中古マンション内見時のチェックポイント 集めた情報から購入候補の中古マンションを選んだら仲介会社に段どりを 依頼し、内見に行きます。今回紹介するような観点でチェックしてみましょう。 内見時のキーワードは「劣化の程度」と「今のライフスタイルへの 適合度」 中古マンションをチェックする際は 2 つの観点が重要だといいます。 「まず劣化の程度。壁クロスが変色していたり、一部に汚れが残っていたり と、中古住宅には傷みがあるものです。自分が入居するにあたり、どれくらい 手を入れなければならないかを確認することが必要なんですね。次に今のライ フスタイルへの適合度。ひと昔前と今とでは、日常的に使用する家電品・設備 の種類や量がまったく違います。特にマンションの場合は施工に制限があるの で、後から解決できないこともあります。そこで、今どきの暮らしを送れるか どうかという観点が大切なのです」。この点を踏まえ、チェック箇所を紹介し ていきます。 劣化の有無や程度 1 給水・排水 売主の許可をとり、実際に水を出してみます。キッチンや洗面台、浴室など は、シンクや浴槽に水を溜めてから流してみましょう。出てくる水の勢いが弱 すぎないか、スムーズに排水されるかをチェックします。 「トイレも含め、水まわりすべてで確かめてください。特に、空室状態が長 い物件や、セカンドハウスとしてたまにしか使われなかったような物件は、支 障があっても売主自身が気づいていないこともあるので、しっかり確認しまし ょう」 2 水道配管 給排水をチェックする際は、キッチンシンクや洗面台の下も見ましょう。 「特に、配管まわりがカビで黒ずんでいるような場合は、配管にゆるみなど が生じていて水が漏れ出ている恐れがあります。きれいな場合でも、写真のよ うに水を流しながら配管をつかんで湿り気の有無を確認してください。トイレ では、便器や配管まわりの床部分にティッシュなどを敷いて水を流し、ティッ シュに水が沁みてこないかどうかをチェックしましょう」 3 外に接している壁の内側 外壁に入ったヒビから雨水が染み込んできていると、室内の壁や天井が黒ず むことがあります。 「この現象は、屋根や庇がなく、直接雨がかかるような外壁の屋内側に出や すいものです。特に壁や天井の隅に出やすいので、確認してみてください。黒 ずみの原因が雨漏りの場合、外壁のヒビなどの修理が必要なため、室内のクロ ス交換では根本的な解決になりません。大規模修繕工事が計画されているか、 管理組合に聞いてみましょう」 4 扉や引き戸など 居室と廊下の間や収納部分などに付いている扉や引き戸は、実際に動かして みましょう。 「引っかかるような感じがある場合は、枠に歪みが生じていることも考えら れます。場合によっては、枠ごと交換することになりますが、周囲の壁をはが すなど、工事が大掛かりになることも考えられます。開閉がスムーズにいかな い箇所がある場合は、どのような対処が必要になるのか、ホームインスペクタ ーなどのプロに診てもらいましょう」 今のライフスタイルへの適合度 1 電力の契約アンペアと専用回路 住戸内の分電盤を見ましょう。 「まず、左側の大きなブレーカーを見て契約アンペア数を確認します。今の 住まいよりアンペア数が低い場合は、管理会社に変更可能か確認してください。 マンション全体の使用電力量の関係で上限が決まっていることもあるからで す。右に並ぶ小さなブレーカーは、回路名称を確認。電力消費量の大きな家電 品を多く使うキッチンやエアコンなどは、それぞれ専用回路になっていると、 家電類を同時使用してもブレーカーが落ちにくくなります」 2 エアコン室外機用の穴や換気口 エアコンを設置したい部屋には、室外機用の穴があるか確認しましょう。 「マンションの場合、基本的には自分で壁に穴を空けることができないから です。古い物件などでは、リビングにしかエアコン設置が想定されていないこ ともあるので、注意してください。また、日々の健康面への配慮として、外気 を取り入れる換気口の有無も確認しましょう。壁に換気口が設置されていなく ても、サッシ上部にガラリが付いていれば大丈夫です」 3 コンセントの位置や数 冒頭で触れたように、ひと昔前と今とでは使用する家電品の種類や量が異な ります。コンセントの位置や数をチェックしましょう。 「壁の石膏ボードをはがすような大掛かりなリフォームを施す場合は、設置 個所を増やせますが、クロス交換程度で済ます場合は、増やせないこともある からです。また、マンションの場合、個人では通信回線を引き込めないケース もあるので、インターネット環境がどうなっているのかも確認しましょう」 4 給湯器のサイズ 給湯器には、20 号や 24 号などのサイズがあります。号数が大きいほど、 一度に使えるお湯の量が多くなることを意味しています。 「給湯器のサイズが小さいと、2 カ所同時にお湯を使った際に、片方の給湯 量が物足りないと感じることがあります。設置場所のスペースやマンション全 体のガス使用量によっては、大きなサイズに交換できないこともあるので、自 分たちの家族構成やライフスタイルをよく考えながら確認してください」 5 冷蔵庫置き場や洗濯機置き場のサイズ 冷蔵庫や洗濯機は、事前に使用したい機種のサイズを確認しておきましょう。 内見時は、置き場の寸法を測って、設置可能かどうかをチェックしてください。 「特に冷蔵庫は、年々容量が大きくなる傾向にあります。古い物件などの場 合、今どきは当たり前のサイズが入らないこともありえるので注意が必要です。 なお、外から運び込むときのことを想定して、玄関口や廊下、洗面所の出入り 口などのサイズも測っておきましょう」 内見に行くならこんな点も確認を せっかく時間をとって内見に行くからには、できるだけ多くの判断材料を集めて比較 検討したいもの。ここまで紹介してきた点以外にもぜひチェックしていただきたい項目 を以下にまとめましたので、実際に内見に行く際の参考にしてください。 【音の響き具合】 直上階や隣りの住戸からの音の響き具合は、内見だけではチェックしきれないこともあ ります。マンション内の他の入居者に聞いてみるといいでしょう 【共用部分の状態】 共用廊下や非常階段などの共用部を見て、管理の程度をチェックしましょう。ゴミなど が放置されず清潔になっているか、電灯が切れたままになっていないかなどで確認でき ます 【ゴミ置き場や駐輪場の様子】 いずれも、住人のマナーが表れやすい場所です。ルールを守って清潔に使われているか どうかを確認しましょう 【駅や学校、商業施設などの場所や所要時間】 最寄駅からの所要時間や経路は、必ず自分の足で確認しましょう。子どもを通わせるこ とになる学校や商業施設などについても、同様にチェックしたいところです 【周辺の生活利便施設】 「安くて使い勝手のいいスーパー」「信頼できるクリニック」など、実際に住んでいる からこその有益な情報もあります。売主に「暮らすうえでのアドバイス」として聞いて みましょう
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