1. 原子拡散接合法による室温接合技術とデバイス形成への応用

研究スタッフ
教
授: 島津 武仁
研究員: 佐藤 公紀,小宮山和弥,内田 真治,由沢 剛,
小野 拓也,菊池 洋人,中田 仁志,片岡 弘康,
古田 旭,森谷 友博,市川 将嗣,野口真弘,
魚本 幸,畑山 正寿,津村 郁
研究目的
超高真空技術を利用した清浄雰囲気中での高性能な金属(磁性)薄膜の形成と
物性評価(工業的に優れたスパッタリング法)
超高真空技術を利用した清浄雰囲気中
でのスパッタ薄膜形成技術を機軸とし,
下記の研究を推進.
清浄化薄膜形成プロセス(表面拡散,表面偏析等
の促進)による新材料探索や低温プロセス化
清浄な薄膜表面の大きな表面エネルギーと
微結晶膜の大きな原子拡散を利用
機能性薄膜(大きな磁気異方性Kuを持つ薄膜)
の形成(次世代HDD・メモリ応用)
ウエハ室温接合(原子拡散接合法)
の提案と実用化(新しい電子デバイス形成)
sputtered
metal films
metal atom
1. 原子拡散接合法による室温接合技術と
デバイス形成への応用に関する研究
Wafer
A
Wafer
B
Sputter deposition
Bonding
In vacuum chamber
2. 大きな磁気異方性薄膜の形成と電子デ
バイスへの応用に関する研究
L11-CoPt
<111>
Co
Pt
Al/Al films
(with Ta underlayers)
Si wafer
seed / substrate
Si wafer
seed / substrate
清浄化プロセスによるPtの表面偏析の促進によるL11-CoPt薄膜
(準安定相)の安定形成や,L10-FePtの低温形成.
0.5 m
Al(20 nm)/Al(20 nm)を用いて常温接合したSiウエハの断面TEM
主な研究テーマ
1. 原子拡散接合法による室温接合技術とデバイス形成への応用
(1) 真空中の接合
◇ 常温・常圧で接合.ウエハ材質を選ばない.
◇ 接合金属薄膜の材料は任意に選択できる.
◇ 接合膜厚は0.2 nm程度でも接合できる
(ウエハ間を電子やスピンが等価)
Ti(0.5nm)/Ti(0.5 nm)を用いて常温
10 nm
接合した水晶ウエハの断面TEM
様々なデバイス応用
LED; 255nm □1mm
Lens; φ5mm Sapphire
200
Light output (mW)
LED Chip
SAB
150
ADB
100
50
0
0
500
1000
Current (mA)
接合前の微細加工ウ
エハ表面(4インチ)
Ti(0.3nm)//Ti(0.3nm)で接合したガラス
とセラミックスウエハ(4インチ)
スマートフォン向け高性能電子デバイスが実現.
既に量産技術として応用.
島津研究室(学際科学フロンティア研究所)
常温接合で可能となった
深紫外LEDの光取り出し構造
SABとADBの常温接合法で試作し
た深紫外LEDの光出力
世界最高レベルの効率を維持しながら
深紫外LEDの光出力の大幅な増大に成功
http://www.fris.tohoku.ac.jp/
Sputter deposition
(2) 大気中の接合
metal atom
◇ 常温・常圧で接合.ウエハ材質を選ばない.
◇ 接合膜は,Au等の一部の材料に限定.
◇ マスクを使った薄膜形成や大気中のウエハ
のアライメント等が可能
Wafer
A
Wafer
B
sputtered
metal films
In vacuum chamber
Alignment and Bonding
synthetic quartz (SiO2)
crystal wafers
様々なデバイス形成に応用
Au/Au
synthetic quartz (SiO2)
In air
crystal wafers
100 nm
(a) A low magnification image
synthetic quartz (SiO2)
crystal wafers
dicing
Cr
放熱用金属とSi
ウエハの接合
接合した異種材質のウエハ
高性能な光通信用エタロン
フィルタの実現
アルミ合金とサファイアを接
合したUHV用ビューポート
放熱等に用いる金属とウエ
ハの常温接合
Cr
Au/Au
synthetic quartz (SiO2)
crystal wafers
original surface
10 nm
A high magnification
image
Au(3(b)
nm)/Cr(0.5
nm)を用いて接合し
た水晶ウエハの断面TEM像(一例).
2. 大きな磁気異方性薄膜の形成と電子デバイスへの応用に関する研究
(1) AFCグラニュラ媒体のマイクロ波アシスト磁化反転(次世代HDD用)
試作したCoCrPt系のAFCグラニュラ媒体のTEM像
AFC-グラニュラ媒体のマイクロ波アシスト磁化反転の基礎実験
AFCグラニュラ媒体を用いたマイクロ波アシスト記録のための基礎実験を展開.
AFC構造でも23%(熱擾乱を補正した値)のマイクロ波アシスト効果を確認.
(2) L10-FePt系グラニュラ媒体の開発(熱アシスト高密度HDD)
Ku (×107 erg/cm3)
<D> = 6.7 nm
σ = 1.0 nm (s/<D> = 0.15)
Ku (x107 erg/cm3)
3.0
GeO2
SiO2
2.0
ITO
Al
O
MnO 2 3
TiO2
1.0
ZnO
Ta2O5
NiO
0.0
1.4
1.6
1.8
2.0
2.2
Electronegativity
c軸が膜面垂直配向したL10-FePtグラニュラ構造
グラニュラ化のための添加材料とKuの関係
L10-FePt系三元合金の基礎特性(Mn置換の例)
次世代エネルギーアシスト記録用のL10-FePt系グラニュラ媒体の研究開発を展開.
高密度記録性能を持つ熱安定性の高いグラニュラ構造を実現.
日本の“ものづくり技術”で次世代の高密度HDDの実現を目指す
島津研究室(学際科学フロンティア研究所)
http://www.fris.tohoku.ac.jp/