パンフレット - 豊中混声合唱団

豊中混声合唱団
第55回定期演奏会
2015年7月5日(日)
午後3時開場 午後4時開演
ザ・シンフォニーホール
−1−
豊中混声合唱団 第55回定期演奏会
2015年7月5日
(日)ザ・シンフォニーホール
後援:関西合唱連盟 大阪府合唱連盟 JCDA日本合唱指揮者協会
ごあいさつ
本日は、
豊中混声合唱団第55回定期演奏会にお越しいただき誠にありがとうございます。
定期演奏会も今年で55回目を迎えることができました。
これもひとえに皆様方のご支援の賜物と御礼申し上
げます。
55といえば、
少し前なら定年。
ひとまずの宮仕えを終え、
少しゆっくり海外旅行でもしてみようかというとき
ではあったのでしょうが、
今では、
60まで働いた上に、
さらに65歳まで働こうという時代になりました。
豊中混声も55を経てまだまだ血気盛んであります。
60いや70回に向かってまい進していく所存であります。
60回目の時には還暦コンサートと称して全員赤い服を着て唱うのも一興かもしれません。
さて、
今年の上期の豊中混声は例年になく忙しく活動いたしました。
それは、
3月の広島の
「合唱団ある」
と岐阜の
「合唱団MIWO」
と交えた三善晃追悼ジョイントコンサート−MI
WO・ある・豊混−と5月の
「Tokyo Cantat」
への新曲招聘演奏があったからであります。
これに加えて毎月のよ
うに種々の震災祈念イベント、
チャリティーコンサートや合唱祭への参加。
4月には恒例の豊中少年少女合唱団
の定期演奏会への賛助出演と、
合計8回を超えるステージがありました。
特に三善晃追悼ジョイントコンサート−MIWO・ある・豊混−では、
ホスト役も承り、
こういった独立した合
唱団のジョイントの経験も初めてなら、
ホストも初めて、
使うホールも初めて、
また歌う曲も新曲という初めてづ
くしの演奏会をやり遂げ、
また、
Tokyo Cantatにおいては、
寺嶋陸也氏のTokyo Cantat2015委嘱作品の初演を
なし遂げました。
こんなにたくさんの曲はできないから、
無理するのはやめようという声がでてもいいところを、
次々にやって
のけ、
演奏当日は、
大半が暗譜で臨むという当たり前のことのようではありますが中々できないことをやり遂げ
たのは、
団員の気持ちがひとつになったからだと思っています。
当然のことながら素晴らしい演奏ができました。
そしてメンバーは、
確実にひとつステップアップしたのではないかなあと思っています。
こんな偉そうなことを書いて、
たいした演奏ができなかったらウソつきですね。
本演奏会を通じて、
なにか幸せなものを持って帰ってもらうことができたなら、
この上ない喜びでございます。
どうか最後まで、
お聴き頂きますようお願いいたします。
豊中混声合唱団 団長 仲野 均
−2−
Program
Ⅰ.混声合唱とピアノのための「唱歌の四季」
編 曲 三善 晃
1.朧月夜 2.茶摘 作 詩 高野 辰之
3.紅葉
4.雪
作 詩 高野 辰之
5.夕焼小焼
作 詩 中村 雨紅
作 詩 不詳
作 詩 不詳
指 揮 西岡 茂樹
ピアノ 武知 朋子
賛助出演 唱歌の四季を歌う会
Ⅱ.
「ヒロシマ神話」
嵯峨信之の詩による混声合唱のための 3 つのモテット
Tokyo Cantat 2015 委嘱作品(関西初演)
Ⅰ.ヒロシマ神話
Ⅱ.骨
作 詩 嵯峨 信之
作 曲 寺嶋 陸也
Ⅲ.火
指 揮 西岡 茂樹 作 詩 鈴木 香里武
Ⅲ.
「生きてるってなんだろう」
〜般若心経と七歳の少年、鈴木香里武の日記より〜
混声合唱、児童合唱、朗読、ピアノのために(委嘱改訂初演)
作曲・朗読 徳山 美奈子
指 揮 西岡 茂樹
ピアノ 武知 朋子
児童合唱 豊中少年少女合唱団
— Intermission —
Ⅳ.混声合唱組曲「マリアの歌」と2つの聖母讃歌
しあわせなかたマリア(Ave Maria)
マリアの歌 (2005 年度 豊中混声合唱団 混声版編曲 委嘱初演 )
1.街角で
2.カットグラス
3.病
4.答
作 詩 村上 博子 作 曲 髙田 三郎
「マリアの歌」混声版編曲 須賀 敬一
指 揮 須賀 敬一
ピアノ 中村 有木子
作 詩 宗 左近 作 曲 三善 晃
指 揮 西岡 茂樹 ピアノ 武知 朋子
元后 あわれみの母(Salve Regina)
Ⅴ.混声合唱とピアノのための「縄文連禱」
−3−
Program Notes
I.混声合唱とピアノのための「唱歌の四季」
「唱歌の四季」~自然と命と平和の祝祭~
西岡 茂樹
日本人の心の故郷とも言うべき唱歌の数々。三善晃先生
は、その膨大な蓄積の中から春夏秋冬それぞれの季節の曲を
1曲ずつ選ばれ、そして最後に「夕焼小焼」を置き、合唱曲と
しての三善晃編曲「唱歌の四季」を創られた。
しかしながら、この作品は「編曲」という枠を遙かに超え
た、まさに「新しい創造」であると言っても過言でないくらい
の、独自の生命を吹き込まれた音楽世界が広がっている。
どの曲を歌っても胸が熱くなる。それは三善先生の温かい
視線は、いつも「人」に注がれているからではないだろうか。
唱歌は、明治以降、無数の日本人が、それぞれの人生の喜怒
哀楽の中で歌ってきた。その無数の歴史が曲に刻み込まれて
いる。そして第二次世界大戦で多くの友人を失い、自らも九
死に一生を得た三善先生は、これらの唱歌を通じて、美しい
自然に抱かれて懸命に生きる人の命の尊さ、そして平和な故
国への希求を伝えようとされておられるのではないだろう
か。私にはそう思えてならない。
それは、一見、平凡な日常のようであるが、実は、かけがえ
のない幸せなのだ。
菜の花畑の里に慎ましく暮らす人も、新茶を陽気に摘む娘
も、紅葉の山河を愛でる人も、雪景色に微笑む人も、夕焼けを
背に仲良く帰路につく子ども達も…。
「唱歌の四季」が誕生したのは1979年で、その時は、東京放
送児童合唱団および1台のピアノのための作品だったが、後
に、声部としては混声、さらには男声へと広がり、伴奏も2台
のピアノ版も誕生した。
