問題解決学習にこだわるな! 兵庫県赤穂市原小学校教頭 古川光弘

問題解決学習にこだわるな!
兵庫県赤穂市原小学校教頭
古川光弘
最近、授業を見せていただく機会が多いのですが、ちょっと気になることは、問題解決学習にこだわ
り過ぎているということです。
『子どもの考えを引き出す算数の授業の作り方』(山本昌猷
黎明書房 2012)という本に「授業構想
づくり・7つのポイント」が記されています。以下のものです。
①指導のねらいを明確に。
②課題(問題)を明確に。
(学習のまとめとの対応)
③子どもが飛びつく学習素材
④理解を深める楽しい学習活動
⑤子どもが燃える発問づくり
⑥子どもの力に合った授業展開
⑦子どもの思考の流れに対応した授業づくり
この中で、私が注目するのは⑥です。じっくり考える習慣のないクラスで問題解決学習をしようとし
ても無理なのです。そのような時には、古川流の進め方として次のような事も考えています。
授業をパーツで組み立てるということです。
「10 分間パーツ教材」を活用した授業です。
「10 分間パーツ教材」を活用した授業は、学級スタート時や学級に落ち着きがないとき、そして、基
礎的な知識・技能を修得させるときに多用します。
「10 分間パーツ教材」を活用した授業を行う理由は、確実に授業を組織するところから学級経営をス
タートしていきたいということです。授業がきちんと進行していると、学級づくりもスムーズに展開し
ます。学級スタート時や学級に落ち着きがないときには、「10 分間パーツ教材」を活用した授業を取り
入れ、まずは確実に授業を組織します。
このパターンの授業では、子どもたちは必ず授業に集中します。
ここで、
「10 分間パーツ教材」とは何か?ということを少し、説明させていただきます。
まあ、ごく簡単に言うと、落ち着きのない子どもたちに対して、45 分の授業をいくつかのパーツに分
けて授業するというのが、10 分間パーツ教材の発想です。
“10 分間パーツ教材”を1時間の授業に効果的に配列し、一つ一つ確認しながら授業を進行すること
により、子どもたちは驚くほど授業に集中するようになるのです。
この授業は、1時間中1問だけの問題に集中的に取り組ませる問題解決型の授業とは対極にあるもの
です。言いかえれば、
「導入」
「山場」
「まとめ」という従来、常識的に考えられてきた1時間の授業構成
を全く覆すものでもあります。
今でこそ、ユニット学習というような形も出て、市民権を得つつありますが、当初は、批判も多かっ
たです。
私は毎年、どの学年を担任しても、10 分間パーツ教材を使った授業を参観日に行います。
そうすると子どもたちは集中して学習に取り組むわけです。そうなると、どうなるか。集中して学習
に取り組む子どもたちの様子を見た保護者から、驚きの便りが届きます。
子どもたちが集中するだけでなく、同時に保護者の心もつかむことができるのです。こんなにありが
たいことはありません。
「10 分間パーツ教材」を活用した授業は、子供たちに集中力をうみだし、たるんだ空気を引きしめる
ことができるのです。
【参考文献】1年生の授業
10 分間パーツ教材で集中力を高める(古川光弘著 明治図書)
10 分間パーツ教材の知恵「教育新聞 2007 年 連載」(古川光弘著)