感動の風 平成 27 年 4 月 目 次 『理念』グループホーム 中藤 まゆみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 『ご利用者との日々』デイの家 松下 糸希・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 『Fさんが輪の中に入れた』デイの家 毛利 直子・・・・・・・・・・・・・・・3 『喜びと反省と…』リハビリセンター 瀬良 明子・・・・・・・・・・・・・・・4 『チームのメンバーに感謝、感動』リハビリセンター 熊田 美奈子・・・・・・・5 『思いは…』リハビリセンター 東矢 麻理子・・・・・・・・・・・・・・・・・7 『プロ』リハビリセンター 橋本 晋司・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 『新人さん』リハビリセンター 宮守 幸子・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 『よろこび隊の1泊旅行』リハビリセンター 藤井 真弓・・・・・・・・・・・・9 リハビリセンター 橋本 晋司・・・・・・・・・・・・9 『ノンバーバル』春日デイサービス 仲肥 好美・・・・・・・・・・・・・・・ 10 『春日デイ』春日デイサービス 廣江 良子・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 『ペース』総合訪問センター 坂居 倫代・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 『復帰』総合訪問センター 野田 小百合・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 『忘れない』総合訪問センター 三宅 咲・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 『関わること』総合訪問センター 谷口 由加・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 『進行性の病気』総合訪問センター 野田 和美・・・・・・・・・・・・・・・ 18 『支援』介護支援ステーション 山本 洋子・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 『看取り』介護支援ステーション 中山 恵美子・・・・・・・・・・・・・・・ 21 『ありがとう居宅』介護支援ステーション 斉藤 亜由美・・・・・・・・・・・ 22 『理念』 グループホーム 中藤 まゆみ 先日、ご利用者、ご家族、ボランティアさんとスタッフで庭での 花見バーベキューを行いました。準備からご家族と一緒に行い、焼 くときも協力して下さいました。ご家族同士もとても楽しそうに盛 り上がりました。 終わった後も片づけも手伝って下さり、ありがたかったです。 帰るときにも、「今日は本当に楽しかったわぁ。」と言われました。 準備から一緒に行うことで、ご家族同士、スタッフとご家族がか かわり、たくさん会話もし、とても楽しい一日でした。 ご利用者様も長い時間庭で過ごし、よく召し上がられました。 天候にも恵まれたこと、素晴らしい庭とご家族様に感謝。 そして理念である絆を深めることができた楽しい行事が出来て良 かったです。今年度の目標、非日常の中での感動でした。 1 『ご利用者との日々』 デイの家 松下 糸希 日々できなくなる事もたくさんあり、何ができるのかなぁ、どう したら笑顔を見れるかなぁと思って仕事をしていると、あるご利用 者さんが、言葉は出ないけど、他者の様子を見てほほえんでおられ たり、自分では出来なくても、見て、感じていて、笑顔になってい る姿を見ると、ホッとする。と同時に、とりあえず何でもやってみ ようと改めて感じた。 スタッフも共に笑える1年にできたらいいなぁと感じた時でした。 2 『Fさんが輪の中に入れた』 デイの家 毛利 直子 Fさんは風船バレーの際、とても良い表情で楽しまれる。 