私たちは、去る3月29日に「三善晃追悼ジョイントコン
サート」を開催したが、その時には豊混だけではなく、多くの
仲間達と一緒に、総勢200名近くのメンバー、そして2台のピ
アノでこの曲を演奏した。本日は、その時に一緒に歌ったメ
ンバーの有志にも加わってもらい、1台ピアノ版で演奏させ
て頂きたい。
ザ・シンフォニーホールが、日本の自然と人の命と、そして
平和の祝祭の舞台とならんことを。
唱歌の四季を歌う会
三善晃追悼ジョイントコンサートでの公募合唱団
2015年3月29日に開催された三善晃追悼ジョイントコ
ンサートにて、「唱歌の四季」を演奏するために集まった公
募合唱団のメンバーが、この演奏会のため「唱歌の四季を
歌う会」として再び集まりました。桜の花でいっぱいだっ
た春のあの日から、季節変わって七夕近づく夏の今宵、一
夜限りの再結成です。
■音楽監督・常任指揮者 西岡 茂樹(にしおか しげき)
1955年兵庫県生まれ。高校時代から合唱と
指揮を始め、
その後、
大阪大学混声合唱団で3年
間に亘り学生指揮を務める。その間、三善晃氏
との運命的な出会いを果たし、
以降の合唱人生
の方向を決定づける。
1979年には豊中混声合唱団に入団、
副指揮
者を経て1989年より常任指揮者、
2002年より
音楽監督・常任指揮者となる。
その間、
髙田三郎
氏、
田中信昭氏、
須賀敬一氏と出会い、
合唱指揮
者として大きな影響を受ける。
2001年には豊混の姉妹団体として豊中少
年少女合唱団
(豊少)
を設立、
両団のコラボレー
ションによる、
「芸術作品としての
“大人と子ど
もが共に歌う合唱”」
は、
新しい潮流として大き
な注目を集めている。
指揮活動の最大の関心は、
『世界に誇ること
ができる日本固有の合唱芸術の創造』にあり、
主として現代日本の創作家の意欲的な作品を
とりあげ続けている。
また、
これまでに、
三善晃
(3作品)、髙田三郎をはじめ、池辺晋一郎、一柳
慧、
伊藤康英、
鈴木英明、
千原英喜(2作品)、
寺嶋
陸也(5作品)、新実徳英、信長貴富、萩京子(6作
品)、松下耕、矢田部宏、
山岸徹の諸氏等への委
嘱初演を成功させている。
豊混、豊少以外でも、女声合唱団あい(山口
県)、女声合唱団Stella( 三田市)、関西大学グ
リークラブ等、
特性の異なる各団体で指揮者を
務めており、
一般団体や大学合唱団への客演も
多い。
また、
「三善晃を唄う会in淡路島」
の講師、柴
田南雄氏や高橋悠治氏等の
「シアターピース」
の上演、
「八月の祈り」
(原爆の犠牲者への鎮魂
と平和を祈る演奏会)への参画、
震災復興支援
のための様々なコンサートへの参画、
邦楽との
コラボレーションなど、
活動は多岐に渡る。
現在、
関西合唱連盟理事、
大阪府合唱連盟理
事、
日本合唱指揮者協会関西支部委員、
21世紀
の合唱を考える会
「音楽樹」
会員、
奈良産業大学
教授。
ホームページ
http://www.nara-su.ac.jp/~nishioka/music.htm
E-mail [email protected]
■ピアノ 武知 朋子(たけち ともこ)
京都市立堀川音楽高校、
京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻卒業。
ミュンヘンにてM・シュリューター、カールスルーエにてW・ヤーンの室内楽マス
ターコース修了。その他ミラノ、ウィーンにおいても研鑽。’95友愛ドイツ歌曲コン
クールにおいて最優秀伴奏者賞受賞。’03トスティ歌曲国際コンクールにおいてトス
ティ・ピアノ賞受賞。
第17回京都芸術祭において最優秀協演賞受賞。
様々なジャンルの音楽家との共演、音楽コンクールにおいて伴奏、創作オペラの
ヨーロッパ公演などアンサンブルピアニストとして活動。
−4−
Program Notes
Ⅱ.
「ヒロシマ神話」嵯峨信之の詩による混声合唱のための 3 つのモテット
寺嶋 陸也
作曲者のことば
今年で20回目を迎えた合唱人集団音楽樹の主催によ
る
「Tokyo Cantat」
というフェスティバルで、
6年前から
と題して、
日本の文学作品を題材と
「やまと うたの血脈」
した合唱曲を、
古事記から順にその題材の歴史を辿って
訪ねつつ、
日本語を歌う、
ということについて考えようと
いうシリーズが行われてきました。その最終回として、
「未来へ」
というタイトルで7人の作曲家に新作が委嘱さ
れましたが、
この《ヒロシマ神話》は、
そのうちの1曲とし
て作曲され、
今年の5月3日に、
本日と同じ西岡茂樹さん指
揮の豊中混声合唱団の皆さんによって初演されました。
たまたまのことですが、
敗戦、
原爆投下から70年目の憲法
記念日に初演される曲なので、
西岡さんとも相談し、
平和
を強く訴える内容の曲にしよう、
ということで、
前から作
曲したいと思っていた嵯峨信之
(1902~1997)
の代表作
「ヒロシマ神話」
に、
「骨」
と
「火」
の2つを加えて3曲からな
る曲集としました。
けちみゃく
現在、
「ヒロシマ神話」
の問題提起は私にはどうしても
「フクシマ」
と重なって見えてしまいます。
核による惨禍
が、
きっかけは自然災害だとはいえ、
ふたたび現実となっ
たのに、
この国は、
それを未来において避けよう、
という
ふうには動かず、
むしろその逆に動いているように思え
ます。
そしてそれは、
戦争についても、
同じように、
それを
避ける方向には向いていないようです。
「骨」
と
「火」
は対照的な内容ですが、
「骨」
で自分を見つ
めつつ、
「火」
では、
ヒロシマの石に刻印されてしまった影
をいつの日か解き放たんという意思を未来の世代にも受
け継いでもらいたいという願いをこめました。
副題に
「モテット」
とつけたのは、
耳に心地よく、
わかり
やすく当たりさわりの無い歌詞が効果的に盛り上がる、
というような、
昨今人気の合唱曲とは正反対の、
ルネサン
スやバロック時代の様式を踏襲した、
声と言葉の力で構
