ひまわりの群れ(撮影:岡部 秀朋様) 第3回「未来に伝えたい農業・農村の風景」フォトコンテストで、グランプリを受賞した作品です。 今月の表紙 米国議会の上下両院で TPA 法案が可決 特 集 農政連情報 ■農協法改正案が衆議院を通過 ■骨太の方針が閣議決定! ■参議院議員山田としお氏コラム ■人口が6年連続減少 ■ JA 全国中央会の新会長に奥野氏内定 ■第4回「未来に伝えたい農業・農村の風景」 フォトコンテスト∼くまもと作品募集 ■各連合会からのお知らせ 平成27年 8 No.307 発 行/熊本県農業者政治連盟 熊本市中央区南千反畑町2−3 電話 096-328-1284 編集責任者 藤川 修朗 平成9年7月4日第三種郵便物許可 発行日/平成 27 年 7 月 15 日・毎月1回 15 日発行 定価/1部 50 円(但し、会員の購読料は会費の中に含む) あ ぜ み ち 2045年問題・﹁コンピュータが人類 を 超 え る 日︵ 松 田 卓 也 著 ︶﹂、 と い う 新 書 を 題 名 に つ ら れ て 一 読 し た こ と が あ る。 アナログ人間の自分に理解できる内容で は な か っ た が、 現 代 の 科 学 や コ ン ピ ュ ー タ 技 術 の 最 先 端 は、 ま さ に 驚 異 の 世 界 で あることに触れる思いがした。 現代のコンピュータ技術は加速度的に 進 歩 し て お り、 あ る 時 点 で 爆 発 的 に 発 展 したコンピュータが人間の頭脳を超えて しまうという仮説が欧米では真剣に議論 さ れ て い る と 言 う。 そ れ が 2 0 4 5年 だ と主張する科学者がいることからその世 界で﹁2045年問題﹂と呼ばれている。 日 常 生 活 の 中 で も、 科 学 技 術 の 進 歩 は 日 増 し に 速 く な っ て い る 実 感 が あ る。 他 の本でだが、﹃現代社会の情報システムは、 人間の道具というイメージは適切ではな い。 我 々 は シ ス テ ム の 中 で こ そ 生 き て い るのだ。﹄とあったことを思い出す。 近代は、科学技術と資本主義経済とが 並 走 す る よ う に 発 展 し て 来 た が、 い ず れ も国家の枠を超えてしまいつつある。 経 済 が 拡 大 し、 情 報 シ ス テ ム が 急 激 に 進む世界の中で、一人の存在は小さいが、 自分の住む身近な共同体を生活基盤とし、 他の共同体との繋がりを広げて行くこと の重要性は、今後も変わらないと思う。 24 18 12 29 30 12 12 ○TPP 交渉で予想される最も 早いスケジュール ・6月29日 大統領貿易促進権限 (TPA)法案の成立 ・7月上旬(9日以降) 日米2国間協議の開催 ・7月中旬 参加12カ国による首席 交渉官会合の開催 ・7月下旬 参加12カ国による閣僚 会合の開催 TPP合意に向け交渉加速の恐れ ▲ TPP 対策委員会で交渉状況を説明する甘 利担当相(6 月 30 日自民党本部 日本農 業新聞提供) 米国議会の上下両院でTPA法案が可決 さない状況が続きます。 会合には議員120人が出席。 政府に対し、安易な妥協を許さない 期 限 あ り きで 拙 速 に 交 渉 を 進 め な い 粘り強い交渉を行うよう働きかける必 よう、農 畜産 物の重要品目な どの聖域 要があります。 確 保 を 求 め た 国 会 決 議の 遵 守 を 政 府 に ①関税など市場アクセス︵2国間協議︶ 念押しする声が相次ぎました。これに 7月下 旬 に も 開 か れ る 閣 僚 会 合に 果 が TPA 法 案 に 示 し た 条 件 や 水 準 対 し 、 甘 利 担 当 相 は ﹁ 交 渉 期 限 を 延 ば 1.TPA 法 案 可 決 と 政 府の 向け、各国は残る課題解決に取り掛か を満たさない場合、その権限を片方の せ ば、米 国 側の 要 求 がつ り あ が り、交 動き ることになり ます。日米両政府 も 2国 院の議決で剥奪できるとされています。 