平成28年度私立学校関係税制改正に係る最重点要望 平成27年11月 全 私 学 連 合 平成28年度税制改正に当たり、私立学校に係る税制改正に関して、次 の事項を最重点要望事項として要望いたします。 【最重点要望事項】 〔寄附税制の拡充〕 1.学校法人への個人寄附に係る所得控除上限額の引上げ 平成27年度の税制改正において、個人からの寄附に係る税額控除の対 象法人となるための要件(PST要件)について緩和措置が講じられたが、 今後とも少額寄附者の裾野の拡大とともに、併せて多額寄附者の拡大を 図ることにより、広く個人からの私立学校に対する寄附促進を図ってい くことが、私立学校の教育研究の活性化及びこれを通じたわが国の成長 にとって決定的に重要である。 このため、学校法人に個人が寄附した際の寄附金所得控除上限額を現 行の所得の40%から米国と同様の50%に引き上げることを要望する。 この措置により、母校の教育研究活動に資するため多額の寄附をしよ うとする寄附意欲の高い卒業生など、潜在的な多額寄附者を掘り起し、多 額寄附の途を拡げる社会的環境の整備が促進される。また、米国の寄附税 制と同程度の措置を講ずることにより、国際的な競争環境が整備される。 - 1 - 2.日本私立学校振興・共済事業団への指定寄付金の範囲の拡大 -若手・女性研究者奨励に係る寄附の追加- 日本私立学校振興・共済事業団では、従来から取り組んできた「学術研 究振興資金」の制度拡充として、私立大学の若手・女性研究者への支援を 拡充するため、 「若手・女性研究者奨励金(仮称)」の創設を計画しており、 この制度拡充に当たっては、社会全体で若手・女性研究者の取り組みを支 援する仕組みを構築することが重要であるという観点から、必要な資金 については幅広く寄附募集を行い交付する計画としている。 本計画は、私立大学における研究能力・研究意欲を高めることに大きく 寄与することから、この制度発展のためには、企業等が意欲的に「若手・ 女性研究者奨励金(仮称)」に対して寄附を行う環境を構築することが不 可欠であり、本奨励金への寄附については、法人からの寄附金の全額が損 金算入の対象となる等の指定寄附金として取り扱うことを要望する。 〔教育費等に係る経済的負担軽減のための措置の創設〕 3.学校法人が実施する奨学金事業に係る印紙税の非課税措置の創設 すべての学生等が経済的理由によって進学を断念することなく、能力 と希望に応じた教育を受けられる環境を整備する等の目的のため、多く の学校法人において奨学金事業を実施しているが、奨学金貸与の際に作 成される借用証書等は、印紙税法では消費貸借に関する契約書に該当し、 貸与総額に応じた印紙税を納付しなければならないとされている。 学校法人が行う奨学金事業は、学生等の修学機会の確保に資する極め て公共性が高いものであり、奨学金に係る借用証書等を、課税文書とす ることは不適切である。 独立行政法人日本学生支援機構や都道府県が実施する奨学金事業にお いては、借用証書等に係る印紙税は非課税とされており、学校法人が実 施する奨学金事業においても、同様に借用証書等に係る印紙税が非課税 となることを要望する。 - 2 -
© Copyright 2024 ExpyDoc