成される無伴奏合唱曲であることを強調する意味です。
■作曲 寺嶋 陸也(てらしま りくや)
東京藝術大学音楽学部作曲科卒、
同大学院修了。
97年東京都現代美術館でのポンピ
ドー・コレクション展開催記念サティ連続コンサート
「伝統の変装」
、
03年パリ日本文化会
館における作品個展
「東洋・西洋の音楽の交流」
などは高く評価され、
06年にはタングル
ウッド音楽祭に招かれボストン交響楽団のメンバーと自作を含む室内楽を演奏した。
作
曲、
ピアノ演奏のほか、
びわ湖ホールのオペラ公演の指揮など、
活動は多方面にわたる。
オ
ペラ
『ヒト・マル』
『ガリレイの生涯』
『末摘花』
、
カンタータ
『伊邪那岐・伊邪那美』
、
合唱ファ
ンタジア
『オホホ島奇譚』
、
ヴォードヴィル
『タバコの害について』
『
、尺八・二十絃箏と管弦
楽のための協奏曲』
など作品多数。
「大陸・半島・島/寺嶋陸也作品集」
(ALCD9026)、
「二月
から十一月への愛のうた」
(VICS61092)
「寺嶋陸也plays林光」
(NARD5034)
など、
多く
のCDがある。
ホームページhttp://www.gregorio.jp/terashima/
世界で唯一の被爆国、そして原発の大事故を経験した私たち故の命題と向き合う
私が常任指揮者に就任して以来、
「愛」
「いのち」
「平和」
の
3つのキーワードを軸にして、
さまざまな合唱曲をとりあ
げ、
また演奏活動を展開してきた。
そして、
今年は終戦から、
そしてヒロシマ・ナガサキから
70年。
世界中が、
あの大戦の悲劇を二度と繰り返すまいと
の誓いから、
平和への道を歩み始めたはずだったのに、
皮
肉にも冷戦の終結後、
逆に世界は混迷を深めている。
そし
て、
70年目の今、
私たちが暮らす日本という国も、
なにかと
騒がしくなってきている。
一方、
ヒロシマ・ナガサキを焼き尽くした原子力の平和
利用との旗印の下、
戦後、
日本は原発を推進してきたが、
4
年前の福島の原発事故により、
再び、
多くの人々が放射能
の被害に苦しみ、
生活と故郷を奪われている。
しかし、
ふと
気づくと、
今、
原発は再稼働に向けて準備が進み、
さらに国
をあげて海外への原発輸出にも熱心である。
安全保障も核兵器も原発も、
物事は単純ではなく、
一筋
縄ではいかない。
4月・5月に国連で開催されたNPT再検討
会議が、
一ヶ月間に亘り奮闘したにも関わらず、
最終文書
が採択できなかったことが、
それを象徴している。
しかしだからと言って、
私たちは決して諦めるのではな
く、
これからも人間の全存在をかけて、
戦争と平和、
核につ
いて考え続けねばならない、
その決意をする70年目であ
りたいものである。
西岡 茂樹
自由に音楽ができる世界というのは、
当たり前のようで
いて、
決して当たり前ではない。
そして、
やはり音楽は社会
と無縁であってはならないと思う。
また、
文学や美術や音楽は、
戦争や放射能がもたらす悲
惨を、
人間の存在との関係において、
より核心に迫って表
現、
伝達し得るものだと思う。
これまでに豊混は、
戦争と原爆をテーマとする曲とし
て、
柴田南雄
「無限廣野」
、
林光
「原爆小景」
、
尾上和彦
「鳥の
歌−ひろしまレクイエム−」
、
三善晃
「その日−August 6
−」
、
新実徳英
「骨のうたう」
、
萩京子
「亡命地からの手紙・道
しるべ」
、
松下耕
「鳥のために」
、
信長貴富
「廃墟から」
など、
数多く歌ってきた。
また東日本大震災と原発事故をテーマとする曲として、
新実徳英
「つぶてソング」
、
伊藤康英
「あなたをあきらめな
い」
、
信長貴富
「夜明けから日暮れまで」
などを歌ってきた。
そして今年、
これらの山脈に繋がる新しい作品
「ヒロシ
マ神話」
が誕生した。
これまでもそうであったように、
寺嶋
陸也さんの作品は、
決して、
派手であったり、
大袈裟であっ
たりはしない。
しかし、
その底流には燃えたぎるマグマを
感じずにはいられない。
だからこそというべきか、
私たちは絶対的な信頼を寄せ
ている。
地味ではあるが、
私たちもこの大事な仕事を喜ん
でご一緒させていただきたいと思っている。
−5−
Program Notes
Ⅲ.
「生きてるってなんだろう」~般若心経と七歳の少年、鈴木香里武の日記より
徳山 美奈子
作曲者のことば
この作品は、東日本大震災の犠牲者を悼み、捧げる
音楽として、2012年いこま国際音楽祭の委嘱で作曲
しました。
その時は室内楽との共演で、生駒市の小学生70人
程が歌うために集まってくれました。
その70人という数は、石巻の大川小学校の犠牲と
なった子供達の数を想起させ、音楽を作る間、その悲
劇をずっと考えずにはいられませんでした。
偶然手にしたのが、友人の鈴木香里武君が7歳の小
学生だった頃の日記でした。
「生きてるってなんだろう」 「死ぬってなんだろう」
「病気ってなんだろう」
「先生、
ぼくの考えてる事って、変ですか?」
次々と、7歳の少年は大人に問いかけます。
初演の時は、その「果てしない問いかけ」がタイトル
でした。今回は、初演にはなかった大人の合唱が加わ
ります。大人は子供からの問いかけにどう答えるので
しょうか?答は見つかりませんでした。般若心経だけ
が、私の心に聴こえて来ました。
今回は、その般若心経を大人が歌います。永遠に問
いかける小学生の日記と共に響く、般若心経。このふ
たつのテキストを、この音楽の祈りの言葉と致しまし
た。日記を提供してくださった小さな詩人、鈴木香里
武君も、今はNHK「みんなのうた」に歌詞を発表する
青年となっています。
■作曲 徳山 美奈子(とくやま みなこ)
東京芸術大学、
ベルリン芸術大学卒業。
作曲を池内友次郎、
矢代秋雄、
尹伊桑に師事。
1992年笙とハープの為の
「ファンタジア」
で、
第5回福井ハープフェスティバルに於ける、
福井ハープ音楽賞を受賞。1995年同フェスティバル国際作曲コンクール審査員。
同年、
クラ
ウディオ・アバド音楽監督による、