渉が難しくなる﹂と早期妥結に向けた 間で 隔 た りの 大 きい 農 産 品関 税 と 自 動 ︵法案では高い水準の貿易自由化が求め 政府方針に理解を求めました。 環 太 平 洋 連 携 協 定︵TPP︶の 交 渉 車 問 題 に つ い て 7月 9 日 以 降 に 実 務 者 られているようです。 ︶ 妥 結 に 必 要 不 可 欠 と して 参 加 各 国 が 注 主な意見は以下のとおりでした。 協議を行う見通しです。米国産主食用 このため、米政府は TPP 交渉に当 視していた、オバマ大統領に貿易促進 ○ TPP を成就︵妥結︶させること︵自 米の 特 別 輸 入 枠の 扱いが 最 大の 焦 点 と たって、こ れ までの 強 硬 姿 勢 か ら 簡 単 権 限︵TPA︶ を 与 え る 法 案 が 米 議 会 体 ︶で は な く、国益 を い か に 確 保 す なって い ま す。た だ、他の 参 加 国の 農 に変わることは難しいと考えられます。 の下院本会議で 6月 日、上院本会議 る か が 最 終 目 標。その た め に は、国 産 物 輸 出 国 と も 密 接 に 絡 み 合 う た め、 で同 日、それぞれ賛成多数で可決さ 日 本 は 期 限 を 設 け て 交 渉 を 急 げ ば、 会 や 党 の 決 議 を しっ か り 守 り 抜 い て 日米協議は、こうした状況を踏まえて 米 国 に さ ら な る 譲 歩 を 求 め ら れ ること れ ま し た。そして、オバマ 大 統 領 が 成就させることが大事だ。 ︵森山裕T 進められると見られています。 になりかねません。 日署名して TPA は成立しました。 PP対策委員長︶ ○こちらが浮き足立つ必要は全くない。 ②ルール・制度分野︵参加 カ国会合︶ これを受けて交渉参加 カ国は、2 国間による交渉を加速させる見通しで 2.自民党内の動き 焦っているのは米国側だ。 ︵斎藤健農 参 加 国 は、2国間 協 議 が 進 め ば、 カ国全体の問題解決を図るため、7月 あり、また 7月末までに参加国全体の 林部会長︶ 中旬にも首席交渉官会合を開き、下旬 大筋合意を目指した首席交渉官会合と 米 国 議 会 の TPA 法 案 可 決 を 受 け、 ○国益にかなう決着をみるよう頑張っ に 閣 僚 会 合 を 開 く 方 向で 調 整 さ れてい 閣 僚 会 合 を 開 催 す る 方 向で 日 程 調 整 を 政府 が交渉妥結を急いでいるため、6 ていかなければならない。 ︵谷垣禎一 るようです。 行っているといわれています。 月 日に自民党 TPP 対策委員会など 党幹事長︶ の合同会合が開かれました。 ○国会決議をぜひ守り、期限を切らず ここでは、知的財産権︵特に新薬デー 甘 利 TPP 担 当 相 は、TPA 法 案 タの 保 護 期 間 ︶や 国 有 企 業 な ど を め ぐ の可決を受けて﹁閣僚会合に臨める環 に、日 本 が 主導 権 を とって 進 めて 欲 る先進国と新興国との対立が焦点と 境 を 作 り た い。 ﹂ 、その 上で﹁ 7月 を タ しい。 ︵岡田広参議・茨城︶ なっています。 イ ム リ ミッ ト と し て 閣 僚 会 合で 合 意 を 図 る こ と が 望 ま し い ﹂ と 7月 中 の 交 渉 3.今後の交渉の動き 妥 結 に 意 欲 を示 し ま し た。ま た、今 秋 の 臨 時 国 会で 国 会 批 准 を 目 指 し た い 考 TPA が成立したことで、参加各国 えも明らかにしました。 が ﹁ 最 終 カ ー ド ﹂ を 切 り や す く な り、 妥 結 に 向 けて 大 き く 前 進 す る 恐 れ が 高 このように、政府 はこの機 を逃さ ず 早期妥結を図りたい考えです。交渉権 まっていくと予想されます。 限 を 得 た 米 政 府 が 難 航 分 野で 譲 歩 す る TPP 交 渉 を 主 導 す る 日 米 両 政 府 のではという期待もあるようです。 