年頭挨拶 - 危険物保安技術協会

年 頭 挨 拶
危険物保安技術協会
理事長 市
橋
保
彦
平成27年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
当協会は、昭和51年11月10日に設立されて以降今日まで、皆様の温かいご指導とご支援をいただ
きながら、石油等の危険物を貯蔵する屋外タンクの審査をはじめ、危険物施設等の安全性に係る性
能評価及び技術援助、運搬容器等の試験確認、事故情報等の提供、更には調査研究、講習会等の開
催など、多様なかつ広範にわたる各種業務の展開を通して危険物施設等の安全の確保を図ってまい
りました。
業務の実施につきまして、平素から、総務省消防庁をはじめとして、各消防機関、関係事業所、
関係業界の皆様の深いご理解、ご指導、ご支援をいただいておりますことに対し、厚く御礼を申し
上げます。
さて、昨年 月に消防庁から発表された、
「平成25年中の危険物に係る事故の概要」によると、平
成25年度中の事故発生件数は前年に比べて若干減少したものの、依然高い水準で推移しており、平
成元年以降、事故が最も少なかった平成 年と比べると、危険物施設は減少しているにも関わらず、
事故発生件数は約 倍に増加している状況となっています。またその発生要因は、火災事故は人的
要因によるものが多くを占め、流出事故は腐食疲労等劣化など物的要因によるものが多くを占めて
おり、今後一層の事故防止対策の強化が求められています。
また、昨年は新年早々に三重県四日市市の危険物施設において、多くの死傷者を出す重大な爆発
事故が発生いたしました。近年のこうした危険物施設での事故が多発している状況に鑑み、国にお
いては危険物に関わる業界全体での現状の課題や必要な取組等について認識を共有するとともに、
事故防止の取組の推進及び更なる安全意識の高揚を図るため、
危険物等事故防止懇談会が開催され、
危険物等事故防止安全憲章が策定されました。また、内閣官房の主導により総務省消防庁、厚生労
働省及び経済産業省が参加して石油コンビナート等における災害防止対策検討関係省庁連絡会議が
開催され、重大事故の発生防止に向けて事業者や業界団体が取り組む対策及び関係機関の連携強化
策として国や地方公共団体が連携して取り組む事項に関する報告書が取りまとめられました。
当協会としても、事故情報の収集、分析や事故防止に係る様々な研修会、講習会の開催、更には
危険物施設等の保安に関する診断の実施等を通して、危険物事故防止対策の推進の一翼をしっかり
と担ってまいりたいと考えております。また、ガソリン携行缶による事故をはじめとした、私たち
の身の周りにある危険物による事故の防止にも積極的に対応してまいります。
当協会は、これまで各方面のご理解とご協力により、円滑な事業運営を行ってきておりますが、
今後の状況変化に適切に対応していく必要があり、協会の設立の原点に立ち返って、協会の目的、
使命、役割を再確認し、これまで培ってきた信頼と技術を基に、蓄積してきたノウハウや技術情報
等を活用しながら、危険物に関わる事故の防止、安全の確保に一層貢献してまいりたいと考えてお
ります。
新年を迎えるにあたり、役職員一同、決意を新たに、皆様の期待と信頼に十分お応え出来るよう、
積極的な業務展開をしてまいりますので、今後とも一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申
し上げます。
皆様方のご健勝と益々のご発展を心からお祈り申し上げて、新年のご挨拶とさせて頂きます。
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Safety & Tomorrow No.159 (2015.1)