やどかり研究所報告・交流集会のご案内

第 13 回(2014 年度)
やどかり研究所報告・交流集会のご案内
2月 28 日(土) 9時 30 分〜 17 時
日 時 2015 年
* 17 時 30 分から懇親会を行います
会 場 やどかり情報館 2階ホール(さいたま市見沼区染谷 1177 - 4)
主 催 公益社団法人やどかりの里 やどかり研究所
第 13 回やどかり研究所・報告交流集会を開催します
第 13 回やどかり研究所報告・交流集会を開催いたします.昨年度に引き続き1日での
開催となります.今回は8題の報告が行われることになりました.
そして,今回の特別報告は,杉井静子先生(弁護士・ひめしゃら法律事務所所長)
に「憲
法」
についてお話しいただきます. 2015 年は第2次世界大戦終戦から 70 年という大きな
節目の年となります.戦争の反省に基づきつくられた日本の平和憲法ですが,2014 年7
月1日,集団的自衛権行使容認が閣議決定されてしまいました.集団的自衛権とは,自
国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃に対し,日本もその戦いに参加できるよう
にしたものです.戦争放棄を謳った日本国憲法第 9 条を大きく歪めるものに他なりませ
ん.また,2013 年8月に出された社会保障国民会議の報告書に基づき,自己責任・自助・
互助を強調し,社会保障の仕組みを大きく作り変えようとしていく動きもあります.
こうした動きの中で,改めて憲法を学ぶことが大切だと考えました.講師の杉井先生
には,日本国憲法の成立の過程,世界に誇る日本国憲法の意義,一方で憲法を変えたい
という動きの背景にあるものなどをお話しいただきます.
2014 年1月に批准した障害者権利条約を日本に浸透させていくためにも「日本国憲
法」の存在はとても大切です.憲法について改めて学び,私たちが今後対峙すべき課題
を明らかにする機会にしたいと企画しました.
お申込み・お問合せ
やどかり研究所事務局
TEL:048 - 680 - 1891 FAX:048 - 680 - 1894
E-mail:[email protected]
〒 337 - 0026 埼玉県さいたま市見沼区染谷 1177 - 4
プログラム
2月 28 日(土)
9:00~ 9:30 受付
9:30〜10:00 開会 あいさつ 情勢報告
10:00〜12:30 会員による研究・実践報告と討論
報告1 障害年金を受給していないやどかりの里登録者の生活実態に関するアンケート調査報告(第2報)
<発表者>鈴木 裕貴(大宮区障害者生活支援センターやどかり)
<共同発表者(共同研究者)>宗野 文 (すてあーず)
水村 舞 (大宮区障害者生活支援センターやどかり)
渡邉 奏子(浦和区障害者生活支援センターやどかり)
三石麻友美(見沼区障害者生活支援センターやどかり)
松原 玲子(やどかり研究所運営委員)
渡辺 志保(浦和区障害者生活支援センターやどかり)
<要旨>
障害のある人にとって,障害年金の受給は,大切な所得保障のひとつになっているが,やどかりの里登
録者 319 名の内,119 名が障害年金を受給していないという実態がある(2013 年3月末現在)
.
今回の調査では,障害年金を受給できない背景にある課題や,受給していない人の生活実態を把握し,
今後,やどかりの里として取り組むべき課題を整理していくことを目的とする.
調査対象者は,2013 年 7 月末現在に障害年金を受給していない人を再精査し,108 名を対象とした.そ
の内,80 名が調査に協力し,2013 年 11 月初旬に調査を行った.
第2報では,アンケート結果を分析し,見えてきた障害のある人の置かれている状況やその背景にある
課題を報告する.
報告2 精神科病棟居住系施設問題を考える
<発表者>中村 由佳(見沼区障害者生活支援センターやどかり)
<共同発表者>阿部 友恵(大宮区障害者生活支援センターやどかり)
八木由美子(浦和区障害者生活支援センターやどかり)
若林那津子(やどかりの里グループホーム)
<要旨>
2014 年 1 月,
日本は障害のある人の「他の者との平等」に生きる権利を謳う障害者権利条約を批准した.