は、ア メ リ カの 大 統 領 選、日 本の 来 夏 の 参 議 院 選 挙 への 影 響 を に ら ん で 早 期 しかし、今回可決した TPA 法案は ﹁条件付きの権限移譲﹂であり、交渉結 妥結を目指しているとされ、予断を許 特 集 No.307 みどりの風 2015.7.15(2) 骨太の方針が閣議決定! 場の活性化に向けて﹁政府として必要 政 府 は 6月 日 臨 時 閣 議 で 経 済 財 政 運営の指針となる骨太方針と成長戦略、 な後押しをする﹂としています。 ① JA 理事の過半数を認定農業者らに 規制改革実施計画をそれぞれ決定しま すること。 ○規制改革実施計画 した。農業関連の主な内容は次のとお 農地中間管理機構︵農地集積バンク︶ ② JA への公認会計士監査の義務付け りです。 のテコ入 れ 策 や 農 業 経 営の法 人 化、専 ③ 全 中・県 中の一般 社 団 法 人 化・連 合 門家による経営支援体制の整備、輸出 会への移行 ○骨太方針 促進などが成長戦略と同様に盛り込ま ④准組合員の利用規制に関する検討規定 与党の強い意向を踏まえ土地改良に ついて﹁ 高 付 加 価 値 化・生 産コス ト 削 れました。 ⑤JAの事業目的規定の見直し 減に資する農地の大区画化・汎用化な ま た、農 協 改 革で は﹁ 連 合 会・単 協 特 に ⑤ の 事 業 目 的 規 定 の 見 直 し につ どを一層推進する﹂と明記されました。 が農業者の所得向上に向けた活動に全 いて は、新 た に﹁ 農 業 者 所 得の 増 大 2016年度予算編成をにらみ、土地 力投球していくとの観点から、農協改 に 最 大 限 配 慮 ﹂す る こ と が 明 記 さ れ 改良のための農業・農村事業の予算増 革集中期間における連合会・単協の自 ることとなりました。 額 に 向 けて 強 い 表 現 が 盛 り 込 ま れ ま し 己改革が確実に達成されるよう促す﹂ これは、JAの職能組合化を強めよ た。民 主 党 政 権下で 大 幅 削 減 さ れ、政 とされました。 う と す る もので、ひいて は 准 組 合員の 権 交 代 後 は 補 正予 算での 対 応 が あ る も 利用制限につながる懸念があると、野 のの、元の予 算 水 準 に は戻ってい ない 党、参考人から削除を求める声が相次 自民党三役がそろって 背景があります。 ぎ ま し た。最 終 的 に、法 案 は 修 正せ ず 異例の農業視察! 附帯決議で﹁地域の重要なインフラ を ○成長戦略 先 月 号 に 掲 載 し ま し た よ う に、 担う農協の役割を踏まえること﹂を盛 遊 休 農 地への課 税の 強 化・軽 減の 検 2 014年度から各都道府県に新設さ ﹁本年度に検討し可能な り 込 む こ と で 決 着 し ま し た。 し か し、 討を打ち出し、 れ た 農 地 中 間 管 理 機 構︵ 農 地 集 積 バ 限り早期に結論を得る﹂とされました。 法的拘束力はなく、准組合員の利用制 ンク︶の初年度貸付実績は低調な結果 こ れ は、転 用 期 待 か ら、担い 手への 農 限への不安は払拭されていません。 でした。 地集約化が進まないとして、遊休農地 今回の農協改革は、そもそも政府の これを重く受け止めた自民党は、7 への 課 税 強 化 を 答 申 し た 規 制 改 革 会 議 諮問 機 関で あ る 規 制 改 革 会 議 に 端 を 発 月4日に秋田、福井、鳥取の3県に視 して お り、昨 年 5月の 答 申 内 容 は、現 ︵議長=岡素之住友商事相談役︶の提案 察 団を派遣し、現場の声から課題を把 を 踏 ま え た もので す。し か し、こ れで 場を無視した過激なものでした。 握 し 改 善に向 け た 議 論 に生か す と し は 貸 し 手で あ る 農 家 が 抱 いて い る 不 安 ています。