修学旅行は私の完敗でした! 校長 星野 純一郎 1月14日(水曜日)から

修学旅行は私の完敗でした!
校長
星野 純一郎
1月14日(水曜日)から16日(金曜日)まで沖縄へ修学旅行に行ってきました。お
蔭様で天気は…と言いたいところですが、実は2日目は風が強く19度とは名ばかりの、
半袖では震えるような寒さでした。そのような厳しい寒さの中でも生徒は集中して体験学
習に取り組んでいました。もちろん初日の平和学習も3日目の道の駅「かでな」や座喜味
城跡、首里城、国際通りも熱心に取り組まれていました。そんな私が今回の修学旅行で心
に残った思い出を2つ紹介します。それは、いずれも初日に起こりました。
1つ目は往きの飛行機で起こった出来事です。私は島に赴任したことも有るので国内線
の飛行機には良く乗ります。いつもマニュアルどおりに明るく笑顔の溢れるCAの方々に
ホッとすることが多々ありました。しかし今回は違いました。それは、機内でお弁当を食
べている時に起こりました。これまでも全乗客に一斉にサービスをする時間帯に飲み物を
頂いた経験は何回もあります。私も緑茶をお願いしました。通常はCAの方が通られる1
回だけのサービスが、実は私が席を立っている間に、もう1杯サービスされていました。
更に、そのコップを返しにCAの方の所へ行ったとき、トイレが「利用中」だったので自
席へ戻ったら「前のトイレを、お使い下さい。」とわざわざ、ご案内いただいたのです。恐
らくマニュアルにはサービスは1回だけと書かれているはずです。増してや「空いている
トイレを案内すること。
」というマニュアルは多分どこの会社でも無いと思います。しかし、
その方は実行したのです。座席の社内報には社長が「マニュアルを超えた、おもてなし」
と書かれていました。
もう1つはホテルの夕食時に起こりました。出発前しおりに私は「今でも心に残ってい
る修学旅行の、たった一つの風景」と題して15年前の修学旅行の夕食での出来事を、こ
う書きました。
全体で「ご馳走様」が済んだのに3人の女の子が、まだ食べていました。
(中略)見ると
彼女たちは周りのスキ焼鍋に入っている肉や野菜を集めて食べているのです。私は「どう
したの?そんなに、お腹がへったの?」と聞きました。彼女たちは「いいえ。もう、お腹
は一杯です。でも先生、お肉や野菜を鍋に入れないで残しておくのなら使い様も有ります
が、煮た物は食べなければ、そのまま捨てられちゃうだけなんですよね。」と答えてくれま
した。
(中略)ホテルの人たちは、どんどん周りから攻めてきましたが、私は、その後も約
30分その子たちに付き添っていました。
実は、こんなことをするのは私と同じ古い人間で少数派だと思っていたのですが、今回
は短い生徒でも15分から30分、長い生徒は1時間も「食べ物を粗末にしない」責任感
のある深高生の姿を見ることが出来ました。しかも15年前よりもホテルの厳しい状況に
付き合い、生徒を見守って下さった引率の先生が今回は私以外に2人もいました。私は同
志が増えたような気分で嬉しくなりました。
12月24日(水曜日)テレビ東京の「スケッチ」という番組で深沢高校茶道部が紹介
されました。その時に2人の生徒が「お茶を通して相手の方を喜ばせる茶道」
「気付く力は、
この3年間ですごくついたと思うし、そういうことを学べる部分が楽しい。自分が出来る
一番のパフォーマンス、おもてなしをしようと思っている」と答えています。
今回、起こった出来事と茶道部の生徒のコメントは決して無関係ではないと私は思って
います。
「相手の方を喜ばせる」「気付く力を学べる」場は、実はあちらこちらに有るのか
もしれません。今回の修学旅行は、私にも出来る「一番のパフォーマンス、おもてなし」
に出会えた時間だったように思います。気付かせて下さった皆さん本当に、ありがとうご
ざいました。