平成 26 年度 「地域密着型金融の取組み状況について」 北國銀行では「豊かな明日へ、信頼の架け橋を」という企業理念のもと、地域金融機関 として円滑な資金供給と多様で良質な金融サービスの提供を通じて、地域社会の更なる 発展と地域経済の活性化に貢献するため、平成 24 年度から平成 26 年度の 3 年間を期間 とする「地域密着型金融の取組み方針」を策定し、実践してまいりました。 このうち、平成 26 年度の取組み状況につきまして、できる限り分かりやすく紹介させ ていただくため、本書を作成いたしました。ご高覧いただければ幸いに存じます。 平成 27 年 4 月より新中期経営計画「NEXT QCS’ S(Qシーズ)」をスタートさせました。 本計画でも地域密着型金融の推進に繋がる取組みを一つの施策と位置づけており、この 計画に基づいた施策を着実に実現させていくことが重要と考えております。 「地域密着型 金融の取組み方針」につきましても、新中期経営計画にあわせて改訂し、平成 27 年度か らの 3 年間を実施期間として取組み、今後とも地域金融機関としての社会的責任を果たし てまいります。 基本方針 (1)本業支援 当行と地域のお客さま、さらには地域社会とが共存共栄していくために、 お客さまの真のニーズとしての本業支援に積極的に取組んでまいります。 (2)全行運動 全役員全職員が地域密着型金融の実践に対し、積極的に取組んでまいります。 (3)継続運動 地域の活性化のために、短期的な取組でなく中長期的な継続した取組みとして 地域密着型金融を位置付けます。 【CONTENTS】 ■ 顧客企業に対するコンサルティング機能の発揮 1 ■ 地域の面的再生への積極的な参画 4 ■ 地域や利用者に対する積極的な情報発信 5 平成 27年 5月 顧客企業に対するコンサルティング機能の発揮 創業・新事業開拓 成長企業 事業承継 経営改善・事業再生 創業・新事業開拓・成長企業・事業承継への取組み 方 針 ◎お客さまとの接点を強化し、お客さまのニーズを吸収します。 ◎産学官との連携を強化し、地域経済活性化のためのコーディネーターとしての役割を果たしていきます。 ◎ビジネスマッチング業務を再構築し、機能強化を図っていきます。 ◎事業承継、医療・介護、国際業務などの専門性の高い業務に強い人材を育成していきます。 平成 26 年度の具体的な取組み内容 【創業・新事業開拓】 ■「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」の活用促進 ■ 第 8 期北國エグゼクティブカレッジを開催 平成 20 年 5 月に創設された同ファンド(基金総額:300 億円うち当行 (26 年3 月~27 年3 月) 80 億円拠出)では、地域資源を活用した新たなビジネスの創出、農商工・ コーディネーターに北陸先端科学技術大学院大学教授を招き、全 12 講 医商工連携した取組み支援を行ってまいりました。 座を実施。 中小企業支援ネットワーク強化事業の専門家派遣・産学官連携により、 地元企業の若手経営者や後継者など 14 名へ「自社の経営を改革し、成 事業計画書策定支援や申請手続きを支援いたしました。 長発展させる」をテーマに経営革新手法に関する講義や地元企業視察な 平成 26 年度総認定件数 84 件 うち当行取引先 75 件 うち当行支援案件 24 件 どを行いました。 (事前相談会の開催) ・金沢・能登・加賀にてセミナーを開催 ・個別商談会を 4 回開催 ■ 地元税理士と連携した体制構築 石川県・富山県税理士との業務提携:9 事業所 1 【成長企業】 ■ 海外進出支援の取組み ■ ビジネスマッチング業務の取組み ●現地での訪問、調査件数 BtoB マッチング成約 上海、シンガポール駐在員事務所による海外現地法人訪問とニーズ発掘 上海駐在員事務所 取引先海外現地法人訪問件数 取引先調査件数 うち不動産活用ニーズに対する建設業者のご紹介 シンガポール駐在員事務所 52 件 上海駐在員事務所 10 件 ■ ビジネス商談会への取組み 第 10 回三行ビジネス商談会 3件 日本航空商談会(※ 1) 海外ビジネス商談会等 ものづくり商談会 @バンコク 2014 開催時期 