しかし、この頃は風船バレーの輪に加わることが難しい。 なぜなら、一度座られた席から立つことが難しいからだ。 先日は久しぶりに輪に加わることができた。 それはダイニングテーブルが半分のサイズになり、テーブルを移動 させることができたからだ。Fさんに席を移動していただかなくて も、テーブルが少し動くことで、いつのまにか輪の一員になってい ただくことができた。 もちろんバレーを楽しんでおられた。 小さなテーブルなら移動させても違和感なく不穏な気分にもなら ないのか。 Fさん、これからもいろいろ工夫しますので、風船バレーを楽し んでください。 3 『喜びと反省と…』 リハビリセンター 瀬良 明子 毎日が不安と喜びと反省と感動の日々です。 介護職に就いたのが初めてで、不安と希望の中スタートしました。 熱心に教えてくださる先輩のもと、日々学ぶ事が多く、少しずつ 成長していく自分がいることに喜びを感じています。 しかし、責任感と同時に知識不足の自分にイライラもしますが今 は、早く知りたい、たくさん知りたいという思いがあり、充実した 毎日です。 そして、感動することは、教えてもらった事を一人でできた時や トイレ介助、入浴介助をしてご利用者様に笑顔で喜んでもらえた時 など、一日に何度もおこります。この気持ちを大切にし、もっともっ としっかりとした介護職員になりたいと思います。 4 『チームのメンバーに感謝、感動』 リハビリセンター 熊田 美奈子 リハビリセンターでは、4つのチームにわかれて、それぞれにリー ダーがいます。 私のチームリーダーは吉野さんで、一緒のチームになって吉野さ んの働く姿を見てとても感動し、勉強になりました。 一番すごいなぁ…と思ったのは、入浴介助の場面で、どんなご利 用者に対しても利用者主体で、自然体で、技術も高く、吉野さん自 身も楽しんでしているのがよく伝わってきます。10 年以上この仕事 に携わり、あたり前のことだけど、このような気持ちで介護の仕事 ができる人は、そんなに多くないのではないか…と思うのです。リー ダーとしての業務がたくさんあるはずなのに、それをすることなく、 いつも利用者のそばにいて話をしている…ほんとうにすばらしい人 だと感動し、このようなお手本となる人がそばにいて働ける…とい うことに感謝です。 また、その他のメンバー、早川さんは誰よりもトイレ誘導、介助を している人です。そして、とてもメンバー思いで、いつも気づかっ てくれ、一緒に働いていてとても気持ちがいい方です。チームのメ ンバーを思いやり、助け合うことの大切さを教えてくださいました。 同期になる藤原くんと大浦さんは、どんなに忙しくても愚痴1つ 言わず、真面目で、いつも笑顔を絶やさない人たちです。 一緒に働く仲間がいて、いい関係でいれてこそ、優しい気持ちに なれ、人と接することができると思います。 私は、これからも、この仲間から教えてもらったことを大切にし、 あの人と一緒だと、気持ち良く働ける…と思われるように仲間を大 切にし、正直に働いていきたいと思っています。 5 4月からは別のチームになりますが、吉野チームのみんなにあり がとうございました…と伝えたいです。 6 『思いは…』 リハビリセンター 東矢 麻理子 ご利用者 女性 M様は、意思の疎通が難しく、言葉も怒った様 に聞こえる方です。 トイレ誘導時、「あんたじゃダメだ。」と言われ、先輩スタッフに お願いしました。 気が付かれない様に、そっと見学させて頂きましたが、その後、M 様より、「何で見たんか?」とひどく怒られ、叩かれました。 私は、膝をつき、M様より目線を下げ、「すみませんでした。でも 私はこれからM様のお手伝いをさせて頂きたいし、一緒に頑張って いきたいと思っています。」と伝えました。 その後、あまり納得していない様子でしたが、次の日より、M様が 本当に驚くほど変わられました。「トイレに連れて行ってくれ。」と 言われ、行くと「ここにいてくれ。」、「ゴメンナ。」、「あんたはここ にいても大丈夫か?」など私の事を気にかけて下さったり、「お昼は 食べたんか?」とも言って下さり、とても感動しました。 この事を通して、自分が変われば相手も変わる!思いは、すぐに 伝わらなくても必ず伝わっていく!