1997年度ウィーン国際作曲コンクールにて第1位受賞。
受賞作のバレエ作品
「メメント・モリ」
が、
1996年ウィーン・モデルン音楽祭でのオーケス
トラ初演を経て、
1997年ウィーン国立歌劇場バレエ団により振付、
舞台上演される。
2003年より日本音楽コンクール作曲部門審査員。
2006年第6回浜松国際ピアノコンクー
ル日本人作品委嘱作曲家。
同コンクール課題曲
「ムジカ・ナラ」
、
ハープの為の
「オリエンタル
ガーデン」
等、
その優美な作風は、
吉野直子、
福間洸太朗を始め、
内外の多くの演奏家に愛さ
れ、
再演を重ねている。
西岡 茂樹
老若男女が歌い交わす、救いの祈りの声
2011 年 3 月 11 日、宮城県沖で巨大地震が発生、その
後の巨大な津波により、未曾有の大災害となった。この
震災による死者は約 1 万 6 千人、4 年も経過した現在に
おいても、行方不明者は 2 千人以上おられるという。も
ちろん、これらの中には、福島原発の事故により避難生活
を余儀なくされ、心身の調子を崩して亡くなられた方、将
来を悲観して自殺された方なども含まれている。
私は震災の翌年 2012 年 3 月に、仙台の合唱指揮者の
早川幹雄氏の案内で、陸前高田から石巻までの三陸海岸
沿いを案内してもらったことがある。
最も衝撃的な風景は、奇跡の一本松で知られる陸前高
田であった。海沿いの町、全体がごっそり姿を消している。
かろうじて家の基礎が残っているので、昔ここに家があり、
町並みがあったことは想像できたが、その虚無感は恐ろ
しく、海鳴りの合間に、無数の人の声が聞こえるような錯
覚にとらわれた。事実、地元では怪談のような類いの話
がいくつもあるということだった。
ここで亡くなった方は、恐らく、津波が来る数時間前ま
では、いつもと変わらぬ日常を過ごしておられたはずであ
る。その生が一瞬にして奪われる不条理。犠牲者の方々、
そして残された方々のお気持ちは想像を絶する。
本日、
改訂版初演となる「生きてるってなんだろう」は、
徳山美奈子氏が東日本大震災の犠牲者への追悼のために
書かれた作品である。原題は
「果てしない問いかけ」
、
朗読、
児童合唱、ピアノ、フルート、バイオリン、クラリネット、
トランペット、そして和太鼓が入る作品であり、児童合唱
のテキストは徳山氏の知り合いの鈴木香里武君の 7 歳の
時の日記からとられている。
徳山氏と豊混・豊少の接点であるが、毎年、原爆が投
下された八月上旬に開催している「八月の祈り」演奏会
において、豊混と豊少は一緒に尾上和彦氏作曲の「鳥の
歌−ひろしまレクイエム−」を歌っており、その演奏会の
音楽監督でもある尾上氏からの紹介により、2012 年にピ
アノソロとして徳山氏に本演奏会に出演してもらったのが
きっかけである。
その後、尾上氏より、
「生きてるってなんだろう」を、
大人と子どもが一緒に歌えるように編曲してもらったらど
うか、とのアドバイスをいただき、楽器編成をピアノ 1 台
だけとし、さらに大人の声として、豊混が主に「般若心経」
を歌い、朗読と子どもは鈴木くんの言葉を歌う、という構
成で、本日、改訂版初演の運びとなった。
約 15 分程の音の持続の中で、大人の声による「般若
心経」の弔いの歌と、そして 7 歳の少年の素朴な問いが、
交互に歌われ、深い思索へと誘われる。震災の犠牲者の
方々、遺族の方々にとっても、一つの救いに通じる道にな
るだろう。
なお、私事であるが、去る 5 月に私の父が 87 歳で亡く
なった。入院はしていたものの、快方に向かっており、も
うすぐ退院できるだろうと思っていたのだが、ある日、急
変し、わずか一日で向こうの世界に逝ってしまった。父
は真言宗だったので、初七日法要、満中陰法要において、
寺の住職は「般若心経」を唱えられた。今でも父の部屋
に行くと、机と椅子がそのままなので、父が座っているよ
うな錯覚に囚われる。今宵の演奏を、
私は父にも捧げたい。
−6−
Program Notes
Ⅳ.混声合唱組曲「マリアの歌」と2つの聖母讃歌
混声合唱組曲「マリアの歌」と2つの聖母讃歌
須賀 敬一
1983年に出版された村上博子の詩集「冬のマリア」。マリアを主題として信仰の面からでもなく、そ
れに限定されるでもなく、一人の希有な女性のたたずまいとそのひそやかな成熟を歌っている。作曲家
は最晩年、このイエスの母であり、イエスを育て、キリスト受難のときも十字架のもとに立ちつくした
マリアの姿をこの詩集から浮かび表そうとされ1998年、女声合唱組曲として作曲。1999年1月、鈴木茂
明指揮のコーロ・コスモスによって発表された。
その少し前、在職中の私の専用電話には時々髙田先生からの来信があった。
「マリアの歌」作曲の進行
状態を楽しそうに伝えて下さるものだった。当然混声合唱への編曲をお願いしたけれど、お別れの4ヶ
月前だったか「マリア、混声ね、君に任せることにしたよ」と勝手に仰られた。それから5年、2005年の
豊中混声合唱団第45回定期演奏会で混声版が初演された。髙田先生没後15年の今年、10年目の再演は
感慨無量なものがある。
「マリアの歌」は演奏時間9分あまり、典礼聖歌の中の聖母讃歌からAve Mariaに当たる「しあわせな
かたマリア」とSalve Regina「元后あわれみの母」
を配してステージを構成した。
山際 康弘
2つの聖母讃歌について 「しあわせなかたマリア(Ave Maria)」はカトリックで最も頻繁に唱えられる祈祷文の一つであり、
古今多くの作曲家によって作曲されている。テキストの前半は大天使ガブリエルがイエスの誕生をマ
リアへ告げる場面、
後半はマリアへの祈りの言葉で構成されている。
「元后あわれみの母(Salve Regina)」はカトリックの聖務日課において終課(寝る前の祈り)の結び
で歌われる、4つの聖母讃歌の内の一つ。髙田先生による6/8拍子の優美かつ流麗な音楽は、柔和なマリ
アのいつくしみ、
恵みを存分に表現している。
■名誉指揮者 須賀 敬一(すか けいいち)