その一方で,日本の精神科病院の社会的入院は根本的な解決がないまま,精神科病棟を「居住系施設」に
転換する方針が打ち出された.これは,単なる看板のかけかえに過ぎない.
本報告では,①自由を取り戻した当事者の証言,②地域で生きるを支えるやどかりの里の実践,③社会
的入院解消の完全実現にむけた 10 の提言,の3報にわたり,やどかりの里が地域での「ごく当たり前の生
活」を求めて当事者と共に歩んだ実践を,歴史的背景に触れながら振り返る.障害者権利条約に照らし合
わせながら精神科病棟転換型居住系施設にある問題を浮き彫りにし,障害者権利条約に恥じないあるべき
姿について考えてみたい.
報告3 自主学習会「たたみの会」
始まりそしてこれから
<発表者>関口 和司(喫茶ルポーズ)
<共同発表者>斉木 辰雄(浦和活動支援センター)
鈴木 真帆(すてあーず)
萩﨑 千鶴(やどかり情報館)
<要旨>
やどかりの里の中で,きょうされん活動をより身近に感じられるよう,気軽に話し合う機会を……とい
う提案をもとに,2013(平成 25)年 3 月,“きょうされんについてをざっくばらんに話し合う会” が開催さ
れた.畳の間で,膝を突き合わせながら行うこの会は,名称を「たたみの会」とし,活動を始めた.回を
重ねる中で,当初のきょうされん活動を深める意味合いから,各々の学習に対する意識が高まり,情勢・情
報共有から,現在では障害者権利条約を学ぶなど学習会の色合いが濃くなっている.
月に一度,
勤務時間外の自主学習会が何故ここまで継続してきたのか.そこには参加者それぞれの参加の
動機,そして畳の間で夕食を囲みながら自由に意見交換ができる,という環境的要因が大きく働いていた.
今では若手職員を中心に,10 名が集う場となっている.
今回は,丸2年を迎えるこの「たたみの会」のあゆみを振り返り,参加者たちの成長を報告したい.
報告4 つながり,創り合っていきたい ~メンバー交流会のあゆみから~
<発表者>田中 学 (喫茶ルポーズ)
<共同発表者>加藤 康士(すてあーず)
<要旨>
やどかりの里の働く場や活動支援センターなど利用するメンバーは 300 人を超える.大所帯になっていく
なかで互いを知る機会を持ち,メンバーの声を反映するしくみを作っていけたら,という目的で 2012 年6月
メンバーの交流会が開催された.第1回目は職員主導で企画したが,その後は,各事業所からメンバー,職
員が集まって「企画会議」を行い,交流会を継続している.企画会議に参加したメンバーは「まず,みんなが
集まれるような会にしたい」という願いを持ち,交流会に趣向を凝らしてきた.また交流会では大勢の参加
があり,アンケートからは「また集まりたい」
「もっと知り合いたい」という感想がよせられている.こうし
たことが「企画会議」に関わるメンバーの主体性も育んでいる.こうしたメンバーの足取りを報告する.
報告5 月間の仕事の個数でみた,同時並行する適度な仕事の種別数の算定
<発表者>道見 藤治(医療・福祉問題研究会)
<要旨>
昨年度,ここでの報告は次第に増加してきた私の活動について述べた.2013 年は仕事の量がピークを迎
えたようだった.意識することもなく日々を送っていくうちに,これくらいが限界かと感じて,セルフコ
ントロールをすべきかなと思い立ったのが 2014 年の5月だった.
それ以降 2014 年末まで,2013 年と 2014 年の仕事について,月間で種類ごとにどれ くらい主な仕事を
行なってきたか個数を算入してみた.健康を維持しながら,どれだけ活動の幅が広げられるか確認作業を
行なったと言える.
