機器分析

№1 分光光度計
◎分光光度計
吸光光度計
蛍光光度計
①紫外可視吸収スペクトル法と吸光光度法
・紫外可視吸収スペクトル法
有機化合物自体が持っている吸収スペクトルを利用する方法
・吸光光度法
主として無機イオンの吸収および有機呈色試薬と
無機イオンとの反応後の吸収スペクトルを利用する方法
②可視光線,赤外線,μ波
波長:γ線<X 線<紫外線<可視光線<赤外線
赤外線
近赤外線
波長 (μm) 0.75
2.5
波数 (cm -1 ) 13,300
通常の機器分析に用いる領域
25
4,000
10,000
波数[cm ] =
波長[μm]
−1
③吸光光度分析の基本法則
1) Lambert の法則
濃度一定の場合
I
log10 0 = a ' l ※a'…比例定数
It
l
光
2) Beer の法則
光路長一定の場合
I
log10 0 = a" c ※a"…比例定数
It
3) Lambert-Beer の法則
I
log10 0 = a l c ※a …比例定数
It
l=1cm,c=1mol/l のときの a の値をモル吸光係数εという
4)その他
・吸光度 A = log10
5
400
※
・透光度 (透過度,透過率) T =
遠赤外線
2000
It
I0
I
1
= − log10 T = log10 0
T
It
・透過パーセント %T = 100×T
※透過パーセント → 吸光度
A = log10100-log10%T = 2- log10%T
I0
・
吸収セル
(ガラス)
(石英)
It
・
C
I 0 :入射光の強さ
I t:透過光の強さ
C:物質濃度
l:光路長
◎Lambert-Beer の法則
JIS:吸光度 E =ε・l・c
=モル吸光係数×光路長×モル濃度
米国式:吸光度 A = a・b・c
=モル吸光係数×光路長×モル濃度
・混合物の場合 (M+N…2 成分)
Lambert-Beer の法則の加成性が成立
E = (ε M cM + ε N c N ) × l
④装置
[光源]
W(タングステン)ランプ:可視,近赤外用 …350∼2500nm
D2(重水素)ランプ
:紫外部用
…190∼400nm
↓
[波長選択部]
分光器(モノクロメータ) …回折格子,フィルター
↓
単光束 (シングルビーム)
複光束 (ダブルビーム)
↓
[試料室]
吸収セル:可視部以上の波長…ガラス,石英製
紫外線…石英製
↓
[検出器]
光電管,光電子増倍管 (フォトマルチプライヤー)
…光量に応じて光電流が発生する
↓
[データ処理]
⑤装置の校正 (JIS0115)
a) 波長目盛の校正
輝光スペクトルを利用
1) 水素放電管
→ 486.13nm, 656.28nm
2) 重水素放電管 → 486.00nm, 656.10nm
3) 石英低圧水銀放電管 → 紫外領域:253.65nm, 365.01nm
可視領域:435.88nm, 546.07nm
b) 吸光度目盛の校正
二クロム酸カリウム (クロム酸カリウム)溶液+0.05mol/l-KOH
K2Cr2O7 + 2KOH → 2K2CrO4 + H2O
⑥溶媒について
純溶媒のみでも吸収がある
端吸収 …透明限界付近における溶媒の吸光
水は紫外部にも吸収を示さない溶媒
・主な有機溶媒の可測最短波長
シクロヘキサン
メチルアルコール
エチルアルコール
イソプロピルアルコール
1,4-ジオキサン
ジエチルエーテル
220(nm)
220(nm)
220(nm)
220(nm)
240(nm)
245(nm)
250(nm)
270(nm)
275(nm)
290(nm)
290(nm)
335(nm)
クロロホルム
ジメチルホルムアルデヒド
四塩化炭素
ベンゼン
キシレン
アセトン
⑦誤差
濃度決定の相対誤差ΔC/C は、吸光度の値が 0.4343 の時に極小となる。
↓
検量線をつくるとき、吸光度は 0.43 付近になるような濃度を用いればよい