今回、党農林水産戦略調査 政府の審議会を使った手法は、小泉 や、営農条件が不利なため遊休農地と 内 閣 か ら 規 制 改 革 を 断 行 して い く 中で 会 ︵西川公也会長︶が働きかけて、こ な り や すい という 実 情 は 解 消で き ま せ とられ始めましたが、安倍政権での規 れに自民党三役の谷垣禎一幹事長、二 ん。貸したくても貸せずに税負担が強 制改革の断行もまた、同じ手法です。 階 俊 博 総 務 会 長、稲 田 朋 美 政 調 会 長 化される懸念があります。政府与党に が参加することになったものです。 審議会のメンバーは、国民が選挙で も慎重論があり、今後の税制改正に向 選んだ議員ではありません。内閣府設 視察では、飼料用米、農業基盤整備 け議論になりそうです。 置法に基づくものの、現場の声が届く な ど について も 視 察 内 容 に 加 え ら れ のか問題があるのではないでしょうか。 米政策改革では、指標性を持つ現物市 ました。 ∼参議院へ送付される∼ 農協法改正案が衆議院を通過 政府提出の農協法改正案 が、6月 日、衆議院を通過しました。農業協同 組合の根幹に関わる 年ぶりの大改革 です が、与野党の審議は十分尽くされ たとは言い難く、改正案の最大目標に 掲げる﹁農業所得の増大﹂は具体的な 道筋が示されないままでした。 同法案は参議院に送付後、7月 3日 に本会議で趣旨説明が行われ、審議入 り し ま し た。今 後 は、参 院 農 林 水 産 委 員 会 に 付 託 さ れ、9日に 趣 旨 説 明、 日 に も 本 格 的 な 審 議 が 始 ま る 見 通 しで す。 改正案に盛り込まれた主な項目は以 下のとおりです。 (3)No.307 みどりの風 2015.7.15 30 14 ▲賛成多数で農協法改正案を可決した衆院本会議 (6 月 30 日、国会 日本農業新聞提供) 60 30 農政連推薦 TPP 交 渉 に お い て は、そ れ ぞ れ の 国 の﹁ セ ン シ テ ィ ビ テ ィ﹂ や﹁ 譲 参議院議員山田としおの れ な い も の ﹂ を 互 い に 認 め 合 い、 米 に 国 議会の駆け引きや強気の姿勢に左 右 さ れ な い で、 日 本 の 主 張 を 通 す 取 り組みに全力を挙げてほしいと思い ま す。 ま さ に、 国 土 も 違 う、 農 業 の 形 態 も 異 な る、 そ う し た﹁ 各 国 の 多 様 な 農 業 の 共 存 ﹂ を、 米 国 に 認 め さ せ る 取 り 組 み を、 改 め て カ ナ ダ や ベ ト ナ ム やマ レーシア 等々の 国々 と 連 農 協 法 等 改 正 案 が、 衆 議 院 か ら 参 議 院 に 回 っ て き ま し た。 衆 議 院 で な 携して進めるべきなのです。 された附則の一部修正により、 ﹁関 係 さ て、 今 年 の コ メ の 価 格 も 大 き な 者 の 意 識 の﹃ 啓 発 ﹄ を 図 る ﹂ と い う 課 題 を 抱 え て い ま す。 と い う の は、 文 言 が 追 加 さ れ た こ と に、 驚 き ま し 出 来 秋 の 夏 に、200 万 ト ン を 超 え た。 る 在 庫 が あ れ ば、 年、 年、 年 と 米 価 が 大 き く 下 がった の と 同 じ 事 ﹁啓発﹂という言葉は、国語辞典に よ る と﹁ 専 門 家 と し て の 観 点 か ら一 が 起 こ り か ね な い か ら で す。 米 価 低 般の 人 が 看過 し が ち な 問 題 点 につい 迷 は、 J Aが 概 算 金 を 低 く 設 定 し た て 知 識 を 与 え る こ と ﹂ と なって い ま か ら だ と す る 意 見 が あ り ま す が、そ す。 こ の 言 葉 に 私 は 大 き な 危 惧 を 感 れ は 違 い ま す。 在 庫 が あ っ て、 米 価 じ ま す。 政 府 に と っ て、 そ れ ほ ど 現 の 取 引 価 格 も 下 が っ て い た か ら、 概 行 の J Aの 在 り 方 に 対 す る 不 満 が あ 算 金 を 低 く 設 定 せ ざ る を 得 な かっ た る と い う こ と な の で し ょ う。 