平成 26 年 6 月 5件 166 件 シンガポール駐在員事務所 名称 90 件 開催場所 参加企業 めいてつエムザ商談会 150 社 バンコク (うち当行 4 社) シンガポール食品商社招 平成 26 年 7 月 聘商談会 日本 FBC 上海 2014 平成 26 年 9 月 (日中ものづくり商談会) 上海 550 社 (うち当行 8 社) チャイナビジネスセミナー 平成 26 年 11 月 &交流会 in 上海 2014 秋 上海 170 社 (うち当行 24 社) イトーヨーカ堂商談会(※ 2) 26 社 当行取引先参加企業 10 社 商談件数 54 件 当行取引先参加企業 29 社 採択数 19 社 取引先参加企業 27 社 採択数 6社 取引先参加企業 36 社 採択数 12 社 ※ 1『JAL . たべまっし!石川・福井キャンペーン』の個別商談会を開催 ※ 2 . 北陸新幹線開業に合わせた首都圏での販路開拓支援としてイトー ヨーカ堂個別商談会を開催 【事業承継・M &A】 ■事業承継・M &A コンサルティング 後継者不在企業に対する「第三者承継」ニーズの高まりや中小企業の 「新事業参入」 「他地区への進出」 「隣接業種への展開」などへの解決のため、 ■ 行外研修による専門性のある行員の育成 専門知識を持った本部行員の帯同訪問、外部機関との連携によるコンサ 平成 26 年度 海外トレーニー及び出向者 派遣先 ニューヨーク バンコク みずほ銀行 バンコック銀行 1名 1名 ●事業承継・M & A 仲介 ●その他 ルティングを実施しております。 (事業承継取組み実績) ●事業承継対象先への訪問(本部帯同訪問):270 件 ●事業承継にかかる融資実績:19 件 / 3 , 956 百万円 (M & A 取組み実績) ● M & A 対象先への訪問(本部帯同訪問):177件 4名派遣 ● M & A にかかる融資実績:8件 /861百万円 75 名派遣 【医療・介護】 ■ かが能登かなざわ中小企業支援プラットフォームの活用 ●専門家派遣による経営支援 ■医療・介護コンサルティング 当行が代表機関となり、石川県中小企業団体中央会と県内全 8 商工 医療・介護分野でのニーズに対応するため、専門知識を持った本部行員 会議所から構成され、中小企業者等を支援しております。 の帯同訪問、外部機関との連携によるコンサルティングを実施しており 平成 26 年度実績:企業数 38 社 / 派遣回数 88 回 ます。 ●医療・介護等関連業者への訪問先数:170 先 ■ 経営相談所の有効活用 ●関与案件実績:融資 17 件 / 1 , 764 百万円 ●介護事業の顧客向けセミナー開催 1 回 / 164 名参加 ●北國銀行経営相談所(金沢市片町に設置)では弁護士・税理士によ るお取引先の法務・税務相談に対応しております。 法務・税務ほか相談件数:513件 2 経営改善・事業再生への取組み 方 針 ◎お客さまとのリレーションを強化し、早い段階からの経営改善支援に取組みます。 ◎経営改善の事例等を公表することにより、再生ノウハウの共有化を図っていきます。 ◎企業の過剰債務解消や社会の変化に応じた事業再構築のお手伝いをしていきます。 平成 26 年度の具体的な取組み内容 ■ 経営改善に取組むお客さまへの人材派遣 ■ 中小企業の経営支援に関する態勢整備の状況 経営改善取組み先への行員派遣:3 名 中小企業のお客さまの事業についての改善、又は再生のための支援を 本部(専門)行員が直接訪問している経営改善取組み先:395 先 適切に行うための態勢を整備しております。 営業店においては、中小企業のお客さまとのリレーションを通じ、財 務内容の改善のみならず、経営全般に関して支援、助言ができる役職員 の能力向上に努め、お客さまのニーズに応えることができる体制を強化 ■ 中小企業再生支援協議会の活用 しております。また、継続的に、中小企業のお客さまの経営改善計画の 進捗状況を確認・検証し、経営改善計画の見直しを助言・支援する等、コ 中小企業再生支援協議会の活用 計画改善計画策定先 55 先 10 , 431 百万円 うち、メイン行として持込み先 49 先 10 , 160 百万円 ンサルティング機能の発揮と、企業の技術力・販売力・成長性等、事業そ のものの採算性・将来性または事業分野の将来見通しを重視し、きめ細か な対応をいたしております。 ※金額は支援決定時の債権残高 本部においては、中小企業のお客さまの事業についての改善、又は再 生のための支援や、企業の成長性等について客観的・合理的な評価を行う ほか、営業店役職員の事業再生に関する人材育成を行っております。中 中小企業再生支援協議会との連携による事業再生 DDS による事業再生取組み 3件 第二会社方式による事業再生取組み 3件 小企業再生支援協議会等、経営改善、事業再生に関わる外部機関との必 要な連携を行い、認定支援機関として経営改善計画策定支援事業の周知 を図っております。また、融資部経営支援課は平成 26 年 4 月より専門行 員を 7 名→ 21 名へ大幅増員、11 月にも 2 名増員し、営業店へのアドバイ スや経営支援層への取組みを強化しております。 ■ 認定支援機関の活用 さらに経営者向けセミナーの開催のほか、コンサルティング会社や中 経営改善計画策定支援事業採択件数 58 先 小企業診断士、会計士、税理士等の外部専門家との連携により地域のお 6 , 425 百万円 客さまの経営課題解決の支援や、商談会の開催等ビジネスマッチングの 企画・運営を行う等、お客さまの事業のサポートも行っております。 ■ 経営改善支援取組みによるランクアップ状況 経営改善支援取組み先 1 , 777 先 うちランクアップ先 47 先 ■ 行員向け研修、セミナーの実施、営業店への指導強化 ●コンサルティング機能を発揮するため外部連携機関(再生支援協議 ※上記先数には正常先は含んでおりません。 経営改善支援取組み率 ランクアップ率 36 . 3 % 2.6% 会・認定支援機関)との具体的な連携方法について研修を行いまし た。 ●経営支援層への取組方針をテーマに営業店管理職向けグループ ディスカッション形式にて研修を行いました。 ※経 営 改 善 支 援 取 組 み 率 の 対 象 と な る 債 務 者 数( 正 常 先 を 除 く )は 4 , 892 先 ●本部内においてテーマ別に 20 回の勉強会を実施し、スキルアップ に努めました。 3 地域の面的再生への積極的な参画 方 針 いしかわ次世代産業 創造ファンドへの参画 (財)北國銀行産業振興財団 による助成 いしかわ里山創成 ファンドへの参画 地域貢献につながる ポイントサービス 金融経済教育の充実 障がい者や高齢者に 配慮した対応 ◎長期的な視点に立って、地域経済の活性化につながる取組みを地道に行っていきます。 ◎公民連携を通じて地域活性化事業への参画・支援を行っていきます。 ◎幅広い世代に対して金融経済教育のさらなる充実を図るとともに、企業見学や職場見学も積極的に受入れていきます。 平成 26 年度の具体的な取組み内容 ■ いしかわ次世代産業創造ファンドへの参画 ファンド規模 ■ 金融経済教育セミナーへ講師派遣 高校生向け 4回 約 400 名参加 平成 26 年度 事業助成金採択事業 300 億円 37 団体 大学生向け 8回 約 300 名参加 うち当行取引先 33 団体 社会人向け 3回 約 240 名参加 15 回 約 170 名参加 金沢学院大学への寄付講座 ■ いしかわ里山創成ファンドへの参画 ファンド規模 53 億円 平成 26 年度 事業助成金採択事業 18 団体 うち当行取引先 5 団体 ■ 企業見学・職場体験の積極的な受入れ ■(財)北國銀行産業振興財団による助成 小学生向け「親子銀行探検隊」 平成 26 年 12 月に、15 企業に総額 1 , 450 万円を助成しました。これ により、過去 32 回にわたり、累計 387 件 5 億 400 万円の助成を行いま した。 ■ 地元企業とのポイント交換、地域貢献につながる ポイントサービス 19 組 42 名参加 小学生 3校 16 名参加 中学生 24 校 125 名参加 高校生 5校 48 名参加 大学生 8校 56 名参加 社会人 5 団体 17 名参加 ●その他 「エコノミクス甲子園」石川大会を継続開催 6 校 26 名参加 北國ポイントサービス「ハッピース」は、お客さまの当行とのお取引内 容に応じて、ローンの金利や手数料の割引などの特典をご提供するサー ビスです。 