⑧感度の表現
a) モル吸光係数ε
光路長 1cm,濃度 1mol/l の時の吸光度の値
[l mol-1 cm-1]
b) Sandell sensitivity φ
吸光度 0.001 に対する目的元素のμg/cm3 数
[μg/cm3]
c) モル吸光係数と Sandell sensitivity
目的元素の原子量
ϕ=
ε
※ ε>105:高感度分析 → 微量分析可能
№2 一般的な吸光光度法
①呈色反応
有機試薬 …例) チタン定量の過化水素
発色試薬 
無機試薬 …例)キレート試薬
1) キレート試薬
N N
N
OH
オキシン
N,O-配位
N
N
H3C
CH 3
1,10-フェナントロリン ネオクプロイン
銅,Fe(Ⅱ)
銅(Ⅰ)に特異的
N,N-配位
N,N-配位
N
N
S
C
N N
ジチゾン
N,S-配位
2) イオン会合試薬
有機溶媒を用いたとき、多価,イオン半径が小さいほどイオン会合しやすい
↓
水溶媒を用いたとき、
価数が小さく、イオン半径が大きいほどイオン会合しやすい
例)ローダミン B (略:R)
イオン対生成に用いるため、試薬の溶存状態が重要
a) ベンゼン,エーテル溶液中
O
(C2 H5 )2N
N(C2 H 5)2
C
O
C O
ラクトン型 (無色)
b) 極性の強い水,アルコール,アセトン中
+
N (C2 H 5 )2
O
(C2 H5 )2N
C
C OO双性イオン R + - (紫色)
№3 吸光光度法(原理)
①光を原子,分子,イオンに当てたときのエネルギー差
光吸収前エネルギー E1、光吸収後エネルギー E2
・Bohr の条件
E2 − E1
を満足する光だけが吸収される
振動数ν=
プランク定数h
②分子の持っているエネルギー E
E = E 電子+E 振動+E 回転
1) E 電子 (電子エネルギー)
電子エネルギー準位間の差 (励起エネルギー):∼100kcal/mol
電子の遷移
波長
励起エネ
電磁波
スペクトル
ルギー
(nm)
励起の種類
遠紫外線
真空紫外スペクトル
100∼200
286∼143
σ電子の遷移
紫外線
紫外スペクトル
200∼400
143∼72
n,π電子の遷移
可視光線
可視スペクトル
400∼800
72∼36
n,π電子の遷移
2) E 振動 (振動エネルギー)
振動エネルギー準位間の差 (励起エネルギー):∼5kcal/mol (赤外,IR)
3) E 回転 (回転エネルギー)
回転エネルギー準位間の差 (励起エネルギー):∼0.01kcal/mol (遠赤外,マイクロ波)
③電子遷移(1)
1) 許容遷移
電荷分布の対称性が異なっている電子状態の間の遷移
電子遷移の確率:0.1∼1
モル吸光係数 :104 以上 →分析に利用可
2) 禁制遷移
等しい程度の対象性を持つ電子状態の間の遷移
電子遷移の確率:0.01 以下
モル吸光係数 :103 以下 →分析に利用困難
④原子間の結合の種類
1) σ電子
結合軸の方向で結合
2) π電子
結合軸に垂直な方向で結合
3) n 電子
酸素,窒素,ハロゲンでは相手との原子と結合できず 2 個の電子が原子内で対をなす
σ*
反結合性軌道
n→σ *
遷移
π*
非結合性軌道 n
σ→σ *
遷移
π
π→π *
遷移
n→π *
遷移
結合性軌道
σ
π→π* … 短波長側,非常に強い吸収
n →π* … 長波長側,弱い吸収
⑤電子遷移(2)
1) π→π* (許容遷移)
エタン,メタンなどの単結合のみを有する化合物に紫外,可視光線を投射しても
光を吸収しない
H
H
H
C σ C
π
光
H
H
H
C
H
σ C
π*
H
エチレンのような二重結合を持つ分子は紫外線を吸収して電子遷移が起こる
σ電子は光によって励起されない
2) n →π* (禁制遷移)
酸素,窒素を含む化合物では、酸素原子や窒素原子には結合に関与しない電子が
残されている
例) ホルムアルデヒド
H
‥‥
H:C:O:
n