今 回 の のです。 改正案が持つ狙いをいみじく も示す ま ず、こ の 在 庫 を 減 ら さ な け れ ば ものであると思います。 米 価 は 上 が り ま せ ん。 水 田 の フ ル 活 ﹁地 用 で、不 足 す る 麦 や 大 豆 や 飼 料 用 米 一方で、衆議院の附帯決議には、 域のた めの 重 要 な インフラ と して 農 を 作 付 す る、そ の た め に 必 要 な 政 策 協が果たしている役割を十分踏まえ や助成金を維持 る こ と ﹂ が 盛 り 込 ま れ ま し た。 こ の し充実させる、ま ことを踏まえた政府の対応について、 た、必要な土地改 参 議 院 で しっ か り と 審 議 が 行 わ れ な 良や排水等の基盤 け れ ば な り ま せ ん し、そ の 過 程 で 浮 整備対策を充実さ か び 上 が っ た 懸 念 等 は、 政 府 が 今 後 せる。私は、これ 明らかにしていく政省令等で実現し らのことに全力を 7 月 2 日 第 回農協 人文化賞記念パーテイ ていくことが求められます。 挙げます。 ︱で挨拶 農 協 法 等 の 改 正、 TPP、 米価、 大きな 山場が来ました 18 JA全国中央会の 新会長に奥野氏内定 萬 歳 章 会 長 の 辞 任 表 明 に 伴 い、 JA 全 中 の 次 期 会 長 に、JA 三 重 中央会会長の奥野長衛氏︵ ︶が7 月2日に内定しました。 全中代議員︵定数251人︶によ る投票の結果、全中の役員推薦会議 が得票数の多かった奥野氏を次期会 長候補として推薦することが決まり ました。 8月 日の臨時総会で正式に決定 されます。 結果を受け、奥野氏は同日、記者 団に対し﹁一番上は組合員、地域住 民という組織にしたいという思いが 強 い ﹂ と 強 調 し た 上 で、﹁ 協 同 組 合 で本当に大事なのは、事業。中央会 の役目は黒子役。事業を前面に打ち 出し、仕事をしっかりやっていきた い﹂と述べました。併せて、米価低 迷 や TPP へ の 対 応、 東 日 本 大 震 災の復興支援に取り組む意欲を示し ました。 11 68 人口が6年連続減少 総務省は 7月 1日、住民基本台帳に 基づく人口動態調査を発表しました。 それによると、国内の日本 人の人口 は 1 億 2 6 1 6万 人 で 前 年 か ら 万 人 減少しました。これで 6年連続の減少 と な り、調 査 開 始 以 来、最 大 数の 減 少 であり、人口減少に歯止めをかけるの は困難な情勢です。 一方、厚 生 労 働 省 は、戸 籍 な ど を も と に 出 生 な どの 人口 動 態 統 計 を 公 表 し ました。1人の女性が生涯に産むと見 込 ま れ る 子 供 の 数︵ 合 計 特 殊 出 生 率 ︶ は、 1.42と前年を若干下回りました。 平 成 年 か ら 上 昇 傾 向 が 続 いて い ま し た が 9年 ぶ り に 低 下、団 塊 ジュニアの 世 代 が 代 と なっ た こ と が 影 響 し た と みられ、今後も出生率の低下が加速す ると懸念されます。 都道府県別にみると、地方圏より都 市圏の出生率が低い傾向にあります。 東 京への一極 集 中 が 続 く な か、出 生 率が最低という状況は日本社会の存立 基盤に関わる問題となっています。 ▲次期 JA 全国中央会会長に内 定した奥野氏 27 ○出生率の低い都道府県 東京都 (1.15) 京都府 (1.24) 北海道 (1.27) 奈良県 (1.27) 宮城県 (1.30) 40 ○出生率の高い都道府県 沖縄県 (1.86) 宮崎県 (1.69) 島根県 (1.66) 長崎県 (1.66) 熊本県 (1.64) 農 政 問 題 19 22 37 26 No.307 みどりの風 2015.7.15(4) 「 明 治 日 本 産業 革 命 遺 産」 が世界文 化遺産に決定 ユ ネ スコの 世 界 遺 産 委 員 会 は、 7 月 5 日 九 州・ 山 口 を 中 心 と し て 8県 施 設 で 構 成 す る﹁明治日本の産業革命遺産﹂ の 世 界 文 化 遺 産 へ の 登 録 を、 全会一致で決定しました。 