早稲田大学理工学部卒、在学中は早大高等学院グリークラブの指揮者を経
て早大グリークラブ学生指揮者。磯部俶、
髙田三郎の両氏に師事。1962年より
1997年まで豊中混声合唱団の常任指揮者・音楽監督として内外の現代曲を中
心に意欲的な活動をした。この間、大阪府合唱連盟理事長、関西合唱連盟理事
長、全日本合唱連盟常務理事、日本合唱指揮者協会監事などを歴任。師である
磯部俶からはその最晩年、自ら主宰する合唱団の後事を託され、豊中時代16
年間にわたって客演を乞うた髙田三郎の作品演奏ではスペシャリストの一人
とも称されている。現在も豊中混声合唱団名誉指揮者のほか女声アンサンブ
ル アトリエ、大阪メールクワィアー、いそべとし記念男声合唱団、新居浜混声
合唱団等々数多くの合唱団を指揮、
指導を続けている。
全日本合唱連盟名誉会
員、
関西合唱連盟最高顧問など。
■ピアノ 中村 有木子(なかむら ゆきこ)
神戸女学院大学音楽学部ピアノ科卒業。
故ザイラー美枝、
内田朎子の両氏に
師事。
豊中混声合唱団とともに、16年間に亘って作曲家髙田三郎の合唱作品を共
演。そのレパートリーは髙田三郎の合唱作品すべてに亘る。髙田作品のスペ
シャリストとして知られ、
作曲家の意図を熟知する貴重な存在。
早稲田大学グリークラブ、
東海メールクワィアーのほか、
東北、
北陸、
首都圏
をはじめ、各地の合唱団から招聘を受けて演奏活動を展開。共演指揮者、合唱
団から厚い信頼を得ている。
−7−
Program Notes
Ⅴ.混声合唱とピアノのための「縄文連禱」
≪書かせるなにものかの存在≫
三善 晃
豊中混声の定期演奏会で≪五つの願い≫、続いて≪ぼ
ろう。僕は、自分が書いたものをでなく、自分にそれを書
く≫を振って下さった西岡茂樹さんが、今回は≪縄文連 かせたものの存在を、この演奏から識らされたのだった。
ひび
禱≫を採り上げて下さる。西岡さんは、昨年夏の「創る会」 ≪縄文連禱≫は、宗左近さんの魂のひびきが僕を皹入
のメンバーとして、この曲の初演に参加して下さっても らせてくれた、その小さな割れ目から流れ出した。
まつ
これは、弔うためではない祈り、鎮魂のためではない祀
いる。
去年の定期は東京でも行われたので、豊中混声・西岡の り。だから、痛恨の和音は燦めき、悲嘆の旋律も輝かなけ
≪ぼく≫を聴くことができた。それを“聴く”ことは、僕に ればならない。僕は、ほとんどその燦めき輝く光だけを見
とって、音を感受するにとどまらない体験だった。それを ていた。光は、生が死を宿すように影を宿し、うつろえば
超え、音の働きはむしろ消えて、なにものかを悟ることの 影が光を宿すようでもあった。そのなかに人々の群像が
見える。誰かがいて、それが自分の姿と交差していた。
ようだった。
その、音が生まれ
なにものか。まず、谷川さんの詩が確かにあった。しか ここにも、僕に書かせたものがある。
もや
しそれも、そのときは消えている。僕の体験とは、たとえ る前の僕の混沌の靄のなかに、詩人の魂の響きとして満
ば、水鳥が翔び去ったあとの水面に残った紋様を見るこ ちていたなにものか。それを豊中混声と西岡さんは、また
とのようだった。そして、その紋様を見ることは、なんと 識らせてくれるだろう。
翔び去ったものの本当の姿を悟らせてくれることだった (豊中混声合唱団 第31回定期演奏会プログラム(1991年)より転載)
西岡 茂樹
何故、今、縄文連禱なのか
1990年7月29日、宮城県中新田町バッハホールにおい
て、
第1回
「創る会」
の委嘱作品として、
田中信昭先生の指揮、
中嶋香さんのピアノで初演された。
作詩された宗左近さんは、後に上梓された詩集「縄文連
(思潮社,1992)
の覚書(あとがき)
に、次のように記して
禱」
おられる。
「縄文人、
その風土、
その作品、
その時代、
それらを一括し
て、
世間は縄文と呼びます。
ただし、
わたしの場合は、
さらに
戦争中のわたしの親しい死者たちをそこに合体して、縄文
と唱えます。
/遙かな時間の奥で亡ぼされながら、
日本の歴
史の底を、
いや少なくともわたしの奥の闇のなかを、
生き続
けることを止めない、
この縄文。
これを、わたしは強く哀し
んでいます。
これに、わたしは遠く近く訴えかけています。
/その哀しみと訴えかけを文字にしたのが、
これまでの縄
文シリーズの作品群です。縄文を連禱してきたような思い
をもちます。/しかし、書き進めてきながら、激しく感じて
いました。
この縄文、
これは、
じつは同時に、
生きながら死ん
でいるわたし(もっといえば、わたしのタマシイ)
を連禱し
てくれているのではなかろうか。
縄文から、
わたしが哀しま
れ訴えかけられているのではなかろうか。
/本書の題名
『縄
文連禱』
とは、
この二つの側からの連禱、
ということです。
」
1919年、北九州生まれ。
日本が太平洋戦争に突
宗さんは、
入する頃は東京帝国大学哲学科の学生であったが、やがて
戦況の悪化と共に学徒出陣が始まり、大の親友4名が戦死す
る。そして1945年5月25日の東京大空襲で、宗さんは、たま
たま上京していた母と共に炎にまかれ、
一人自分だけ生き残
る。
これらの激烈な体験による贖罪の意識が、
宗さんを
「生き
ながら死んでいる」
と言わしめ、
後の詩作の原点となる。
やがて、
宗さんは、
縄文に出会う。
「骨董屋で偶然、
縄文の
深鉢を見て感動して以来、
私の中に棲む死者たちが動くよ
うになったのです(東京新聞,2006/8/19)」。
これが転機と
なる。
かつて、
日本列島には1万年もの長きにわたり縄文文化を
育んできた人達がいた。
自然の恵みを糧とし、
財産や権力に
とらわれず、戦争をしない。そして、遙かな宇宙と大自然に
畏敬の念を抱き、
生命への感謝と祈りに満ちた縄文人。
残さ
れている縄文の土器・土偶、遺構から、
彼らの精神の崇高さ
が迸り出てくる。
それが今から二千数百年前に、忽然と姿を消す。高度な
文明を有する渡来人が大陸から日本列島に押し寄せ、
瞬く
間に縄文を駆逐していった。
そして、
