平成28年2月5日 在職老齢年金支給停止額の計算誤りについて 平成27年12月の定期支払において、地方公務員共済組合連合会が誤っ た情報提供を行ったことにより、日本年金機構及び日本私立学校振興・共済 事業団が支給する年金(10月分及び11月分)について、在職老齢年金支 給停止額の計算誤りを生じさせていました。 その結果、在職老齢年金の支払いを受けている一部の年金受給者の方につ いて年金の支払い額が誤っていたことが判明いたしました。 対象となる年金受給者の方には、ご迷惑をお掛けすることとなり、深くお 詫び申し上げます。 なお、対象となる年金受給者の方には、地方公務員共済組合連合会より事 情を説明したお詫びの通知を送付しています。 1.概要 平成27年10月の被用者年金制度の一元化により、2以上の実施機 関から年金を受けている方の在職老齢年金支給停止については、年金額 を合算し計算することになりました。 具体的には、在職支給停止額の総額を計算したうえで、その総額をそ れぞれの年金額で按分し、それぞれの年金の支給停止額を計算する仕組 みとなったものです。 このため、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、 日本私立学校振興・共済事業団及び日本年金機構の間で必要な情報交換 (年金額等)を行うこととなりました。 なお、新しい在職老齢年金支給停止の仕組みへの移行に当たっては、 支給額が著しく変動しないよう、配慮措置が取られています。 すなわち、一元化前から引き続き在職老齢年金支給停止が行われる方 については、従来の支給総額の9割を保障する等の激変緩和措置が講じ られることとなっています(別紙参照)。 この度、地方公務員共済組合連合会が、日本年金機構及び日本私立学 校振興・共済事業団に対して行った提供情報(激減緩和措置の計算に必 要な調整前支給停止額【注】の情報)に誤りがあったため、在職老齢年 金を受ける一部の方について、日本年金機構及び日本私立学校振興・共 済事業団における12月の定期支払において正しい在職支給停止計算 が行われず、誤った年金額で支払われていたという事象が判明しました。 【注】一元化前の厚生年金、共済年金において、それぞれ単独で支給停 止を計算した額 2.原因 被用者年金制度の一元化に伴い、上記のとおり在職老齢年金支給停止の 計算方式に変更が生じたところですが、激変緩和措置に必要な情報交換を 行う地方公務員共済組合連合会のプログラムに誤りがありました。 具体的には、地方公務員共済組合連合会から正しい調整前支給停止額を 日本年金機構及び日本私立学校振興・共済事業団に対して提供できなかっ たことが原因です。 3.影響 対象者の方については、日本年金機構及び日本私立学校振興・共済事業 団において支払った年金額に誤りが生じています。 <年金の支払いに影響が出た件数及び金額> (1)未払い 日本年金機構 支給額に影響した件数 268 件 平均額 11,068 円 最大額 165,810 円 最小額 10 円 総額 2,966,299 円 (2)過払い 日本年金機構 日本私立学校振興・共済事業団 計 支給額に影響した件数 4,666 件 433 件 5,099 件 平均額 6,767 円 4,745 円 6,596 円 最大額 125,466 円 22,994 円 125,466 円 最小額 3円 1円 1円 31,576,925 円 2,054,661 円 33,631,586 円 総額 4.対応 (1) 地方公務員共済組合連合会では、誤りのあったプログラムについて は既に修正を行い、日本年金機構及び日本私立学校振興・共済事業団に 対して正しい情報を提供いたしました。 これにより、日本年金機構及び日本私立学校振興・共済事業団では、 正しい情報に基づき、あらためて支給額の計算及び支給等の処理を行い ます。 (2) 対象者の方には、心よりお詫びをするとともに、日本年金機構及び 日本私立学校振興・共済事業団に対しては、平成28年2月以降の年金 の支払い等で、未払い金又は過払い金の調整をしていただくよう、お願 いをしております。 (3) 今回の事象を分析して、事故防止策として確認作業等をさらに徹底 していくこととします。 ≪問い合わせ先≫ 地方公務員共済組合連合会 年金業務部 電話 年金課 03-3470-9717 (別 紙) 激変緩和措置について 一元化前から引き続き在職老齢年金支給停止が行われる方については、激変緩和措 置として従前の支給総額の9割を保障する等の仕組みとなっています(以下は、65 歳以上の者の例)。 1 通常の在職停止の計算①と、9割保障の計算②の両方を行い、どちらか低い額 を支給停止総額として求めます。 計算① ( 次のとおり在職停止の計算を行います。 厚生年金額 -47万円 計算② { ) 共済年金額 + × 1/2 = + 標準報酬額 通常の在職停止計算の支給停止総額 次のとおり9割保障の計算を行います。 厚生年金額 + 共済年金額 + 標準報酬額 -(厚生年金の調整前支給停止額+共済年金の調整前支給停止額) }×0.1 +(厚生年金の調整前支給停止額+共済年金の調整前支給停止額) =9割保障を行った場合の支給停止総額 ※調整前支給停止額 一元化前の厚生年金、共済年金それぞれ単独で計算した支給停止額 2 上記1で求めた低い額の支給停止総額を共済年金、厚生年金の年金額で按分し て、それぞれの支給停止額を決定します。 (厚生年金分) 厚生年金の額 支給停止総額 = 厚生年金の停止額 × 厚生年金の額+共済年金の額 (共済年金分) 共済年金の額 支給停止総額 × = 共済年金の停止額 厚生年金の額+共済年金の額 (注)日本年金機構と地方公務員共済組合間だけでなく、日本私立学校振興・共済 事業団と地方公務員共済組合間でも、同様の計算を行います。この場合、上記 の厚生年金は、共済年金(私学)と読み替えます。
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