シナプス可塑性の分子機構の解明と制御法の開発

シナプス可塑性とは
グルタミン酸受容体とシナプス可塑性
樹状突起
シナプス
樹状突起
軸索
軸索
興奮性シナプス
軸索
樹状突起
スパイン
軸索
シナプス伝達とは
グルタミン酸受容体とシナプス可塑性
軸索末端
軸索
興奮性シナプス
樹状突起
スパイン
スパイン
時間(ms)
電流(pA)
LTD (長期抑圧)
グルタミン酸
興奮性シナプス後電流
(EPSC)
LTP (長期増強)
シナプス可塑性→記憶・忘却・学習の基盤では?
神経活動に依存してEPSCの振幅(情報伝達の効率)が変化
AMPA
受容体
Na+
小脳長期抑圧と運動学習
視機性眼球反応(OKR)
学習前
学習後
小脳長期抑圧と運動学習
視機性眼球反応(OKR)
平行線維
LTD
プルキンエ細胞
顆粒細胞
Retinal slip
(視野のずれ)
下オリーブ核
運動指令信号
(橋被蓋網様核 )
前庭核
動眼神経核
外転神経核
小脳長期抑圧の分子機構
小脳LTDの分子実体:AMPA受容体のエンドサイトーシス
LTD誘導刺激
AMPA 受容体
GRIP(アンカータンパク質)
クラスリン
初期エンドソーム
(Matsuda et al.
EMBO. J. 2000)
海馬CA1錐体細胞での長期抑圧の分子実体もAMPA受容体のエンドサイトーシス
長期抑圧の分子機構
長期抑圧誘導刺激
(NMDA 刺激等)
AMPA 受容体
P
TARP
Transmembrane AMPA receptor Regulatory Protein
Ca2+
カルシニューリン
クラスリン
Early Endosome
1: どのようなメカニズムでTARPの脱リン酸化
がAMPA受容体のエンドサイトーシスを制御するのか?
長期抑圧誘導刺激
(NMDA 刺激等)
AMPA 受容体
P
Ca2+
TARP
?
calcineurin
Clathrin
2: エンドサイトーシスされたAMPA受容体はその後
どのように処理されるのか?
長期抑圧誘導刺激
(NMDA 刺激等)
AMPA 受容体
Clathrin
?
Early Endosome
TARPはアダプタータンパク質(AP)複合体に結合する。
AMPA 受容体
TARP
樹状突起特異的輸送
(Matsuda et al 2008 Neuron)
AP-4
AP-2
AP-3A
?
?
エンドサイトーシス
リソソームへの輸送
TARPはアダプタータンパク質(AP)複合体に結合する。
TARPはアダプタータンパク質に結合?
可溶化
又は
+
又は
AP-2
AP-3
HEK293
GST−TARPwt GST
GST
TARP C末
GST
GST
TARP C末
beads
beadsを回収
GST融合タンパク質に結合するか?
GST GST−TARPc末
AP-2
AP-3
Matsuda et al Nat. Commun. 2013より改変
TARPーAP2結合がAMPA受容体エンドサイトーシスに必要
enlarged
ctrl
+LTD
surface
HA-GluA2
HA-GluA2
+GFP
GFP
total
HA-GluA2
Overlay
surface GluA2 (% of ctrl)
+TARPwt
**
100
50
0
enlarged
ctrl
+LTD
HA-GluA2
+GFP
surface
HA-GluA2
GFP
total
HA-GluA2
Overlay
surface GluA2 (% of ctrl)
+TARP⊗AP2
100
50
0
Matsuda et al Nat. Commun. 2013より改変
TARPーAP2結合がAMPA受容体エンドサイトーシスに必要
P
PIP2
AP-2
(アダプタータンパク質)
クラスリン
AMPA 受容体
クラスリン被覆ピット
TARPーAP3結合もAMPA受容体の輸送に必要
enlarged
ctrl
surface GluA2 (% of ctrl)
+TARP⊗AP3
+LTD
HA-GluA2
+GFP
surface
HA-GluA2
GFP
total
HA-GluA2
100
50
0
Overlay
AP-3はエンドソームからリソソームへの輸送を制御するタンパク質。
なぜ、細胞表面のAMPA受容体量が減少しないのか?
Matsuda et al Nat. Commun. 2013より改変
TARPーAP3結合もAMPA受容体の輸送に必要
LTD誘導刺激
(NMDA刺激)
AP-3
X
初期エンドソーム
AP-2
TARPーAP3結合もAMPA受容体の輸送に必要
LTD-inducing stimuli
(NMDA刺激)
AMPA受容体
酸
TARP
IgG
Clathrin
Early Endosome
TARPーAP3結合もAMPA受容体の輸送に必要
+TARPwt
+TARP⊗AP3
+TARP⊗AP2
Total GluA2
Recycled
Total GluA2
Recycled HA-GluA2
(% of HA in STGwt–expressing cells)
enlarged
Recycled GluA2
*
300
200
100
0
+TARP
Matsuda et al Nat. Commun. 2013より改変
まとめ1
LTD-inducing stimuli
(NMDA刺激)
AMPA受容体
P
TARP
Ca2+
calcineurin
Clathrin
LE/Lys
もう一つの疑問
Early Endosome
エンドサイトーシス自体はLTD刺激によって制御されるか?
もう一つの疑問
エンドサイトーシス自体はLTD刺激によって制御されるか?
クラスリン依存性エンドサイトーシスの分子機構
PIP2
AP-2
クラスリン
カーゴ
(積み荷タンパク質)
クラスリン被覆ピット
PIP2を合成する酵素(PIP5K)がLTD誘導刺激により脱リン酸化され活性化
もう一つの疑問
エンドサイトーシス自体はLTD刺激によって制御されるか?
PIP5Kwt
PIP5KDN
Unoki*, Matsuda*, Kakegawa* et al
Neuron 2012より改変
まとめ2
LTD誘導刺激
(NMDA刺激)
AMPA受容体
P
TARP
活性化
calcineurin
P
クラスリン
PIP5K
LE/Lys
AP-2
初期エンドソーム
AP-3