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製品環境の取り組み
単体
●当社における製品による環境への貢献
●製品に関する規制への対応
一 般的な自動車における燃料エネルギーのうち、純 粋な
自動車としての運 動エネルギーは30% 程 度しか利用さ
れません。残り70% 程 度のエネルギーは、熱 等として損
失しています。
熱勘定
︵%︶
100
60
排気損失
冷却損失
摩擦損失
ポンピング損失
40
摩擦損失
20
0
Ⅱ 補機類損失
当社では、製品に適用される規制動向を確認しています。
特に海外の化学物質規制は、製品設計時に考慮すべき要
件となるため、情報管理を継続しています。
排気損失
80
Ⅰ エンジン損失
◆規制への対応状況
冷却損失
正味仕事
対象の規則
取り組んでいる状況
REACH規則
期日が2017年までの要認可
物質の含有調査
1 2 3 4 5 6 7 8
正味平均有効圧 Pe×102kPa
ELV指令
Ⅲ 駆動系損失
RoHS指令
燃料エネルギー
エンジン正味仕事
走行エネルギー Ⅳ
=
欧州以外の規制
ころがり走行抵抗+空気抵抗+慣性抵抗
2014年度結果
調査完了、
含有無し
2015年末に鉛の適用除外が 調査完了、
解除される製品への含有調査 含有無し
現規制物質含有調査
該当無し
中国、
インド、
その他途上国の
規制動向調査
適宜報告
出典元:一般財団法人 日本自動車工業会ウェブサイト
◆これからの対応
当社では、このエネルギー損失のうち、10%程度を占める
摩擦損失の領域において、低摩擦製品の開発を進め、自動
車の燃料エネルギー利用率向上=燃費向上に貢献してい
ます。
製品環境の活動として、
「社会と環境に貢献できる製品の提供」
「環境負荷物質の低減」
を方針とし、一歩先を行く開発を意識して活動しています。
製品に関する環境規制は世界的に管理が厳しくなり、新た
な規制が増え続けています。
自動車業界においてはまだ使用を許可されている物質も
ありますが、新たな規制に対しても先がけて確実に対応し
ていきます。
活動の指標(KPI)
当社の製品が搭載された自動車が一般社会に普及することで環境保全に貢献することを、当社では「製品による環境
への貢献」と定義しています。
燃費改善についてはその貢献度をCO2換算して、公表しています。
貢献量 = 燃費向上率×当社製品の搭載車CO2排出量×年間走行距離×年間生産台数
(理論値)
(自動車メーカー公表値)
(当社推計値)
(製品販売数からの算出値)
●貢献量グラフ
(千t-CO2)
100
軸受
システム製品
76
良 75
57
50
43
29
25
21
8
13
0
17
Taiho Kogyo Report
2010
●算出式の解説
当社の従来製品と摩擦性能
を比 較して算出した燃 費向
上率と、そ の 製 品 が 搭 載 さ
れた自動車のCO 2 排出量、
年間 走 行 距 離、年間生 産 台
数から貢 献 量を算出してい
ます。
42
30
23
9
20
20
2011
2012
27
2013
35
2014
(年度)
◆研究助成活動
◆業界初の技術開発による環境貢献
トライボロジー研究助成活動
2000年に
「大豊工業トライボロジー研究財団
(TTRF)
」
を米
国シカゴに設立、
国内外の研究者に対して、
トライボロジー研
究への助成や、
情報提供を行っています。
創業以来、すべり軸受の研究開発を通し「トライボロジー」と
深く関わってきたことによる学術研究分野での社会貢献と考
えています。
「中空湾曲部品のダイカスト技術開発」をテーマとし、ア
ルミダイカストとしては業界初の湾曲部品鋳造の技術
開発に成功しました。その技術を活用し、ターボチャー
ジャー部品であるコンプレッサインレット用エルボの
量産を開始しました。
従来のダイカスト製法では不可能だった湾曲成形を実
現し、製品の軽量化や製造工程削減による生産エネル
ギー低下を達成しました。このような製品設計段階の
技術開発が、製品を生産する段階での環境負荷低減に
もつながっています。
表彰式の様子
(トヨタ自動車㈱プロジェクト表彰<技術の部>で受賞)
●環境対応製品の紹介
コンプレッサインレット用エルボ
◆各製品の機能
◆製品ごとの貢献量
軸受製品
当社では環境対応製品を軸受製品とシステム製品に分類
しています。また、過去5年間の貢献量の推移では、新製品
であるスラストワッシャや、EGRバルブの増加により貢献
量が増加しています。
今後はバキュームポンプの増産による貢献量の伸びが期
待されています。
エ ン ジ ン の 軸 受 だ け で なく 、
カーエアコン用コンプレッサー
で使用される軸受にも、摩擦低
減=燃費改善効果があります。
シュー
製品名
分 類
樹脂コーティング軸受
スラストワッシャ
軸受製品
偏心溝付き軸受
樹脂コーティング軸受
軽量シュー
EGRバルブ
システム製品
システム製品
バキュームポンプ
●過去5年間 製品別貢献量グラフ
80
(千t-CO2)
70
15
60
13
50
40
20
10
0
2
12
1
30
9
2
8
11
2010
2
18
2011
1
33
26
19
11
8
5
6
2012
スラストワッシャ
P.7 へ
当社のすべり軸受については 6
3
2013
7
9
2014 (年度)
樹脂コーティング軸受
EGRバルブ
バキュームポンプ
軽量シュー
偏心溝付き軸受
スラストワッシャ
バキュームポンプは、ブレーキ
に 必 要な負 圧を 効 率良く発 生
させ、車両の燃費向上に貢献し
ます。
排出ガスを再燃 焼させるEGR
バルブでは、エンジンの燃焼効
率を向上させることで燃費向上
に貢献しています。
バキュームポンプ
今 後 は 、エ ン ジ ン 内 部 を 循 環
するオイルの「潤滑」に着目し、
そ の 流 れ 全 体を 最 適 化するシ
ステムの 技 術 開 発 を 進 めてい
きます。
EGRバルブ
Taiho Kogyo Report
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