光
π*
H
‥・
H:C=O:
⑥吸収帯の区分
1)
n →π* …R-吸収帯
Radikalartig
遊離基(ラジカル)的
2) π→π* …
a) E-吸収帯
Ethylene
芳香族構造に特性的である
E 吸収帯…180nm付近
ベンゼン  1
E 2吸収帯…200nm付近
b) K-吸収帯
Konjugierte (共役的)
・π-π共役構造をもつ分子
例)ブタジエン,メシチルオキシド
・発色置換基をもつ芳香族分子
例)スチレン,ベンズアルデヒド,アセトフェノン
・大きな吸光係数 ε> 10,000
・共役ジエン(-C=C-C=C-)あるいはポリエン(-(C=C)n-)系のπ-π*転移(K 吸収帯)
は溶媒極性変化を観察することによりエノン(-C=C-CO-)系の吸収帯と見分
けることができる
c) B-吸収帯
Benzenoid
・芳香族あるいはヘテロ芳香族分子のスペクトルに特性的である
・ベンゼンは多重吸収帯すなわち微細構造を含む 1 個の幅広い吸収帯を 230 と
270nm の近紫外領域に示す
⑦波長シフト
深色移動 (レッド・シフト) …長波長側に移動 (λmax が増大)
浅色移動 (ブルー・シフト) …短波長側に移動 (λmax が減少)
⑧吸収強度
濃色効果 …吸収強度が増大する (εが増大)
淡色効果 …吸収強度が減少する (εが減少)
⑨スペクトルと化学構造
1) 多重結合の共役
→ レッドシフト,濃色効果
2) ベンゼン
一置換体 (n,π電子) → レッドシフト,濃色効果
二置換体 (電子吸引基と電子供与基)
→ 相乗効果によりレッドシフト
3) 置換基の立体化学
立体障害 → 淡色効果
4) 溶媒 (高い極性)
π→π* → レッドシフト
n →π* → ブルーシフト
5) キレート化 (キレーション)
→ レッドシフト
⑩金属錯体
(簡単なものはアコ錯体)
d-d 遷移吸収帯
配位子吸収帯
CT 吸収帯
⑪金属錯体の紫外可視スペクトルの見方
1) 吸収帯の分類
a) 遷移金属に特有な d-d 吸収帯
b) 配位子に特有な配位子(Ligand)吸収帯
c) 特定の金属イオンと配位子の組合せによって現れる電荷移動吸収帯 (CT 吸収帯)
2) d-d 吸収帯
d 殻(電子最大 10 個)の電子数が 1∼9 のものが対象
≪特徴≫
a) 一般に吸収強度が強い (ε> 100)
b) 六配位錯体 (正八面体構造)
d-d 吸収帯の吸収曲面の外見は、配位子が何であってもアコ錯体とかなり近似
配位子による吸収の位置変化 [分光化学系列]
I- → Br- → S2- → Cl- → NO3- → F- → OH- → C2O42- → H2O → NCS→ CH3CN → NH3 → en (エチレンジアミン) → bpy (2,2’-ビピリジン)
→ phen (1,10-フェナントロリン) → NO2- → CN- → CO
の順に短波長シフト
3) 配位子吸収帯
・配位子と結合し、錯体をつくると吸収帯(錯体の吸収帯)は著しく短波長側あるいは
長波長側に移行し、その強度や形状も目立って変化する。
・Irving-Williams 系列
… 二価イオンの配位能力の大きさ
Ba2+ < Sr2+ < Ca2+ < Mg2+ < Mn2+ < Fe2+ < Co2+ < Ni2+ < Cu2+ > Zn2+
・一般に、金属-配位子結合が強固になると、
… 電荷大,半径小,Irving-Williams 系列の右側
↓
配位子吸収帯は、配位子だけのときと比べて大幅な移動と変化を起こす
4) CT 吸収帯
配位子本来の吸収との分離も良く、特定の金属イオンに特異的であるため、
定量分析に最も多く用いられる。
hν
a) M n+ : L →
M( n+1)+ : L−
光吸収によって、電子が重金属イオン Mn+から配位子 L へ飛び移る電子移動吸収帯
Mn+:酸化されやすい重金属イオン
L :電子を取り込むエネルギーの低い空の軌道を持つ配位子
