2015/4/13 産学官連携と大学の在り方 東京大学 大和裕幸 MIJAC 研究成果報告会 パネルディスカッション 2015年4月22日 1 Summary • 世界戦略 • 新産業構築のための産学官連携システム • 大学の新しい役割 • まとめ 2 1 2015/4/13 世界の海運造船舶用海洋の中心になる • 人材育成::世界の人材を育てる 国際戦略 • 世界の中心::海運造船関係者が切磋琢磨する場になる • 日本が新しい「知識」と「人材」を作る場になる 3 新産業の構築 • 海運・造船・舶用・海洋の将来像 • 数量的計画(産業規模・セクターの果たす役割) • 技術ロードマップ • 国際化 • 国際市場 • 海洋の現場は遠く、先行国がある 4 2 2015/4/13 産学官連携プラットフォーム • 産学官連携のテーマ • 技術・サービスと人材を作る • 産業の基礎技術と展開技術を作る • お金の流れを作る • 大学に対する投資が利潤を得る構造をつくる 5 産学官連携の目的と役割分担 • 産学官連携 • 産業振興 • 研究開発 • 人材育成 • 人の流れと資金の流れ 海運造船舶用海洋企業 (拡大再生産・利潤追求) 海技研 (研究開発・イノベーション) 大学 (人材供給・知識創出 新産業システム創出) 国 (国際関係・安全・技術政策) 6 3 2015/4/13 大学のありかた • 大学は公共財ではない? • 大学は投資先ー外部投資のない大学や専攻には学生は行かない、つぶれ る • 施設整備や教員の給与にも貢献するべき • 先端・基礎研究重視 • イノベーションは大学の課題ではない • 人材の育成 • 評価ポイントを明確にして大学および大学人の評価 • 教員と学生・研究者の流動性 7 東京大学船型試験水槽の現状 • 東京大学本郷キャンパスの北部 にある幅3.5m・深さ2.4m・長さ 85mの船型試験水槽 • 計測機器は抵抗動力計・自航動 力計・姿勢計測装置の3つ 8 4 2015/4/13 提案するシステム 「ロボット水槽」 ー高精度計測・知識抽出・設計応用ー 高効率化:水槽試験の自動化(トリムの調整,曳航電車の操作など) 高精度化:EEDI算出に用いることができる精度 情報化:実験・CFD・実運航データベース構築 クライアント アクチュ エータ 閲覧イン ターフェー ス 制御イン ターフェー ス クライアント (遠隔) スケジュール 動画 実験結果 抵抗動力計 Server メタデータ 実験ノート 姿勢計測 CFD/CAD 9 ロボット水槽の仕様 • 高精度化 • 機器の更新、波高計測 • 波浪中抵抗増加の水槽 試験 • 高効率化 • 無人ロボット水槽 • 安全管理 • データベース化 • メタデータ付与、検索機 能 • 船型知識抽出手法 • 分類手法 • 推進性能の推定 • 数値流体力学手法の開発 o 水槽実験との比較でモデリン グの性能確認 • CADデータとのリンク o さまざまなCADとの中間ファイ ルの作成 o NAPAの利用 • 実航海データの蓄積と設計 へのフィードバック o EEOIへの対応 o 実運航データ取得法 o 実運用上の船型問題の抽出 10 5 2015/4/13 クライアントPC (ブラウザ) ロボット水槽 アーキテクチャ システム 制御インター フェース 検索インター フェース ストリーミン グ データに合 わせた制御 入力インター フェース 撮影動画 メタデータの 入力 データの検 索及び閲覧 計測データ 実験結果 データベース 計測データ の保存 水槽試験の 自動化 アクチュエータ 各種センサー 閲覧インター フェース 実験条件 模型船情報 撮影写真 実験ノート メモ スケジュール マニュアル類 各メタデータ 異種計測データ カメラ(3台) アンプ 抵抗動力計 実験用PC A/Dコンバータ 自航動力計 操 作 実験者 曳航電車 トリム 水槽 11 国際海事工学インスティテュート構想 先端技術融合型COE 概要: 造船技術、海洋環境・エネルギー、物流、設計生産、運航安全、海洋政策など新しい海事工学の展開をは かるためにこれまでにない産官学連携型COEを東京大学等が中心になり設立する。新海事システム構築のため の中長期的な技術開発のあり方を求め、資金の調達を行い、具体的な研究開発を行う。海外諸大学との協力も 視野に入れ、連携連合大学院により国際的な教育コースによる学位授与システムを構築する。 □背景と必要性: 海事工学を総合的に教育研究する機関(平成12 年学術会議の提言) 世界をリードする産業界と大学、公的研究機関 が協調して世界的研究拠点を形成 大学の広範な研究シーズと産業分野が持つ具 体的な工学知を結集 国際的海事工学教育プログラムを作りあたらし い人材の供給 □理念 海事工学は、人類の持続的発展や国の海洋 政策の基盤であり、その技術内容は広範な 先端技術の融合の上に展開される。また、教 育も造船、海運、海洋、政策などに分化して いるが、これらをまとめ、総合的な国際的海 事工学教育を目指す。 産官学ならびに外国諸機関の参加の下に連 合・連携大学院を中心とした海事工学インス ティテュートを構築し、研究教育のCOEとする とともに国内外に対しての提言も行う。 海事工学の総合的展開 人材の育成 国際研究教育拠点 外国大学 外国研究所 海事工学インスティチュート 海上技 術安 全 研究所 造船・海運・ 東京大学等大学群 舶用工業界 □各機関の役割 大学:連合大学院による教育展開と多分野にわたる先端的技術 融合による新海事工学体系創出 公的研究機関:研究資源・実施機関、研究生の受け入れ、連携 大学院による教育への参加、IMO等の国際貢献 産業界:研究成果の製品展開、産業知識の提供と展開、連携大 学院への協力 外国大学・研究所:国際共同研究に参加、留学生・研究員の交換 12 6 2015/4/13 まとめ • 産官学それぞれの役割 • 産は拡大再生産とイノベーション • 官は現状技術維持とイノベーション展開 • 大学は知識創出・体系化による新産業システム創出+人材育成 • これらをハーモナイズするメカニズムが必要 • インスティテュート構想 13 7
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