江田 裕貴 - 愛媛大学工学部 環境建設工学科

選択肢集合から複数選択する場合の分析手段の検討
愛媛大学 工学部 環境建設工学科 交通工学・都市環境計画研究室
江田裕貴 倉内慎也
背景
 交通需要予測の現状
行動調査
行動結果から
将来需要を予測
個人の交通行動を観測
 PT調査
 プローブ調査
問題点
 新路線の新設などの交通計画の影響を考慮できない
 所要時間や運賃などの交通サービス水準が導入できな
いため投資効果が把握できない
 四段階推定法
など
そこで
仮想調査
調査方法
•
•
•
仮想の状況下における行動意図を尋ねる
問題点
回答の信頼性が低い
 いい加減さ
政策操縦
など
順位付け
上位複数個選択
一対比較
目的
注目したもの
仮想調査
•
•
順位付けの特徴
順位付け
上位複数個選択
 情報量が多い
 被験者の負担が多い
 回答の精度が下がる
仮想調査とは?
上位複数個選択の特徴
仮想の状況下における行動意図を尋ねたデータ
交通サービスレベルを変化させて同一個人から複数のデータを得ることが可能
 被験者の負担が少ない
 回答の精度が高い
 情報量が少ない
[例]もし,選択可能な手段が以下の3つが存在した場合,どれを選択しますか?
(使用する可能性のある順に順位を付ける or 2つ選ぶ)
選択肢の数
選択肢1
選択肢2
選択肢3
鉄道:所要時間30分
運賃500円
自家用車:所要時間40分
駐車料金400円
自転車:所要時間60分
駐輪料金100円
モデルの精度
どれが望ましいのか
を検討
研究内容
選択順位が分かっている場合

上位 T 番目までを
P I  
選択する場合の選択確率
n
exp
 I
T

t 1
対数尤度関数の
微分が意味すること
J


J t
 VIn
モデルの適合度を示す対数尤度関数
N J T
exp I  VIn 
ln L 
d In ln J
n 1 i 1 t 1
exp J  VJn 


exp J  VJn 
J 't
N
 I
T

定数項  I の1階微分
定数項
n 1 t 1
 2 ln L
の2階微分
 I
2
d In 

ID
1
2
d11 d12
1
0
0
0
d1J d21 d22
n11 n12
1
2
P11 P12
0.8
0.1
0.05
0.1

0
1
0
0
nt1 nt2
PT1 PT2
PTJ
合計
0.1
0.7
0.1
0.2
0.05
0.1
0.5
0.01
T
T

0.1
0.7

n1J' n21' n22'
n2J'
nt1' nt2'
ntJ' NT
0.01
0.1
0.1
0.7
n12  n22    nT 2  n12 ' n22 '   nT 2 '
対
数
尤
度
ln L
T番目に選択する確率
P2J



d In Pn I 1  Pn I   0
n1J  n2 J    nTJ  n1J ' n2 J '   nTJ '
ntj
P1J P21 P22
0.6
0.1

n11  n21    nT 1  n11 ' n21 '   nT 1 '


n11' n12'
1
n2J
0
1


0.8
1
0
0

合計
0.1

モデルによる選択予測
2番目に選択する確率
0.1
0.5




図1 定数項 I の2階微分が意味すること







N
0
n1J n21 n22
1番目に選択する確率
ID
0
T

In

I :順位付選択結果ベクトル


I  i1 , i2 ,, it ,, iT 

jnt : t 番目を選択する際に直面している
 選択肢集合ベクトル
 
J :任意の選択肢集合ベクトル J  j
nt


exp I  VIn  
exp I  VIn  
1  T

T
exp J  VJn  
exp J  VJn 
 J t

J t

0
T
n 1 t 1

1

0
0
n 1
n が t 番目に選択する選択肢
dTJ


合計
0
1
0
dT1 dT2

N
0
1
N

Pn I 
int:個人
T番目に望ましいもの
d2J







0
1

n 1 t 1


表1 定数項 I の1階微分が意味すること
1番目に望ましいもの
N
N
 d

実際の選択結果
2番目に望ましいもの

定義
0.6
0.1
0.1
T
T

Pn I 
0
T
極値=最大値
n  n '
ti
t 1
ti
t 1
モデル式のパラメータは唯一の解を持ち,
コンピュータで解析的に求めることが可能
今後の研究予定
選択順位が不明の時のモデル式を算出
実際にアンケート調査を行い,順位付けと上位複数個選択において,モデルがどの程度異なるのか,分析する