(難しい利用者様)…に自分が していっているのではないだろうか? 今後も、今回の事を生かしていきたいと思いました。 7 『プロ』 リハビリセンター 橋本 晋司 3月にリハの全職員と個人面談しました。みんないろんな思いを 抱えていました。他職員への思いや辛いことなどありますが、一番 多かったのは、「こうすればリハビリセンターはもっとよくなる」、 「もっとよくしたい」という意見でした。 文句や愚痴を言うのは簡単で、二流の評論家と同じだと思ってい ます。プロはピンチを打開したり、改善に向けて考えられる人だと 思い、リハビリセンターには「改善したい」「良くしたい」と思う職 員が多くいることが嬉しかったです。 『新人さん』 リハビリセンター 宮守 幸子 まだ、入社して、2ヶ月くらいのAさん。笑顔がステキで、声が よく通る。元気印のAさん。まだ新人だと思っていたけど、良く気 がついて、すぐに行動に移す。あなたのその動きに感動を覚えます。 私も若かった頃は、あんなに動けていただろうかと、昔の事を考え、 思い出させてくれて、感謝致します。 ありがとう。そして、がんばれ! 8 『よろこび隊の1泊旅行』 リハビリセンター 藤井 真弓 4 月 18 日 ( 土 )、19 日 ( 日 ) と、よろこび隊で、みはらし温泉∼ 尾道駅周辺の散策に、参加させていただきました。 私は円背で、押し車を押されるA氏と同室でした。デイでは、他 ご利用者と、ちょっとしたことで口げんかをされることの多いA氏 でしたが、ご旅行中はずっと笑顔でした。同室のB氏と私が寝起き の布団をそのままにしていたらA氏がキレイに整えて下さっていま した。そして、「こんなにええところに連れてきてもろうて、ええ温 泉に入れてもろうて、こんぎゃあに幸せなことは初めてじゃ。」と涙 をこぼされ、私も嬉しくて一緒に泣いてしまいました。 リハビリセンターで働きながら、このような感動する場面に、た くさん出会えることをやりがいとして、頑張り続けようと思いまし た。 リハビリセンター 橋本 晋司 4 月 18 ∼ 19 日に「よろこび隊」で1泊旅行に行ってきました。 参加したご利用者だけでなくスタッフも一緒に楽しみました。 後日、参加されたある利用者から「今回の旅行で自信がついたので、 5 月に1泊2日で高野山にお参りに行ってくる。」と言われました。 ここでの活動がご利用者の生活機能を上げる役に立っていることに 喜びを感じました。 9 『ノンバーバル』 春日デイサービス 仲肥 好美 春日デイに勤務し始めて早5か月となります。年のせいか、疲れ からか、最近、車の破損が多くなり、管理者として大変申し訳ない 状況です。 利用者Aさんは夏過ぎくらいまで、自宅の周りを歩くこともでき ておられたと聞きましたが、お目にかかった時には、足がクロスし て歩行できる様子では無かったのが印象的でした。体操の時もただ 座っておられるだけで、丸くなって、関節の萎縮を感じました。早 速PTの野田さんにも相談し、骨盤が後傾状態になっていること、 関節が萎縮しているとの指導を受けました。このままでは、グルー プホームにいた時の方々のように、体全体が丸くなって歩けなくなっ てしまうという危機感を感じ、介入することにしました。 朝、体操時、マンツーマンで股関節を動かし、足首柔軟性、肩関 節の拳上など、少しずつですが関わることで改善してきました。ト イレへは出来るだけ座っていただき、車いすや事務椅子を使用して 本人の楽な移動も施行していきました。また、手引き歩行も、本人 の足底がしっかり着床する介助を、スタッフで気を付けていくこと で改善していきました。3月になり、関節の動きが少しスムーズに なられ、1 人で離床されて、長坐位になっていたり、歩こうとされ ていたり、活動的になってこられました。 言葉がよくわからず意思疎通が困難なことが多くありましたが、 感情の表現が豊かになり、今は感じることで会話し、対応しています。 ほうじゃほうじゃ!そうじゃのう!せわない、せわない!いけんい けん!等の単語が良く聞かれる様になりました。 ノンバーバルな会話も感じることができるようになってきていま 10 す。