発熱、咽頭痛、筋痛 、心嚢液貯留を認めた 20 歳男性 鑑別診断 本例ではリウマチ熱と成人スティル病が重要 ★咽頭培養で A 群溶連菌陽性+睡眠中突然の痙攣性運動→リウマチ熱 改定ジョーンズ基準 主症状 副症状 心炎・弁膜炎 関節痛 シデナム舞踏病 発熱 輪状紅斑 赤沈または CRP 値の上昇 移動性多関節炎 心電図 PR 間隔延長 UpToDate より 皮下結節 *主症状 2 つまたは主症状 1 つと副症状 2 つ、および A 群レンサ球菌感染の証拠(抗レンサ球菌抗体価[ASO や抗 DNA 分解酵素-B]上昇、咽頭培養陽性、または迅速抗原検査陽性)が必要となる。 治療 ・安静 ・溶連菌に対する抗生物質(ペニシリン) ・大量アスピリン ★成人スティル病 Yamaguchi Criteria 1.発熱(≧39℃、1 週間以上) 大項目 2.関節痛(2 週間以上持続) 3.定型的皮疹(四肢や体幹の淡いピンク色の平坦な皮疹、掻痒感はほとんど無く平熱時には消褪) 4.80%以上の好中球増加を含む白血球増加(≧10000/mm3) 1.咽頭痛 2.リンパ節腫大 小項目 3.肝腫大または脾腫 4.肝機能異常 5.リウマチ因子および抗核抗体陰性 判定 大項目 2 項目以上を含み、合計 5 項目以上で成人発症 Still 病と分類する。ただし除外項目を除く。 除外項目 感染症、悪性腫瘍(リンパ腫など)、その他のリウマチ性疾患(血管炎など) ・心嚢液貯留は 4%、胸水貯留は 18%に認める。 ・除外診断のため、診断が遅れることが多い ・血球減少を認めた場合、血球貪食症候群の合併を考える ※鑑別は困難であるが、成人スティル病のほうが発熱のピークが高く、上がり下がりが激しい特徴がある。 ※本例では Yamaguchi criteria は 7 つ、Jones criteria は 3 つ(ただしすべて Yamaguchi criteria と重 なる)認めた。 ※本例では大量アスピリン+ペニシリンで効果なく、成人スティル病と診断し大量ステロイドと IL-1 受容 体アンタゴニストで治療し改善した。
© Copyright 2024 ExpyDoc