詳しい社会福
祉士の大浦明美氏。検察官らが気軽に相談できたり、福祉機関との連携をスムーズに行っ
たりすることを通じ、受刑者などの社会復帰に向けた迅速な対応を行うことが期待されて
おり、すでに10件を超える相談が寄せられているという。
大浦氏は「これまでの経験を生かし、司法と福祉の橋渡し役として力になりたい」と話
している。
社説:マイナンバー制度/拡大の前に丁寧な説明を
河北新報 2015 年 5 月 9 日
国民一人一人に番号を割り当て、行政手続きなどで活用する「マイナンバー制度」の適
用範囲を広げる改正法案の審議が、国会で始まった。
制度はまだスタートしてもいないのに、である。制度導入によって享受できる利便性や
抱える問題点などが広く国民に理解されているとはいえず、拙速過ぎはしないか。
マイナンバー制度は社会保障と税、災害対策の3分野に利用を限ることで2013年5
月に関連法が成立し、来年1月から運用が始まる。
国と自治体が別々に管理している所得や社会保障の受給情報といった個人情報を共通の
番号で管理することで、行政事務の効率化が図られる。災害時には本人確認がスムーズに
進み、被災者に必要な支援をより迅速に行うことが可能になる。
児童扶養手当や年金、失業給付などの手続きで提出書類が削減されるなど、国民にとっ
てもメリットはある。公正な課税や、社会保障の不正受給防止に向けた一歩にもなること
から、政府は「国民の利便性を高め、公平で公正な社会の実現に欠かせないインフラ」と
胸を張る。
しかし、認知度は極めて低い。ことし10月には全国民に対し、12ケタの個人番号や
氏名、住所などが記入された通知カードが郵送されるというのに、内閣府が1月に成年男
女3000人を対象に行った調査では、7割以上が「内容を知らない」と回答。法が成立
する前の調査から1割しか理解が深まっていなかった。
従業員の番号を税や社会保険関連の書類に記載することになる企業・事業所でも、シス
テム面の対応が遅れており、従業員情報の漏れが罰則対象になることを認識していない零
細企業もあると指摘されている。このまま制度が導入されれば、さまざまな混乱が生じる
のは必至だ。
こうした心配をよそに、政府は利用拡大に前のめりになっている。今国会で金融機関の
預金口座や、予防接種履歴など一部医療分野への適用に道筋を付け、将来は戸籍や旅券、
医療・介護分野、自動車登録事務などへと拡大させる方針だ。
確かに、国が個人資産を把握すれば、税の徴収漏れや生活保護の不正受給なども防げる。
効率的な社会保障給付も実現可能になる。公共性が高い分野に適用が広がることで国民の
利便性も高まろう。
ただ、国家が個人監視を強めることへの懸念は根強い。何より、一つの番号で管理され
る情報が増えれば、それだけ流出した際の被害は深刻になる。
政府は、厳格な本人確認やシステム面の措置、第三者機関による監視監督や罰則強化に
より、安心や安全は確保されると説明する。しかし、内閣府の調査では「情報漏えいによ
るプライバシーの侵害」や「情報の不正利用による被害」を心配する回答がそれぞれ3割
を超えており、国民の不安解消に向けた努力は十分とは言えまい。
新制度がインフラとして根付くには、国民の理解と信頼が不可欠だ。適用範囲の拡大を
急ぐ前に、政府が尽くすべきことは少なくない。
パーキングパーミット
佐賀新聞 2015 年 05 月 09 日
佐賀県発の取り組みで全国に広がっているパーキングパーミット(身障者用駐車場利用
証)制度。31府県と埼玉県川口市が参加して全国協議会が発足した。障害のある人や妊
産婦、お年寄りらにやさしい社会の実現に向けて、また一歩進んだことは喜ばしい◆しか
し、である。過日、佐賀市内のスーパーへ買い物に行った折、パーキングパーミットの駐
車スペースに白い車がスーと入るところに遭遇した。運転者は中年の人。所定の場所に利
用証はないし、見た感じは不自由な体ではなかった◆利用証の付け忘れか、見えない障害
などがあるのかもしれない。声をかけて確かめることができなかったところに忸怩(じく
じ)たる思いがあるが、何とも後味が悪かった◆2年前の春、取材中に左足を骨折し、し
ばらく松葉づえの生活をした。頼りになったのが、このパーキングパーミットの制度であ
る。利用証があれば、車いすの出し入れや、乗降しやすいように広いスペースのところに
