vol.250 スムストックが急拡大、新たにマッチングサービスも開始

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2015 年 7 月31 日号
250
ハウジング・トリビューン【ウィークリー】
http://www.sohjusha.co.jp
今週のトピック解説
スムストックが急拡大、新たにマッチングサービスも開始
スムストック査定方法
優良ストック住宅推進協議会(会長・和田勇氏)の会員会
社が仲介するスムストックの成約数が2014年度は1200棟に
建物
達したことがわかった。前年度から60%と大きく増加した。
スムストックとは優良ストック住宅推進協議会の会員である
インフィル部分
工業、積水ハウス、大和ハウス工業、トヨタホーム、パナホ
ーム、ミサワホーム、三井ホーム、ヤマダ・エスバイエルホ
土地
ーム)が供給してきた建物のうち、①「住宅履歴データが整
備されている」
、②「50年以上の長期点検メンテナンスプロ
全体の4割
償却期間15年(10%残価)
スムストックでは従来と異なる査定方法と価格表示方法を導入。
建物の価値を適正に評価する
グラムの対象になっている」
、③「一定の耐震性能を有して
ムストック住宅販売士」が建物の査定・販売業務を行う。査
全体の6割
償却期間50年(10%残価)
住宅メーカー10社(旭化成ホームズ、住友林業、積水化学
いる」という条件を満たした住宅。同協議会が認定した「ス
スケルトン部分
成約数、捕捉率の向上へ事業体制を強化
定では、独自の査定方式「スムストック査定」により、土地
成約実績を伸ばしているスムストックだが、会員住宅メー
と建物を分けて評価し、さらに建物については構造耐力上主
カーがこれまで供給してきた戸建ストックは353万棟にのぼり、
要な部分(スケルトン)と内装・設備部分(インフィル)に
このうち年間で約1.4万棟の物件が市場で流通している。ス
分けてそれぞれ評価する。価格も土地価格と建物価格を別々
ムストックとして10社が仲介した物件数は約1200棟(2014
に表示、それぞれの価格を明確にするのが特徴だ。
年度)なので、捕捉率は約9%とまだ1割に満たない。
日本では住宅を査定する場合、主に土地の価値のみを評価
そこで、同協議会は今年7月に設立8年目を迎えたことを
するため、築後20年で建物の価値はほぼゼロになってしまう。
契機に、会員会社からの出向者が常駐する事務局を設置する
一方、スムストックの成約物件を見ると、築後21年以降の
など、体制強化を図った。加えて、新たに「希望物件お知ら
建物でも平均価格517万円で取り引きされており、建物の価
せサービス」を開始した。同協議会ではこれまでも会員住宅
値が評価されていることがわかる。
メーカーが扱うスムストック物件について、Web上で情報
「メンテナンスやリフォームによる利用価値の維持・向上
提供してきた。
も適正に評価する」
(中林昌人事務局長)という。つまり、
「ただし、スムストック物件は希少価値が高く、成約まで
適正なメンテナンスや適宜なリフォームを行っていれば、よ
スピードが早い。Web上の情報だけでは希望する物件が見
り高く評価されるわけだ。同協議会ではこのような物件をス
つからないケースもある」
(同)という。そこで、新サービ
ムストックとして中古住宅市場に流通させる取り組みを進め
スでは、事前に希望する物件の条件などを登録することで、
ている。2008年に同協議会が活動を開始して以来、2015年
希望に合った物件が出てきたときにメールでいち早く知らせ
1月末までに累計3134棟の成約実績をあげた。会員住宅メ
る。購入希望者と物件とのマッチングを強化することで、ス
ーカーもオーナーズクラブなどを通じてOB顧客などに対し、
ムストックの成約件数を増やし、市場での捕捉率を向上させ
スムストックの周知を進めており、その効果が徐々に現れて
たい考えだ。独自の評価手法で一石を投じるスムストックが、
きているようだ。
中古住宅流通市場で存在感を増しつつある。
今週の主なニュース
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・積水ハウス 木造ブランド20周年記念した住宅商品
を開発 部屋ごとに天井高変えられる仕組み採用
・パナホーム 子育て配慮の住まい提案を全戸建て商
品で展開 パナソニックと共同開発
・トヨタホーム 赤ちゃん視点のアイテムを盛り込ん
だ住宅新商品を発売 衝撃低減床など採用
・LIXIL リフォーム用トイレのラインナップを拡充 清掃性に優れた「フチレス形状」の製品を追加
・ウッドワン 1.2㎜厚の銘木単板を採用したフロー
リングを開発 高級感のある肌触りを実現
・鶴弥 遮熱機能を向上させた粘土瓦を提案 住宅の
長寿命化にも寄与