平成 27 年8月 10 日 VIAX児童部会 第 2 回「基本図書から学ぶ」報告書

平成 27 年8月 10 日
VIAX児童部会
第 2 回「基本図書から学ぶ」報告書
1.日
時
平成 27 年 7 月 16 日(木)14:00~17:00
2.場
所
ヴィアックス研修センター(鳩山ビル 6F)
3.参 加 者
21 名
4.配布資料
① 児童部会「基本図書から学ぶ 絵本について② グループワークシート」
② 児童部会「基本図書から学ぶ 絵本について② 絵本の評価について」
5.内
容
(1)~(4)は7つのグループに分かれて、(5)(6)は全体で活動した。
(1)参考書『えほんのせかい こどものせかい』松岡享子/著 日本エディタースクール出版部 1987
を読んで印象に残った箇所とその理由を発表し、感想を共有した。
(2)課題図書の絵本について、1 冊につき 7 分間、9つの観点【主題】
【あらすじ】
【主人公】
【絵】
【文
章】
【絵と文章の関係】
【装丁】
【感想】
【エピソード】で検討を行い、資料①のグループワークシー
トに記入した。
課題図書は、参考書『えほんのせかい
こどものせかい』で取り上げられている本を中心に、事
務局で選んだ以下の 8 冊である。
『ティッチ』パット・ハッチンス/文・絵 石井桃子/訳 福音館書店 1975
『よあけ』ユリー・シュルヴィッツ/文・絵 瀬田貞二/訳 福音館書店
1977
『どろんこハリー』ジーン・ジオン/文 マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 渡辺茂男/訳 福音
館書店 1964
『おやすみなさいのほん』マーガレット・ワイズ・ブラウン/文 ジャン・シャロー/絵 石井桃子/
訳 福音館書店 1962
『かいじゅうたちのいるところ』モーリス・センダック/文・絵 神宮輝夫/訳 冨山房 1975
『あおくんときいろちゃん』レオ・レオーニ/作 藤田圭雄/訳 至光社
1984
『ペレのあたらしいふく』エルサ・ベスコフ/文・絵 小野寺百合子/訳 福音館書店 1976
『しょうぼうじどうしゃじぷた』渡辺茂男/文 山本忠敬/絵 福音館書店 1963
(3)記入したグループワークシートのコピーを読み、各グループで検討された内容を確認した。
(4)各グループで、課題図書の絵本がもつ共通点について話し合った。
(5)各グループで話し合われた、課題図書の絵本がもつ共通点について発表を行った。
(6)事務局より、本日の活動のまとめの話があった。
・
【主題】についての言及がなかったが、主題とはその作品で著者が一番伝えたいことである。基本図
書はわかりやすい主題を持っていることが多く、またその主題は【あらすじ】で表現されている。
例えば、
『あおくんときいろちゃん』であれば「あおくんときいろちゃんが楽しく遊ぶ」といった主
題が、ストーリーそのもので表現されている。このように主題が、あらすじで表現されているのも、
基本図書がもつ共通点の1つであることを確認した
・資料②に基づき、本日話し合いで出された共通点が、絵本を評価する基準になっていることを確認
した。
・絵本の評価について学ぶ必読書として『絵本論―瀬田貞二 子どもの本評論集―』瀬田貞二/著 福
音館書店
1985、
『児童文学論』リリアン
H.スミス/著
石井桃子・瀬田貞二・渡辺茂男/訳
岩
波書店 1964 の 2 冊が紹介された。
・図書館での配布物で紹介されていた絵本を例に、人気のある本や読者の評価が高い本も、図書館員
として本を評価する必要があることを確認した。
6.所感
・各項目に時間配分を設け、その時間内に作業を完了させることを目指した。十分に検討するには短い
時間だったが、時間制限を設けることで時間に対する緊張感と、話し合いを簡潔に進行しようという
意識が生まれたのではないかと思う。
・第 2 回ではグループ内で感想や共通点を話し合うことで、基本図書のもつ特徴を掴むことができたの
ではないかと思う。
「行って帰る場所がある安心感」や「感情移入ができる」などは、子どもにとって
はとても大事だが、大人になると実感が難しくなる点であるため、児童部会の場で確認できたのは大
きな収穫であった。
『えほんのせかい こどものせかい』のような参考書を同時に読むことで、基本図
書のみを読む場合に比べ、理解が深まった。
・今回の話し合い内容の内、
「エピソード」についてはあまり意見が挙がらなかったようであった。実際
に子どもに読み聞かせした時の反応などがわかると、より理解が深まると感じた。