食事も一人で食べると1時間以上になり、疲れるため、自力摂 取+介助として、食欲はあるため、しっかり食べていただきたいと 思っています。 動けるようになると、転倒のリスクも増してくるため、職員も注 意して対応しています。 先日は玄関の方へどうしても身体がいこうとするため、歩いて庭 に下り、日向ぼっこが出来ました。庭のボタンのそばまで歩いて行 かれ、写真を撮りましたが、どう見ても喜んだ顔にはうつりません でしたが、春の日差しを感じていただけたでしょうか?Aさんから、 ほのぼのとした感動を感じることで、自分が成長できればと思いま す。 個性豊かで、前向きな春日デイスタッフ、要支援の方との別れは つらく悲しいものでしたが、また新しい出会いを大切に、春日デイ のご利用者が笑顔で在宅生活を継続できるように、ご家族とのつな がりを大切に、スタッフ全員とがんばっていきたいと思っています。 ※ノンバーバル(非言語的)コミュニケーション 11 『春日デイ』 春日デイサービス 廣江 良子 他デイを利用されたAさん。春日デイが良くてもどってきて下さ いました。 要支援のBさん。泣きながら春日デイを去って行かれました。 12 『ペース』 総合訪問センター 坂居 倫代 4月より入居された 50 才代 男性A氏。 ある日、私が稼動に入ってる時のことです。奥様が… 「今までのところは私(奥様)には声かけてくれても主人には話し かけてくれなかった。だから、もう、主人には人権なんてないんだ !! と思っていた。それが、ここに来て、主人を一人の人間として扱っ てもらえるのが、ものすごくうれしい。どのスタッフも主人にやさ しく声かけて下さるし、よく観察してくれている。感心する。 今までは、もう何も希望や楽しいことはないんだと思っていた。 けれど、ある日歯科 Dr. に何か口にすることができるかもしれない といわれた時、今までムリだと思ったことがくつがえされ、希望の ひかりがみえてきた。何といってもここにきてから主人の表情がお だやかになった。」、「ここにかわってきて心から良かったと思うんで す。」と話して下さいました。 スタッフはA氏のペースにあわせ、イヤがることは無理やりせず、 A氏の意志を尊重するというスタンスで関わってきています。 A氏との意思疎通ができるよう、方法を色々考えている途中です。 もっともっとA氏さんらしさを出せるよう、少しずつ関係をつくっ て心を開いていってもらいたいと思います。 13 『復帰』 総合訪問センター 野田 小百合 2ヶ月ぶりに職場復帰しました。 久しぶりに会うご利用者の方。皆さん「大丈夫なの?」 「元気になっ たの?」「無理しないでね。」「ヘルニア(通信に載せたので読んで、 おぼえていたようです)になったって?大変だったね。」「また会え て嬉しいわ。これからもよろしくね。」等々認知症の方まで、私のこ とを覚えていてくれて、やさしい言葉をかけて下さり、とても嬉し かったです。そしてどの方もとてもやさしい人だな、またここで働 けて良かったと思いました。 他、休んでいる2ヶ月の間、記録を読むと、本当にいろんな大変 な事があったのに、スタッフよく頑張ったなぁと感動しました。 特に三宅さんは学会発表、自分もまだ2回目で慣れていないのに、 日々の激務をこなし、他のスタッフの学会発表を一緒に考え、深夜 になるまでつきあって完成させたとか !? しかもその人達は何人も賞 をもらっていました !! 指導する立場の私からすると本当に頭が下がります。三宅さんす ごい! ありがとう !! 14 『忘れない』 総合訪問センター 三宅 咲 食事介助が必要なAさんとBさん。 Aさんは男性で、夫婦でグラシアスに入居されていましたが、去 年奥さんを亡くされ1人の生活となっていました。 Bさんは女性で、まだ若く、いつもそのご夫婦をしたわれていま した。 Aさんの奥さんが亡くなってからは、AさんとBさんが同じ時間、 同じテーブルで向かいあい、食事をするようになりました。 AさんもBさんもお互いをとても大事に思われており、自分のこと よりも相手の心配をするほどでした。 お互いに日に日に体がしんどくなる中で、いつもはげましあい、 食事が終わると握手をして帰るという習慣になっていました。 