hν
b) M n+ : L- →
M( n−1)+ : L
光吸収によって、配位子 L-から Mn+へ電子が飛び移る電子移動吸収帯
Mn+:還元されやすい重金属イオン
L- :エネルギーの高い不安定な電子を抱えた配位子
№3 一般的な吸光光度法
①呈色試薬の開発
反応物のモル吸光係数εが数十万 → 超高感度性
a. 試薬が光に対して安定
b. 反応速度
c. 試薬,反応生成物の分離が良い
a) クラウンエーテル系
アルカリ金属,アルカリ土類金属の定量
b) ポルフィリン系
金属(Cu,Pb,Pd,Cd)の定量
②接触反応
酸化還元反応
加水分解反応
置換反応
酵素反応
+α(触媒:定量成分)
③光分析
錯体の組成 → 組成比の決定 (モル比法,連続変化法)
化学反応を明らかにする
④モル比法
構成要素 … A,B
A,B どちらかの濃度を一定にする
もう一方の濃度を変化させる
[ B]
[ A]
モル比…
または
[ A]
[ B]
折れ曲がり点が1のとき、
A:B = 1:1
したがって、錯体は
AB
吸
光
度
不完全反応
完全反応
モル比
⑤連続変化法
構成要素 … A,B
[A]+[B]が一定になるように[A],[B]を変化させる
→ ABn
A + nB 
x
n =
1− x
吸
光
度
x = 0.5
→ n=1 ∴AB
x = 0.67 → n=2 ∴AB2
⑥液体クロマトグラフィー
液クロの検出器 → 紫外吸光光度計
280,254nm の吸光度測定
紫外部の吸収がない(弱い) → 誘導体化
例) 脂肪酸 → フェナツルエステル化
⑦フローインジェクション分析法 (FIA)
バッチ法 → 流れ分析
化学非平衡
⑧二波長分光法
濁ったサンプルに効果的である
⑨微分スペクトル法
⑩流通測定法
⑪光音響分析 (PAS)
⑫サーマルレンズ吸光光度法
感度が従来法の数千倍の感度
サーマルレンズ効果 …熱による屈折率の変化
№4 蛍光光度法
①蛍光光度法
・蛍光波長は一般的に吸収した光(励起光)の波長よりも長波長側に移ることが多い
= エネルギー失活
・感度が吸光光度法より 1∼3 桁は高い
= 微量分析を可能にする
②蛍光物質
・蛍光物質
共役二重結合を多数有する平面分子が多い
・消光物質
蛍光物質との相互作用により蛍光強度を減少させる物質。定量成分になる。
③光消光になる原因要素
1) 濃度消光
2) 常磁性イオンの存在
着色イオン (Fe3+, Ni2+, Cu2+)
3) 酸素の存在
4) 温度消光
温度を高くすると、蛍光光度は減少する
5) 重原子の存在
ハロゲン化物イオン,重金属イオン
④分光蛍光光度計
1) 光源 (励起光)
水銀灯,キセノンラプ
2) 検出器
光電子増倍管 (フォトマルチプライヤー)
3) 測定
セルと検出器の関係
⑤スペクトル測定
励起光(短波長)
波長変化
1)
2)
波長固定
蛍光(長波長)
波長固定
波長変化
→ 励起スペクトル
→ 蛍光スペクトル
⑥物質の蛍光分析
1) 無機化合物
それ自体に蛍光性のものはない
a) 蛍光試薬との反応
例:溶媒抽出-蛍光分析による Pb の定量
b) 化合物または単体の消光
例:水溶性ポルフィリンによる Cu の定量
2) 有機化合物
それ自体に蛍光性を持つものがある
a) それ自体の蛍光測定
例:血清アスコルビン酸の蛍光測定
b) 誘導体化
例:Br-DMEQ を用いた有機酸の蛍光測定
№5 赤外吸収分光法
①分子の振動
フックの法則より、
力の定数
=
換算質量
振動数ω(rad/sec) =
f
µ
ここで、ω=2πνだから、
振動数ν =
1
1
f
=
2π µ 2πc
k
(cm −1 : カイザー)
µ
換算質量μは
M 1M 2
µ=
M1 + M 2
で表される。
力の定数 k は、
単結合:約 5.2×105 dyn/cm
二重結合:約 10.6×105 dyn/cm
三重結合:約 16.2×105 dyn/cm
