留学生リポート

留学生リポート
商学部4年
菅野 藍(かんの あい)
カリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis)派遣
1.
留学先で学んでいたこと
学部は Sociology を専攻し、社会学の基本から多国籍社会などアメリカ特有なものまで勉
強した。また、専攻分野だけでなく経済学やワインの授業など自分の興味に沿ったものを
履修したり、自分の本学での専攻分野であるマーケティングの授業を取ったりした。授業
の中身としては数百人入る大教室で教授がレクチャーを行い、別の日に 10 人から 20 人く
らいの規模で行うディスカッションのクラスをティーチャーズアシスタントのもと行うこ
とが多かった。
生徒の様子としては積極的に、また熱心に学問に取り組んでいる姿が伺われた。ディス
カッションのクラスはもちろん、大教室の授業でも積極的に手を挙げて質問や意見を言い
合い、教授など教える側もそのやり取りを楽しんでいるようだった。また少人数のクラス
ではどれだけ発言できるかや実験に関わっているかが評価する基準にもなっており、全く
発言しないと授業参加が認められないというクラスもあった。個人やグループで作りあげ
るプレゼンテーションの機会を与えられることも多く、みんなの前で英語で言いたいこと
を伝えるスキルはついたと思う。また GPA が就職に大きく関わってくるためかいい成績を
取ろうと努力する生徒も多く、24 時間空いている図書館で日を過ぎても勉強し続けるよう
な生徒も多くいた。
2.
留学先で知り合った人との関わり
この留学を通してアメリカ人はもちろん、いろんな国から来た人とも本当に多くの関わ
りを持てたと思う。まず授業であった人や学部が同じ人はグループワークやテスト前の勉
強を通じて仲良くなるが、授業外でも遊んだりご飯に行ったりすることもあった。またク
ラブ活動に積極的に参加したのも人脈を広げるいい手段になったと思う。UCDavis ではテ
ニスクラブと日系アメリカ人のサークルと、International Student が多く参加する交流ク
ラブに入っていたが、前の2つは特にアメリカ人の友達をつくるのにとても役立った。ま
た、世界各国から留学生が集まっているのでヨーロッパやアジア、南米から来ている人と
もたくさん会えたし、家族のように仲のよい友人も作れた。私はもともとアメリカの文化
や国籍の多様性に惹かれていて、どのような人たちがどのような文化を持っているのかや
それぞれがどのように共存しているのか非常に興味があった。なので実際に多様な文化を
持った多くの人に会うことができ、肌でその違いや共存の仕方を理解でき面白かった。
3.
留学生活の苦労・楽しみ・驚き等
留学生活で一番苦労したことといえば派遣されてすぐの頃に特に感じていた英語力不足
である。日常会話すら慣れていなかったので自分の表現したいことを伝えるのに時間がか
かったり、授業のなかで教授が言うジョークが理解できなかったり、予習復習に膨大な時
間がかかるなど苦労することが多かった。時間が経つごとに英語で考え英語で表現するこ
とにも慣れ苦労の度合いは減ったが、慣れるまでは必死に英語と格闘していたように感じ
る。
楽しかったことは2でも書いたが多文化に触れたり、多くの友人を作ったりしたことだ。
他の国から来ている生徒と会話するときはお互いに第一言語が違うのに英語で心を通わす
ことができて嬉しかったし、多国籍社会であるアメリカにいるというだけで友人宅やレス
トランなどで他の文化を体験できることも楽しかった。
驚いたことは個々人の意見の主張が激しいことだ。個人の独立意識の強いアメリカでは
自分の意見を持ち、それを表現することが良いこととされる風潮が強いが、特に授業中や
物事を決めるときはそれが顕著であった。協調性や和の大切さを小さい時から教育されて
きた日本人の一員としては新鮮であったが、両方の文化傾向の良し悪しを感じることがで
きたと思う。
4.
フリータイムの使い方
授業のある日は夜遅くまで勉強に勤しむことが多かったが、週末や長期休みは普段の生
活とはまた違った留学の楽しみ方ができた。UCDavis は北カリフォルニアに位置していた
ので週末には友人たちと一緒にサンフランシスコに行ったりナパバレーというワインで有
名な地域にドライブに行ったりしていた。また、少し南に下ってサンタクルズというビー
チで有名な町やヨセミテ国立公園を訪れた。長期休暇の際にはロサンゼルスやラスベガス、
ニューヨークやワシントン DC、カナダを訪れたりした。すべて日本からはあまり気軽に行
けないところなのでこの機会を利用していろんな町を見ることができて楽しかった。また
東海岸やカナダを訪れた際には、自分が普段住んでいたカリフォルニアとの違いを人や雰
囲気の面から感じることができ面白かった。
上記のように旅行することもあったが、Davis でハウスパーティーやバーに行ったり、ク
ラブ活動でテニスをしたりというのも勉強のいい息抜きになった。
5.
最後に
この1年間の派遣留学を通して学習面でも生活面でも学んだことが多く、より多くの人
に会い多くの文化や考え方に触れたからこそ今の自分がいると思う。如水会でサポートし
ていただいた方々をはじめ、このような素晴らしい体験を支援してくれたすべての人や機
関に感謝したい。