2015 年第 2 四半期決算説明会(2015 年 10 月 30 日開催)質疑応答要旨 内容につきましては、ご理解いただきやすいよう加筆・修正および順序の入れ替えを行っています。 本サイトに掲載されている情報には、過去や現在の事実のほか、将来に対する見通しに関する記述が含まれていま す。将来の見通しに関する記述は、現時点で入手可能な情報に基づく予想または推測にすぎず、さまざまなリスク や不確定要因を伴うものであるため、実際の業績や財務内容と大きく異なる場合があります。 Q. 販売促進活動について、元々予定していた 100 億円の投資に約 200 億円追加して、合計 300 億円の投資を行うとのことだが、どのような配分で行っていく予定か。また、第 2 四半期はどの 程度使ったのか。 A. 増額する 200 億円の内訳は、ショッピング事業に 100 億円強、スマートフォンアプリのプロモー ションに約 50 億円、オークション事業およびクレジットカード事業に約 20 数億円ずつを予定し ている。第 2 四半期は販売促進を強化し 50 億円ほど追加投資したが、内訳としては同じような 割合で使った。それぞれの KPI の伸びはプレゼン資料でご説明した通り、ショッピング事業の 取扱高は大きく伸び、クレジットカードの新規会員獲得数や広告売上の伸びも堅調だった。 Q. 来年度も積極的な投資は続くのか。その場合、来年度の利益はどの程度の水準になるか。 A. 今回の大規模な投資の効果は、2016 年度以降の売上高の成長に表れてくると考えている。 2016 年度は 2015 年度以上の売上高の成長を目指す。ショッピング事業、クレジットカード事業 等は先行投資の段階であるため、今回ほどの金額ではないが投資は継続する。下半期の効 果をモニタリングしながら、来年度の投資額の水準を決めていく。 2014 年度の通期決算発表の際に、「2015 年度はショッピング事業等が大事な局面になるので、 成長のための先行投資を行う」とお伝えした。アスクル(株)の連結子会社化に伴う一時益が 出たから行う訳ではない。第 1 四半期、第 2 四半期もこれまでにない規模の投資を行っている が、KPI の改善が見られたため、追加投資が可能だと判断した。また、全ての事業の基幹にな るビッグデータ関連の大規模な投資についても継続していく予定。 Q. ショッピング事業の販売促進はプレミアム会員にポイントを付与して他のサービスとの併用を 増やしている。プレゼンテーション資料の P.48 にあるメディア、e コマース、プレミアム会員、決 済金融という 4 つの利用者層のうち、どの層に使ってもらいたいか。メディアのみを使っている 利用者に対する投資は行わないのか。 A. e コマース、プレミアム会員、決済金融は相性が良いので手応えを感じている。プレミアム会員 の中でも「ヤフオク!」は使っているが「Yahoo!ショッピング」は使っていないという利用者は多い ので、併用いただけるよう働きかけていきたい。問題はメディアしか使っていない利用者をどの ようにクロスさせるかだと考えている。世界の中でもメディア企業で e コマースに成功している 企業は少ない。何か新しいアイディアがないと、メディアだけ使っている利用者にはその他の サービスを使っていただけない。メディア領域は当社の最大の強みなので、クロスセルを強化 していきたい。 Q. 追加で投資する 200 億円の投資効果はどのように評価していくか。第 2 四半期に投資額を 50 億円追加しているが、クレジットカード会員数の獲得数は前四半期比で 40 万人増と、昨年度 の第 4 四半期から今年度の第 1 四半期にかけての獲得数と同じ水準だった。ショッピング関連 取扱高の成長率は前年同四半期比で 21%から 27%になったが、販売促進費が倍以上に増え ていることを考慮すると物足りないように感じる。また、投資額を 300 億円と決めた背景を教え て欲しい。効果を超えた水準という印象を受けるが、どのように捉えれば良いか。 A. 第 2 四半期において、ショッピング事業ではプレミアム会員向けに重点を置いて施策を行った が、下半期は更に拡大する予定。