車を止められる。しかも出入り口に近い。ありがたさを実感した◆ただ、利用証を付けて
いない車がスペースに止められていて、困ったことが何度かあった。健常者だろうか…。
運転者のモラルのなさが残念だった。せっかくの佐賀発の親切な制度である。自己中心的
な考えはやめて、誇れるマナーも佐賀から発進したい。(章)
社会保障費不足賄い
東京新聞 2015 年 5 月 9 日
財務省は八日、国債と借入金、政府短期証券を合計した
「国の借金」が二〇一四年度末時点で千五十三兆三千五百
七十二億円になったと発表した。一三年度末から二十八兆
四千三億円増え、過去最大を更新した。高齢化に伴い膨ら
んでいる社会保障費の財源不足を、借金で賄い続けている
ことが主因だ。
総務省推計の四月一日時点の総人口一億二千六百九十一
万人で割ると、国民一人当たり約八百三十万円の借金を抱
えている計算となる。
借金の内訳は、国債が八百八十一兆四千八百四十七億円。
一三年度から二十七兆七千二百十一億円も増え、借金依存の体質をあらためて浮き彫りに
した。
国庫の一時的な資金不足を穴埋めするために発行する政府短期証券は一兆一千九百九十
九億円増の百十六兆八千八百八十三億円。金融機関などからの借入金は五千二百七億円減
の五十四兆九千八百四十一億円だった。
国の借金1053兆円に
自立支援法始動
困窮者支援県内に濃淡
佐賀新聞 2015 年 05 月 09 日
生活困窮者自立支援を実施する主体と支援内容
■家計や就労任意事業5市だけ
借金問題や失業などで生活に困っている人が
生活保護を受給する状況に陥る前に生活再建で
きるよう、生活困窮者自立支援法が4月施行さ
れ、新制度が始まった。国が義務付けた事業と
は別に、家計相談や就労準備支援などに任意で
取り組む自治体は、佐賀県内10市のうち5市
にとどまっている。県は「居住地により受けら
れるサービスに差が出ないよう、任意事業に取
り組んでいない市をバックアップする」としているが、本格的な運用には時間がかかりそ
うだ。
「仕事が長続きしない」
「人とうまく付き合えない」などの悩みは、一つを抱えるケース
だけではなく、複数にまたがることも多い。両親の年金を頼りに自宅に引きこもっている
人は、両親の死亡をきっかけに、困窮する恐れがある。
生活困窮者自立支援法は、複雑に絡み合う課題を「ワンストップ」で相談できるのが特
徴の一つ。相談から自立までを、相談員が“伴走”して支援する。支援機関は相談を待つ
だけでなく、積極的に出掛け対象者を掘り起こす「訪問支援」を念頭に置く。
事業は義務付けと任意に分かれるが、厚労省地域福祉課は「どちらも必要性は高く、や
れるのであればやってほしい」と説明する。小規模自治体の財政、人員面を考慮したとい
う。
各自治体に義務付けられた事業は、失業者向けの相談や個々人の支援プランを作成する
窓口の設置、職と住まいを失った人向けに家賃相当の住居確保給付金を支給する取り組み。
例えば、支援プランなどを作成する「自立相談支援事業」は、鳥栖市と小城市は直接実施
し、そのほかの8市は地域の社協などに委託する。10町の事業は県が県社会福祉士会に
依頼する。
任意で実施する事業は、社会との関わりに不安がある人への就労準備支援や生活困窮世
帯の子どもたちへの学習支援などのメニューがある。
県と佐賀市が就労準備支援など二つのメニューに取り組み、唐津、武雄、神埼の3市は
相談者が自ら家計を管理できるようアドバイスする家計相談支援を、鹿島市は就労準備支
援に取り組む。
県内で取り組み内容に差が出ていることから、県地域福祉課は「制度が始まったばかり
で、どの程度の需要があるか測りかねている面もあると思うが、住む場所によって、支援
に濃淡が出るのは望ましいことではない」とし、6月以降に相談支援員の技能向上のため
の研修会を企画する。ノウハウを県内で共有化する取り組みも進めていくとしている。
出産当時の手紙、10年後に子供へ 岐阜の開封式に約120組350人
朝日新聞 2015 年 5 月 6 日
岐阜
「元気いっぱいに育ってくれてうれしいです」
。お母さんの中島美晴
さんからそう言われて手紙を受け取る隼人君
生まれたばかりの子を持つ親が、10年後の子どもにあ
てた手紙が、こどもの日の5日、開封された。
「あのころと
少しも変わらない」と親は子への愛情を確認し、子どもは
