年 頭 挨 拶 危険物保安技術協会 理事長 橋 本 嘉 一 平成28年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。 当協会は、昭和51年11月10日に設立されて以来39年間にわたり、皆様の温かいご指導とご支援を いただきながら、石油等の危険物を貯蔵する屋外タンクの審査をはじめ、危険物施設等の安全性に 係る性能評価及び技術援助、運搬容器等の試験確認、事故情報等の提供、更には調査研究、講習会 等の開催など、多様なかつ広範にわたる各種業務を通して、危険物施設等の安全の確保を図ってま いりました。 業務の実施に当たりましては、平素から、総務省消防庁をはじめとして、各消防機関、関係事業 所、関係業界の皆様の深いご理解、ご指導、ご支援をいただいておりますことに対し、厚く御礼を 申し上げます。 さて、昨年 月に消防庁から発表された、 「平成26年中の危険物に係る事故の概要」によると、平 成26年中の事故発生件数は599件であり、前年に比べて35件増加しました。事故発生件数は依然高 い水準で推移しており、平成元年以降、事故が最も少なかった平成 は減少しているにも関わらず、事故発生件数は約 年と比べると、危険物施設数 倍に増加しています。その発生要因に関して、 火災事故については、維持管理不十分や操作に当たっての不手際など人的要因によるものが多くを 占めており、また、流出事故については、腐食疲労等劣化など物的要因によるものが多くを占めて おります。 このような事故の発生状況等を踏まえ、危険物に係る業界団体、消防機関等により策定された「平 成27年度危険物事故防止アクションプラン」に基づき、関係団体・機関が一体となって、危険物の 事故防止対策が総合的に推進されております。 当協会としても、このプランに基づき、自主保安体制推進のための支援の充実に重点的に取り組 むこととし、具体的には、①公正・中立な審査等業務、②危険物施設等の保安に関する診断業務、 ③講習会、セミナー等保安教育の充実、④危険物総合情報システムの利用の促進、⑤流出等事故原 因調査の支援、⑥危険物保安に関する調査研究の実施などに取り組み、危険物事故防止対策の一翼 を担ってまいります。また、ガソリン携行缶による事故など、私たちの身の周りにある危険物によ る事故の防止にも積極的に対応してまいります。 本年は協会創立40年という節目の年に当たります。これまで各方面のご理解とご協力により、円 滑な業務運営を行ってきておりますが、石油業界の大型再編など今後の情勢変化に適切に対応して いく必要があります。改めて協会の設立の原点に立ち返って、協会の目的・使命・役割を再確認し、 これまで蓄積してきたノウハウや技術力を活用しながら、危険物に関わる事故の防止、安全の確保 に一層貢献してまいります。 新年を迎えるにあたり、役職員一同、決意を新たにして、皆様の期待と信頼に十分お応えできる よう積極的な業務展開に努めてまいりますので、今後とも一層のご指導、ご支援を賜りますよう お願い申し上げます。 皆様方のご健勝と益々のご発展を心からお祈り申し上げて、新年のご挨拶とさせて頂きます。 1 Safety & Tomorrow No.165 (2016.1)
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