ようやく購買率も上がってきたので、新規顧客を呼び込む施 策も行っていく。200 億円の追加投資には、マス広告も含まれる。取扱高の成長率は前年同四 半期比で 30%以上を目指していきたい。新施策もあるので、効果を検証しながら行っていきた い。 Q. 第 2 四半期に行った 50 億円の追加投資の効果として、質的な改善を感じているか。 A. 全体的にどの KPI を見ても改善してきている。投資した分だけ取扱高が伸びるようになってき ている。取扱高が伸びると、テイクレート(取扱高に対する売上高の割合)が落ちることがある が、テイクレートも悪くない。販売促進費をかける、取扱高が伸びる、テイクレートも落ちないと いう改善が出来てきている。 Q. 2015 年度の期初から投資するとは言っていたが、当初の予定より投資額を増額することになっ たきっかけは何か。 A. プロモーションはタイミングが重要だと考えている。商品がプロモーションを行って伸ばせるも のになっており、収益化の目処がたっている必要がある。今回の投資は、メディア、e コマース 等の領域に対する投資になるが、いずれも商品が磨きこまれて収益化の目処がたっている。メ ディアにおけるインフィード広告とショッピング事業における広告は収益化が見込めるようにな り、クレジットカードは利用率が高いカードになってきているのでプロモーションを強化する段階 になったと判断した。 Q. 今年度の期初から投資金額を増額する可能性を想定していたのか。 A. 昨年の今頃は検索連動型広告の売上高の伸びが減速しており、e コマースも伸び始めるかど うか分からなかったため、コストコントロールを行い絞るべきコストは絞った。e コマースは始ま ったばかりで伸ばせる市場だと思っているので、タイミングを見て投資したいと思っていた。商 品が良くなった結果、第 1 四半期、第 2 四半期のプロモーションによってメディア、e コマース、 クレジットカードの KPI が伸びたので、このタイミングで投資をすれば更に KPI は伸びると考え 増額を決断した。 Q. 前経営陣の時から利益を意識している印象があったが、最近は変わってきているように思う。 今後はどの指標で経営の成果を判断したら良いか。 A. 今後も大きな投資を行うタイミングは来ると思うが、利益を意識した経営をしていきたい。過度 に意識したくはないが、バランスが重要だと考えている。無理はできないが、それなりの勝負は 出来るようになったので、バランスを見ながら投資していきたい。 Q. 投資に対する回収の目処は立っているか。来年度までにショッピング事業におけるテイクレー トを上げる、インフィード広告を配信できる在庫が増える、クレジットカード事業におけるキャッ シング・リボの利用が増える等の道筋は立っているか。 A. 「Yahoo!ショッピング」に出店するストアからの広告は、取扱高の伸びと連動して増えるような商 品に磨きこんできた。まだ売上高の額は小さいが、テイクレートは約 2%。第 2 四半期には取扱 高が上がってもテイクレートが維持できる実績が出ている。中期的にはストアが利益を上げる 中でマーケティングコストとして広告を出稿いただける構造が出来ると考えているが、現在は 取扱高を上げていく段階。クレジットカード事業は手数料だけで投資の回収をすることは難しい ので、リボやキャッシングが一定の割合で利用されることを前提にしている。現在は計画以上 の利用率で推移しているため、十分に回収できると考えている。インフィード広告は現時点で はトップページ、ニュース、スポーツのページに配信している。ユーザビリティを担保したうえで Yahoo! JAPAN 内のその他のサービスページやパートナーサイトへの展開が期待できる。また、 以前から行っているビッグデータ関連の投資はパフォーマンスの改善が見込める。 Q. 「Yahoo!ショッピング」のテイクレート、クレジットカード事業における目標値を教えて欲しい。い つ頃どれくらいまで上げられると考えているか。 A. リボの目標値は開示していないが、ワイジェイカードの利用者を増やし、使っていただけるクレ ジットカードにすることを目指している。現在は、利用者を増やすことに注力したい。