家族の思いに触れ、「感動しました」とはにかんだ。
岐阜市教育文化振興事業団と県ユネスコ協会が、200
5年度に生まれた子の親に募集した「10年間のタイムカプセル―親から子へのメッセー
ジ」
。06年4月までに340通の応募があり、この日、市内であった開封式には約120
組、350人が参加した。子どもたちは4年生になった。
手紙が入ったタイムカプセル開封のテープカットをする関係者ら
=いずれも岐阜市橋本町1丁目のハートフルスクエアーGで
中島美晴さんは長男の隼人(はやと)君(9)に手紙
を書いた。長女を出産してから7年ぶりに授かった子で、
「すごくうれしかった」と当時の思いを話す。手紙には
長女が病院に着いてすぐに隼人君が生まれ、
「隼人君には
じめて会ったときのお姉ちゃんの笑顔も忘れられませ
ん」とつづった。手紙を読み、姉が誕生を喜んだ様子を知った隼人君は「余計にぼくがう
れしい」と話した。
市川由加里さん(39)は初めて出産した長女凛(りん)さん(10)に手紙を書いた。
応募規定より一つ上の学年だが、認められた。
「夜泣きが大変で、慣れない育児に10年後
なんて想像がつかなかった」と当時を振り返る。手紙には凛さんが健康でいてくれること
を一番に願っていると書いた。今読み返し、「思いは変わらない」。凛さんは「赤ちゃんの
ときから見守ってくれていたんだなと感動しました」と話した。
開封式に参加できなかった子には、濃飛倉庫運輸の協力で手紙が届けられる。
(小渋晴子)
<せんだい ひと模様>紙芝居使い障害児支援の講座開催/地域の関係づくり促す
河北新報 2015 年 5 月 9 日 紙芝居のストーリーを説明する谷津さん
◎アフタースクールぱるけ代表理事 谷津尚美さん(45)
東日本大震災では障害児・者と家族が避難生活に苦慮した。障害児
の放課後デイサービスを行う仙台市のNPO法人「アフタースクール
ぱるけ」代表理事の谷津尚美さん(45)=仙台市青葉区=は、障害
のある人が日ごろから地域住民と関わりを持つことが重要だと再認
識した。そこで、障害児らが困った時にちょっと手助けしてくれる人
を増やそうと、保護者グループ約10人と共同で紙芝居を作り、出前
講座を開いている。
<保護者と協力>
紙芝居は震災時の保護者たちの体験談を基にした物語。自閉症の男
子児童は大勢の人がいる所が苦手なので避難所に居られず、母親と自宅で不安な夜を過ご
す。だが、普段から顔見知りの近所の人たちが食パンや乾電池を譲って勇気づける。母親
も困った時は助けを求めることの大切さを知る-という内容だ。
ぱるけが運営する放課後デイサービス3事業所やホームヘルプの利用者の保護者グルー
プ「ちょこっと・ねっと」と協力して、2012年に作成。翌年2月、初めての出前講座
を宮城野区の小学校の放課後子ども教室で開いた。
紙芝居の上演は、主に保護者グループが担う。「実際の体験を持つお母さんたちが読むと
説得力があり、聞き手の反応も違う」と説明する。
<始まりは冊子>
震災後、ぱるけと保護者グループが最初に手掛けたのは、災害や緊急時に備えた冊子作
りだった。一般向けには障害児らに対する見守りや声掛けの心構えを、障害児らの家族に
は支援を受けるためのこつを、1冊にまとめた。
ちょっとした手助けが大きな支えになることを伝える冊子は反響を呼んだ。さらに多く
の人に冊子を手渡し理解を深めてもらうために紙芝居を作り、出前講座を始めた。児童館
や町内会、地域イベントなどに出向き、20回を重ねる。
ある児童館で小学1年の女の子の言葉にハッとさせられた。
「知らない人に声を掛けない
よう親から言われているので、困っている人がいたらどうしたらいいのか」という趣旨だ
った。その場では、助けが必要な人がいることを大人に伝えるようにしようと、子どもた
ちと話し合った。
「一人一人にできることを一緒に考える大切さをあらためて感じた」と言
う。
出前講座では障害のある人にとどまらず、幼い子どもや高齢者を地域
の中で見守り、声掛けできる関係づくりを心掛ける。そんなことをいろ
んな世代の人が共に考える機会になってほしいと願う。
「ほんの種まきの
ような活動ではあるけれど、何かの時に思い出して行動してもらえるこ
とを信じて、続けていきたい」と笑顔を見せた。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行