大和朝廷と記紀が成立
し、
それが日本の正史となっていく。
縄文は歴史の闇に葬りさられ、ずっと無視され続けてき
た、
と宗さんは言う。
岡本太郎が1952年に、
偶然、
縄文土器・
土偶に遭遇し、
驚嘆の声をあげるまで、
縄文の死者達は、
歴
史の断層に封じ込められたままであった。
そんな縄文と大戦の死者たちが、宗さんの中で合体し
た。
「わたしのなかの死者は、
第二次大戦の死者と、
縄文の死
者との合体である。
したがって、作品の舞台に流れるのは、
十五年戦争と縄文晩期から弥生にかけての戦争の時間で
ある。
(
」
「夕映え連祷」
,思潮社,1991)
戦死した宗さんの学友4名もまた、
文学や哲学など、
人生
や宇宙の真理をひたむきに追い続ける、
燃えるような情熱
を持った若者であった。
そして志半ばで、
戦争という人間の
つくりだした最も醜い怪物に飲み込まれてしまい、歴史の
闇の中に消えていった。
いわば現代の縄文。
そのような宗さんと三善先生が、
またもや合体した。
三善
先生が生まれた1933年、
日本は国際連盟を脱退し、
日中戦
争へ、
そして太平洋戦争へと、
坂道を転がっていく。三善先
生もまた、
戦争の悲惨の中で少年期を過ごし、
生と死が同居
する日常を生き抜き、
そして敗戦。戦後、
再び音楽へと立ち
向かわれ、
≪生と死の三部作≫、
後にご自身で≪反戦三部作
≫とも呼ばれた「レクイエム」
「詩篇」
「響紋」
を書かれた。
こ
れらに貫通する意思が、
他のすべての三善作品にも滲んで
おり、
「縄文連禱」
もまた、三部作と同じ山脈に、はっきりと
連なっている。
そして再び、宗さんの言葉。
「(彼らは)、死んでもなお、
生
きているのです。それは激しい祈りですから。あなたのな
かに、
生きているいのちの一滴として、
生きている天使とし
て。
(
」
「創る会」
初演プログラム,1990)
地球上のあちこちが激しく軋み、
悲鳴をあげている今、
そ
して戦後70年の今、2年前にお亡くなりになった三善晃先
生追悼の演奏として、
私たちは強く熱い意志をもって
「縄文
連禱」
を歌い、
三善先生の意思に連なりたいと願っている。
−8−
Special Page -今年前半のトピックス
「三善晃追悼ジョイントコンサート-
MIWO・ある・豊混-」
山際 康弘
豊混がジョイントコンサートを開催するなん
て何年(ウン十年?)ぶりだったのでしょうか。
少なくとも私が入団してからの約10年間では経
験がありません。そんな豊混が今年、岐阜の合唱
団MIWO、広島の合唱団あると共演し、兵庫県立
芸術文化センターKOBELCO大ホールにて「三
善晃追悼ジョイントコンサート-MIWO・ある・
豊混-」を開催いたしました。コンサートは豊中
少年少女合唱団や三善晃を唄う会、全国からの
公募合唱団員の共演を得て、盛会のうちに終わ
りました。
遠方より素晴らしい指揮者やピアニスト、合
唱歌手を迎えるにあたり、ホスト役を務めさせ
ていただいた豊混のメンバーは多くの時間を割
いてジョイントコンサートの準備をしてきまし
た。苦労もたくさんありましたが、私たちを動かしてくれたのは本番への期待と、そして三善晃先生への想い
だったのではないかと思います。
三善晃先生は2013年にお亡くなりになりました。豊混は「伝説」の委嘱初演、
「葉っぱのフレディ」の演奏と
いった機会に、先生ご本人からのご指導をいただき、大きな影響を得てきました。三善先生の作品群に秘められ
た「愛」
「平和」
「祈り」といったテーマは、豊混が歌い続ける意義にも直結するものではないかと思います。そん
な三善先生を愛する人々が全国にもたくさんいて、想いを共有していたからこそ、今回のジョイントコンサー
トは開催できたのでしょう。
ジョイントコンサートでは「五つの童画」
「生きる」
「その日 −August 6−」
「ふるさとの夜に寄す」
「バトン
タッチのうた」
「雪の窓辺で」等々、三善先生の代表作が数々演奏されましたが、本日の演奏会ではその中から
「唱歌の四季」と「縄文連禱」を演奏いたします。今回のジョイントコンサートで知り合えた多くの合唱仲間に感
謝しながら、豊混の精一杯の音楽を届けられたらと思います。そして願わくは、ザ・シンフォニーホールのどこ
かで三善晃先生が私たちの音楽に耳を傾けていらっしゃったなら、こんなに嬉しいことはありません。
「Tokyo
Cantat 2015」
秋山 浩太
本 年 度 、豊 中 混 声 合 唱 団 は 7 年 ぶ りに T o k y o
Cantatへ出演をしました。
Tokyo Cantatとは、
“21
世紀の合唱を考える会 合唱人集団「音楽樹」”が毎
年5月の連休に開催している合唱のフェスティバル
で、
今年で20周年を数えます。
主に東京を中心とした
イベントのため、関西圏での知名度は高くないよう
に思われますが、
国内の名だたる合唱団や海外
(主に
ヨーロッパ)
の超一流合唱指揮者によるコンサート・
セミナー等、一級品の合唱音楽が溢れる他にはない
イベントといえるのではないでしょうか。
今回私たちが出演したのは
「やまと うたの血脈Ⅵ
〜未来へ〜」
と題されたコンサートで、7人の作曲家
( 川島素晴、
寺嶋陸也、
鶴見幸代、
新実徳英、
鷹羽弘晃、
糀場富美子、
西村朗の各氏)
によるオール新作初演というコ
ンサートでした。
そこで私たちは寺嶋陸也先生の新曲を初演するという大きな役割をいただいたのでした。
待ちに待った2月、
新曲の楽譜が届き、
本日演奏する「ヒロシマ神話」と出会いました。
今年は3月に三善晃追悼
ジョイントコンサートがあったこともあり、
この骨太な曲の練習がなかなか進まないこともありましたが、
4月に
は寺嶋先生に大阪にお越しいただき直接レッスンをしていただくことができました。
そしてあっという間に5月。
本番前日から東京入りして現地で練習をしました。
当日も午前中から練習を入れ、
午後からのホールリハ・本番に備えました。
東京での練習時間を多く取ったことがよかったのか、
徐々に演奏の集