ショッピン グのテイクレートは 3~5%にしていくことは可能だと思う。時期的なことは申し上げられないが、 取扱高が上がればテイクレートは上がっていくと考えている。 Q. 下半期に大きな投資をする割には、ショッピング関連取扱高の成長率が低く、クレジットカード 事業の新規獲得会員数も少ないように感じる。もう少し伸ばせるのではないか。 A. 新しい施策を予定しているため、不確実な要素があると考えている。内部的にはお伝えしたよ りも高い水準の目標を目指して取り組んでいく。ここまで大きな投資は初めてなので、社外に は慎重にお伝えしていきたい。新たに投資する 200 億円を全て使うというアプローチではなく、 必要性を適宜判断しながら行っていきたい。 Q. ショッピング、決済、クレジットカードへの投資の多くは、ポイントで付与されるのか。 A. ショッピングはポイントが多くなると考えている。プレミアム会員向けの施策、アプリの利用促進 施策、新規顧客獲得のための広告等を行う予定。クレジットカードもポイント施策が中心になる と考えている。 Q. ショッピング事業は将来的にもっと取扱高を増やすこと、テイクレートを大きく伸ばすことが必要 だと思うが、ポイント付与対象が広くなるほど投資に対する回収に時間がかかるのではない か。 A. 取扱高の成長率を前年同四半期比で 30%以上にしつつ、まずはテイクレートを維持することを 目指す。その後にテイクレートは上がってくるものと考えている。アプリ関連のプロモーションは、 アプリの利用を根付かせるために集中投下しているので、来年度はなくなる予定。ポイントに かけるコストは次第に効率的になっていくと考えている。 Q. ショッピング事業のテイクレートを上げる手段は、広告が中心か。出店しているストアからの課 金を想定しているか。 A. 基本的にはストアから出稿いただく広告売上が中心になると考えている。広告を中心にテイク レートを上げていきたい。 Q. マーケティングソリューション事業の営業利益率が下がっているのは何故か。 A. アプリへの投資を行っていることが影響している。 Q. 第 3 四半期における広告売上高の見通しを商品別に教えて欲しい。また、全社の営業利益は どれくらいになると想定しているか。 A. 広告売上高成長率のトレンドは第 2 四半期と変わらないと考えている。第 2 四半期において、 検索連動型広告は前年同四半期比で 5%程度の減収率だったが、スマートフォンにおけるパ ートナーサイトへの配信を停止したことによる影響が大きくなるため、第 3 四半期にはひと桁後 半%の減収率になると考えている。YDN 等は約 50%の増収率、プレミアム広告は 10~20%の 減収率になると考えている。営業利益については、先行投資を行うことにより、前年同四半期 比で 20%超の減少率になると想定しているが、施策によって変動する可能性がある。 Q. インフィード広告として配信する動画広告やスマートフォンのトップページに配信される動画広 告の提供開始はいつ頃になるか。 A. スマートフォンのトップページに配信する動画広告は、品質を十分に良いものにしてから投入 するため、現時点では提供開始時期はお伝えできない。 Q. インフィード広告を伸ばしていく上での課題は。今後も高成長が続くのか。 A. 現在、トップページ、ニュース、スポーツなどのページに配信しているが、アプリにおいて成長 余地があると考えている。タイムライン化していないページもあるので、利用に合った形で対応 できるか精査している。Yahoo! Inc.の成功事例を見ながら検討していく。パートナーサイトもタイ ムライン化していくと聞いているので、近い将来、成長が止まるという印象は持っていない。 Q. iOS におけるアドブロックの影響は。それほど影響はないと思って良いか。 A. 現時点ではアドブロックを利用している利用者数が限定的なので、あまり影響はない。インター ネットの世界は何が起こるかわからないので動向を注視していくが、急激に広告売上高が悪 化することはないと考えている。
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