― 新中長期目標設定について教えてください ― 建設機械製品のCO2

― 新中長期目標設定について教えてください
CO2の排出をめぐっては、COP21に向けて各国が2020年以降の新たな目標を示してきていますが、コマツも、2020年、2030年の新たな中
長期目標を設定しました。これには、CO2だけでなく製品の燃費、廃棄物、水投入量といった製品のライフサイクル、資源の有効利用も考えて
目標を決めています。
CO2については、ライフサイクルで捉えたときに、建設機械製品からの排出が全体の90%程度と試算され、この削減が重要であることは明
確です。また、生産でのCO2排出についても生産性のさらなる飛躍を目指し、より積極的な目標値を設定しました。さらに、廃棄 物、水投入量
についても目標を設定し、日本だけでなく、世界の工場での資源有効利用を目指します。
― 建設機械製品のCO2削減についてお聞かせください
建設機械製品から排出するCO2をいかに減らすかについては、ハイブリッド建機のように燃費性能の優れた製品を開発してきました。2015
年には、さらに建設機械製品の使われ方まで活動領域を広げ、新たなソリューション「SMARTCONSTRUCTION」を提供できるようになりまし
た。これは、先進的な作業機の自動制御と革新的な地形測量技術、それらのデータを結びつける「KomConnect」と呼ばれるシステムにより、
工事現場での地形計測、設計、施工管理、そして高度に自動化されたICT建機での施工といった、工事現場を飛躍的に効率化するソリュー
ションです。これにより、飛躍的な効率向上がもたらされ建機からのCO2排出も大幅に削減されます。
― 生産での活動についてはどのように取り組んでいるのでしょうか?
2011年の震災後にスタートした電力削減活動も、2015年での目標達成に向けて、活動が進められています。
2014年は、画期的な構造と高い省エネ性能を実現した粟津新組み立て工場の稼働開始、そして、粟津工場でのバイオマス熱供給・発電設
備の導入と、大きな一歩を踏み出しました。バイオマスは熱供給と発電の両方を行い、総合的に高いエネルギー効率を実現しています。また、
その燃料となる木材の供給は地域の林業との協働であり、地域の特色を生かした「地産地消」という新たな活動につながったと思います。
もちろん、環境活動の基本である、「法の順守」、「資源有効利用」、「緑化率の向上」なども地道な活動として、確実に実施しています。
コマツは今後も先進の技術から生まれる優れた環境性能を実現した製品・ソリューションと、生産現場の革新的な効率化で、人々の生活を
豊かにしながら持続的な発展に貢献していきます。