結論として,1ヵ月に並行して仕事をする塊りとなった種類の数はおおよそ3つまでが適度であると分
かった.そして主な仕事の総数に匹敵する休みの数が必要であった.
今後仕事で留意すべきは,同時並行の種類の数は3つまでと判断し,2015 年の年間スケジュールを打ち
立てた.以降その規範は守るべきと考える.
報告6 精神障害者の人生の振り返りから就労支援のあり方を探る -概念構造化の試み-
<発表者>村上 満子(帝京科学大学医療科学部看護学科)
<要旨>
当事者の就労への歩みは,発達課題への挑戦であると同時に,回復やリカバリーのプロセスでもある.
本研究では,地域支援の予備的調査として,就労(社会的就労も含める)している 11 名の当事者の人生の
振り返りについての文書データを,文脈を重視しつつ質的に分析した.まず,① 4 名を対象に,エリクソ
ンの成人期の心理社会的危機である生成性 (generativity) と,主体性 (agency:転機となった出来事の意味づ
け ) の特徴をみた.その結果,当事者の最大の関心事は「病気との折り合いをつけること」であり,これが
成長・発達の地盤となっていた.次に,②対象者を増やして 11 名として,
「病気との折り合いをつけるこ
と」の内容とプロセスの特徴を明らかにする.今回はこれの中間報告をする.
報告7 誰もが安心して暮らせる地域づくりをめざして
~住民と将来像指向型の話合いを重ねてみえてきたもの~
<発表者>渡辺 志保(浦和区障害者生活支援センターやどかり,
公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究セン
ター)
<共同発表者>岩永 俊博(公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研
究センター)
山本真由美(香川県土庄町健康増進課)
葛原 誠人(香川県綾川町国民健康保険陶病院小児科 前 土庄町国民健
康保険土庄中央病院小児科)
安藤 実里(公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研
究センター)
<要旨>
病気や障害があっても自分らしく安心して暮らすことのできる地域づくりは,行政や住民,関係機関と
の協働で進められることが重要である.
香川県土庄町では,平成 20 年度より数年おきに 3 つのテーマ(認知症,発達障害,在宅医療)を取り上
げ,対象者が地域で安心して暮らすための方策について話合いを進めてきた.話合いは協働的な参加によ
る将来像指向型の進め方で行われ,住民,当事者,行政,町内の関係者が参加した.
この取り組みのねらいは,対象者の健やかな暮らしの実現に必要な条件やしくみを,見いだすこと,さ
らに複数のテーマで話合いを重ねる事で,各テーマに共通し,地域づくりの核となるような条件やしくみ
を見いだすことであった.
今回,取り組み過程を整理すると共に,参加者が感じた印象,地域への波及効果の有無などを調査し,
このような将来像指向型の話合いを地域の関係者で行う意義や今後の課題を検討したので報告する.
報告8 地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)実践におけるプライマリヘルスケアとの接点
―スリランカ国ラージャンガナヤ郡の事例から―
<発表者>東田 全央(元青年海外協力隊)
<要旨>
筆者は青年海外協力隊として,2013 年 2 月から 2015 年 1 月までアヌラーダプラ県ラージャンガナヤ郡
に派遣され,地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)事業に従事した.活動の振り返りにあたり,基本
的な視点はプライマリヘルスケア(PHC)の4原則に集約された.PHC と CBR がたどってきた歴史と共通
する価値をたどれば当然のことと言えるが,近年,その接点について具体的実践を通して示しているもの
は限定的である.また,スリランカの CBR 事業に関する研究および実践報告もわずかである.
本報告では,スリランカの CBR に関する実践の展開過程について,PHC の視点から考察することを目的
とする.とくに,フィールドノーツと調査を元に「反省(reflect)
」の過程を抽出し,PHC の4原則(
「ニー
ズ指向性」
,
「住民の主体的参加」
,
「資源の有効活用」
,
「協調と統合」
)に沿って整理した.