中度が増していったように思えます。
本番は
“すみだトリフォニーホール”
の大ホールです。
客席数1,700を超え
る大きなホール、
耳の肥えた多くの聴衆の前での演奏はまさに真剣勝負の緊張感溢れるものでした。
本番が終わ
ると出演者が退出するまで温かな拍手が続きました。
何とか、
喜んでもらえる演奏ができたことに安心しました。
今回この大舞台に立たせていただき多くの貴重な経験ができました。
東京での熱演を思い出し、
本日「ヒロシマ
神話」の関西初演に臨みたいと思います。
−9−
Members
Soprano
Alto
ごきげんよう。
豊混ソプラノでございます。
ソプラノは常に高み
を目指しています。
どんな高音も限りなく美しく。
空高くひばりが
鳴くように。
ソプラノは歌だけでなく、
日々のお仕事、
お勉強、
家事・
育児、
もちろん美容も恋愛も…何にでも前向きに懸命なお姫様集
団でございます。
若々しい姫から貫禄ある姫まで、
様々な姫が集う
ソプラノは、
家族のように仲良し。
「がんばりやー!」
「無理したらあ
かんで!」
と、
お上品(?)で、
とても温かい声が飛び交います。
頑張り
すぎて疲れてしまいましたらその時は、
他パートの方、
そっと下か
ら支えてくださいね♪本日の定期演奏会も、
素敵なものになるよう
精一杯頑張ります。
どうぞ最後までお楽しみください。
(W.M)
雨にも負けず、風にも負けず、練習に行っているのに声が
小さいといじめられても負けぬ強い心を持ち、高すぎもせず
低すぎもしない音で複雑なハーモニーを支え、練習後には一
合ほどの酒を飲み、酒豪と呼ばれ、決して気取らず宴会芸もこ
なし、ソプラノに低い声がでないといわれれば行って歌って
やり、テノールが高くて苦しいといえば素知らぬ顔で歌って
やり、○○氏のおやじギャグにもいつも静かに笑っている、そ
ういうアルトにいつかはなりたいと日々精進しております。
(A.I)
山本 惠 ⑥ 西岡 惠子 ㉓ 井元 奈津 ⑰
橋本 千恵 ⑯ 鳥井 満代 ⑬ 金田 美幸 ⑫
高澤 由季 ⑩ 坂井 庸子 ⑨ 吉松 遥奈 ⑨
岩清水梨紗 ⑨ 河中 季子 ⑧ 山路 幸子 ⑦
北口由佳子 ⑥ 番場亜季子 ⑤ 前田 萌衣 ④
岡野なおみ ③ 増田和希子 ③ 岡崎 満代 ②
淺田 菜摘 福井 里歩 野々山 恵 ⑭ 木村惠美子 ㉛ 植松 規子 ㉙
犬井 晶子 ㉓ 吉原 直美 ⑳ 高野 淳子 ⑮
中祖 美和 ⑬ 中井 靖子 ⑥ 佐野 環 ⑦
内原由実子 ⑦ 片山 雅子 ⑦ 古根川史世 ⑦
今西 梓 ⑤ 吉永 瑠実 ③ 堤 香代子 ②
酒井 美和 ② 酒井友里恵 Tenor
Bass
豊中混声合唱団テノールです!コレステロールの概念が覆さ
れようが、
されまいが今日も今日とて音楽一筋一直線。
(横幅の成
長も)真っ直ぐ愚直のテノールです。
遠隔団員が多く、
今年はイベント目白押し!ですが、
何のその。
歌あらば、
駆けつけ駆けつけ己が音楽をば奏でつつ。
縄文土器の
ごとく燃え盛り、
歌の心を伝えます。
テノールならではの歌の心
をお伝え申し上げましょう。
昨日も愚直。明日も愚直。変わらぬ面子の、変わらぬ若さ。生き
る意味をば振り返るも、
木の根のようにつながることを思いつ
つ、
さて今日の歌も高らかに…。
(H.W)
第55回定期演奏会にお越しいただいた皆様こんにちは♪豊混の
バスを一言で表すと
「真面目」
!!練習、
行事、
宴会の出席率は4パー
トの中でダントツの1位(^^)bたとえ残り時間10分だろうが、
仕事でヘ
トヘトになろうが僅かな体力を削ってでも練習に足を運ぶという豊
混愛の強い方がほとんどです。
その日々の積み重ねが功を奏し、
最近のバスはメキメキと力を付
けており、
褒められることが多くなりました(^○^)ただ、
真面目過ぎる
故、
注意されるとショックで立ち直れないメンバーが多いそうな(?)
バスが奏でる音楽と同様、
メンバーの心も繊細(??)なんです。
。
。
今年の定期演奏会の為に、
バスは着実に成長してきました。
歌唱力
も平均年齢も絶賛上昇中のバスの歌声をどうぞお楽しみに☆(T.O)
西口 幸雄 ㉒ 岡本 弘信 ㉛ 犬井 俊彦 ㉝
森 隆哉 ㉛ 河端 秀治 ㉖ 山内 弘志 ⑬
山際 康弘 ⑪ 秋山 浩太 ⑧ 内田 拓也 ⑥
脇田 光 ③ 小泉 徹也 ⑤ 正橋麟太郎 ④
山本 宇晃 ③ 八尋 俊輔 ③ 岡田 洋裕 須賀 敬一 仲野 均 ㊲ 西岡 茂樹 ㊱
塩崎 計吉 ㉚ 笠原 浩 ㉙ 金田 秀美 ⑰
清水 英幸 ⑧ 栃尾 公雄 ⑫ 神崎 正規 ⑦
妙加谷義行 ⑦ 大西 貴士 ⑦ 大河内一男 ⑥
伊藤 洋平 ② 福川 道隆 ② 鈴木 宏明 磯部 健 阪本 裕一 後藤 健 − 10 −
Members
■ 豊中少年少女合唱団
ホームページ http://homepage1.nifty.com/nishioka/toyo/
「子どもだからこそ、本物の第一級の合唱作品を歌お
う」を合い言葉に、2001年2月に結成。豊中を中心に、北
摂一帯から集まった小・中・高生で活動している。豊中混
声との連携や親子が共に歌う機会があること、高い技
術力がなくても歌える、深く豊かな音楽性に満ちた曲
を委嘱していることが特徴である。これまでに萩京子、
山岸徹、寺嶋陸也、矢田部宏、信長貴富、千原英喜の諸氏
に委嘱し、初演を成功させている。宝塚国際室内合唱コ
ンクールにて金賞1回、銀賞2回、関西合唱コンクールに
て銀賞を受賞。指揮は西岡茂樹、指導・ピアノは西岡惠
子が担当している。
Soprano
濱口 櫻子(中2)
西岡 彩音(高3) 宮本梨理花(高3) 鎌田笑美花(高2)
山下絵梨奈(高1)
佐々木あゆみ ( 中2) 佐藤 優羽(中1) 山中 吏奈(小6) 米盛真由花(小6)
片桐 沙和(小5)
山村 幸歩(小5)
山本 彩瑛(小5)
岩井 優希(小4) 岡 愛美(小4) 鹿島 萌詩(小4)
國富 勇作(小4)
下村 薫実(小4)
毎熊 悠(小4)
宇治田美桜(小3) 加藤 優花(小3) 下條 澄香(小3)
戸塚 和(小3)
不破 綾香(小3)
