給食だより 34号

第34号
2015年10月
10月といえば体育の日。かつては10月10日と決まっていましたが、2000年から「ハッ
ピーマンデー制度」により10月の第二月曜日です。
今回は、体育の日に因んで運動と栄養を考えたいと思います。運動は、筋肉運動、スト
レッチなどもありますが、今回はウォーキング・自転車・水泳などの有酸素運動として
考えます。
運動時の栄養は、運動前に蓄える、運動後に補う、という2段階で考えます。まず、
運動前に蓄えるのはグリコーゲンです。これは、栄養素でいうと糖質から作られるもの
で、身体を動かすためのエネルギーになります。スポーツ選手などはカーボローディン
グといって、糖質を1日の摂取エネルギーの70%(普通55-60%)摂取して長時間の運動
に備えます。一般的な運動量では、欠食をせず食事をとることや補食などで糖質を摂り
ます。もうひとつは、水分です。運動中には汗ばんだり、呼吸が増えたりして水分が体
外に出て行くので、運動1時間位前に水やお茶をコップ1杯飲むと良いようです。
次に、運動後は早い疲労回復のために糖質とたんぱく質を摂取します。
筋肉に貯められていたグリコーゲンが消耗しているため、糖質を補給します。できれば
運動後30分以内に糖質50g程度(おむすび1個、バナナ1本など)をとります。ただし、
血糖値や中性脂肪が高い方の場合、運動後の糖質中心の補給は控えます。たんぱく質は、
筋肉の修復材料になるため必要です。とりやすいのは、牛乳1本やヨーグルト1個などで
しょうか。また、汗で失われた水分は、水やお茶をコップ1杯程度飲んで補います。
ミネラルは、汗で失われるナトリウム、カリウムを補います。これに配慮されたもの
が経口補水液ですが、普段より汗をかいた場合には必要ですが、そうでなければ水かお
茶で十分です。水1リットルに塩小さじ1/2杯、砂糖大さじ4杯と小さじ1杯強、レモン汁
適宜で作れます。
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秋の果物と言えばたくさん種類があります
が、古くから秋の季語として多く俳句に読
まれ、「柿が赤くなると医者が青くなる」
と、ことわざにもなっている柿に今回は注
目してみましょう。
《名前の由来》
奈良時代頃に中国から日本に伝わったというのが有力です。この柿は今で言う渋
柿で、鎌倉時代には現在の甘柿に近いものが収穫を目的に栽培されていたようです。
あまり知られていませんが、柿は学名も「KAKI」という語が使われ、海外でも「カ
キ」と呼ばれているようです。これは江戸時代後期に日本からポルトガル人により
ヨーロッパに渡り、その後アメリカ大陸に伝わっていった為とされています。
《甘柿と渋柿》
渋柿の渋はシブオールというポリフェノールの一種で甘柿にも含まれています。
ではなぜ渋くないのでしょうか?それはシブオールが水溶性か不溶性かの違いです。
甘柿は熟れることで水溶性だっだシブオールが不溶性(唾液に溶けない)になったり
消滅することで渋みを感じなくなります。甘柿にあるゴマ(黒い斑点)はシブオール
が不溶性になったもので、この種類の柿はゴマが多いほうが熟れていて、渋みが少
ないといえます。干し柿も元々は渋柿ですが、天日干しすることでシブオールが不
溶性になり、あの甘くて美味しい干し柿になります。
《栄養素の特徴》
ビタミンCやAが多く、特にビタミンCは果物の中でもトップクラスです。大きい物
1つで1日の必要量を充たせるほど多く含まれています。酸化を抑制する効果があり、
肌のシミやそばかすの予防、肌荒れの予防効果等が期待できます。夏の日差しにさ
らされた肌には最適といえるかもしれませんね。ビタミンCには疲労回復や風邪予防
の効果もあり、気温が下がり乾燥するこれからの季節にはオススメです。また、葉
の部分には果実より多くのビタミンCが含まれ、みかんの30倍とも言われています。
柿の葉のビタミンCは熱に強く、お茶などで市販されています。
柿は二日酔いに良いといわれることがあります。これはシブオールがアルコール
の排出を助けたり、アルコールデヒドロゲナーゼという酵素が分解を助けるためで
す。また利尿作用のあるカリウムも多く含まれ体外に排出してくれます。沢山お酒
を飲むのはオススメできませんが、柿をお供にというのは良いかもしれませんね。
ちなみに...10月26日は全国果樹研究連合会が制定した「柿の日」なんだそうです。