12:30〜13:30 休憩(昼食)
・報告者との自由討論
13:30〜16:30 特別報告と討論
私たちと「日本国憲法」 譲れない私たちの権利(仮)
講師 杉井 静子(弁護士・ひめしゃら法律事務所所長)
『日本国憲法』改正の狙いは一体どこにあるのか,そして,憲法改正をめぐる目まぐるし
い動きの実際,なぜこんなにも憲法を軽視する動きがあるのか,その背景をお話しいただき
ます.そして,こうした状況の中,障害分野に身を置く私たちは,どんな運動を展開してい
く必要があるのでしょうか.杉井先生のお話を伺いつつ,考えていきたいと思っています.
プロフィール
1944(昭和19)年 中国青島生れ
1967(昭和42)年3月 中央大学卒業
1969(昭和44)年4月 弁護士開業,三多摩法律事務所所属(以後31年間在籍)
1989(平成1)年 三多摩弁護士クラブ幹事長
1990(平成2)年 日弁連,女性の権利に関する委員会委員長
1991(平成3)年 第二東京弁護士会,両性の平等に関する委員会委員長
1992(平成4)年 第二東京弁護士会副会長(女性で初)
1993(平成5)年 第二東京弁護士連合会常務理事
2000(平成12)年4月 国立市に杉井法律事務所開設
2001(平成13)年 第二東京弁護士会多摩支部長
2002(平成14)年 第二東京弁護士会司法改革推進本部副本部長
2003(平成15)年 日本弁護士連合会理事
2005(平成17)年 関東弁護士会連合会理事長(女性で初)
2008(平成20)年 日本弁護士連合会家事法制委員会委員長(現在に至る)
2009(平成21)年 法制審議会非訟事件手続法・家事審判法部会委員(2011年まで)
ひめしゃら法律事務所開設(所長)現在に至る 16:45〜17:00 2014年度やどかり研究所事業報告
17:30〜19:30 懇親会(おいしい食事を囲んで交流してください)
参加費 研究所会員は,1,000
昼 食 600
円(資料代として) 会員でない方は,参加費 3,000 円となります.
円 飲み物付きでご用意しております.
* やどかり情報館は付近に昼食等とれるお店やコンビニがありません.
あらかじめご用意されるか,当方で用意する昼食をご利用ください.
懇親会費 3,000
円
会場案内図
上尾方面
上尾方面
7番乗り場
大宮駅
西口
東口
東町
南中野南
路
道
業
産
自治医大
付属病院
そば屋
ラーメン屋
東新井
やどかり情報館
山崎
浦和方面
北浦和駅
浦和方面
領家
日大法学部
道路
産業
第二
区役所
思い出の里
市営霊園
向大谷
大宮駅東口より
国際興業バス(大谷県営住宅行き)
「向大谷」下車,徒歩 10 分
北浦和駅東口より
東武バス(宮下行き又は岩槻行き)
「向大谷」下車,徒歩 10 分
参加の申し込み
* 下記に必要事項をご記入の上,FAX(048- 680- 1894)いただくか,
E- mail([email protected])にてお申し込みください.
* 参加の申し込みの締め切り日は,2015 年2月 20 日(土)です.
* キャンセルは,2月 25 日(開催3日前)までにお申し出ください.それ以降にお申し出があった場合,
資料代実費 1,000 円(及び申し込まれていた昼食代や懇親会費)を申し受けます.あらかじめご了
承ください.
2014 年度やどかり研究所報告・交流集会
参加申込書
会員区分
研究所会員 ・ 一般
申し込み日付 月 日
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氏 名
所 属
連 絡 先
〒
電話番号
FAX 番号
E-mail
昼 食(600 円)
申し込みます ・ 申し込みません
何れかを○で囲んでください
懇親会(3,000 円)
参 加 し ま す ・ 参 加 し ま せ ん
何れかを○で囲んでください
通信欄