そんな姿がとてもほほえましく見ているこっちが勇気をもらって いました。 3月終わりごろからAさんの体調が良くなく、居室で食事をする 回数が増えていました。少しでも食堂に行けそうな日は頑張ってい かれていました。「部屋で食べるのはいけん !! こっちの方がいい。お いしい !!」と笑顔でいわれていました。Bさんにも会える。Bさんも Aさんの姿を見れて笑顔になる。そんな2人の姿で私達も笑顔になっ ていました。 4月に入り、Aさんの食事量も減り、苦しそうにされることが多く なってきていました。その日夕食に私はAさんの食事介助でした。 全く座位も保てず、1度は食堂へ行こうかといっていましたが、あ まりのしんどそうな姿に食堂へ行けず、居室で休もうか、と背中を さすり 30 分ほど一緒にいました。呼吸するのも苦しそうで熱もあり、 15 とてもしんどそうでした。その日はそのまま宿直だったので夜間は 正直、不安でしたが、こまめにAさん宅をのぞき、体温と酸素(呼吸) を見に入りました。夕方より夜間は落ち着かれていました。アイス ノンをしてみたり、少し話をしてみたり、入るたびに「ありがとう」 と伝えてくれていました。 朝方になった時には熱も下がり、落ちつかれていましたが、呼吸 は苦しそうでした。私は朝7時に帰りました。ですが、Aさんはその 日の夕方お亡くなりになりました。 聞いた時は悲しかったですが、楽になれたんだな…と思いました。 あの日の夕方∼朝までかかわれた時間は一生忘れることはないと思 います。ありがとうと伝えたいです。今はBさんが心配ですがしっ かりサポートと前向きになれるよう声かけを頑張りたいです。Aさん から学んだ優しい心と強い気持ちを忘れず、これからも大切にかか わっていきたいと思います。 16 『関わること』 総合訪問センター 谷口 由加 新しくグラシアスに入居されたFさんとの接し方について 気管切開されており、お話をする事は出来ず、手足は動かす事は 出来るのですが、ほとんどの時間をベッド上で過ごされています。 グラシアスに来られる前は、本人が嫌がる事(吸引)も強制的に行っ ていたとの事。 グラシアスに来られてからは、家族の希望もあり、本人が嫌がる 事は出来るだけしないという接し方をしています。 口腔ケアや吸引をしようとすると、両手を使い拒否される為、嫌 だと思われないように声かけなどをし、Fさんが気持ち良く過ごせる ようにと、かかわるスタッフ全員で努力しています。 今はまだ、拒否されることの方が多いですが、Fさんの奥さまから は「ここに来てから表情がとても変わった。以前は無表情だったのに。 今は穏やかな顔をしている。」と。「今まで、嫌なことをされ、我慢 していたが、ここは、わがままを聞いてくれるから。今はまだ拒否 することが多いけど、もう少し待って下さいね。」と。 いつかFさんと心が通じ合う日まで、頑張っていかねばと思いま した。 17 『進行性の病気』 総合訪問センター 野田 和美 私のご利用者さんで進行性の病気の方がいらっしゃいます。進行 性なので少しずつできることが減ってきます。いろいろな方法で生 活を支えてきましたが、ご自分のしたいことが思うようにできなく なってきました。例えば好きなテレビを見る、ラジオを聴く、ベッ ドを起こしてお茶を飲む…人の手をかりないとできない…きっとす ごくつらいことでしょう…。 以前、会社で行かせていただいた難病コミュニケーション支援講 座でお世話になった先生方にコンタクトをとったり、情報収集をす ると、どうもアイパッドを使って、そのご利用者がしたいと思うこ とができそうだということがわかってきました。でも、どのように 進めたらいいのか分からず悩んで、パソコンなどに詳しい湯藤さん に相談すると、いろいろなことを調べてくださいました。自分の仕 事も忙しいのに、こころよく相談にのってくださり、本当に色々な ことを調べて下さいました。以前、いつか使えるようにとそのご利 用者の声や言葉をボイスレコーダーでとったものを編集して下さい ました。その後もたくさん力をかして下さいました。 次はそのご利用者に実際にためしてもらう時、今までのことをそ の ご 利 用 者 に 説 明 し ま し た。