2015 SUPER GT Race Report ZENT CERUMO RC F #38 立川祐路/石浦宏明 第 4 戦 富士スピードウェイ < FUJI GT 300km RACE > ◆ 8 月 9 日 (日) Race 決勝総合結果 2 位 < 決 勝 > 天候:晴れ |コース状況:ドライ タイラウンドからの好調に加え、今回投入されたニュー エンジンの後押しを得て 2 大会連続でのポールポジション をゲットした#38 ZENT CERUMO RC F。自身の持つ最 多記録を「21」と延ばした立川はもちろん、その立川にバト ンをつないだ石浦も Q1 をトップタイムで終えるなど、文字 通り絶好調といえる LEXUS TEAM ZENT CERUMO だ が、ここまで速さを結果に結びつけられていないだけに、こ の日の決勝では是が非でも優勝という結果を持ち帰るべく、 まずは決勝日の午前 9 時 35 分からのフリー走行に臨んだ。 前日同様、照りつける日差しの中で早朝から気温が上昇、午前 9 時 35 分のフリー走行開始時には、既に気温 27℃、路面温度 38℃という暑さに。セッション開始と同時に立川がステアリングを握った#38 ZENT CERUMO RC F は、その暑さの中で早々に連続周回に入る。 立川は 1 周目を 1 分 33 秒 983 で終えると、翌周には 1 分 32 秒 756 にタイムアップ。さらに周回を続けた立 川は、午前 9 時 45 分に 1 分 31 秒 878 にまでタイムを上げると、この時点で#38 ZENT CERUMO RC F を 8 番手につける。 そのまま合計 10 周をこなした立川は、午前 9 時 57 分に石浦にステアリングを委ねることとなったが、石浦も計 測 3 周目に 1 分 32 秒 567 をマークするなど 6 周を消化。この 30 分の走行では決勝を想定したメニューをじっく りとこなした#38 ZENT CERUMO RC F は、ポジションこそ 13 番手ながらも午後の決勝への準備を整えることと なった。 気温 31℃、路面温度 45℃となった午後 3 時。いよいよ 66 周の決勝レースが始まった。ポールポジションから スタートする#38 ZENT CERUMO RC F は、スタートドラ イバーを務める立川のドライブで、白バイ 9 台、パトカー4 台に先導されたパレードラップに続いて 1 周のフォーメイ ションラップの後、300km 先のゴールを目指して加速体 勢に入って行った。 午後 3 時 07 分、気温 31℃、路面温度 45℃で決勝レ ースがスタート。立川は鋭い加速を活かし、難なく 1 コー ナーをトップでクリアすると、オープニングラップで一気に 1 秒 3 ものマージンを稼ぎだす。さらに 2 周目に 1 分 30 秒 976、3 周目に 1 分 30 秒 800 のファステストラップ をたたき出した立川は、2 番手の#36 PETRONAS TOM’S RC F をじりじりと突き放して行く。 7 周目あたりから早くも周回遅れが現れる中、立川はや やペースダウンしながらも順調にマージンを拡大。厳しい コンディションにタイヤの消耗が進みつつも、#38 ZENT CERUMO RC F は 2 番手とのギャップを 5 秒以上としトッ プを快走していく。そして LEXUS TEAM ZENT CERUMO は順調に周回を重ねた立川を 30 周目にピットインさせ、 後半スティントを石浦に託すことを決めたが、立川がピット インしようとしたタイミングでピットへの進入路にペースの 遅い GT300 車両がいたことから、咄嗟の判断で立川はもう 1 周。結局 31 周目に立川はメカニックたちの待つピ ットへ飛び込むことになった。 ここでタイヤを4輪交換し、ガソリン給油を素早く終えた LEXUS TEAM ZENT CERUMO は、石浦に交代した #38 ZENT CERUMO RC F をピットアウトさせる。コースに戻った#38 ZENT CERUMO RC F は、上位陣が 次々ピットに入る中いったんは 3 番手を走行も、スティントを引っぱり先行していた#19 WedsSport ADVAN RC F と#37 KeePer TOM’S RC F がピットインした 36 周目には、予定どおりトップに返り咲く。 この時点で石浦のリードは 5 秒 7。このまま後半も乗り切れば、待望の今季初優勝かと誰もが思い始めた 39 周目、2 番手に#36 PETRONAS TOM’S RC F をかわした#1 MOTUL AUTECH GT-R が浮上する。