万 田 坑︵ 荒 尾 市 ︶ と 三 角 西 港︵ 宇 城 市 ︶ が 県 内 施 設 と し て は、 初 め て 世 界 文 化 遺 産 に 登録されました。 た だ、 戦 時 中 の 朝 鮮 人 労 働 者の徴用問題に関する意見陳 述の 表 現 を め ぐ り 日 韓 両 国の 調整が難航︵熊本日日新聞︶し、 審 査 が 1日 延 期 さ れ て の 登 録 決定でした。 せっ か く の 世 界 文 化 遺 産へ の 登 録 が、 ま た 新 た に 日 韓 の 政治問題化したことは残念で し た。 こ の こ と で、 両 国 間 に ある歴史認識の問題がさらに 悪化しないよう願うしかあり ません。 西 洋 の 近 代 産 業 を 学 び、吸 収 し て、 自 国 の 発 展 を 成 し 遂 げた明治期の先人達の苦労と 歴史を偲ぶ良い機会ができた ことを素直に喜びたいと思い ます。 23 第4回 作品 「未来に伝えたい 中 集 募 農業・農村の風景」 農業・ 農村の風景」 フォトコンテスト∼くまもと 第4回「未来に伝えたい農業・農村の風景」 フォトコンテストを下記のとおり実施します。 なお、 入賞作品の一部は「農村環境保全キャ ンペーン」のCM や情報誌等の各種印刷物の 素材として使用させていただきます。 〈応募期限〉 平成28年1月31日(日) 締切 〈対象作品〉 ●熊本県内で撮影した未発表のもの。 ・応募テーマ: 『農業・農村の美しい四季の風 景』 『風景と農作業』 『地元の祭りや催事』 『農 畜産物を食べている人物の写真』 など ・応募作品の撮影時期は問いませんが、著し く古い写真などはお断りする場合もござい ます。 〈応募方法〉 ・web・スマートフォンからご応募ください。 web 応募先 http://rkk.jp/japhoto/ フォトコンテスト応募ページよりご応募く ださい。 スマートフォン応募先 [email protected] ①名前②郵便番号③住所④TEL ⑤メールア ドレス⑥年齢⑦作品名・撮影場所を必ず明 記の上、ご応募ください。 ( 未記入の場合は 応募対象となりません。 ) ・300 万画素以上のデジタル写真(500 万画 素以上を推奨) 〈応募規定〉 ・一人当たりの応募数は10点までとします。 ・他のコンテストなどで入賞していないもの に限ります。 ・応募作品は返却できませんのでご注意下さい。 ・応募に係る諸費用については応募者ご自身 の負担となります。 〈表彰〉 ■グランプリ…1点 賞金5万円(副賞:農 産物) ■RKK 賞…1点 賞金2万円(副賞:農産物) ■JA グループ熊本賞…3点 賞金1万円(副 賞:農産物) ■入選…20点 3千円相当の農産物 ■入賞発表 平成28年2月中旬 その他、詳細についてはRKK 専用ホーム ページをご覧ください。 主催/JA グループ熊本、 RKK 熊本放送 協賛/「熊本みどり・食・環境基金」 後援/熊本県、熊本県教育委員会、熊本日日新聞社 (5)No.307 みどりの風 2015.7.15 や活動紹介、一般消費者に向けたメッ 届け農家の〝想い〟 セージなど﹁農業者の熱い想い﹂が伝 ∼フェイスブックを わる内容とそれに合わせた写真、動画 活用し情報発信∼ を掲載していきます。 J A グ ル ー プ 熊 本 は 、 イ ン J A熊 本 中 央 会 農 政 広 報 部 の 担 当 職 ターネットの交流サイト︵フェ 員は﹁生産者からの情報発信を加える イスブック︶を活用した新たな ことで、一人でも多くの農業、農村、 取り組みとして、熊本県農協青 J Aへ の 理 解 者 や フ ァ ン を 増 や す こ と 壮 年 部 協 議 会 、 J A熊 本 県 女 性 組 織 に繋がればうれしい﹂と話しました。 協議会、フレッシュミズと連携した 情 報 発 信 を 2 0 1 5年 6月 日 か ら スタートさせました。 