NPO法 人ICT救 助 隊 の ス タ ッ フ の 方々とのやりとり、湯藤さんの協力、ご利用者さんは涙を流して喜 ばれました。その姿を見てうれしくて私もご利用者と一緒に泣きま した。2人で泣き顔を見合わせて笑いながら泣きました。こんなす ばらしい経験ができたのは、湯藤さんや難病支援のスタッフさんが いてくれたおかげです。本当に感謝しています。 私はきっとそのご利用者さんの涙を一生忘れないと思います。 18 後日、アイパッドとワンボタンスイッチを試しました。湯藤さん も立ち会って下さり機器の設定やとりつけ、設置のアドバイスなど をして下さいました。うまく操作することができ、ラジオやテレビ、 動画など、ご自分のしたいことができる見通しがたったご利用者の キラキラしたイキイキした顔に再び泣きそうになりました。 これからもつらいこともうれしいこともご利用者と一緒にすごし、 少しでもご利用者の笑顔をひき出せるようなかかわりを、ありがと うのスタッフとともにしていきたいと思います。 Yさん(ご利用者)、湯藤さん、ありがとうございます。そして、 これからもよろしくお願いします。 19 『支援』 介護支援ステーション 山本 洋子 ビューティデイサービスをご利用の方。 食事の時にひどくムセがあり、人前で食事をすることに抵抗を感 じ始めていたときに、口腔機能に対する計画を立てて、実施・評価 をして下さり、今ではほとんどむせることがなくなりました。 また、1年前には月に1度のペースで転倒しておられましたが、 個別機能訓練で転倒予防のための計画を立てて実施していくことで、 転倒が全くなくなりました。 ご本人が前向きなこともありますが、その人にあった計画・実施 ができていることで、とてもよい結果につながっているのだと思い ます。ムセも転倒もなくなったことで、ご家族も安心して毎日を過 ごすことができ、とても喜んでおられます。 その後、手指に対する機能訓練を始めて数ヶ月たち、再度、転倒 があったことで、下肢に対する訓練が終了したことが原因かもしれ ないとの連絡がすぐにありました。ご高齢のため、訓練にも制限が ありますが、デイサービスの利用を楽しみにしておられるご利用者 が、少しでも長く楽しみながら過ごしていけるよう、デイサービス との連携をとりながら支援していけたらと思います。 20 『看取り』 介護支援ステーション 中山 恵美子 日頃から矢野さんには教えて頂くことが多いですが、2月にグラ シアス入居の方が亡くなった時は本当に頭が下がりました。さっき まで息をし命があった人が、死という瞬間にそこに畏怖の気持ちが 起こり、自分がどう動けば良いのか足が止まってしまいます。 でも矢野さんは、冷静で先を見ながら判断され、そこには亡くなっ た人や家族に対する愛情があります。多くの死に立会いながらも、 慣れることなく、人を悼む。亡くなることが支援の終わりではない ことを再確認することができました。これからも、利用者の方のター ミナルの支援をすることがあると思いますが、日頃の支援の中で経 験を積み、最期までその人に寄りそう力を持てるようになりたいと 思います。 21 『ありがとう居宅』 介護支援ステーション 斉藤 亜由美 居宅業務の中で、特に新しい職員に対してはきつく注意をしてし まう事があります。 失敗してきつく言われた方も、その失敗をきつく咎めた方もお互 いに心がしんどくてたまらない時。 仕事から帰って落ち着いた頃に、職場の同僚A氏が連絡をくれま す。 日中の騒動に対して「大丈夫ですか」「言ってる事はその通りだと 思いますよ」「お互い、いい経験になったと思いますよ」と、怒って しまった私にも、そして怒られてしまった職員にも、私が何を伝え たかったかをきちんと穏やかにフォローを入れてくれるA氏の気遣 いが本当に心に染みます。 いろいろな同僚の支えのもとで、感情的に走りがちな未熟な自分 が管理者として立ててもらい、仕事が出来ている事を幸せに思って います。 これからもこの「ありがとう居宅」でみんなと協力しながら頑張っ ていきたいです。 22
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