ペースに 勝る#1 MOTUL AUTECH GT-R は、瞬く間に石浦とのギャップを削り取り、残り 20 周ほどとなった 47 周目の段 階で、2 台は 1 秒差に接近。周回遅れも石浦の行く手を阻み、2 台はテール・トゥ・ノーズ状態となってしまう。 それでも石浦は#38 ZENT CERUMO RC F のストレートの速さを武器に、#1 MOTUL AUTECH GT-R に隙 を与えない。セクター3 では巧にブロックしつつ、最終コーナーを立ち上がってからはじりじりと #1 MOTUL AUTECH GT-R を引き離す我慢の展開に持ち込む石浦の奮闘に、ピット内にもこのまま逃げ切りかとの雰囲気も 流れた。 ところが、残り 6 周となった 60 周目、トップ 2 台を凌駕するハイペースで追い上げて来た#24 D’station ADVAN GT-R が最終コーナーで#1 MOTUL AUTECH GT-R を捕らえて 2 番手に浮上してきてしまう。ウエイト が重くストレートが伸びない#1 MOTUL AUTECH GT-R ならば充分抑えきれると思えた#38 ZENT CERUMO RC F だったが、ストレートも速い#24 D’station ADVAN GT-R にはなす術がなく、61 周目の最終コーナー立ち 上がりからの加速で並びかけられてしまい、コントロール ラインまでに逆転を許してしまう。 残念ながら残り僅かのところでトップを明け渡した#38 ZENT CERUMO RC F は、そのまま 2 番手でチェッカー。 今 季 初 優 勝 は 惜 し く も な ら な か っ た が 、 そ れ で も #38 ZENT CERUMO RC F は今季最高位となる 2 位を獲得。 次戦の鈴鹿からは、ウエイト合計が 52kg となるため燃料 リストリクターの装着が義務づけられてしまう#38 ZENT CERUMO RC F だが、今回獲り逃した勝利を掴み、さらにランキング上位へと浮上するべく万全の体勢で鈴鹿へ 乗り込むこととなりそうだ。 ドライバー/立川 祐路 「GT300 の周回遅れに遭遇する前に、出来るだけギャップを作ろうと思っていましたので、序盤は予定どおりでし たし、タイヤの消耗も想定していましたから、自分たちの中ではイメージ通りの展開に持ち込めていました。ところ が終盤、予想していなかったライバルが現れてしまって。石浦はとても頑張ってくれたと思いますし、24 号車を抑 えるのは無理だったと思います。石浦が頑張っていなければ、4位もあり得た状況でした。結果的に 2 位ということ で、タイトルを争える位置に戻って来られたことは良かったのですが、今日はレクサス勢との戦いになるものと思っ ていたものが、終わってみれば GT-R 勢がトップ 4 に 3 台という結果になり、レクサス陣営としては非常に悔しいで す。次の鈴鹿ではボーナスポイントも付きますし、きちんとポイントを獲って後半戦のシリーズ争いに持ち込みたい と思います」 ドライバー/石浦 宏明 「立川さんの無線で、タイヤ的にぎりぎりだということは分かっていましたので、無理せずギャップをコントロールす るような形で周回していました。けれど、突然 1 号車がやって来て。バトルをするうちにストレートでこちらに分があ ることが分かり、なんとかこのまま抑え切れそうだと思ったのですが、その後でやって来た 24 号車には太刀打ち 出来ませんでした。2 位に落ちたのは残念でしたが、チームからも 24 号車は(抜かれても)仕方ない、と言われて いましたので、さらにポジションを落とさないようにその後をしっかりと走りました。2 位では次戦から燃料リストリク ターが入ってしまうのは分かっていましたが、多くのポイントを獲れるときに獲っておこう、という考えもありましたし、 今日は自分たちが出来るだけのことをやった結果での 2 位なので半分悔しいですが、半分は満足しています」 監督/高木虎之介 「立川はもちろんですが、特に後半の石浦はよく頑張ってくれていたんですが……。1 号車に追いつかれてからも、 なんとかトップを守りきれるかな、と思ったのですが、24 号車の終盤の速さは異次元でしたね。予想外というか、 残念ですが抑えられなかったと思います。タイム差がありすぎましたし、あのような抜かれ方は久しぶりに見た、と いうほどでした。もちろん優勝を目標にしていましたので、勝てなかったことはとても残念ですが、その一方で 2 位 という結果によってランキング4位にまで浮上することが出来たことには満足しています。鈴鹿では燃料リストリクタ ーが入りますが、それでも表彰台に入るか入らないか、という戦いは出来るのではと期待しています」
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