累積ポイントの交換や地元団体、大学への募金などにご利用いただけ ます。 ポイント交換企業 地元百貨店 2 社、ドラッグストア 1 社、スーパー1 社 ポイント募金先 子育て支援活動財団 1 社、地元国立大学基金 2 先 募金状況 519 件 / 358 , 390 ポイント 年度末会員数 363 , 693 人 ■ 障がい者や高齢者に配慮した対応 ●金融犯罪対策への取組み強化 地域警察と連携した事例の共有やマニュアル、チェックシートの活 用を行い、未然防止に努めております。 平成 26 年度振り込め詐欺未然防止実績 57 件 59 , 461 千円 ●視覚障がい者対応 音声案内用 ハンドセット 視覚障がい者対応の ATM 設置率 は 100 %です。 各所に点字 視覚障がい者対応 ATM を 積極的に導入しています。 4 地域や利用者に対する積極的な情報発信 情報開示態勢の充実 方 針 ◎地域密着型金融のメリットであるコンサルティング機能や長期的・安定的な金融仲介機能の提供について、 お客さま目線に立った分かりやすい情報発信に努めてまいります。 平成 26 年度の具体的な取組み内容 ■ セミナー等での事例紹介 ■ IR の充実 北陸財務局主催の「北陸地域シンポジ 機関投資家向け、個人投 ウム 人口減少社会に挑む!~地域金 資家向け IR に加え、法人投 融機関が真価を発揮するとき~」をテー 資家向け IR を初めて開催い マとしたパネル討議が行われ、安宅取締 たしました。 役頭取がパネリストとして参加しまし た。地方創生で地域金融機関がどのよ うな役割を果たすべきか、当行の取組状 況や事例などを紹介いたしました。 ■ ホームページの充実 最新の情報をタイムリーに掲載し、分かりやすく、使いやすいホームページとなるように努力してまいります。 平成 26 年 4 月にホームページの全面リニューアルを行いました。 北國銀行のホームページのご紹介 お客さま 北國銀行について 地域密着型金融 法人のお客さまや個人のお客さまそれぞれに 地域密着型金融や金融円滑化への取組み等 商品やサービスに関する情報を詳しく紹介して の情報を掲載するとともに、CSR 活動の詳細な います。 データや、金融教育・環境などへの取組みにつ 地域密着型金融の取組み方針および進捗状況 を公表しています。 いて紹介しています。 ■ CSR レポート、ミニ・ディスクロージャー誌への掲載 当行の取組みを、読みやすく、理解しやすい冊子となるよう努力しています。 地 域 と と も に 北國銀行 CSRレポート 2014 平成26年8月発行 ● 編集・発行・お問い合せ CSR レポートでは、ステークホルダーの皆さまにお伝えしたい重要な項目を選定し、まとめ 株式会社 北國銀行 総合企画部広報CSR課 〒920-8670 金沢市下堤町1番地 TEL.( 076)223 -9705 ています。 北國銀行 CSR レポート 2014 ● ホームページでもご覧になれます。 http://w w w.hokkokubank.co.jp みらいへ このCSRレポートは、人や環境にやさしい 次のような配慮をしています。 地域の銀行として、全行員が一丸となって取組んだ活動の現状と成果をできるだけ多くの方 ◎ 書体 ユニバーサルデザイン(UD)の考えに基づいた見やすいデザイン の文字を採用しています。 に手にとっていただけるような誌面づくりを心がけています。 ◎ 資材(用紙・インキ) 適切に管理された森林で生産された木材を原料に含む「FSCⓇ認 証紙」と有害な VOC 排出を削減する「植物油インキ」を使用して つながる います。 ◎ 製造(製版・印刷・製本) 産業廃棄物となるフィルムを使用しない製版「CTP」と、有害廃液 を出さない「水なし印刷」を採用しています。 ひろがる はぐくむ 北國銀行は、 チャレンジ25キャンペーンに参加しています。 北國銀行 CSR レポート 2014 5 北國銀行ミニ・ディスク ロージャー誌 2014 . 9
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