これまでの更新に加え、メッセー ジ性のある﹁農業者の想い﹂をテー マに掲げ、﹁現場の生の声﹂をプラ スすることで、情報発信の強化を 図っていきます。 環 太 平 洋 連 携 協 定 ︵ T P P︶ や 農 協改革などの重要課題に直面し、今 後の農業や農協組織の在り方が問わ れている今こそ、一般消費者に訴え かけるためには、実際に現場で活躍 している生産者が情報を発信するこ とが必要であると企画しました。担 当 は 3組 織 の 交 代 制 。 各 組 織 の 概 要 JA 中央会 ▲ フェイスブックを活用し、情報発信の 強化を図る 25 ▲JAグループ熊本のフェイスブックもチェック! https://www.facebook.com/jakumachu ﹁カレーで野菜たくさん食べて﹂ ハウス食品 株 ( と ) JA熊本経済連がタイアップ ▲ 試食会で大好評だった「熊本県産トマト・なす・ アスパラガスのカレー」 の﹁トマト﹂のほか、﹁なす﹂﹁アス JA熊本経済連は6月 日、 パラガス﹂を紹介しました。熊本県提 ANAクラウンプラザホテル福 案のカレーは、同時に行われた試食会 岡︵福岡市︶でハウス食品㈱が でも﹁たくさんの種類の野菜が入って 開いた﹁カレー&スパイスアク いて栄養もあり、美味しい﹂と参加者 ション九州・地産地消フォーラ からは好評でした。 ム2015﹂に参加しました。 今 後 も ハ ウ ス 食 品 ㈱ と J A熊 本 経 済 今 年 で 6回 目 と な っ た フ ォ ー ラ ム 連は協力し、カレー消費のピークとな は、ハウス食品㈱が地方自治体や る 7 ・8 月 に あ わ せ 熊 本 県 内 で ﹁ カ 九 州 の J Aな ど と 協 力 し 2 0 0 9年 レーアクション熊本﹂と題した販売促 から推進している活動﹁カレーアク 進活動を行う予定です。店頭での試 ション九州﹂の一環。地域食材を 食 販 売 と ポ ス タ ー で の P Rに 加 え 、 テ 使ったカレーのレシピで﹁地産地 レ ビ C Mや パ ン フ レ ッ ト で 消 費 者 に 県 消﹂と﹁食料自給率アップ﹂を目指 産野菜を使ったカレーをアピールしま しています。フォーラムでは、九州 す。 各県がカレーに合う食材を提案。 J A熊 本 経 済 連 は 、 生 産 量 が 全 国 1位 JA 経済連 16 ▲ フォーラムで熊本県産野菜を紹介するJA熊本経 済連の職員 No.307 みどりの風 2015.7.15(6) できる園児参加型の交通安全ミュージ 〝 J Aく ま 〟 親 と 子 の 交 カルとなっており、平成 年度から実 通安全ミュージカル﹁魔 施し、これまでに全国で 万人以上の 法園児マモルワタル﹂を 園児・保護者の皆さんに楽しんでいた 開催 だいています。当日は、園児の代表が 去る 7月 3日︵金︶あさぎ り町須恵文化ホールにおい ステージに上がり、実際に横断歩道を て、 JAくま管内の幼稚園・ 渡って観客である園児にお手本を見せ 保育園の園児・先生・保護者 るなど、交通安全ルールの大切さを自 な ど 約 5 6 0名 を 招 待 し て 、 ﹁ 親 と 分のこととして一所懸命に学ぶ姿勢が 子の交通安全ミュージカル﹃魔法園 多く見られました。 児 マモルワタル﹄﹂が開催されま ∼社会貢献活動にかかる した。 交通安全啓発資材∼ この催しは、園児が実際に舞台に 上がり、出演者と一緒に横断歩道の ﹁くまモン交通安全タスキ﹂ 完成 正しい渡り方などを体験すること で、交通ルールを楽しく学ぶことが J A 共 済 で は 、 交 通 事 故 防 止 を 図 り、地域住民︵特に高齢者、児童︶へ の安全な生活環境づくりに貢献するた めに、交通安全啓発資材﹁くまモン交 通 安 全 タ ス キ ﹂ を 4 0, 0 0 0本 製 作 しました。大人気の﹁くまモン﹂をデ ザインに起用して、小さなお子さまか らお年寄りまで可愛く着こなせるタス キに仕上がりました。 