森村帆乃佳(小3)
田村 心結(小2) 山縣 真央(小2) 山村 七海(小1)
Alto
大澤 千帆(中3) 加藤 美咲(中2) 佐藤優羽美(中2)
板垣美賀子(中1)
大家 広平(中1)
植村 芽以(小6)
塚 夏紀(小6) 北島 美月(小5) 吉岡 和奏(小4)
箱山 紗英(小3)
大塚 愛華(小2)
OG スタッフ
中井 靖子、河中 季子、今西 梓、前田 萌衣、牧口こころ、福井 里歩
■ 唱歌の四季を歌う会
Soprano
浅井智津子 天野みや子 大場 容子 齊藤 千春 鈴木美智子 鶴賀とも子 寺田佳乃子 山口サカエ
山野 亜紀
Alto 沖野 雅子 加藤 礼子 森 澄子
Tenor Bass 石榑 勇太 杉本 貴章 田中 真博 幸 秀光 大野 泰夫 山内 健
豊中混声合唱団後援会 豊
友 会 会員募集のご案内
豊中混声合唱団はアマチュアの合唱団組織であり「心からのうたを伝える」方針のもと、熱意を持った団員達
で自主的に活動しております。活動は演奏会、合唱曲の委嘱、文化事業など多岐にわたりますが、アマチュアで
あるがゆえに金銭面、
時間面など数多くの制約を受けております。豊友会では豊中混声合唱団の活動を広くサポー
ト頂ける会員を募集しております。 会員特典: ・ 豊友会季刊誌発行、演奏会情報の提供
・ 定期演奏会チケットの座席優先販売
・ 各種優待販売
・ 練習、演奏会リハーサルなどの見学 ・ 定期演奏会プログラムに芳名記載
会 費:年間 1口3,000円
お申し込み・お問合せ:[email protected](塩崎)
一人でも多くの方のご支援をお待ち申し上げます。
豊友会ご芳名(入会順) ※敬称略
岩崎 道代 森 豊子 岡田 重信 江川 孝子
川野 収一 秦 泰子 佐野 智子 川田 清司
森田千恵子 新田 義邦 小路 久代 鈴木 暁子
酒井佐枝子 旭 ゆかり 大木 克章
皆様のご入会をお待ちしております。
■ 2015 年度豊中混声合唱団 運営体制 ■
●名誉指揮者/須賀 敬一 ●音楽監督・常任指揮者/西岡 茂樹 ●副指揮者/山際 康弘
●団 長/仲野 均 ●副団長/森 隆哉 ●内務マネージャー/神崎 正規 ●人事マネージャー/佐野 環
●技術マネージャー/山際 康弘 ●外務マネージャー/犬井 俊彦 ●財務マネージャー/小泉 徹也
●制作マネージャー/秋山 浩太
●パートリーダー/ Soprano.西岡 惠子 Alto.古根川史世 Tenor.内田 拓也 Bass.大河内一男
●団内ボイストレーナー/西岡 惠子
− 11 −
この1年間の活 動 記 録
(2014 年 7 月 6 日∼ 2015 年 7 月 5 日の行事)
年
2014 年
月 日
第54回定期演奏会
7 月 12 日
豊中市合唱の夕べ
7 月25 日∼27 日
2015 年
会 場
行 事
7月 6 日
ザ・シンフォニーホール
アクア文化ホール
淡路市立サンシャインホール
三善晃を唄う会 in 淡路島 (有志参加)
8月 6 日
八月の祈りコンサート
アクア文化ホール
8 月 24 日
豊中少年少女合唱団・浜松ライオネット児童合唱団 ジョイントコンサート賛助出演
アクア文化ホール
9 月 21 日
女声合唱団Stella第4回定期演奏会 男声賛助出演(有志参加)
10月 12 日
関西合唱コンクール
10 月 25 日
豊中市中央公民館祭り
12 月 7 日
郷の音ホール ( 三田 )
いたみホール
豊中市中央公民館
豊中市合唱祭
アクア文化ホール
1 月 17 日
忘れない1995.1.17 in とよなか 阪神淡路大震災 20年の軌跡
アクア文化ホール
2 月 22 日
豊中のぞみ会チャリティーコンサート
3月 7 日
Pray From KOBE 2015
3 月 29 日
三善晃追悼ジョイントコンサート−MIWO・ある・豊混−
4 月 25 日
豊中少年少女合唱団 第13回定期演奏会 賛助出演
4 月 26 日
ラ ミュズィク マルシェ せんり2015
5月 3日
Tokyo Cantat 2015
5 月30 日
能勢妙見のブナの森を守るシンポジウム
6月 7日
大阪府合唱祭
7月 5日
第55回定期演奏会
日本キリスト教団 豊中教会
元町 1 番街商店街内
兵庫県立芸術文化センター 大ホール
アクア文化ホール
千里ライフサイエンスセンタービル
すみだトリフォニーホール
能勢妙見山 星嶺会館
SAYAKA ホール
ザ・シンフォニーホール
(2015 年 7 月 6 日∼の主な行事予定)
年
2015 年
月 日
7 月 11 日
7 月 24 日∼26 日
会 場
行 事
アクア文化ホール
豊中市合唱の夕べ
淡路市立サンシャインホール
三善晃を唄う会 in淡路島(有志参加)
8月 8日
八月の祈りコンサート
8 月30 日
コーラスレヴール&女声合唱団Stellaジョイントコンサート 男声賛助出演(有志参加)
10 月 11 日
関西合唱コンクール
アクア文化ホール
たんば田園交響ホール
いたみホール
11 月 7 日
兵庫県高等学校総合文化祭招待演奏
12 月 6 日
豊中市合唱祭
12 月 13 日
うたごえ新聞まつりin大阪「池辺晋一郎さんとつくるコンサート」賛助出演
いたみホール
アクア文化ホール
大阪信愛女学院講堂
豊中混声合唱団では団員を募集しています。
見学・入団ご希望の方は
練 習 日:第2・第4火曜日 19:00∼21:00
毎週土曜日 18:00∼21:00
練習場所:豊中市中央公民館 他
見学・入団希望の方は、お気軽にご連絡くださいませ。お待ちしています。
mail [email protected](佐野)
「とよこん」ではホームページ、Twitter、facebookで最新情報や団員の生の声をお届けしています。
みなさまのアクセス、
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− 12 −
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