力の定数が大きいほど、高波数(高エネルギー)側に吸収を持つ
[例] C-C 結合の力の定数 k を 4.5×105 dyn/cm とすると、 ν は何 cm-1 か。
[解] 換算質量は
12
12
⋅
23
M 1M 2
6
×
10
6
×
1023 = 1 × 10 − 23
µ=
=
12
12
M1 + M 2
+
6 × 1023 6 × 1023
従って、振動数は、
ν (cm −1 ) =
4.5 × 105
1
10
2 × 3.14 × 3 × 10
1 × 10 − 23
= 1125cm −1
②振動
例) メチレン基-CH2 の振動モード(伸縮,変角)
1) 伸縮振動 (ν)
対称 (symmetric)
→ νsCH2
非対称 (antisymmetric) → νasCH2
2) 変角振動 (δ)
はさみ,縦ゆれ,横ゆれ,ひねり → δCH2
③赤外吸収
1) 入射光のエネルギーが Bohr の量子条件を満たすこと
2) 分子の振動により分子の双極子モーメントが変化すること
3) 吸収郷土は双極子の変化量の二乗に比例する
4) 振動エネルギー準位間のエネルギー差は回転エネルギー準位の変化だけ増減がある
④吸収帯
波数[cm −1 ] =
10000
波長[μm]
1) 3600∼1500cm-1
多重結合や X-H(N-H,O-H,C-H など)の一方が特に軽い伸縮振動
2) 1600cm-1∼低波数領域
C-C, C-N, C-O, C-ハロゲンなど各種単結合の伸縮振動
各種グループの変角振動
3) 1300∼650cm-1
指紋領域 (finger-print region)
化合物によりすべて異なる
4) 吸収帯の位置と強さ
バネが強い程、また構成原子の質量が小さい程、その振動の吸収波数は高位置
例) 伸縮振動吸収帯
単結合:700∼1500cm-1
二重結合:1600∼1800cm-1
三重結合:2000∼2500cm-1
例) O-H 伸縮振動
O-H:3600cm-1 , O-D:2630cm-1
⑤帰属
1) 伸縮振動
同じ結合の伸縮振動が隣接したときは対称(symmetric)と非対称(asymmetric)の二つの
吸収が認められ、一般に非対称の吸収は高波数側に現れる。
n 原子分子 → 3n 個の自由度
↓
3 個 … 併進
3 個 … 回転 (直線状の分子では 2 個)
基準振動数
(3n-6)個 [非直線状の分子]
→ 振動 → IR
(3n-5)個 [ 直線状の分子]
※双極子モーメントに変化が起こらなければ、
吸収帯の数は減少する (⇒ 赤外不活性)
2) 水の IR 吸収
水は非直線状分子だから、
基準振動数 3×3 ‐ 6 = 3 個
1.
O
3655cm-1 対称伸縮振動
H
H
ペア
2.
O
H
H
3756cm-1 逆対称伸縮振動
H
1595cm-1 変角振動
3.
O
H
3) CO2 の IR 吸収
CO2 分子は直線状分子だから、
基準振動数 3×3 ‐ 5 = 4
赤外活性 2 個,赤外不活性 2 個
1340cm-1 対称伸縮振動 →赤外不活性
1.
O→C←O
2.
O→←C=O→ 2349cm-1 逆対称伸縮振動 →赤外活性
3.4. ↑
O=C=O
↓ ↓
- + O=C=O
667cm-1 変角振動 →赤外活性,縮重した振動
↓
1 つとして数える
⑥検出
1) 熱的検出器
・特徴 (欠点)
レスポンスが遅い
感度が低い
・代表例
パイロ検出器 → 焦電効果 (pyroelectric effect)
磁性体は分極する(残余分極) … 温度との相関
2) 量子的検出器
・特徴
レスポンスが遅い
・代表例
半導体検出器
光あり
→ 導電体
半導体 
光なし
→ 絶縁体
半導体 
電気抵抗の変化
3) フーリエ変換型 IR (FT-IR)
原理:マイケルソン-モーレーの干渉
位相 (強め合うか、干渉するか)
4) FT 型 IR と分散型 IR
教科書