J A共 済 は 、 こ れ か ら も 皆 さ ま と の 絆・地域との絆を大切にしながら、共 済事業と地域貢献活動の積極的な取組 みを通じて、豊かで安心して暮らせる 地域社会づくりに貢献していきます。 JA 共済連 ▲JAくま 22 16 !! る事もあるそうで す。偏った食事によ 脂肪肝について る ダ イエット を 行い、リ バ ウンド を 繰 り 返 す と 、肝 臓 に 負 担 を か け 、病 気 に ︻脂肪肝とは︼ なる恐れがありますので、気をつけま 食事で摂った脂肪は、小腸で しょう。 脂肪酸に分解され、肝臓に送ら ︻改善方法︼ れます。しかし、糖分・脂 質・ アルコール等を過剰に摂りすぎ ① 低 カロリー・低 脂 肪 食で バランス の良い食事を心掛けましょう。食べ過 ると、肝臓に送られる脂肪酸が ぎの 方 は 食 事 量 を 減 ら す 事 や 適 度 な 運 増え、脂 肪 酸 か ら 生 成 さ れ る 中 性 脂 動も効果的です。 肪 が 増 え る 事で 脂 肪 肝 に な り ま す 。 ②肥満の方は、早歩きなどのやや強 健 康 な 肝 臓 で も 3∼ 5% の 脂 肪 を 含 めの運動をしましょう。そうすること んでい ま す が 、5%を 超え た 場 合 を で 、体 重 が 減 ら な くて も 、肝 臓 に 蓄 積 脂肪肝と言います。年 代として は し た 脂 肪 が 減 少 し た り 、善玉コレステ ∼ 代 に 多 く 、男 性で は 歳 前 後 、 ロール や 肝 臓の 炎 症 を 防 ぐ 物 質 が 増え 女 性で は 代 以 降の 中 高 年 に 多 く 、 る事が分かってきました。 性 別で は男 性の 方 が 多い 傾 向 が あ り ③ ア ル コー ル を 飲 み す ぎ な い 様 に し ます。 ま しょう 。肝 臓 は﹁ 沈 黙の 臓 器 ﹂と 言 ︻脂肪肝の症状︼ わ れてい ま す 。そ れ は 、肝 臓 は再 生 能 自覚症状が無い 力・代 償 能 力 に 優 れ 、ダ メージ を 受 け 為、定期的に健康診 ても残った正常細胞が余分に働き、機 断を受ける事をお 能を維持します。その為肝臓に異常が 勧めします。 あっても気付かず、自覚症状が出た時 ︻非アルコール性脂肪性肝炎︼ は症状がかなり進行している事があ アルコールを飲まない人でも脂 り ま す 。定 期 的 に 健 康 診 断 を 受 け 、血 肪 肝 か ら 肝 炎 、肝 硬 変 、肝 臓 が んへ 液 検 査 や 超 音 波 検 査 で チ ェッ ク し な が と病状が進行していく事がありま ら、脂肪肝になる前にきちんと管理し す 。こ れ を 非 ア ルコール 性 脂 肪 性 肝 ましょう。 炎︵ 通 称 N A S H︶と 言 い ま す 。原 因の一つ と して 考 え ら れ るの が 、無 理 な ダ イ エッ ト と リ バ ウ ン ド を 繰 り 返 すこ とで 肝 臓 に 負 担 を か け る 事で す 。ダ イエット で 痩 せ た 女 性で も 、 栄養バランスを崩し脂肪肝になる と 、非アルコール 性 脂 肪 性 肝 炎 に な 70 JA 厚生連 40 40 30 (7)No.307 みどりの風 2015.7.15 あ と ﹁虫追い祭り﹂ けた高さ ∼ メ ー ト ル も あ る 真 竹 を 1人 20 ●盟友の皆様のご意見や周辺地域の話 題、写真などお寄せ下さい。 連絡先 熊本県農業者政治連盟 ︵電 話︶096ー328ー1284 ︵FAX︶096ー326ー5807 ︵Eメール︶ [email protected] 練り歩きます。 で操り、田植えが終わったばかりの土手を 15 天草市の河浦町一町田地区に古くから伝 わる虫追い祭りです。 5色の吹き流しを付 す。 フォトコンテストの入選作の中の一点で 撮影者 田代 幸士様︵宇土市︶ が第3き 回﹁未来に伝えたい農業・農村の風景﹂ 15481050173 No.307 みどりの風 2015.7.15(8)
© Copyright 2024 ExpyDoc