STB第6号

「スコーレ・テクニカル・ブリーフ」第6号
2007年6月
分野:解 析 技 術
テーマ:単位換算【SI系(Kg・m・s)→N・mm・s系】
【1】 意外に使いにくい国際単位系(SI)
・ 国際単位系(以下、SI単位という)は、JIS Z 8203(2000)に規定されている。
・ 基本単位は、長さはm(メートル)、質量はKg(キログラム)、時間はs(秒)、・・である。
しかし、長さのmは使いにくい。例えば、製図では、寸法数値の単位は通常 mm(ミ
リメートル)で記入することが多いので、mm に馴染んでいる人が多い。
・ また、圧力、応力のSI組立単位はPa(パスカル。N/m2)で表記されるが、応力の場合、
MPa(メガパスカル。N/mm2 )を使用するのが一般的であるので、SI単位は使いにく
い。
↓
・ そこで、力の単位にN(ニュートン)を使用し、長さの単位に mm を使用した場合の単位
換算についてまとめました。
【2】 基本的事項(復習):JIS Z 8203の表2を参照
・ 1N=1Kg・m/s2 : 力=質量×加速度
・ 1J=1N・m : 仕事=力×移動量(長さ)
・ 1W=1J/s : パワー=仕事/時間 (単位時間当たりの仕事)
・・・式(1)
・・・式(2)
・・・式(3)
* 構造解析、熱解析で使用する物性等を念頭においています。
* 参考文献
1.JIS Z 8203(2000):国際単位系(SI)及びその使い方
2.小泉 袈裟勝 著:単位のおはなし(1994年10月13日)、日本規格協会
【3】 解析でよく使用する物性等の単位換算
① 密度:式(1)を使用する。
・ SI単位:Kg/m3
・ 1Kg=1N・s2/m よって、1Kg/m3=1N・s2/m4
1m=103mm であるので、1Kg/m3=1・10-12・N・s2/mm4
② 熱伝導率:式(2)、(3)を使用する。
・ SI単位:W/(m・K) あるいは、W/(m・℃) (℃とKは同じ)
・ 1W/(m・K)=1N・m/(m・K・s)=1・N・103・mm/(103・mm・K・s)=1N/(K・s)
1
③ 比熱:式(1)、(2)を使用する。
・ SI単位:KJ/(Kg・K)
・ 1Kg=1N・s2/m
1KJ/(Kg・K)=1・103・N・m2/(N・s2・K)=1・103・m2/(s2・K)
=1・109・mm2/(s2・K)
④ 熱伝達係数:式(2)、(3)を使用する。
・ SI単位:W/(m2・K)
・ 1W/(m2・K)=1N・m/(m2・K・s)=1・N・103・mm/(106・mm2・K・s)
=1・10-3・N/(mm・K・s)
⑤ 単位体積当たりの発熱量:式(2)、(3)を使用する。
・ SI単位:W/m3
・ 1W/m3=1N・m/(m3・s)=1・N・103・mm/(109・mm3・s)
=1・10-6・N/(mm2・s)
1W/mm3=1・103・N/(mm2・s)
【4】 単位換算例:スチール
・ 中炭素鋼(0.4C)、温度=300(K)(約27℃)
(出典:伝熱工学資料 改訂第4版(1991年9月25日)、P317、日本機械学会)
SI単位系
値
密度
比熱
単位
7,800
熱伝導率
N・mm・s単位系
51.5
0.473
Kg/m
3
SI単位の数値に
値
-12乗する
単位
7.8E-09
W/(m・K)
そのまま
51.5
KJ/(Kg・K)
9乗する
4.73E+08
2
N・s ・/mm4
N/(K・s)
mm2/(s2・K)
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