4-① オホーツク振興 「農業参入から苗木生産まで」 株式会社 管野組 代表取

4-① オホーツク振興 「農業参入から苗木生産まで」
株式会社 管野組 代表取締役社長 管野伸一
<意匠登録されたパッケージ製品>
管野組グループ 「苗木生産:佐々木産業(有)、林業施業:(株)SF・管野」
管野組本社 〒099-0205 北海道紋別郡遠軽町丸瀬布東町98番地
創業 昭和6年3月 ・資本金5,000万円
~佐々木産業(有)~
〔住所〕北海道紋別郡遠軽町福路2丁目5番地25
〔電話番号〕0158-42-5261 〔URL〕http://sasakisangyou.co.jp
〔資本金〕1,680万円 〔従業員数〕62名 〔直近の売上高〕367百万(24年度)
~(株)SF・管野~
〔資本金〕5,800万円 〔従業員数〕17名 〔直近の売上高〕75百万(24年度)
※住所・電話番号は佐々木産業(有)に同じ。
1.きっかけと経緯
建設業の使命として町づくりや地域経済の活性化・雇用の創出は必須であり、また魅力ある「故郷づくり」の思いから、
一村一品活動に取り組む。そこで自社の採石跡地と建設業の特性を有効活用、地元の気候も生かし、平成3年4月、
「じゅんさい」の栽培に着手した。平成4年8月植栽、平成6年8月から生産・販売を開始し、苦節20年、無農薬栽培や
水質管理・加工技術など苦労の末、年間約2,000kg近くの生産量を維持、今では「オホーツク産じゅんさい」は名実とも
に北海道の特産品になっていると自負しています。
当社の「じゅんさい」栽培の中で一番苦労した事が「水質管理」である。「じゅんさい」は良質な水でしか育たないため、
水質浄化に有害物質の吸着に抜群の効力を発揮する「木炭」を利用した。この「木炭」は地域で発生した流木を活用した
事で建設業の使命の一部にも役立っている。また「木炭」では作用効果がない分解・無害化は「光触媒」の効力を利用、
良質で高品質な栽培が可能になっている。
「光触媒炭」は土壌改良にも有効な効力を発揮できると試験研究を進めた結果、大いに活用できると実証され、また
トマトの栄養は「体と心の健康」に注目されている事から、平成16年7月、「フルーツトマト」の栽培にも着手し、ハウス内
にも光触媒炭を配置した。こうして健康食品ブームの時代を背景に「じゅんさい」と「フルーツトマト」を栽培する事で地域
が活気づき雇用も確保され、今や地域になくてはならない存在となっている。
農業関連事業の経営の中、近年の著しい気象変化による自然災害などが発生し、復旧活動や生活環境の整備には
建設業が必要不可欠であり、またエコ環境に突入した今、「山づくり」はこれからの産業の重要な位置と認識されている。
平成13年7月には「森林・林業基本法」が施行され、森林は「緑の社会資本」となり長期的に森づくりを推進する国の
政策を一早く取り入れるため、さらには国際情勢の変化から原木調達が国産材へ移行し需要が拡大する動きが強まり、
種苗産業の更なる活性化が予想される中、平成24年9月、造林用苗木の生産販売や種子採種事業を営む「佐々木産業
有限会社」と造林地の整備や緑化事業・公園管理を営む「佐々木産業株式会社」を買収し、「森づくり」を積極的に展開
している。
2.展開と課題
現在、佐々木産業(有)は遠軽町及び隣接する湧別町に跨り約90haもの日本最大を誇る広大な苗畑を有しており、
「豊富な樹種」と年間約250万本余りの山行苗木を出荷しており、道内50社余りの種苗業者の中で全道シェア15%と業
界トップを維持、また種苗産業の先進国であるヨーロッパの施設・設備を導入し、本場の技術研修にも力を入れている。
しかし、供給がピークを迎え造林業界は徐々に衰退の一途を辿る。こうした状況下においても当社は長年に渡る経験
と知識から「必要とされる企業」で在り続けるため、厳選なる樹種の選定や厳しい環境に耐えうる生育方法などを確立し、
高品質な苗木を安定的に供給する企業へと成長した。それによりに日中国交正常化を記念した式典には桜の苗木、
各地で行われる様々な記念行事においても各種苗木を供給する事ができた。
種苗業界も新たな展開を見せ始め、育苗コスト・植栽コストの低減を目的に「コンテナ苗」生産が活発化してきている。
この「コンテナ苗」は根の形成から活着率が良く植栽時期を選ばないなど利点が多く、これからの北海道の造林事業に
期待できるとされ、その先駆けになるべく、当社もこの「コンテナ苗」の生産・販売に取り組んでいるところである。
しかし「コンテナ苗」生産にも多くの課題を抱えており、大量の本数を生産するための
施設や設備の建設、生産流通の機械化、出荷技術の確立などが急務となっている。
また平成25年4月には山林経営を一手に行う「(株)SF・管野」を設立し、その後造林
事業を運営する「佐々木産業株式会社」を吸収合併し、山林の整備や植栽事業など
「切ったら植える」という「緑のサイクル」を保持している。また公園・道路の維持管理や
造園業なども行い、地域の緑豊かな自然環境づくりに貢献している。
1つの試みはその応えが返ってくるまでに数年・数十年の長い年月がかかり、先人達
の引き継がれた技を守り、自然の掟とリズムに合わせ、じっくりと苗木に向かい合う事
で「丈夫で強い苗木を作り、山へ返す」という想いのもと、次の世代へと受け継いでいく。
<トドマツのコンテナ苗>
それこそが『STAFF OF FOREST(森づくりの担い手)』の責務だと考えます。
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